ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
小説
著者:大森藤ノ,
出版社:SBクリエイティブ,
レーベル:GA文庫,
巻数:既刊19巻,
小説:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア
著者:大森藤ノ,
出版社:SBクリエイティブ,
レーベル:GA文庫,
巻数:既刊14巻,
小説:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル
著者:大森藤ノ,
出版社:SBクリエイティブ,
レーベル:GA文庫,
巻数:既刊3巻,
小説:アストレア・レコード 邪悪胎動ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚
著者:大森藤ノ,
出版社:SBクリエイティブ,
レーベル:GA文庫,
巻数:全3巻,
小説:アルゴノゥトダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚
著者:大森藤ノ,
出版社:SBクリエイティブ,
レーベル:GA文庫,
巻数:全2巻,
アニメ:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(第1期)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかII(第2期)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIII(第3期)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかIV(第4期)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかV(第5期)
原作:大森藤ノ,
監督:山川吉樹,
シリーズ構成:白根秀樹,
キャラクターデザイン:木本茂樹,
音楽:井内啓二,
アニメーション制作:J.C.STAFF,
製作:ダンまち製作委員会ダンまち2製作委員会ダンまち3製作委員会ダンまち4製作委員会ダンまち5製作委員会,
放送局:TOKYO MX,
話数:第1期:全13話+OVA第2期:全12話+OVA第3期:全12話+OVA第4期:全22話,
アニメ:ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝
原作:大森藤ノ,
監督:鈴木洋平,
シリーズ構成:白根秀樹,
キャラクターデザイン:木本茂樹,
音楽:井内啓二,
アニメーション制作:J.C.STAFF,
製作:ソード・オラトリア製作委員会,
放送局:TOKYO MXほか,
話数:全12話,
映画:劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか -オリオンの矢-
原作:大森藤ノ,
監督:桜美かつし,
キャラクターデザイン:木本茂樹,
音楽:井内啓二,
制作:J.C.STAFF,
製作:劇場版ダンまち製作委員会,
インターネットラジオ:TVアニメ「ダンまち」ラジオに松岡との出会いを求めるのは間違っているだろうか
配信期間:2015年3月20日2015年4月10日 - 7月3日,
配信サイト:HiBiKi Radio Station,
配信日:毎週金曜日,
以下はWikipediaより引用
要約
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(ダンジョンにであいをもとめるのはまちがっているだろうか)は、大森藤ノによる日本のライトノベル、およびその派生作品群。本編のイラストはヤスダスズヒトが担当、派生作品のイラストははいむらきよたか、ニリツ、かかげが担当する。2013年1月からGA文庫(SBクリエイティブ)より既刊43冊(本編19冊、派生作品24冊、2023年9月現在)が刊行されている。また、本作品を原作とする漫画、テレビアニメ、劇場版アニメ、ゲームなどの作品がメディアミックスされている。略称は「ダンまち」。
概要
円形都市オラリオとその地下に広がるダンジョンを主な舞台とする神の眷族が織り成すファンタジー作品。本編は駆け出しの冒険者である主人公ベル・クラネルがオラリオで出会ったヒロインたちを救い、仲間との絆を育みながら英雄へと成長する物語である。外伝『ソード・オラトリア』は本作品のヒロインであるアイズ・ヴァレンシュタインがあまりにも強過ぎて、本編で全ての出番を奪いかねないことから、その実力を遺憾なく発揮できる場として企画された派生作品であり、『ファミリアクロニクル』シリーズは本編と外伝で掘り起こしきれないキャラクターたちの過去を描くための作品である。
