テラオ
以下はWikipediaより引用
要約
『テラオ(Next Generation Machine TERA-O)』は、近藤るるるによる日本の漫画作品。また、作中のキーパーソン的キャラクターであるロボットの名前。
ゲーム雑誌『ファミ通』(エンターブレイン)にて2009年2月6・13日合併号から2011年5月26日号まで連載された。単行本は全6巻。
同誌で連載されていた『たかまれ!タカマル』に過去作品の人物が登場したのと同様に、本作品でも『たかまれ!タカマル』の人物が引き続き登場している。
作中には、ゲームソフトに絡んだネタ・小ネタが随所に見られる。元ネタについては、コミックス各巻の巻末にて作者の解説および思い入れが掲載されている。
あらすじ
ゲーム好きの小学校教師石原 駈は、ある日突然転勤を命じられる。そこは小笠浦諸島トーサン島。本島から離れたことで発売日にゲームも買えず、おまけに持っていたゲーム機は初日に子供たちに壊されてしまう。
それでも心機一転、教師生活を頑張ることを決め、学校へと向かうが、そこには謎のロボットテラオがいた…。
登場人物
主要人物
石原 駈(いしはら かける)
本作の主人公。24歳の小学校教師。幼少からの熱烈なゲームマニアであり、メーカーや家庭用・携帯用問わず、さまざまなゲームのハード・ソフトを所有している。その熱中ぶりは受験や就職活動といった人生の節目でもゲーム機を手放さなかったほどで、ゲームに触れなくなると若干の虚無感と極度の精神不安に見舞われる。2D格闘ゲームの神様ヌメハラを尊敬しており、パスケースに彼の写真を忍ばせている。また、『たかまれ!タカマル』の主要人物たちが高校在学時から制作・刊行しているゲーム雑誌「S.M.L」の愛読者でもあり、彼らの編集部に入部したいがために転校を考えたほどである。特に、経理・営業担当の女生徒(蓮沼莉子)に憧れており、彼女が営業に訪れる本屋を張っていたこともあった。
モンスターペアレントの不当な訴えによって、小笠浦諸島トーサン島にある小笠浦小学校の鯨浜分校へと左遷させられ、さらには着任初日に所有するゲーム機すべてを生徒たちが原因の事故で破壊されるという不幸に遭う。しかし、自分の不幸を嘆きながらも、原因となった生徒たちを恨むことは一切せず、教師としての懐の広さを見せる。
莉子とは、最悪な出会いをしていることから、恐怖心を持って接することもあった。しかし、成り行きで10日間同棲していたこともある。また、当初は兄の瞬を彼氏と勘違いしていたこともあった。なお、後に莉子がお見合いをするという話を聞いて、ショックで記憶喪失になるほど彼女のことを意識するようになる。
TERA-O(テラオ)
鯨浜分校に通う謎のロボット。作中のアメリカ海軍特殊作戦部隊(SEAL)からは「オリジナル」と呼ばれている。楕円形の頭部と円らな目、伸縮自在の手足を持つ。頭部は柔らかく弾力性に富み、銃弾を弾き返すほど丈夫である。また、顎のラインにあたる部分にジェットエンジンのような推進機関を内蔵しており、自身を回転させるようにして飛行することが可能である。動力源は不明。
分校の正式な生徒ではないが、島の子供たちの人気者で本当の生徒のように扱われている。何かの次世代機で、セガのロゴらしきものが身体の中央部にあるが、そこはテープで隠してある。ゲームソフト(対象ハードは問わない)を眉間のスリットに差し込むと、現実世界の動植物や地形、果ては物理法則さえも捻じ曲げ、そのゲームの世界観を再現する機能を持つ。その効果範囲はトーサン島全体にまでおよび、毎回のトラブルの原因となる。その能力から、ゲーム好きの石原からは過剰なまでに目をかけられている。
嵐野 太壱(あらしの たいち)
パトリシア・セーボレー
モアナ・ペペイア
小花 勇人(おばな はやと)
水谷 紗弥(みずたに さや)
駈が小笠浦に転任する前の学校の教え子で、彼が左遷される原因を作った張本人。そのことを後ろめたく思っていたため、父親が仕事でトーサン島に向かうのを知り、同行。以後父親が小笠浦に向かう際には同行するようになる。太壱を小間使いのように扱い、時に弄ぶようなそぶりも見せるが、「一生責任を取る」と言った太壱を気に掛けている様子もある。
