歌舞伎町シャーロック
以下はWikipediaより引用
要約
『歌舞伎町シャーロック』(かぶきちょうシャーロック)は、Production I.G制作による日本のテレビアニメ作品。2019年10月から2020年3月まで毎日放送『アニメイズム』B1枠ほかにて連続2クールで放送された。
Production I.GとKADOKAWAによるオリジナルテレビアニメーションであり、架空の街「新宿區歌舞伎町」が舞台として描かれる。また、本作品の内容は『シャーロック・ホームズシリーズ』のパロディとなっている。2018年8月10日に「歌舞伎町のやつ(仮)」として発表され、その後に本タイトルが正式発表された。
あらすじ
舞台は壁とゲートで東西に分かたれた新宿區歌舞伎町。ウェストサイドで監察医を勤めていた青年医師ジョン・H・ワトソンは、風変わりな依頼を好むという探偵シャーロック・ホームズを探して、イーストサイドの「BARパイプキャット」を訪れる。そこはオネエのハドソン夫人が店長を務め、京極冬人、メアリ・ルーシー姉妹、ミッシェル・ベルモント、小林寅太郎たちが集う「探偵長屋」だった。事件の依頼を受けると探偵たちは報酬を争い、混沌とした街へ飛び出していく。
登場キャラクター
メインキャラクター
シャーロック・ホームズ
声 - 小西克幸
主人公。落語好きな名探偵。推理を披露する際には落語の形式で語り聞かせる推理落語を行うのが常であり、語れることが嬉しいのか不気味な笑いを浮かべてから開始する。ただし落語の才能はあまりない。
長屋に集う探偵の中では最も変わり者だが、非常に明晰な頭脳と推理力を持ち、また原典同様、巧みな変装も得意。報酬の多寡ではなく興味をそそられるかどうかで依頼を受けるかどうか決める。非常に身勝手で傲慢な性格で、ワトソンを顎で使うものの、彼と協力(時に利用)して事件解決に導くこともある。兄のマイクロフトが非常に苦手な他、女性に免疫がないため、女性が接近すると寿限無を唱えて平静を保とうとする。味覚が独特で、飲食時には果物の缶詰を料理にかけたり、アイスコーヒーに焼き鳥を刺したりして食すが、不思議とアイリーンの料理だけは普通に食べている。
ウエストサイドの名家ホームズ家出身だが、「退屈」という理由で家を出てイーストの歌舞伎町に流れ着く。ハドソン夫人に拾われ、落語家に弟子入りするが、「物にならない」と5年で破門され、探偵長屋で探偵業をはじめている。
ジョン・H・ワトソン
声 - 中村悠一、戸松遥(幼少期)
ウェストサイドにある大学病院の法医解剖医。非童貞。シャーロックに自分の近辺で起こる不審な事象の捜査を依頼すべく、イーストサイドに渡ってきた。本作は彼の視点で描かれており、また非常識なメンツの中で数少ない常識人でもある。
生真面目で温厚な青年であり、シャーロックに召使いのような扱いを受けているが強く出られず、依頼を続けるも尽く無視されてしまう。素直で迂闊なために騙し合いや捜査は苦手だが、医学知識や、時に本人に無自覚なところでもシャーロックのサポートをする。
モラン區長の娘アレクサンドラ・モランの検死の際に遺体の髪から小さな発信機を発見、それを上司に報告したことから、真相の露呈を恐れた切り裂きジャック事件の首謀者に付け狙われる。
ジェームズ・モリアーティ
声 - 山下誠一郎、大地葉(幼少期)
ウエストサイドに住まう高校生。16歳。探偵ではないが、シャーロック顔負けの頭脳の持ち主で、シャーロックとは本人曰く「親友」「前世からの仲」。
シャーロックの部屋や探偵長屋にも出入りしているほか、スリを働く悪ガキグループ(歌舞伎町遊撃隊)のリーダーのような存在でもある。落語の知識があり、シャーロックとは破門された彼が公園で落語の稽古をしていた時に知り合った。
正体はモラン區長の息子であり、本名は「ジェームズ・モラン」。双子の妹アレクサンドラ(声 - 花澤香菜)を殺害した切り裂きジャックを追っている。
シャーロックらの捜査により切り裂きジャックが判明するとジャックを殺害。東京第七刑務所に収監され、アルバート・トレヴァら古参の囚人たちから激しいいじめを受ける。
集団脱獄事件から10か月後、父親のモランの尽力により釈放され、歌舞伎町に戻る。モラン區長選を補佐しながら探偵業も勤め、世間から「ヒーロー探偵」と呼ばれるようになっていく。
