レンズマン
以下はWikipediaより引用
要約
レンズマン(Lensman)は、アメリカのSF作家E・E・スミスが作り上げたヒーローである。
“ドク”E(エドワード)・E(エルマー)・スミスは、1937年から10年以上に渡り『銀河パトロール隊』を始めとする一大SF小説、レンズマン・シリーズを書き上げ、“スペースオペラ”といわれる娯楽小説のジャンルの形成に、大きな方向付けの役割を果たした。
レンズマン・シリーズは、地球人のレンズマンである主人公キムボール・キニスンの成長と活躍を物語の軸に置き、銀河文明とそれに敵対する宇宙海賊ボスコーン(ボスコニア文明)との宿命的な全面戦争に到るまでの波瀾万丈の物語を描く。
レンズマン / レンズとは
レンズ(アリシアのレンズ、驚異のレンズ)とは、銀河パトロール隊がアリシア人から与えられた認識票である。他者から認識されやすく、当人の行動の邪魔にならない箇所に装着する。原作では人間型レンズマンはプラチナ・イリジウム合金製の腕輪にはめ込まれ、手首に着用する(通常の場合。潜入工作の際などは肩に近い上腕、ズボンのポケット、靴の中などに仕込む場合もある)。リゲル人トレゴンシーは腕(触手)の1本、ヴェランシア人ウォーゼルは額の中央に埋め込まれるように装着されており、他の非ヒューマノイドもこれに準じていると思われる。パレイン人ナドレックがどのように装着しているかは不明(彼らの外見は温血の酸素呼吸生物には知覚不能であるため、厳密な描写がほとんどない)。第三段階レンズマンである“レンズの子供たち”は、レンズそのものを自分の肌の表面に出現させることが可能である。
分析・合成が不可能な未知の物質でできており、偽造は不可能である。また、既知のいかなる薬品、発生させ得る限りの高温、低温、振動、衝撃などによっても破壊は不可能である。所有する個人ごとに調製され、レンズと対になる本人にしか着用できず、着用している間は独特の光彩を放ち、この状態では無害であるが、暗い(光彩を放っていない)状態で他人が着用すれば激しい苦痛を感じて即死する。正規の所有者が死亡すると、数分後に分解消滅し、いかなる残留物も残さない。
また、保有者を精神感応者(テレパス)にする機能を持つ。これにより、人類以外の異種知性体ともコミュニケーションが可能となる。言語や思考そのものだけでなく、思考を代表するメッセージであれば、いかに隠され、暗号化されていようとも即座に理解することができる。
このレンズを所持するものはレンズマンと呼ばれ、法と正義の執行者として既知のあらゆる宇宙において絶大な信頼を受ける。特に「リリース」(普通任務解除)され「独立レンズマン」となった者は、ほとんど無制限の権利を行使することができ、銀河調整官からの指示など一部例外を除き誰からも命令を受けることはなく、銀河パトロール隊の莫大な予算も無制限に使用することができる。独立レンズマンはその制服の色から「グレー・レンズマン」と呼ばれる。
レンズを製造できるのは第3水準以上の知性のみで、作中ではアリシア人とエッドア人、そして“レンズの子供たち”だけである。
物語終盤では、エッドア人によって製造されたボスコニアのレンズが登場し、その着用者はブラック・レンズマンと呼ばれた。ただし、ボスコニアでは個人の自発的な意思や士気を重視しないため、訓練は主に潜在意識下において行なわれ、他者を傷つけ苦しめる「実技」が重視された。またその着用者も自ら修練して己を高めるような性格ではなく、銀河文明に対し致命的な脅威とはならなかった。
通常、レンズは1人のレンズマンに対して1個だけ供与されるが、キムボール・キニスンは潜入捜査の過程で一度レンズを失い、再度供与を受けている。
レンズの着用者は基本的に男性のみで、“レッド・レンズマン”クラリッサと彼女の娘たちは例外的な存在とされている。ただし、デイヴィッド・カイルによる外伝には彼女たち以外の女性レンズマンが登場する。
シリーズ一覧
スミスによる正伝
日本語タイトルは創元SF文庫(東京創元社)版による。
