星降る王国のニナ
漫画
作者:リカチ,
出版社:講談社,
掲載誌:BE・LOVE,
レーベル:BE・LOVE KC,
発表期間:2019年10月1日 -,
巻数:既刊12巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『星降る王国のニナ』(ほしふるおうこくのニナ、英語: NINA the starry bride)は、リカチによる日本の漫画作品。『BE・LOVE』(講談社)にて、2019年11月号から連載中。『BE・LOVE』の編集長の米村昌幸によると、戦いと恋が描かれる王道ファンタジー作品。2023年11月時点で累計発行部数は150万部を突破している。
2021年6月11日に単行本第5巻が発売された記念として、ボイスコミックが公開されている。
2022年には第46回講談社漫画賞少女部門を受賞。
2023年11月、テレビアニメ化が発表されている。
ストーリー
フォルトナ国城下ダヤに住む孤児の少女ニナは、たった一人でも良いから居場所が欲しいと願っていた。
珍しい瑠璃色の瞳から第二王子アズールに見いだされたニナは、大国ガルガダへ嫁ぐはずだったが事故死した王女アリシャ・セス・フォルトナに成り代わるため、美しく着飾り姫としての作法を身に付けることを求められるが、次第にアズールに心惹かれていく。
登場人物
声の項はボイスコミック版・テレビアニメ版共通の声優。
フォルトナ国
ニナ / アリシャ・セス・フォルトナ
声 - 田中美海
本作の主人公。フォルトナ国城下ダヤに暮らしていた孤児の少女。珍しい瑠璃色の瞳を持つため、前髪で顔を隠し、少年のふりをしていた。五年前の流行り病で両親を亡くし、同じく孤児になったサジ、コリンの兄弟と暮らしていたが、コリンの病死後サジに騙されアズールに売られ、事故死した王女アリシャ姫に成り代わることを求められる。アリシャ姫としては15歳。
天真爛漫でおてんばな性格。孤児ゆえに教養は何もなかったが、三か月足らずで巫女の知識をすべて覚え、王女としての振る舞い方を身に付けていくが、まだまだ猛勉強中。アリシャ姫とは瞳の色以外一切似ていないが、顔がほとんど知られていないため入れ替わりの事実は気づかれていない。本来の髪は短いので、長い髪の付け毛で隠している。
アリシャに成り代わって約3か月、巫女としての知識や王女としての作法、教養を猛勉強するうちに、アズールに心惹かれていく。アズールのいるフォルトナを守るために、太上皇の協力のもと一人ガルガダに旅立つ。
アズール・セス・フォルトナ
声 - 梅原裕一郎
フォルトナ国第二王子。灰金色の瞳が特徴。ガルガダに嫁ぐことになったアリシャを星離宮から王宮に連れてくる途中、アリシャ姫の乗った馬車が崖下に転落し、身代わりとしてニナを連れてくる。三か月間アリシャ姫の教育係を務める。
実は4歳で事故死した本物のアズールに成り代わった別人。王子の死を隠すために連れてこられ、十年間太上皇のもとで「この国のために生き、尽くす。決して何かを望んだり欲したりしてはならない」と厳しく教育され、13歳の頃には臣下から大きく期待され、17歳で連隊を率いるほどにまでの聡明さを持つ。しかし現王妃にムフルムが生まれたことで自身の存在意義を見失い、自分も他者も人形(コマ)だと思うようになる。当初ニナのことはいずれはガルガダに非を押し付けるために殺すための人形ととらえていたが、ニナのことを欲しいと思うようになり、ガルガダ王子とアリシャ姫の婚姻を白紙にできないか奔走する。
太上皇(たいじょうこう)
現王の祖父、アズール、アリシャ、ムフルムの曽祖父にあたる。徒歩で半日ほどの距離にある赤い屋根の離宮で暮らしている。十年前は普通に歩けていたが、現在は腐毒のために両足が不自由になり、寝所との往復ができる程度。
本物のアズールの死後に連れてこられた現在のアズールを十年間離宮で育て、この国のために生きるように教育する。アズールを救いたいと嘆願に来たニナの振る舞いから、アリシャ姫ではないと見抜き、地下牢に入れるが、元々劣悪な環境で生きてきたニナにはまったく効果がなく、また自身の命よりもアズールなど入れ替わりの事実を知る者の命を優先する姿を見て、「”アリシャ”であればフォルトナを救える」とニナを導く。ニナのことを「紛い物で特異だからこそアズールを動かす風になる」と評し、ニナの力になる。