実は道徳や罪悪感を持たないサイコパスであり、11年前、興味本位で入浴中の母親を感電死させている。服役中に囚人たちをマインドコントロールし、脱獄させて事件を起こすと自殺するよう仕向けた。
アイリーン・アドラー
声 - 坂本真綾
妖艶な才女。数多くの肩書きを持ち、多くの男の愛人でもあった。幼い頃にハドソン夫人に面倒を見てもらっていた時期がある。
モラン區長の愛人であり、モラン家の家庭教師を勤めていた。その時の教え子アレクサンドラの死を調査するために目玉焼き形のUSBメモリをモランから奪取。そのため切り裂きジャックに襲撃されるようになり、なりゆきでシャーロックの家に居候するようになった。
探偵長屋
ハドソン夫人
声 - 諏訪部順一
「BARパイプキャット」のオーナー兼店長。ひげ面で筋骨隆々のオカマではあるが心は乙女で、高価なドレスに見惚れることもある。店と並行して探偵長屋の元締めをしており、報酬を提示してシャーロックらを競わせている。自ら依頼人として依頼を出すこともある。
京極冬人 (きょうごく ふゆと)
メアリ・モーンスタン
声 - 東山奈央
小悪魔系ギャル探偵。ルーシーの妹。巨乳。
もともとは姉とともに田舎暮らしをしていたが、クズの父親が失踪前後から不貞を働き、更に母親が死去したため、二人で歌舞伎町にやってきた。頭の回転が早く狡猾で、姉への甘え方も上手い。
ルーシー・モーンスタン
声 - 東内マリ子
シスコン探偵。クールに見えて人情家。一見すると目つきの鋭い美男子だが正真正銘の女性。
歌舞伎町にやってきたばかりの頃に自分たち姉妹を救ってくれた力士に憧れを抱いており、相撲観戦を趣味にしている。過去のトラウマのせいもあって、妹にはとにかく甘い。ただし、妹との生活において料理だけはさせてもらえない(寅太郎曰く「ゲロマズ」)。
ミッシェル・ベルモント
小林寅太郎 (こばやし とらたろう)
声 - 橘龍丸
義理人情に篤いあんちゃん探偵。強面だがお人好しの苦労人。
借金の取り立て対象である漫画家に情が湧いてしまい、彼の夜逃げを見逃した事から破門を言い渡された元・兼古組のヤクザ。その時の出来事がきっかけで寅太郎をモデルにした漫画が連載されるようになった。
歌舞伎町遊撃隊(かぶきちょうゆうげきたい)
穂刈マキ
声 - 村瀬歩
「BARパイプキャット」の常連客。童顔で控え目な性格をしたニューハーフ。マキ本人に惚れている京極だけは性別が男性であることに気付いていない。のちに金蔓になりそうな京極と交際を始める。
実は切り裂きジャックの正体で、本名は「足利満昭(あしかが まんあき)」。性別を問わず自身が「美しい」「可愛い」と感じた者を切り刻んで惨殺することを好むシリアルキラーで、食い扶持を稼ぐために殺し屋稼業もしていた。「穂刈マキ」としての性格も演じていたものに過ぎず、自身を慕っていた京極を口汚く罵ったり、アレクサンドラを欲情しながらじっくり殺したと嬉々として語るなど、ホームズをして「全てが醜悪」と言わしめさせる残虐下劣な男。物語中盤、モリアーティの「仇討ち」によって絶命させられる。死の間際、モリアーティに「モラン區長から息子のジェームズ殺害の依頼を受けたが、間違えてアレクサンドラを殺した」と言い残した。
その他
レストレイド警部
マイクロフト・ホームズ
兼古信雄(かねこ のぶお)
セバスチャン・モラン
セシリア・モラン
ディラン
モモタローズ(MOMOTA-ROSE)
トニー茂(トニーしげる)
アルバート・トレヴァ
世界観・用語解説
新宿區
歌舞伎町
NYAO HOUSEビル
ピンクの象
探偵への依頼
探偵ポケベル
切り裂きジャック
東京第七刑務所
スタッフ
- 監督 - 吉村愛
- シリーズ構成 - 岸本卓
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 矢萩利幸
- プロップデザイン - 清池奈保、津坂美織、久原陽子
- 色彩設計 - 藤田恵里香
- 美術設定 - 金平和茂
- 美術監督 - 片平真司
- 3D監督 - 磯部兼士
- 特殊効果 - 村上正博
- 2Dワークス - 濱中亜希子
- 撮影監督 - 荒幡和也
- モーショングラフィックス - 大城丈宗
- 編集 - 濱宇津妙子
- 音響監督 - 長崎行男
- 音楽 - 伊賀拓郎
- 音楽プロデューサー - 若林豪
- 音楽制作 - KADOKAWA