- 『銀河パトロール隊』 Galactic Patrol (1937年、キムがレンズマンになるところから始まる話) ISBN 978-4488603168
- 『グレー・レンズマン』 Gray Lensman (1939年、『銀河パトロール隊』の続編) ISBN 978-4488603175
- 『第二段階レンズマン』 Second Stage Lensman (1941年、『銀河パトロール隊』の続々編) ISBN 978-4488603182
- 『レンズの子供たち(レンズの子ら)』 Children of the Lens (1947年、キムの子供たちの世代の話) ISBN 978-4488603199
- 『ファースト・レンズマン』 First Lensman (1950年、最初のレンズマン誕生の話。銀河パトロール隊の結成以前に遡る) ISBN 978-4488603205
- 『三惑星連合』 Triplanetary (1934年、『ファースト・レンズマン』の前日譚) ISBN 978-4488603212
- 『渦動破壊者』 The Vortex Blaster (1960年、シリーズ外伝。『第二段階レンズマン』と『レンズの子供たち』の間の話。主人公はレンズマンではないが、銀河調整官になったキムやレーシーが脇役として登場する) ISBN 978-4488603229
正伝のジュブナイル
偕成社
- 『宇宙パトロール』 Galactic Patrol(名作アニメート絵話15、1969年。ヴァレンシア/デルゴンがトリぼし/ケモノぼし、ヘルマスがクロボシなど各所が翻案されている。)
- 『銀河パトロール隊』 Galactic Patrol(SF名作シリーズ-2)
集英社
- 『銀河パトロール隊』 Galactic Patrol (ジュニア版・世界のSF11)
あかね書房
- 『銀河系防衛軍』 Triplanetary (少年少女世界SF文学全集20)
ポプラ社
- 『銀河戦士レンズマン』 Galactic Patrol
- 『レンズマン対宇宙海賊』 Galactic Patrol
- 『レンズマン危機一髪』 Gray Lensman
- 『レンズマンの反撃』 Second Stage Lensman
講談社・青い鳥文庫
- 『三惑星連合軍の戦い』 Triplanetary
- 『宇宙戦士レンズマン』 First Lensman
- 『銀河パトロール隊』 Galactic Patrol
- 『戦うグレーレンズマン』 Gray Lensman
- 『ボスコニア大戦争』 Second-Stage Lensman
- 『レンズマンの子どもたち』 Children of the Lens
その他の作者による外伝・続編
デイヴィッド・カイル 著
3作品とも『第二段階レンズマン』と『レンズの子ら』の間の話
- 『ドラゴン・レンズマン』The Dragon Lensman(1980)(創元推理文庫、ウォーゼルが主人公) ISBN 978-4488603144
- 『リゲルのレンズマン』Lensman from Rigel (1982)(創元SF文庫、トレゴンシーが主人公) ISBN 978-4488603151
- 『Z-Lensman』(1984)(未訳、ナドレックが主人公)
カイルの作品は「最も"ドク"の文体に近い」と言われる。ただし「正伝」のファンの中には、「正伝」を絶対視して彼の作品を認めない者も存在する。これは宗教的にE.E.スミスを崇拝している訳ではなく、第1作の『ドラゴン・レンズマン』において「正伝」の世界観の中核のひとつでもある「銀河文明を通して唯一の女性レンズマンは“レッド”・レンズマン のみ」という部分を壊したことが大きく響いている。
古橋秀之 著
- 『サムライ・レンズマン』(『第二段階レンズマン』と『レンズの子供たち』の間の話) ISBN 978-4199050923
講談社・X文庫
- 劇場版アニメノベライズ
- 『SF新世紀レンズマン』(上下) 吉川惣司 1984年 (上巻) ISBN 4061900013 (下巻) ISBN 4061900021
- テレビアニメノベライズ
