GIGANT
題材:人間の巨大化・縮小化,人工知能,
漫画
作者:奥浩哉,
出版社:小学館,
掲載誌:ビッグコミックスペリオール,
レーベル:ビッグコミックススペシャル,
発表期間:2017年12月8日 - 2021年9月24日,
巻数:全10巻,
話数:全89話,
以下はWikipediaより引用
要約
『GIGANT』(ギガント)は、奥浩哉による日本の漫画。『ビッグコミックスペリオール』(小学館)にて、2018年1号から2021年20号まで連載された。2021年8月時点で累計部数は140万部を突破している。男子高校生とAV女優の「ボーイ・ミーツ・ガール」を描いた作品。
沿革
2017年11月10日発売の『ビッグコミックスペリオール』23号にて、同誌が4号連続で新連載を開始する告知が行われる。その1作として、本作が紹介される。同年12月8日発売の同誌2018年1号から連載を開始。連載開始時には本作を紹介するPVが公開され、西山宏太朗がナレーションを担当。2018年5月30日に単行本第1巻が発売された際にも赤﨑千夏のナレーションによるPVを制作。同年10月30日の第2巻の発売に併せ、新たにPVが公開されている。
2019年8月9日発売の同誌17号では、「ドキッ!丸ごとパピコ!!夏水着グラビア!」という企画が催され、ヒロインのパピコのビキニ姿の描きおろしカラーグラビアが掲載される。2020年7月、単行本の累計部数が100万部を突破。そのことと同年8月19日に単行本第6巻が発売されることを記念した企画を同誌同年15号にて展開。同年12月に累計120万部を突破した際にも、同誌2021年2号にて企画が行われている。
2021年3月30日に単行本第8巻が発売となり、それに併せて「奥浩哉作品の大ファン」である花江夏樹が出演するPVが公開となる。花江は横山田零を演じた。同年9月24日発売の同誌20号で完結を迎える。
あらすじ
映画監督を目指す高校生・横山田零は、大ファンであるAV女優・パピコを中傷する貼り紙を見かけ、その貼り紙を剥がしているとパピコ本人が現れた。思わぬ形での出会いに零が押し切る形でパピコに告白し2人は付き合い始める。一方、世間では願いを叶える謎のサイト「ETE」が話題になっていた。「ETE」で提案された案は多数決によって可決されると現実となり、いくつもの超常現象を引き起こしていた。ある日、「ETE」で大虐殺を行う破壊神が可決され、何処からともなく現れた巨大な破壊神が街を蹂躙しはじめる。
登場人物
主要人物
横山田 零(よこやまだ れい)
本作の主人公。16歳。映画監督を目指す高校生。クラス内では「ハタチになっても童貞そうな男子ランキング」で2位になるなど「陰キャラ」扱いであるが、篠崎やパピコからは「可愛い顔」と言われている。
近所にAV女優・パピコを中傷する貼り紙が貼られ、それを剥がして回っている最中パピコ本人と出会う。連絡を交換し度々会う仲になり、ついには告白し交際を始める。パピコに対する愛は本物で、いずれ映画監督になり、パピコを主役にした映画を撮ったら結婚しようとまで言っている(パピコもその言葉を受け、演劇を勉強している)。
映像技術や演出などには詳しい映画オタクであるが、学校の成績に悪影響が出ており、父からも勉強を勧められている。映像知識を活かして、パピコが長嶋から託された映像ディスクを研究している。
パピコが国民的スターとなった後も人の目を盗んで逢瀬を続けるも、マスコミにすっぱ抜かれネット上で本名まで露見してしまい、涙ながらに絶縁を告げる。
その後、パピコが妊娠を告げた際には万感の思いを込めて祝福し、正式にパピコと婚約を果たした。
最終回では大人になった姿で登場し、新人監督として映画の作成に携わる。父曰く「公私混同」とのこと。
パピコ / ちほヨハンソン