- プロデューサー - 河本紗知、今川寛隆、清水紀衣、前田俊博
- アニメーションプロデューサー - 八木雅子
- アニメーション制作 - Production I.G
- 製作 - 歌舞伎町シャーロック製作委員会(KADOKAWA、DMM. pictures、Production I.G、ムービック、MBS)
主題歌
「CAPTURE」
「百億光年」
「パレード」
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 初放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
#01 | はじめまして探偵諸君 | 岸本卓 | 吉村愛 |
| 2019年 10月12日 |
|
#02 | 泣きぼくろ見つめ隊はいかが | 松澤建一 |
| 10月19日 | ||
#03 | エース・京極冬人の夢は | 横山和基 |
| 10月26日 | ||
#04 | お湯は基本熱め | 池田臨太郎 | 島津裕行 | 小林孝志 | もろゆき沙羅 | 11月2日 |
#05 | 立合いはフライングぎみッ | 宮尾百合香 | 喜多谷充 | 徐惠眞 |
| 11月9日 |
#06 | 漢 小林、やるっす | 木戸雄一郎 | 松澤建一 |
| 11月16日 | |
#07 | ワイフ、未来を見つめる | 頂真司 | いとがしんたろー |
| 11月23日 | |
#08 | 水着を脱がせるな | 横山和基 |
| 11月30日 | ||
#09 | あの女のねぐら | 池田臨太郎 | 米林拓 |
| 12月7日 | |
#10 | 霊媒師急募 | 宮尾百合香 | 頂真司 | 朝岡卓矢 |
| 12月14日 |
#11 | 切り裂きジャック | 岸本卓 | 渡邉徹明 |
| 12月21日 | |
#12 | にゃんにゃん打破 | 宮尾百合香 | 藤田陽一 | いとがしんたろー |
| 12月28日 |
#13 | はじまりの月夜 | 岸本卓 | 頂真司 | 小村方宏治 |
| 2020年 1月11日 |
#14 | 取り戻せメロンのココロ | 池田臨太郎 | 小林孝志 |
| 1月18日 | |
#15 | あの人はいずこ | 木戸雄一郎 | 中西伸彰 |
| 1月25日 | |
#16 | ミッシェルとあほぼん | 宮尾百合香 | 小倉宏文 | いとがしんたろー |
| 2月1日 |
#17 | 振り返ればサウダーデ | 池田臨太郎 | 松澤建一 |
| 2月8日 | |
#18 | 動物たくさんデス | 木戸雄一郎 | 仲澤慎太郎 | 江島泰男 |
| 2月15日 |
#19 | グランギニョールの幕を | 宮尾百合香 | 頂真司 | 高田昌豊 |
| 2月22日 |
#20 | モリアーティ、享受 | 岸本卓 | 石川真理子 |
| 2月29日 | |
#21 | 絶入 | 西田正義 | いとがしんたろー |
| 3月7日 | |
#22 | イースト菌について語るスレ | 木戸雄一郎 | 頂真司 | 中西伸彰 |
| 3月14日 |
#23 | 8時、全員集合だよ | 池田臨太郎 | 加藤大貴 |
| 3月21日 | |
#24 | 歌舞伎町で会おう | 岸本卓 | 松澤建一 |
| 3月28日 |
放送局
関連メディア
BD / DVD
漫画
ウェブコミック『MAGCOMI』(マッグガーデン)にて連載。作画は水越きぬ。2020年10月5日、著者都合により連載中止となったことが発表された。掲載分の書籍化予定はない。
小説
森晶麿によるノベライズ作品が角川文庫より刊行。
- 『歌舞伎町シャーロック 囚人モリアーティ 解放のXデー』ISBN 9784041090053
Webラジオ
ハドソン夫人役の諏訪部順一と小林寅太郎役の橘龍丸がパーソナリティーを務める『歌舞伎町シャーロック〜パイプキャットラジオ〜』が音泉にて2019年10月9日から2020年4月8日まで隔週水曜日に配信。
舞台
2024年1月19日に本作の舞台化が発表された。同年5月に東京都文京区のIMM THEATERで上演予定。
キャスト
- シャーロック・ホームズ - 新木宏典
- ジョン・H・ワトソン - 鈴木裕樹
スタッフ
- 脚本 - 岩崎う大(かもめんたる)
- 演出 - 元吉庸泰