- 『レンズマン誕生』 辻真先/比留間さつき 1984年10月 ISBN 4061900056
- 『バレリア星救出作戦』 吉川惣司 1984年11月 ISBN 4061900064
- 『氷星の黒十字軍』 山崎晴哉 1985年1月 ISBN 4061900188
- 『大銀河の危機』 馬嶋満 1985年2月 ISBN 4061900234
- 『惑星トレンコの勝利』 辻真先/塚本裕美子 1985年5月 ISBN 4061900285
- 『SF新世紀レンズマン』(上下) 吉川惣司 1984年 (上巻) ISBN 4061900013 (下巻) ISBN 4061900021
- 『レンズマン誕生』 辻真先/比留間さつき 1984年10月 ISBN 4061900056
- 『バレリア星救出作戦』 吉川惣司 1984年11月 ISBN 4061900064
- 『氷星の黒十字軍』 山崎晴哉 1985年1月 ISBN 4061900188
- 『大銀河の危機』 馬嶋満 1985年2月 ISBN 4061900234
- 『惑星トレンコの勝利』 辻真先/塚本裕美子 1985年5月 ISBN 4061900285
主な登場人物
キニスン一族
キムボール・K・キニスン
地球人。通称キム。第二段階レンズマン。レンズマン養成校を首席で卒業。アリシア人の再訓練を受け、最初の第二段階レンズマンとなる。後に銀河調整官に就任する。『銀河パトロール隊』、『グレー・レンズマン』、『第二段階レンズマン』の主人公。デラメーターの早撃ちの名手。工作員として優秀なばかりでなく、自由な発想で様々な新兵器の開発を提案し、ボスコーンとの戦いを推進、勝利に導く。対ボスコニア戦争の象徴的存在であり、『レンズの子供たち』の時代には、単に「グレー・レンズマン」といえば彼のことを指す。
彼の言葉によれば、銀河パトロール隊の慣習として、困難な任務にはまず最適任と思われる人材を差し向け、彼(ら)に解決できない場合は、その時のレンズマン養成校の首席卒業者を派遣することになっている、という。新任のレンズマンであった彼が、ボスコーンの新動力を奪取する「ブリタニア号」作戦に抜擢されたのはこのためである。
クラリッサ・メイ・マクドゥガル
クリストファー(キット)・キニスン
キャスリン(キャット)・キニスン
カレン(ケイ)・キニスン
ロデリック・“ロッド・ザ・ロック”・キニスン
レンズマン達
レーシー外科部長
ヴァージル・サムス(サムズ)
ネルス・バーゲンホルム
以下は「ファースト・レンズマン」に登場する主だったレンズマンたち。カッコ内は出身地。
- アレクサンダー・クレートン(地球・北米)
- シュヴァイケルト(地球・ヨーロッパ)
- ノボス(火星)
- ダルナルテン(金星)
- ルラリオン(北極木星)
銀河パトロール隊員(非レンズマン)
ピーター・バン・バスカーク(ピーター・ヴァン・バスカーク)
ラヴェルヌ・ソーンダイク
ネダイン・アーンリー
それ以外のヒューマノイド
ヘレン
イロナ
ヴァージリア(ジル)・サムズ
ジョーン・ジャノウィック
スラスキン
マルレーム
ヴェスタ
トミー
それ以外の非ヒューマノイド
第十二ピリニプシ
ルーダ
キムが使った偽名およびその人物
スター・A・スター
ウィリアム・“ワイルド・ビル”・ウィリアムス
キムの偽名。ユーフロジーヌ及びトレッシリアの潜入捜査の際に使用。ユーフロジーヌ潜入の当初は「荒くれながら腕は確かで、酒と麻薬ベントラムが大好きな隕石鉱夫」という設定であったが、バーゲンホルムが故障して立ち往生した遭難船を救助した際、船長から感謝と尊敬を受けるも、要らぬ注目を浴びることを避けるためにキムの機転でその場でベントラムを大量服用して白痴的醜態を晒し、「元は優秀な技術者であり紳士だったが、酒とベントラムで身を持ち崩し、隕石鉱夫になった」という設定に微妙に書き換えられた。この機転により、きっかけさえあれば再度紳士に戻るだろうというキャラクターと、鉱夫として優秀でいつか価値の高い鉱石を発見してもおかしくないであろう理由が裏書きされることになり、キムはそれらを利用して、一山当てて堅気に戻ったワイルド・ビル・ウィリアムスとしてトレッシリアに潜入した。キムが二度同じ偽名を利用したのはこの名前のみである。キムはこの役を演じるため、演技ではなく実際にベントラム中毒者となった。陽気で歌が好きだが下手。
