アンシーズ
ジャンル:トランスセクシュアル,
小説
著者:宮沢周,
出版社:集英社,
レーベル:スーパーダッシュ文庫,
巻数:全3巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『アンシーズ』は、宮沢周による日本のライトノベル。イラストは久世が担当。スーパーダッシュ文庫(集英社)より2009年9月から2010年3月まで刊行された。第八回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞作。
あらすじ
ごくごく普通の常識的な高校生、木之崎朋(きのさき とも)は転入先の火群ヶ棚(ひむらがだな)学園高校なる男子校を下見に訪れる。うっかり眠ってしまい、気がつくとどういうわけかサーベルを持った金髪碧眼の美少女『ヒカル』とハンマーを振りかざす黒い甲冑『黒耀』との戦いに巻き込まれてしまう。状況が分からずに慌てる朋に、ヒカルは抜刀針を与えてアンシーに変身させる。そして朋は、訳も分からぬまま自らの「男」を武器に変える、アンシーたちの戦いに巻き込まれていくことになる。
登場人物
アンシー
主要なアンシー
当初はヒカルと力王丸の二人で支えていた小サークル。朋の加入をきっかけにメンバーが増え、結束も高まっていく。個々の能力が非常に高く、生徒会からも一目置かれている。
木之崎 朋(きのさき とも)
本作の主人公、火群ヶ棚学園高校に転校してきた少年。転校初日、情報処理室で戦うヒカルと黒耀に遭遇したことから、アンシーたちの戦いに巻き込まれることに。基本的にはごくごく普通の常識人だが、幼少の頃の父のとある言葉から、自分の行動の結果はどのようなものであれ責任を取ろうとする頑固な一面も持つ。男を抜いた姿は髪が常時より伸び、力王丸曰く「控えめ癒し系美少女」。カタナの形状は日本刀で、銘は言想心丸(げんそうこころまる)。抜刀気が全開の状態なら相手のカタナを簡単に両断できるヤイバを持つ。また、それとは別にカタナ同士を触れ合わせたり、他のアンシーと肉体的に接触(握手、キスなど)することで抜刀気を奪ったり自分から分け与えたり出来るというヤイバもある。志士名は『トモ』。
ヒカル
言動がやたら男らしい金髪碧眼の美少女。黒耀との戦いに朋を巻き込んでしまい、朋の身を守るため緊急避難的に抜刀芯を与えてアンシーに変身させた。アンシーのはずだが公認抜刀日にしか学校に現れず、また納刀している姿を誰も見たことが無い。過去の記憶のほとんどを失っており、気づいたときにはカタナを手に立ち尽くしていたという。また、なぜか納刀することが出来ないため、抜刀空間から出られない。周囲にはそれを呪いと説明している。正体は十年前に行方不明になった女子高生七海光(ななみひかる)が、折られたアンシーのカタナを妄執によって再現したためにアンシーとしての力を手に入れたイレギュラーな存在。そのため、アンシーでありながら正真正銘の女の子である。少女と女性の間のような容姿を持つ。カタナの形状はサーベル。志士命は『ネームオブジャスティス』。
俵屋 力王丸(たわらや りきおうまる)
ヒカルと共に戦うアンシー。少女趣味の可愛らしい衣装に身を包んだ、美少女然とした容姿だが、れっきとした男。趣味は裁縫で、自ら立ち上げた手芸部の部長もしている。自分の作った衣装を着たり、可愛い女の子に着せたりするのが大好きで、抜刀した朋の姿をとても気に入っている。姉がいるらしく、ヒカル曰く家族思い。男を抜いた姿は彫りの深い顔立ちの、ニューハーフを思わせる「ハンサムな女性」で、力王丸自身はその姿をかなり嫌っている。カタナの形状は裁縫針で、抜刀気で編まれた檻秘(おりひめ)という布を作ることが出来る。これにより結界を張ったり、倒した敵を拘束したり出来る。檻秘の効果は力王丸が抜刀を解除しても持続する。志士名は『リカ』。
松平 光羽(まつだいら みつう)
