漫画

やけくそ天使


ジャンル:ギャグ,



以下はWikipediaより引用

要約

『やけくそ天使』(やけくそてんし)は、吾妻ひでおによる日本のギャグ漫画作品。『プレイコミック』(秋田書店)誌上で1975年(昭和50年)1月11日号から1980年(昭和55年)1月10日号まで連載された。

続編として『やけくそ黙示録』がある(『マンガ少年』(朝日ソノラマ)1981年(昭和56年)2月号から5月号まで連載)。

解説

吾妻ひでおの代表作の1つで、全体的にパロディーネタやエロティックな雰囲気など、様々な要素を詰め込んだギャグ漫画でもある。

登場人物

阿素湖素子(あそこ そこ)

本作のヒロインでもあり主人公。作中では姓の「阿素湖」で呼ばれることが多い。初登場時は看護婦(白衣の天使)だったが、第一話で勤務先の病院をクビになり、以後、スチュワーデス、教師、専業主婦、家政婦、アイドル歌手、会社社長など、さまざまな職業を転々とする。連載中盤で結婚するが(ただし、三重婚の上入籍していなかった)、うやむやのうちに離縁している。とてつもないスケベで、徹底的に自由奔放、かつ自己中心的な性格のトラブルメーカー。傍若無人で天下無敵だが、なぜか相棒の進也にだけは頭が上がらない。女性でありながらエロ本を読んだり、股間で話す等の習性がある。話が進むにつれて超能力者のような活躍をしたり、果ては不老不死になってしまう。分裂したりサイボーグ化を遂げたりなど、人外の能力をもつ、吾妻作品最強のキャラクター。終盤になると、虚無感に囚われて一度「うつ状態」になってしまった事がある。
最終回では往生際の悪さを発揮し、テレポーテーション能力を使って、『月刊プレイコミック』に連載されていた『贋作ひでお八犬伝』(1979 - 80年)の世界に乱入、吾妻ひでお率いる「阿素湖討伐隊」と戦いを繰り広げた。また、『メチル・メタフィジーク』(1979 - 80年)には、本作のプロローグ的なエピソードがある。他に『どろろん忍者』(1979 - 80年)、『チョコレート・デリンジャー』(1980 - 82年)などにも登場。
『やけくそ黙示録』では何の脈絡もなく若返り、女子中学生として登場した。血液型はO型。連載中に掲載誌が休刊したため、ファンからは、自分の掲載誌にすら容赦のない「まことに恐ろしいキャラクター」と(冗談で)評されている。
作者は「このキャラあまりにも無敵なんで制御できなくなった」と評している。
進也(しんや)

第4話から登場。素子の養子。初登場時は小学生で、途中で中学校に進学。素子とは違いしっかりしているが、トラブルに巻き込まれてしまう事も少なくなく、主にツッコミ役を担当。以前は両親と一緒に暮らしていたのだが、両親が駆け落ちしたため孤児になってしまい、同じアパートの隣室に住んでいた素子に養子として引き取られる。素子とは親子というより姉弟のような関係で、素子のことを「おねーちゃん」と呼ぶ。名前の元ネタはあいざき進也。
『やけくそ黙示録』では中学校教師として登場。
吾妻ひでお(あづま ひでお)

この漫画の作者。しばしば作中に登場して話をひっかきまわす。当時、アグネス・チャンの熱狂的なファンだったため、何度かアグネス・チャンを強引に作中に登場させている。
連載終了後はアシスタントと「阿素湖討伐隊」を組織し、他作品に逃亡した阿素湖を追跡している。

評価

みなもと太郎はエッセイ『お楽しみはこれもなのじゃ《漫画の名セリフ》』で、本作の名ゼリフとして、吾妻ひでおの「とーとつですが アルジャーノンに はなたばをあげてやってください」というセリフを取り上げ、「「とーとつですが」の前置きで科白の価値を見事に崩壊させている」と評している。当時、みなもとの仲間うちではこの科白が流行したという。

サブタイトル

タイトル順、タイトル表記は秋田漫画文庫版に準拠。

番外編

『プレイコミック』別冊号(1977年(昭和52年)4月25日号)に「デラックス号協賛特別麻雀編・新宿(ジュク)の雀狼」のタイトルで掲載された、麻雀劇画のパロディー作品。この番外編は単行本化の際に「特別ふろく ゲキガのつもり」と改題され、秋田漫画文庫第4巻、秋田文庫第3巻のそれぞれ巻末に収録された。

単行本
  • 秋田漫画文庫『やけくそ天使』秋田書店(1977年 - 1980年、全5巻)
  • プレイコミックシリーズスペシャル『やけくそ天使』秋田書店(1986年、2巻までで中断)
  • 秋田文庫『やけくそ天使』秋田書店(2000年、全3巻)

『やけくそ黙示録』は以下に収録。

  • サン・コミックス『やけくそ黙示録』朝日ソノラマ(1982年)
  • サン・ワイド・コミックス『やけくそ黙示録』朝日ソノラマ(1987年)
  • ハヤカワ文庫『アズマニア 3』早川書房(1996年)