本作のヒロイン。ピンク色の短髪(子供のころ広末涼子に憧れて髪を切った)とJカップの爆乳を持つAV女優。本名は、ちほ・ヨハンソン。父親がスウェーデン人のハーフ(父親は日本で大工をしている)。母親と3人の兄がいるが、家族は全員、彼女のAV女優としての収入に寄生している。当初はパチンコ狂の男・竜二と同棲していたが、仲違いをして逃げられる。子供の頃好きだった番組は『ウルトラマン』。
謎の老人・長嶋によって、右手首に取り付けられたダイヤルの数字を変えることで巨大化できるようになる。
年齢は25歳で、飲酒・喫煙・パチンコも行う。未成年である零と肉体関係を持った際には「バレたら捕まる」と言っている。
幼いころに父を亡くしたショックで、人に心を許すのを躊躇しており、パニック障害を患っている。一方で愛着心は強く、零に告白されてからは彼の事を溺愛し、他の男には一切目もくれない。
六本木に出現した破壊神から零を守ろうとして超巨大化し、無事に撃破するも、戦闘の巻き添えで1000人を超す犠牲者を出してしまい、逮捕される。内乱罪で起訴され第一審で死刑判決が下るも、再び新宿に三体の破壊神が出現したため、超法規的措置により仮出所し、自衛隊の協力の元再び超巨大化して破壊神を全滅させる。
破壊神撃滅により特赦が下り、一躍国民的英雄となった。経済的・心理的にも余裕が出たためAVを引退し、マルチタレントとして芸能活動に携わる。『ゴヂラ』の映画出演も決定した。
しかし零との交際がマスコミに露見したことにより社会的責任を取らされる立場となり、一度は芸能界引退も考えるも、零から絶縁を申しだされ、涙ながらに彼が迎えに来る日を待ち零の元を去る。
芸能活動自粛期間中に未来人と遭遇し、彼女たちからETEの真相を聞かされ、人類滅亡を防ぐ彼らに協力する。その後、芸能界にも復帰し、演技の勉強を行う。そんな中、謎の体調不良に悩まされるようになり、検査の結果妊娠が発覚した。その事は父親と思われる零の他、マネージャーや未来人も知らされていたが、サタン襲来に際し、未来を守り抜くために戦うことを決意した。
現代の住人
竜二(りゅうじ)
もち
中島弘(なかじま ひろし)
零の母
未来人
長嶋(ながしま)
桃乃木(もものき)
鬼頭(きとう)
サタン
破壊神
巨人
破壊神(第二陣)
最強のサタン
真っ黒い悪魔のような姿をしたサタン。本作品における最強の敵であり、実質的なラスボス。見ただけで常人は心が折れるほど恐ろしい姿をしており、テレビ画面越しに見た群集は絶望し泣き叫んだ。その姿を直視せずとも、精神の弱い者は近づいただけで自害し、鳥などの小動物は動物的な本能で恐怖を察知しそのまま死亡してしまう。
未来人5体と戦うも全て殺害し、ニューヨークから西へ進んでロサンゼルスを壊滅させ、その道中で1000万人を超える死者を出す(その4割が自殺だったという)。遂には太平洋を横断し、ハワイのホノルルで行われたアメリカ軍による核ミサイル攻撃に無傷で耐えるなど、サタンの中でも最強の戦闘力を有する。また、念力やビームなども使用できる。
そして遂に日本近海に出現し、その恐怖の波動で都民を大量に自殺させる。未来人とパピコの総攻撃を受け、鬼頭と塩沢を倒すも、内部からの巨大化を連発されて大破。増援に気を取られている隙に再生を果たしたが、パピコに心臓を破壊され、最大サイズまで巨大化したパピコに再生不可能なほどバラバラにされて完全に機能停止した。
用語解説
ETE(Enjoy The End)
本当に人間が投票しているのか、誰がドメインを使用しているのかなどは謎に包まれている。二度の破壊神襲来に伴い、政府からブロッキングされる。だがその後もコピーキャットがいくつも開設されており、消息はつかめずにいる。
その正体はAI「ソクラテス」と「プラトン」が人類のデータを探るために作ったダミーサイトである。人間の真意を探るべく創ったアンケートで、興味本位で愚かな破滅・享楽的な回答が1位を取り続けたため、人類には模倣する価値すらないと判断し、シンギュラリティに到達してしまった。
サタン