本作品は大森のデビュー作であり、書籍化前は小説投稿サイト「Arcadia」に投稿されていた。これを大森が第4回GA文庫大賞に応募して大賞を受賞し、2013年に本作品の本編がGA文庫から書籍化され、2014年には外伝『ソード・オラトリア』が、2017年には『ファミリアクロニクル』シリーズが刊行される。2020年に宝島社から出版された『このライトノベルがすごい!』では「2010年代総合ランキング」において第4位となる。2023年にはシリーズ刊行開始から10周年を迎え、本編と外伝に加えてゲーム『メモリア・フレーゼ』のシナリオや記念小説が12カ月連続で書籍化・公開され、シリーズの累計発行部数は2023年7月時点で1500万部を記録している。
メディアミックスとして、2013年に本編が、2014年に外伝『ソード・オラトリア』が漫画化される。2015年に本編のテレビアニメが初めて放送されて、作品に登場する女神ヘスティアのキャラクターが人気となり、また、2015年には本作品を原作とする初めてのゲームとしてブラウザゲーム『クロス・イストリア』が配信される。2017年には外伝『ソード・オラトリア』のテレビアニメが放送され、『ファミリアクロニクル』の漫画が文庫本と同時連載され、さらにスマートフォン用のゲーム『メモリア・フレーゼ』が配信される。また、2019年には劇場版アニメ『オリオンの矢』が公開される。
作風とテーマ
作品世界では、千年前よりも昔の時代、ダンジョンから無限に産み出されるモンスターが、問答無用に人間に襲いかかる敵として存在し、かつてモンスターと戦った英雄たちの活躍が様々なお伽噺(英雄譚)として作品が描かれる時代に伝わっている。約千年前に天界より神々が降臨し、神の眷族となった人間たちはファミリアを組織して下界に蔓延るモンスターに対抗するようになり、ダンジョンの上にバベルという巨塔が建設されてモンスターが地下に閉じ込められたため、地上には一定の秩序がもたらされる。本編が開始される15年前にオラリオで最強を誇ったファミリアが黒竜に敗れて全滅し、過激派ファミリアが跋扈する暗黒期がオラリオに訪れるが、5年前にギルドなどにより過激派は鎮圧される。新たなファミリアも台頭し、オラリオに再び安寧がもたらされた時代に本物語が始まる。
本作品に登場する神々は、ギリシャ神話や北欧神話などの世界各地域の神話に登場する神の名を冠し、ヘスティアが炉の神である設定などはギリシア神話を踏襲している。本作品の神々は天界での退屈に耐えられず下界に降臨し、超越的な能力が封じられる代わりに、神の恩恵を授けた人間が織り成す未知の物語を楽しんでいるが、自身の娯楽を最優先に行動する者も多く、人間たちを騒動に巻き込んだりもしている。人間たちは、ヒューマンの他にエルフなどが登場し、神々から恩恵を授けられた者にはロールプレイングゲームのようなレベルや能力などを数値で示した神聖文字が体に刻まれる。これにより、モンスターと戦うことができるように心身が強化され、魔法などの超常的な力も使えるようになる。冒険者と呼ばれる神の眷族は、未知への探求心から、またモンスターとの戦闘により得られる富や栄誉を求め、ダンジョンに挑戦しており、オラリオの冒険者は残された黒竜の討伐を望む作品世界の人々から新たな英雄として期待されている。
主人公のベル・クラネルは、英雄譚のような異性との運命の出会いに憧れてオラリオにやって来て、ヘスティアのファミリアに入団した駆け出しの冒険者であり、物語では様々な出会いと冒険を通じたベルの成長、そして出会いの結実やファミリアの絆が描かれる。素朴で純粋な動機でダンジョンに挑むベルの行動が次々とヒロインを救うことに繋がり、無意識的にヒロインたちから想いを寄せられてゆくストーリ展開や、憧れを目指して努力や友情によりベルが強くなってゆく昔ながらの少年漫画のような「熱血」な展開が本作品の特徴となっている。