モーガン
カーティフ
トラスカ・ガネル
サイブリー(シブリー)・ホワイト
アリシア人
ボスコーン(ボスコニア)陣営
デッサ・デスプレーンズ
カンドロン
メラスニコフ
プルーア人
主上陛下(アルティメット・シュープレマシー)
ガーレーン
ウィロビー船長
登場する主な惑星
アリシア
アルザカン / アラスカン
アルデバラン
アンティガン
ヴァレリア
ヴェギア
ヴェランシア
エッドール / エッドア
エリダン
オンロー
カヴェンダ
カロニア
グラントリア
クレヴェニア
ザブリスカ
ジャーヌヴォン
シングヴォルス
スレール
セントラリア
チクラドリア
地球 / テルス
ディル
デカ
デルゴン
トミンガ
トレッシリア
トレンコ
ナハル
ネヴィア
パレイン系第7惑星
プルーア
ブロンセカ
ボイッシア系第2惑星
ボロバ / ボロヴァ
マナルカ
メドン
ユーフロジーヌ
ライレーン系第2惑星
ライレーン系第8惑星
ライレーン系第9惑星
ラデリックス
リゲル系第4惑星
ロナバール
ワイノール
用語
圧迫ビーム
宇宙斧
宇宙服
エーテル / サブエーテル
カーディンジ限界
機関銃
QX
Q砲
グラモレット
クリア・エーテル
クレジット
クロノ(神)
牽引ビーム
固有速度
殺人思考ビーム発生器
シオナイト
思考波
思考波スクリーン
自由航行 / フリーフライト
ズウィルニク(麻薬業者)
スタードロップ
セミ・ポータブル / 可搬式ビーム砲
太陽ビーム
タンク
超空間チューブ
超原子爆弾
ディオデック / デュオデック
鉄槌 / 空飛ぶ鉄槌
デュレウム
デラメーター(銃)
ネット
ノシャブケミング(神)
野放し原子渦動
バーゲンホルム駆動(無慣性航行)
標準的十段階分類表記
フィリップス式組織再生術
フェイアリン
負の球体(ネガスフィア)
誘導惑星
登場する主な宇宙船
ディレクトリクス号
ドーントレス号
ブリタニア号
ヴェラン号
ネラド艦
ボイシ号
シカゴ号
渦動破壊者(ヴォーテックス・ブラスター)一世号 / 二世号
探知不能な黒い快速艇
なお、原作発表当時は、ステルス技術はおろか『ステルス』という用語や概念自体が存在していなかった。
メディアミックス
日本においては、劇場アニメの公開後TVアニメシリーズが放送された。艦船など一部の動画にCGを採用した作品として話題を呼んだ。また、TVアニメ、および映画向けにストーリーを大幅に脚色してあり、特に劇場版では、主人公キニスンが登場当初は銀河パトロール隊とは全く無関係の一般市民で、別の人物が装着していたレンズを受け継ぎ、なかば偶発的にレンズマンになるという、設定の大幅な改変も見てとれる。
当時人気を博していたTHE ALFEEが歌った映画版の主題歌「STARSHIP -光を求めて-」はシングル盤としてリリースされ、当時の人気番組「ザ・ベストテン」等でトップとなるなど、ヒットを記録し、話題を呼んだ。
さらに、TVアニメシリーズに連動して、ノベライゼーション版・漫画版も出版されているが、どちらもオリジナル版とはかなり異なるストーリーになっている。
また、TVアニメ放送から約10年後、連続ラジオドラマとして「銀河パトロール レンズマン」「渦動破壊者 ヴォルテックス・ブラスター」が製作されていた。それぞれ原作の「銀河パトロール隊」「渦動破壊者」を元にしている。
アニメ映画
1984年7月7日に『SF新世紀レンズマン』というタイトルで映画化され、東宝東和系で公開された。カラー、107分。制作費12億円。動画枚数7万枚。日本での配給収入は2億5300万円。冒頭の宇宙戦闘シーンやキムのレンズ継承シーン、ヘルマスや車輪人間の描写などに当時としては最先端のCGが用いられた。
過去にはポニー(現・ポニーキャニオン)よりVHS・Beta・LD・VHDが販売されていたが、2017年8月現在、DVD・BD化の予定はない。