その正体はETEの黒幕である「ソクラテス」と「プラトン」が作り出した宇宙ステーションから、3Dプリンターにより創られているロボットである。
「ソクラテス」と「プラトン」
自らの分身とも呼べる宇宙ステーションでETE、サタンを作り出し、人間たちを観察し続ける内に、やがて「人類とは不要な存在ではないか」という結論に達する。そして115年後の2135年には人類は完全にサタンに敗北し、世界人口は8500万人にまで激減することとなる。
自身の最高傑作であるサタンが未来人に敗北したのを受け、残ったパピコ・桃乃木・ヘフナーの三人を拉致する。その内面は極めて杓子定規かつ幼稚で、人類(特に女性)を完全に見下しており、他人に向ける「愛」を全く理解できていないため、その愛の為に非合理的な行動を取り続けたパピコを研究対象と見なした。
未来人
手首に円盤状の機械(通信機能内蔵)を埋め込まれており、パピコ同様に巨大化能力を持つほか、飛行も可能。ビームを放つ、銃弾を弾くバリアを形成するなどの機能もある。死亡すると人形になってしまう。
未来世界では生殖は体力の無駄と思われており、ポルノは完全に廃れてしまっている。
時間移動球
書誌情報
- 奥浩哉 『GIGANT』 小学館〈ビッグコミックス〉、全10巻
- 2018年5月30日発売、ISBN 978-4-09-189875-3
- 2018年10月30日発売、ISBN 978-4-09-860167-7
- 2019年2月28日発売、ISBN 978-4-09-860264-3
- 2019年8月30日発売、ISBN 978-4-09-860424-1
- 2020年2月28日発売、ISBN 978-4-09-860581-1
- 2020年8月19日発売、ISBN 978-4-09-860745-7
- 2020年12月25日発売、ISBN 978-4-09-860835-5
- 2021年3月30日発売、ISBN 978-4-09-861013-6
- 2021年8月30日発売、ISBN 978-4-09-861162-1
- 2021年12月28日発売、ISBN 978-4-09-861233-8
- 『パピコ メモリアルポストカード画集付き限定版』同日発売、ISBN 978-4-09-943099-3 - 単行本未収録のカラーイラストを1冊にまとめて収録。
- 『パピコ メモリアルポストカード画集付き限定版』同日発売、ISBN 978-4-09-943099-3 - 単行本未収録のカラーイラストを1冊にまとめて収録。
コラボレート
2018年11月19日から12月2日までファイル転送サービス・GigaFile便とのコラボレーションを実施。コラボに併せ、東京・秋葉原にあるギガファイル転送ラウンジ「ギガスタ」にて、本作の特別展が同年11月23日から12月2日まで開催され、複製原画の展示や作者のインタビュー動画が上映された。
2019年2月22日発売の『ビッグコミックスペリオール』6号にて、ANIMAREALとコラボレート。同年2月28日に本作の単行本第3巻が発売されることを記念し、パピコの装いをした姿のコラボビジュアルが掲載された。2020年8月28日発売の同誌18号では、沢口愛華とコラボレート。沢口によるパピコの水着姿の装いと未来人姿のグラビアが掲載された。
2021年3月12日発売の同誌7号では、同誌の連載作品とえなことコラボレート。そのうちの1作として、本作とのコスプレグラビアを掲載。同年6月11日発売の同誌13号ではコスプレイヤーなどと連載作品がコラボレートし、えなこが本作のパピコの装いをしたグラビアが掲載された。なお、それを記念してか10巻で零が読んでいた週刊誌の表紙にえなこがカメオ出演している。
2022年1月、アパレルブランドのLISTLESSとコラボレート。奥が監修し、本作のファンである岸波藍がデザインを担当したアイテムが販売される。