COWA!
以下はWikipediaより引用
要約
『COWA!』(こわ!)は、鳥山明による日本の漫画作品。1997年、『週刊少年ジャンプ』(集英社)連載。
概要
鳥山明の連載漫画『ドラゴンボール』終了後、『週刊少年ジャンプ』の発行部数が急激に減少し、責任を取る形で編集長の堀江信彦が更迭。後任に鳥山の初代担当だった鳥嶋和彦が就任する。鳥嶋は『ジャンプ』立て直しのため、『ドラゴンボール』を終了後、事実上漫画家を引退した鳥山に連載を依頼。鳥山は漫画を描くつもりはなかったが、大恩ある鳥嶋からの強い要請を断り切れず、半年間の短期集中連載(単行本一冊分)で、さらに3週執筆して1週休載という変則スタイルを条件に依頼を承諾。こうした経緯で連載された。
本作はお化けのパイフーやホセ、人間のマルヤマなどによるコメディ漫画。作者自身はこの作品について、『ドラゴンボール』よりは『Dr.スランプ』に近い感じの作品であると語っている。
また、この作品から作者は漫画制作にパソコンを本格的に導入し始めており、これ以降の作品は、作者自身好きな作業といいながらも、『ドラゴンボール』では時間の関係上最低限しか使われなかったスクリーントーンが多用されることになる。
2014年4月に本作のコミックスが重版された際の新規帯で、鳥山は「すべての作品の中でいちばん大スキなマンガであります」とコメントしている。
あらすじ
人とオバケが共に暮らすこうもり岬に住むオバケの小学生パイフーは、日々、岬のオバケや人間達と平和に暮らしてきた。そこへ突然大流行した、オバケのみが罹るお化け風邪。罹れば1か月で死に至るこの病気を治すには、西に住む魔女のみが作ることのできる薬が必要だが、動ける大人のオバケは全て病気に罹ってしまい、人が行くにはモンスターの出る危険な道のりと、どうしようもない状況。この危機にパイフーは、友達のホセ、アーポン、人間の丸山と共に、魔女の薬を買いに旅に出る。
登場人物
こうもり岬の住民たち
パイフー
主人公。コアラ男の父と、美人な吸血鬼の母を持つハーフの子供のオバケ。苗字は無い。こうもり岬小学校オバケの部(夜の部)に通う小学生。母子家庭で、父親は人間の町でコアラ男に変身して暴れてしまい鉄砲で撃たれて他界している。
普段は吸血鬼だが、3秒以上十字架を見せられるとコアラ男に変身し怪力で大暴れし始め、丸いものを見なくては元に戻らない。かなりヤンチャな性格で、イタズラは日常茶飯事。一方、正義感も持ち合わせており、村の危機を救うため依頼料100万円という嘘を付きマコリンに旅の用心棒を依頼し、ホセやアーポンと旅に出る。
本来は空を飛ぶ能力があるが、練習をしないので飛ぶことができない。薬を貰いミミズク山の崖を降りている途中で誤って転落したマコリンを救うため、一度だけ飛ぶことができ無事マコリンを救ったが、その後ホセに飛んで見せようとしたが飛ぶことはできなかった。物語の終わりにはギコチないがなんとか飛べるようになっていた。口笛は下手くそ。
ホセ
アーポン
丸山真虎(まるやま まこ)
通称マコリン。人間の男。名前にコンプレックスを持っていて、マコと読むが真の虎と書き男らしい名前なんだと主張する。パイフーたちに何の偏見も無く名前を受け入れられ安堵するが、パイフーに呼びやすいからと「マコリン」と名付けられ、「リン」をつけるなと怒る。その後も「マコリン」というニックネームは定着してしまい、本人もいつのまにか受け入れていく。活火山(かつかざん)という四股名を持っていた元関取で、腕っ節が半端でなく強い。中国拳法の経験もあり、やや肥満体型だがとんでもなく素早い動きができる身体能力の持ち主。
人殺しの噂があり、多くのオバケが住むこうもり岬の中でオバケを差し置いて一番怖がられている。その噂は事実で、現役時代に自分の強さに慢心して調子に乗り、取り組みでイヤミな横綱をキックで土俵の外まで吹っ飛ばし、打ち所が悪く死なせてしまった。なんとか罪にはならなかったが、それ以来自分が嫌になり人前にいられなくなってしまい、こうもり岬のキツネ海岸に住み着き、イカダで漁をしながらひっそりと生活をしていた。パイフーに一緒に薬を持って帰ったら100万円をもらう(漁船を買うつもりだった)という条件で共に旅に出かける。約束がパイフーの嘘だったと分かっても、ミミズク山から落ちた時に助けてもらったこともあり、ガッカリはしたが怒っていないとパイフーを許す。その後、パイフーの呼びかけで、村に流れ着いていたボロボロの幽霊船を村の皆で協力して修復した船をプレゼントされて感動する。その船は「マコリン丸」と名付けられ、幽霊船なので幽霊もついていたが、マコリンは気にせずその幽霊を助手として一緒に漁をしている。
オバケの医者
ヤマダ
ミミズク山への道中で出会った人間
悪人のチンピラ兄弟
チンピラ2人のパパ
ミミズク山のふもとの森のそばに住む一家
わたあめ屋
地上げ屋の社長
地上げ屋の用心棒A
ミミズク山の関係者
魔女
レオナルド
バロアバ
ミミズク山のふもとの森に出現する大柄なモンスター。森に侵入する人間を、問答無用で2本の剣で攻撃する。体はぷよぷよでゴムのようであり、あらゆる物理的攻撃を跳ね返す。マコリンの強力な打撃やタックルだけでなく、ピストルの弾すら全く通用しない。口笛が弱点で、吹かれると体が縮まりぷよぷよでなくなり、物理的攻撃が通用するようになる。マコリンを追い詰めるが、口笛を急遽練習したパイフーによって弱点をさらしマコリンに倒される。実は他では絶滅した動物などがモンスターの森では生きていて、人間たちから守っていた。真実を知ったマコリンが殺さなかったため、そのお礼としてオバケ風邪にかかったホセを預かり、マコリンとパイフーの2人を口に入れて、登ると3日はかかるミミズク山の山頂まで一瞬で吹き飛ばして送り届ける。また、今後は侵入した人間を殺さない(半殺しに留める)と約束する。
用語
オバケ風邪
天使ごっこ
サブタイトル一覧
本作では第1話、第2話…ではなく、恐怖その1、恐怖その2…と表記される。
書誌情報
- 鳥山明 『COWA!』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉1998年5月1日発売、ISBN 4-08-872557-3