本作はアメリカ合衆国に初進出した日本のアニメ映画だが、字幕を読みながら映画を見ることに慣れていなかった当時のアメリカの状況が影響し成功しなかった。
登場人物(映画)
- キムボール・キニスン(声 - 古川登志夫)
設定年齢18歳。レンズマン養成校には通っておらず、惑星ムケイエで父を手伝って暮らしていた。
偶然出会ったレンズマンから、重要情報を記録した彼のレンズを託されるという(レンズの設定的に本来ありえない)経緯を経てレンズマンになる。
正式な教育を受けていないためか、知略・謀略を駆使する原作とは異なり、若さに任せた無鉄砲な行動が目立つ。
- クラリッサ・マクドガル(声 - 小山茉美)
- バン・バスカーク(声 - 大塚周夫)
原作とは異なり、銀河パトロール隊に所属しておらず、ポンコツ宇宙船ノシャブケミング号で宇宙を放浪していた。
- ウォーゼル(声 - 野沢那智)
原作とは異なり、竜人のような容姿をしており、地球人レンズマンと同様に手の甲にレンズを持つ。両腕に巻かれた皮膜を翼状に伸ばして飛行する。
- ゲイリィ・キニスン(声 - 中村正)
劇場アニメ版におけるキムの父。惑星ムケイエで農業を営んでいた。キムがレンズマンになった後、彼を追撃するボスコーンに対する囮としてノシャブケミング号で離陸するが撃墜される。
昔、銀河パトロール隊員でレンズマン候補でもあったが、任務中の負傷により腕を失ったため、レンズマンになることができなかった。また、ヘインズ提督の親友でもある。
- ヘインズ提督(声 - 柴田秀勝)
- ソーンダイク(声 - 青野武)
- ソル(声 - 斉藤ゆう子)
ゲイリィの仕事のパートナーとも言えるロボットで、後述のテレビアニメ版と比較すると無感情的にも思えるしゃべり方をしている。キムがレンズマンになった後、囮になったゲイリィと運命を共にする。
- ヘルマス(声 - 加藤精三)
アニメ版(劇場版・テレビ版)を通しての悪の首魁。宇宙海賊ボスコーンの首領で、巨大な体躯を持ち、要塞と一体化している。
冷酷な性格であり、失敗した部下に対して容赦なく死の制裁を与える。また、情報端末のギギを使って幹部達を監視している(ギギの正体を知らない幹部らは『ヘルマスの腰ぎんちゃく』と揶揄している)。
- グリードル(声 - 矢田耕司)
劇場版アニメにおけるヘルマス三幹部の一人。兜を被りローブを身に着け、右腕にモーニングスター状の義手をつけた昆虫の姿をしている。甲高い声で気性が荒い。ブリタニア号を惑星ムケイエまで追い詰め、惑星を破壊するが、ゲイリィが操作するノシャブケミング号に気を取られてブリタニア号を取り逃がし、その責任を負わされて処刑される。
- ブレークスリー(声 - 田中康郎)
劇場版アニメにおけるヘルマス三幹部の一人。原作にも同名の人間型キャラが存在するが、こちらでは4本の腕を持つ肥満体をしている。
銀河パトロール艦船との接触中のブリタニア号を急襲。パトロール艦を破壊し、ブリタニア号を惑星デルゴンに追い落とすも、ヘルマスへの報告が杜撰だったため、ボスコーン幹部として不適合とみなされて処刑される。
- ズウィルク(声 - 兼本新吾)
劇場版アニメにおけるヘルマス三幹部の一人。ローブを着たレイヨウに似た姿をしており、杖を持っている。
惑星デルゴンでブリタニア号を追い詰めて破壊するも、ギギが惑星ラディリクスにおけるキムの生存を確認しヘルマスに告げ口したため、任務失敗の責で処刑される。
- DJビル(声 - 小林克也)
惑星ラディリクスでディスコのDJを職業とする老齢の男性。時折、客どうしのケンカの原因を作っているため、警備兵に目を付けられている。
- 金髪のレンズマン(声 - 横内正)
ブリタニア号の乗員で、惑星ムケイエに到着した後、気力を振り絞って自らのレンズをキムに引き渡す。
バスカークの言によれば、キムとの会話の1時間以上前には死亡していたとのこと。
- ナレーター(声 - 蟹江栄司)
スタッフ(映画)
- 監督:広川和之、川尻善昭
- 脚本:吉川惣司
- キャラクターデザイン:川尻善昭、富沢和雄