携帯電話が手放せない現代っ子だが、トーサン島の自然の中で過ごす内に、朗らかな性格かつ規律正しい子(携帯電話も持たなくなるほど)に成長する。しかしながら、それがきっかけでクラスの中で浮いた存在となる。
父親は六菱重工に勤めるTERAO(TRO)システムの研究者(表向きは自衛隊の機器のメンテナンス業)で、TERAO(そしてTERAOと親密な石原)を利用してトーサン島への干渉レベルと島民に及ぼす影響を調べている。
蓮沼 莉子(はすぬま りこ)
『たかまれ!タカマル』から引き続き登場。本作では26歳となり、トーサン島の診療所で研修医を務めている。その才色兼備さと、兄の瞬に対するブラコンぶりは健在。島民たちからは「美人先生」と呼ばれ慕われている。普段自炊をしていないのか料理はあまり得意ではない。瞬と共に代々駐在医に与えられる丘の上の洋風の家に住んでいる。
来島初日に海に落ちて溺れた駈を介抱するが、意識朦朧だった彼の発言を自分への侮辱と誤解し、怒りの平手打ちを見舞う。この最悪の出会いから何かと駈を敵視するが、次第に彼の本質を知り認識を改める。やがて異性として駈を意識し始めるが、表面ではその想いを認められず、彼や周囲に対して心にない発言や理不尽な暴力を行う。
トーサン島(鯨浜)の人々
嵐野 壱朗(あらしの いちろう)
アリカ・ペペイア
マイク・セーボレー
パトリシアの父親。38歳。元アメリカ海軍大尉で、SEAL所属のブライアン・ジェーンの上司、グラントの部下でもあった。「アフガンの砂塵の死神」と呼ばれていた。5年前に退役し、3年前に祖父が住んでいた小笠浦に移住している。グラントとは確執があったようで、彼が行った無茶な作戦で仲間と罪のない民間人が殺されたことが嫌になって退役していると思われる。戦闘能力はグラントよりも上で、チャドでグラントより大きなライオンを捕まえている。
現在はフリーのフォトグラファ。趣味は料理。『せぼりはほり』というタイトルで、小笠浦諸島のことや日常生活の出来事などをブログで綴っている。敬虔なクリスチャン。
妻のレイチェルとは戦地での取材で出会っていて、「嫌な女」というのが第一印象だったらしい。今は妻を溺愛し、再会できる日を心待ちにしている。
レイチェル・セーボレー
トーサン島の人々
蓮沼 瞬(はすぬま しゅん)
丸 優奈(まる ゆうな)
海軍特殊作戦部隊(SEAL)
TERA-O-E(テラ・オ・イー)
謎のロボット。SEALが製作したらしく、彼らからは「イーグルアイ」、モアナからは「イーくん」と呼ばれている。
テラオに似ているが、身体の色が黒く、全体的に直線的なフォルムで、胸にはマイクロソフトのものらしきロゴが書かれており、その部分はやはりガムテープで隠されている。顔の部分には、ガトリング砲などの武器が組み込まれている。通常の攻撃なら、体が硬いのであまり受け付けない(ただし、噴射口など装甲の弱いところがあり、そこが弱点ともいえる)。なお、村民の一部は、明らかに外見の違うはずのTERA-OとTERA-O-Eとの区別が付かない。
テラオを破壊しようと攻撃するが、駈たちに返り討ちに遭う。身体の各所を破損した後はモアナに匿われ、修復後にブライアン・ジェーンと合流しようとするも失敗。海上に没し機能停止する。引き上げられた後は、TERA-Oの研究機関に一旦引き取られる。なお、TERA-Oシリーズは互いを干渉しないという紳士協約があるらしい。
能力は、あらゆる状況下での戦闘技術や世界中の兵器の知識を得て体内に内蔵させ、それら兵器を利用すること。また自律機能を利用してある程度のカスタマイズやメンテナンスも可能である。
ブライアン / ジェーン
その他
梶谷 メイコ(かじやま メイコ) / 大山 カオリ(おおやま カオリ)
単行本
- 近藤るるる『テラオ The next generation machine』〈ビームコミックス〉発行:エンターブレイン、発売元:角川グループパブリッシング、全6巻。第6巻巻末にはファミ通Bootleg!にて掲載されていたスピンオフ漫画「eb!まんがまつり 次世代機大激突」が収録されている。