ムフルム
フォルトナ王
ガルガダ
大陸北部の大国。フォルトナとは険しい山脈で隣接し、陸路でも海路でも遠回りしなければならず、数週間の道のり。元は小国であったが、神のお告げにより南の国を侵攻するために数十年で急激に力をつける。周辺国への軍事的侵攻、敗戦国の人民の奴隷化、その奴隷売買、人同士による闘技という名の殺し合い、無実の者の投獄、殺害など生臭さの絶えない国として現国王ノアが発展させている。
セト
声 - 内山昂輝
ガルガダの第一王子。異母兄弟にビドー、ヨル、トートがおり、四人で王位を争っている。冷酷な物言いと振る舞いから恐れられ、心を許しているのはニィナという名の鳥のみ。他国から人質として多くの姫を花嫁候補に迎え、自分を殺させようと仕向け、実行した場合は報復としてその国を滅ぼしていたが、ニナにそれを見抜かれる。ニナも他の姫のように政略のために乗り込んできただけだととらえていたが、次第に何かが違うと考えるようになる。
ソル・ジーナ・ホルト (ホルト元将軍)
ガルガダ王国の元将軍。登場時は極東監獄グリフィゲルドに収監されている上級囚人とされていた。若くして将軍の地位に上り詰め軍人としての将来を期待されていたが、将来を共に過ごしたかも知れない女性を王に殺されたことから王を暗殺し収監されることとなった。 未来も将来も求めず「世を捨てた」と明言し、無為に日々をただ過ごすだけの人生を送るつもりだったがニナと出会い、その手にホルト将軍の象徴である双刀槍を再び取り戻したことから監獄を出ることを決意する。自作の双刀槍を使った武術とその明晰な頭脳からガルガダでは伝説の武人と化していた。 元来、知識欲が高く、得た知識を活用して人の役に立ちたいとの思いがあり、ガルガダの他国侵攻も「無意味な領土の争い」と言い切り、ガルガダ歴代王の政策に正面から反対していた。
アン
ニナ付の侍女。元々はセトの居城の使用人だったが、ニナに気に入られ、侍女になる。
作風・評価
本作は王道な展開で描かれるファンタジーである。ライターの黒田順子によると、本作ではアジアンテイストの宮殿の装飾や衣装が美しく描かれており、それにより世界観が表されている。
2021年12月にReal Soundで紹介された、ライターの白石弓夏が選ぶ「2021年コミックBEST10」にて、本作は第6位を獲得している。
2022年5月、第46回講談社漫画賞少女漫画部門を受賞。
セト役を演じる内山昂輝は、「シリアスな物語と個性的なキャラクター同士のコメディシーンの織り交ぜ方が絶妙」な作品と評している。
書誌情報
- リカチ『星降る王国のニナ』講談社〈BE・LOVE KC〉、既刊12巻(2023年12月13日現在)
- 2020年3月13日発売、ISBN 978-4-06-518717-3
- 2020年7月13日発売、ISBN 978-4-06-520217-3
- 2020年10月13日発売、ISBN 978-4-06-520983-7
- 2021年2月12日発売、ISBN 978-4-06-522365-9
- 2021年6月11日発売、ISBN 978-4-06-523658-1
- 2021年10月13日発売、ISBN 978-4-06-525681-7
- 2022年2月10日発売、ISBN 978-4-06-526769-1
- 2022年7月13日発売、ISBN 978-4-06-528572-5
- 2022年11月11日発売、ISBN 978-4-06-529878-7
- 2023年3月13日発売、ISBN 978-4-06-531144-8
- 2023年8月10日発売、ISBN 978-4-06-532772-2 / ISBN 978-4-06-532789-0(特装版)
- 2023年12月13日発売、ISBN 978-4-06-534052-3