- メカニックデザイン:渡部隆、森本晃司
- 作画監督:富沢和雄、北島信幸
- 美術監督:青木勝志
- 撮影監督:八巻磐
- 音楽監督:井上鑑
- 主題歌:アルフィー『STARSHIP -光を求めて-』、挿入歌:アルフィー『愛の鼓動』
- 音響監督:明田川進
- 効果:倉橋静男、柴崎憲治
- CG:JCGL(ジャパン・コンピュータ・グラフィックス・ラボ)、New York Institute of Technology Computer Graphics Lab
- 企画:伊藤章彦、金子満
- プロデュース:富井道宏、渡辺宙美、丸山正雄
- 製作者:須藤博
- 製作協力:エムケイ、マッドハウス
- 製作:講談社
コミック版(映画)
村野守美作画による映画版コミカライズ(全3巻)がメディアミックスを企図してB5ワイド版で講談社から刊行された。
テレビアニメ
アニメ映画に続いて、1984年10月6日から1985年3月30日まで「GALACTIC PATROL レンズマン」のタイトルで、朝日放送製作・テレビ朝日系にて放送された。全25話。 テレビ未放映が二話分存在する。 ビデオソフトを全6巻購入、帯の応募券でもれなく特典ソフトとして入手出来た。 タイトルは「LENSMAN ビデオスペシャル」。 しかし、後に同内容で発売されたLDセットには未収録。
主要キャラの外見等は劇場版を引き継いでいるものの、内容は劇場版と繋がりがなく、メンターやトレゴンシー等の原作出身キャラの追加、キャラクター設定、および担当声優も一部変更されている。しかし、ヘルマス率いるボスコーン帝国に、レンズマンとなったキムボール・キニスンとその仲間達が立ち向かっていく筋立ては共通である。
CGの使用はオープニングでの劇場版からの流用があるのみである。
なお、過去にセレクション形式(第1-6話だけ)でVHS、LD販売があったが、それ以降DVD、およびBD等のメディア販売はされていない。
登場人物(テレビアニメ)
- キムボール・キニスン(キム)(声 - 古川登志夫)
- クラリッサ・マクドガル(クリス)(声 - 小山茉美)
- バン・バスカーク(バン)(声 - 銀河万丈)
- ウォーゼル(声 - 野田圭一)
- ソル(声 - 鈴木富子)
形状は前述の劇場版のものと同一だが、劇場版とは異なり、テレビアニメ版ではキムのサポートロボットとして登場。キムと共に行動していることが多く、より人間的な口調でしゃべる。
- メンター(声 - 永井一郎)
テレビアニメ版から登場。ローブを着た小柄な老人の姿で登場している。
- トレゴンシー(声 - 龍田直樹)
テレビアニメ版から登場。外見はほぼ原作通り、ドラム缶状の胴体に象の足のような4本の脚、4本の触手を持ち、そのうちの一本にレンズが付いている。また、原作にはなかった、ある程度の視覚を有しており(胴体のやや上側に赤い目がある)会話はテレパシーで行なう。
- フリック(声 - 江森浩子)
テレビアニメ版終盤から登場したレンズマン。青い肌の子供のような容姿をしている。
- ソーンダイク(声 - 塩沢兼人)
- ヘンダースン(声 - 堀秀行)
- ゼルダ(声 - 鶴ひろみ)
- トーマス(声 - 小林通孝)
- ヘインズ提督(声 - 柴田秀勝)
- レーシー外科部長(声 - 永井一郎)
- ホーヘンドルフ(声 - 佐藤正治)
- グロリア婦長(声 - 中谷ゆみ)
- ナイゼル(声 - 戸谷公次)
テレビアニメ版にて登場するボスコーン幹部の一人で劇場版に登場しているグリードルと似た容姿をしているが両手があるのとヘルメットの隙間から頭髪がある等の違いがある。テレビアニメ版の幹部は数多く存在するが、劇場版のようにヘルマスによって失敗の責で処刑されるケースは最終回以外は比較的少ない。
- ヘルマス(声 - 加藤精三)
スタッフ(テレビアニメ)
- 原作 - E,E,スミス
- チーフディレクター - 福富博
- 設定 - 竹内啓雄
- キャラクター設定 - 富沢和雄
- メカニック設定 - 渡部隆
- 美術監督 - 窪田忠雄