生徒会五守の一人だったが、自身のヤイバの力を自覚する前の朋によってカタナを折られ、女になってしまった。最初は生徒会の人間としてヒカルたちと敵対していたが、女子になってからは復讐を謳いながら朋の傍に居座る。普段の朋には惜しみない愛情を注ぐようになるが、抜刀した状態の朋を見るとカッターナイフを取り出す、ある種のヤンデレに成長。元生徒会五守の一角として恥ない戦闘力のほか、一人で七七七の過去を調べ上げるだけの調査能力も持っている。男を折られたあとも、生命力をカタナに変えて抜刀していたが、ある事件以降その能力は使えなくなる。その後は参謀として朋たちのサークルに協力しながら、密かに学園の地下のサーバールームで過去の刀競大武会のことなどを調べている。資料を読んだりパソコンを使う際は眼鏡をかけている。男を抜いた姿は、茶色がかったストレートの髪に端正な顔の作りの冷たい目をした美人。カタナの形状はランスで、銘は土竜槍(どりゅうそう)。志士名は『イエミツ』。
生徒会
学内最大にして最強を誇る巨大サークル。会長である古河を中心に、明確な上下関係と卑劣な戦法を用いて勢力を広げるが、規模が大きすぎるため一枚岩とはいかない。
古河 千代(ふるかわ せんだい)
火群ヶ棚学園の生徒会長にして、生徒会サークルの長。一見して温厚で人当たりの良い人物に思えるが、目的のためには手段を選ばない残忍な性格。身内であれ敵であれ、嘘をつく者を極端に嫌う。カタナを複数所持するというかなり特異なタイプのアンシー。彼の本来のカタナは暗夜黒絶・零代(あんやこくぜつ・ぜろだい)と銘打たれた巨大な鎌。このカタナは他のアンシーのカタナを奪うヤイバを持ち、その能力で百人以上ものアンシーからカタナを奪い、その抜刀気を吸収している。そういった理由から彼の持つ抜刀気の量は並大抵のものではなく、抜刀しても男の姿のままである。なお、奪ったカタナのうちお気に入りの十本にだけ銘をつけている。
実は会長に就任した直後に十年前の生徒会長である真須田(後述)に憑依されただけの被害者であり、暗夜黒絶・零代は真須田のカタナである。会長就任以前は、ギルの兄とつるんでいたらしい。
竜巻組
リーダーのギルを中心とした小サークル。規模は小さいながらもそれなりの戦力を持ち、メンバーは固い結束で結ばれている。刀競大武会以外にも、アルバイトや野良アンシー退治なども行っている。
その他のアンシー
七七七(よろこ)
アンシーたちの間で囁かれる刀狩の都市伝説で『最悪の災厄』、『アンラッキーセブン』などの異名を持つ。おかっぱ頭に大き目のセーラー服を着た中学生くらいの少女の姿と言われる。その正体は十年前に行方不明になったアンシー・桐咲喜一(きりさききいち、喜は七を三つ重ねる旧字体表記)の成れの果て。彼は真須田の罠にはまり、男を折られた直後に女の体を陵辱されたという凄惨な過去を持つ。他のアンシーに自分の様になって欲しくない、という理由からアンシーたちの前にふらりと現れてはカタナを折り、強制的に戦線から離脱させる。カタナの形状は朋と同じく日本刀で、銘はヴァンパイア。その名の通り、他のアンシーの抜刀気を吸収し、何度折れてもカタナを再生し、持ち主の抜刀気を回復するヤイバを持つ。
その他の登場人物
用語
アンシー
変身後は以下の現象が起きる。
肉体は女性になってしまう。五感や体力、運動能力は常人をはるかに超える。
一人一人固有のカタナが出現する。
服も一人一人固有の物に変化する。
変身中は抜刀空間内しか移動できない。
変身中に『男を折られる』と、男に戻れなくなる。その際、世界の改変が起きるらしく、その生徒は「生まれたときから女子だった」と家族などからは認識される。通う学校も変わってしまう。他のアンシー達からは「そんな生徒がいた」という記憶が薄くなっていき、やがて忘れられる。
カタナ
ヤイバ
抜刀(ばっとう)
抜刀気(ばっとうき)
抜刀空間(ばっとうくうかん)
抜刀芯(ばっとうしん)
志士名(ししめい)
火群ヶ棚(ひむらがだな)学園高校
刀競大武会
野良アンシー
既刊一覧
- 宮沢周(著) / 久世(イラスト) 『アンシーズ』 集英社〈スーパーダッシュ文庫〉、全3巻
- 「〜刀侠戦姫血風録〜」2009年9月25日、ISBN 978-4-08-630505-1
- 「〜刀侠戦姫言想録〜」2009年12月25日、ISBN 978-4-08-630524-2
- 「〜刀侠戦姫飛恋録〜」2010年3月25日、ISBN 978-4-08-630543-3