名探偵が多すぎる
題材:アルセーヌ・ルパンシリーズ,
舞台:船上,
以下はWikipediaより引用
要約
『名探偵が多すぎる』(めいたんていがおおすぎる)は、西村京太郎の長編推理小説(三人称小説)。1972年(昭和47年)5月に講談社から書き下ろしで出版された。
推理小説史に残る有名な名探偵が登場する、パロディミステリ『名探偵なんか怖くない』の続編(「名探偵シリーズ」4部作の第2作)。以下の4人の探偵が登場する(登場順に記載)。
本作では、彼らにモーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパンが挑戦状を叩きつける。彼の協力者として、怪人二十面相が登場。
あらすじ
明智小五郎の誘いで、「第2の3億円事件」(前作『名探偵なんか怖くない』)に関わったジュール・メグレ夫妻、エルキュール・ポワロ、エラリー・クイーン、そして警視庁の吉牟田刑事は、瀬戸内海を航行する観光船「あいぼり丸」に乗り込んでいた。神戸港発、別府港行きの定期便である。船旅を楽しむ一同だが、「エコー・ド・フランス新聞」の東京特派員アレン・セルパン(Aren Selupin)が現れ、「4人が何か企んでいるのでは?」、「そうでないとしても、事件が起きるのでは?」と質問してきた。
クイーンの財布が掏り取られたのを皮切りに、アルセーヌ・ルパンが挑戦状を送ってくる。折りしも「あいぼり丸」には宝石商の島崎が乗っており、彼は総額1億円相当の宝石類を持っていた。彼の宝石を狙い、予告状を送りつけるルパン。島崎は船長を通じ、4人の名探偵に解決を依頼。4人はこれを引き受ける。しかし、島崎は特等室の中で血まみれの死体となって発見され、室内には「この謎が解けるか?」と、ルパンの声明文が残っていた。密室殺人、しかも部屋の前では吉牟田刑事が頑張っていたにもかかわらず、である。それよりも、「血を流さない」のが信条のはずのルパンが殺人を犯すとは…?
事件は収束したものの、新たに船長室にある横山大観の名画「富士山」を巡り、ルパンとの再試合が開始される。だが、これに絡み、またしても殺人が。ルパンは対決を一時休戦し、4人の名探偵とは別に犯人を探索する。果たして犯人は?
最後に、ルパンと怪人二十面相の作り上げた「完全な密室」に4人と吉牟田刑事は閉じ込められてしまう。トリックのない密室からの脱出は不可能で、助かりたければルパンに降伏するしかない。4人の名探偵の決断は?
登場人物
本作は観光船「あいぼり丸」(3000トン)が瀬戸内海を航行する最中の事件(クローズド・サークル)であり、以下は旅客もしくは乗組員である。ほぼ登場順に記載するが、都合によりジュール・メグレのみ繰上げている。
各名探偵の詳細については、リンク先の記述を参照。
ジュール・メグレ
メグレ夫人
のんびりと旅を楽しむつもりで、編み物をしている。別府温泉を楽しみにしている。
本作で最初に登場するキャラクターであり、最後に登場するキャラクターでもある。被害者の腕時計の遅れを見つけるなど、4人の名探偵以上の眼光を持っている。またポワロの内心を見抜いてからかうなど、ユーモアのセンスもある。
吉牟田刑事がジュヌビエーブを監禁して船長室に篭城した際、「殺人犯がルパンではない、と説明すれば人質を放すはず」と4人の名探偵に謎解きを迫ったが、「廊下で披露するのか?」と名探偵たちは内心では渋っていた。彼女はそれを見抜き、「暖炉とかサロンとかソファがなくては、あなた方は推理できないのですか?」と迫った。
第3作『名探偵も楽じゃない』以外の3作品で夫と共に来日しているが、前作『名探偵なんか怖くない』では別行動をしている(事件のために来日したので)。本作と第4作『名探偵に乾杯』では事件が予想されていなかったため、夫と行動を共にしている。
エルキュール・ポワロ
アレン・セルパン(Aren Selupin)
明智 小五郎
吉牟田 晋吉
セルニーヌ公爵夫人(ジュヌビエーブ)
アルセーヌ・ルパン(Arsène Lupin)
章題
各見出しは、原典等をもじったものになっている。
番号 | 章題 | 原典 | 探偵 | 作家 |
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1 | ポケットに探偵を | ポケットにライ麦を | ミス・マープル | アガサ・クリスティ |
2 | 挑戦準備完了 | 殺人準備完了 | バトル警視 | アガサ・クリスティ |
3 | 災厄の船 | 災厄の町 | エラリー・クイーン | エラリー・クイーン |
4 | 何故メグレに頼んだか | なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? | ボビイ | アガサ・クリスティ |
5 | 特等2A室の秘密 | ローマ帽子の秘密 (国名シリーズ) |
エラリー・クイーン | エラリー・クイーン |
6 | 事務長殺人 | アクロイド殺し | エルキュール・ポアロ | アガサ・クリスティ |
7 | そして誰かがミスをした | そして誰もいなくなった | - | アガサ・クリスティ |
8 | ルパン罠を張る | メグレ罠を張る | ジュール・メグレ | ジョルジュ・シムノン |
9 | Lの悲劇 | Xの悲劇 Yの悲劇 Zの悲劇 |
ドルリー・レーン | バーナビー・ロス |