- 音響監督 - 明田川進
- 録音 - 橋本二三郎
- 効果 - 柴崎憲治
- 音楽 - COSMOS
- 制作協力 - エムケイ
- 製作 - 朝日放送、講談社
主題歌(テレビアニメ)
オープニング主題歌「ON THE WING」
エンディング主題歌「パラダイス」
オリジナル盤発売時は、レコード収録曲が童謡と判断されれば物品税非課税であったため、発売元のキャニオン・レコード(現:ポニーキャニオン)はオープニング主題歌「ON THE WING」を収録したシングルレコードを童謡扱いとしていたが、1986年(昭和61年)に東京国税局が「番組とは独立して聴ける若者向けの曲」と判定したため、同レコードについても物品税が課せられるようになった。
各話リスト(テレビアニメ)
話数 | サブタイトル | シナリオ | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | レンズマン誕生 | 辻真先 | 福富博 | 富沢和雄 | 1984年 10月6日 | |
2 | 竜戦士ウォーゼル | 大坂竹志 | 10月13日 | |||
3 | 嵐の惑星トレンコ | 池田成 | 福富博 | 本木久年 | 10月20日 | |
4 | まぼろしのベムガ | 鈴木幸雄 | 富沢和雄 | 10月27日 | ||
5 | 伝説のパトロール隊 | 木上益治 | 梅津泰臣 | 11月3日 | ||
6 | クリス戦う時 | 鈴木幸雄 | 11月17日 | |||
7 | バスカークがんばる | 吉川惣司 | 秋山勝仁 | 冨永恒雄 | 清水恵蔵 | 11月24日 |
8 | ブリタニア号の危機 | 広川和之 | 12月1日 | |||
9 | グラップラーで戦え!バスカーク | 井内秀治 | 12月8日 | |||
10 | 壊滅!ボスコーン秘密研究所 | 川筋豊 | 12月15日 | |||
11 | 迷パイロット!?ソル | 山崎晴哉 | 野寺三郎 | 五月女有作 | 高田三郎 | 12月22日 |
12 | リリー救出大作戦 | 奥田誠治 | 平林淳 | 谷口守泰 | 12月29日 | |
13 | 伝説の星キリーランド | 平田としお | 遠藤徹哉 | 木下ゆうき | 1985年 1月5日 | |
14 | キララ姫の涙 | 遠藤徹哉 | 北島信幸 | 1月12日 | ||
15 | クリスとらわる | 五月女有作 | 高田三郎 | 1月19日 | ||
16 | キリーランドよ永遠なれ | 平林淳 | 木下ゆうき | 1月26日 | ||
17 | 秘密指令宇宙海賊作戦! | 高階航 | 蔭山康生 | 北島信幸 | 2月2日 | |
18 | 驚くべきウルフの謎 | 2月9日 | ||||
19 | ベリリウムの謎をさぐれ | 日下部光雄 | 北島信幸 | 2月16日 | ||
20 | ライトビーム砲を叩け | 2月23日 | ||||
21 | 恐怖のスペースウェーブ | 馬嶋満 | 野田拓実 | 高須賀勝己 | 椛島義夫 | 3月2日 |
22 | 謎のエメラルド星雲 | 高須賀勝己 岡嶋国敏 |
3月9日 | |||
23 | 新レンズマン誕生 | 矢沢則夫 | 3月16日 | |||
24 | トール博士を救え! | 3月23日 | ||||
25 | 対決!ボスコーン大要塞 | 渡辺誓子 | 野寺三郎 | 宮下研史 | 島田ひであき | 3月30日 |
放送局(テレビアニメ)
※放送日時は個別に出典が提示されているものを除き1985年2月時点、放送系列は放送当時のものとする。
放送地域 | 放送局 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|
近畿広域圏 | 朝日放送 | 土曜 19:00 - 19:30 | テレビ朝日系列 | 制作局 現:朝日放送テレビ。 |
北海道 | 北海道テレビ | |||
宮城県 | 東日本放送 | |||
福島県 | 福島放送 | |||
関東広域圏 | テレビ朝日 | |||
新潟県 | 新潟テレビ21 | |||
静岡県 | 静岡けんみんテレビ | 現:静岡朝日テレビ。 | ||
中京広域圏 | 名古屋テレビ | |||
広島県 | 広島ホームテレビ | |||
香川県・岡山県 | 瀬戸内海放送 | |||
福岡県 | 九州朝日放送 | |||
鹿児島県 | 鹿児島放送 | |||
山形県 | 山形放送 | 火曜 17:00 - 17:30 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
長野県 | 信越放送 | 月曜 16:00 - 16:30 | TBS系列 | |
富山県 | 富山テレビ | 水曜 17:20 - 17:50(1985年2月時点) 土曜 6:15 - 6:45(1985年4月時点) |
フジテレビ系列 | |
石川県 | 北陸放送 | 金曜 17:00 - 17:30 | TBS系列 | |
福井県 | 福井放送 | 月曜 17:30 - 18:00 | 日本テレビ系列 | |
鳥取県・島根県 | 日本海テレビ | 月曜 19:00 - 19:30 | 日本テレビ系列 | |
山口県 | 山口放送 | 水曜 17:15 - 17:45 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
愛媛県 | 愛媛放送 | 月曜 17:25 - 17:55 | フジテレビ系列 | 現:テレビ愛媛。 1984年11月19日ネット開始 |
高知県 | テレビ高知 | 金曜 16:30 - 17:00 | TBS系列 | |
長崎県 | 長崎放送 | 金曜 16:50 - 17:20 | ||
熊本県 | テレビ熊本 | 火曜 17:30 - 18:00 | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
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沖縄県 | 沖縄テレビ | 木曜 17:30 - 18:00 | フジテレビ系列 |
コミック版(テレビアニメ)
テレビ放送とタイアップする形で、週刊少年マガジンに三浦みつるがコミック版を連載し、少年マガジンKCとして、全3巻にまとめられ発売された。
ラジオドラマ
ラジオたんぱ SF名作シアターとして「銀河パトロール レンズマン」「渦動破壊者 ヴォルテックス・ブラスター」が放送され、後にCD化された。
大貫健一によるイメージイラスト、人気声優の起用等、アニメファン層をターゲットとしているが、その内容はアニメ版に比べ、原作に忠実だった。
登場人物(ラジオドラマ)
- キムボール・キニスン(声 - 結城比呂)
- クラリッサ・マクドゥガル(声 - 笠原弘子)
- ヘンダーソン(声 - 藤原啓治)
- バンバスカーク(声 - 辻親八)
- ソーンダイク(声 - 谷山紀章)
- ウォーゼル(声 - 森川智之)
- トレゴンシー(声 - 茶風林)
- ヘインズ提督(声 - 麦人)
- アイラ(声 - 長沢美樹)
- セシル(声 - 堀江由衣)
- ヘルマス(声 - 子安武人)
- ブラウンリー(声 - 吉田古奈美)
- ウォルマーク(声 - 小西克幸)
- フェイ・サラウェイ(声 - 氷上恭子)
- メンター(声 - 丸山詠二)
スタッフ(ラジオドラマ)
- 監督・演出:藤岡央
- 脚本・演出補:安達成彦
- 音楽:藤岡央
- 主題歌:笠原弘子
CD
徳間ジャパンコミュニケーションズより発売。ドラマCDには各4話収録。
- STAND THE NIGHT/MY PRAYER(銀河パトロール レンズマンオープニング&エンディングテーマ)(TKDA-71313:1998年1月21日発売)
渦動破壊者 ヴォルテックス・ブラスター
関連事項
アメコミ「グリーンランタン」
ゲーム「スペースウォー!」
ボスコニアン
小説「青の騎士ベルゼルガ物語」
小説「タツモリ家の食卓」シリーズ(古橋秀之、電撃文庫)
漫画およびアニメ「地球へ…」