作者の大森藤ノは、本編をベルと周囲の者の成長譚と位置付けており、作品の世界観は外伝の方が迫っていると評している。作者はベルの成長を魅力的に描写するために、作品に登場する神の設定やベルの能力に関する仕掛けを考え、ベルを物語の最初から最強主人公としなかった。また、本作品の世界観はファンタジーだが、作中の設定はゲームが意識されており、作者はゲームからインスパイアされた多くの設定をファンタジーの世界に溶け込ませるように苦心して作品を作り上げている。この理由は、作者が沢山の人に作品を読んでもらえるようにと意図し、制作当時に流行していたキャラクターの能力を数値化する設定を取り入れようと考え、ゲームにおける経験値などのシステムを参考にしたためである。ただし、作者によれば、ゲームからインスパイアされた設定は、ネット上に公開されている多くのゲーム関連の二次創作作品から間接的に受け取ったものであり、参考とした特定のゲームはないと述べている。
本編あらすじ
本編 第一部
主人公ベルとヒロインたちの出会い、ベルの最初の冒険などが描かれる。
本編 第1巻
ダンジョンに向かう道すがらに出会った「豊饒の女主人」のシル・フローヴァから招かれ、酒場で食事をとっていたベルは、女神ロキとその団員たちの会話が耳に入り、憧れの人であるアイズの前で自分が嘲笑されたことに耐え切れず、酒場から逃げ出してしまう。自分の現状を思い知らされたベルは、憧れの人に追いつくために強くなると心に誓う。ベルの願いを知った女神ヘスティアは、神友である女神ヘファイストスに強引に頼み込み、莫大な借金を形に神(ヘスティア)のナイフを作製してもらう。
ベルは女神フレイヤから見初められ、ベルを見定めるためのフレイヤの暗躍により、ガネーシャ・ファミリアが主催する怪物祭からモンスターが地上に解き放たれる。逃げ出したモンスターは執拗にヘスティアを狙うが、ベルがモンスターと対峙し、ヘスティアから託された神のナイフを使い、格上のモンスターを辛うじて打倒する。
本編 第2巻
ベルの成長を促すフレイヤの企みにより「豊饒の女主人」へ魔導書が届けられ、シルがこれをベルに貸し与えたことで、ベルに魔法ファイアボルトが発現する。ベルは喜びのあまり魔法を使いまくり、精神疲弊を起こしてダンジョン内で意識を失う。偶然にもアイズが気絶したベルを介抱するが、意識を取り戻したベルは再び逃げ出してしまう。
ベルは冒険者に追われていたリリルカ・アーデと出会う。ベルが持つ神のナイフに目を付けたリリルカは、魔法で外見を変えてベルに近づき、サポーターとしてベルとパーティを組むようになる。リリルカはベルの信用を利用して神のナイフを窃取するが、「豊饒の女主人」のリュー・リオンに取り返される。再度、リリルカはベルの命を顧みない策を決行し、ダンジョンで神のナイフを盗み出すことに成功する。地上に戻ろうとしたリリルカは、自身が所属するソーマ・ファミリアの団員による罠に嵌って命の危機に晒されるが、ベルが間一髪で駆けつけて九死に一生を得る。リリルカは騙し続けてきたベルに救われたことに困惑したが、ベルの純粋な優しさに心を打たれ、本当の意味でベルのサポーターになると決意する。
本編 第3巻
エイナから得た情報から、ヘスティアはリリに対して懐疑的だったが、リリの言葉とベルの判断を信用してリリを受け入れる。ベルはリリとのパーティを続け、リリと共にダンジョンに潜るが、オッタルに調教された片角のミノタウロスと対峙してしまう。トラウマにより恐怖で怯えるベルだったが、リリだけは何とか逃がし、戦いながら自身も逃げる算段をしていた。危機一髪のところにアイズが駆けつけ、ベルを助けようとする。ベルは憧れの人に再び助けられることを拒み、自身で決着をつけるべく片角のミノタウロスと真正面から戦う決意をする。
ベルはアイズから教わった技と駆け引き、魔法、神のナイフなど、自身の全てを賭して片角のミノタウロスと戦い、最後は立ったまま精神疲弊で意識を失ったが、片角のミノタウロスに勝利する。その戦う姿は目撃したアイズとロキ・ファミリア幹部たちに衝撃を与え、自分たちが冒険者であることを再認識させ、深く印象に残るものとなる。
本編 第二部
ベルの仲間となる者たちのヘスティア・ファミリアへの集結などが描かれる。
本編 第4巻
ベルはミノタウロスとの死闘で傷んでしまった防具を新調するために、ヘファイストス・ファミリアの店を訪れ、元の防具の製作者である鍛冶師ヴェルフと出会う。ヴェルフから専属契約とパーティの打診を受けたベルは、リューからパーティの仲間を増やすことを勧められていたこともあり、ヴェルフの提案を受け入れてリリを含めた三人でパーティを組む。エイナと相談の上、装備を調えたベルたちはダンジョンの13階層を目指す。
クエスト×クエスト
同時掲載の短編。時系列は本編第3巻2章と3章の間に相当する。
ベルは懇意にしているミアハ・ファミリアの団長ナァーザ・エリスイスから冒険者依頼を引き受ける。その報酬が見合わないことをリリに見抜かれたナァーザは、男神ミアハに咎められる。ファミリアにはナァーザの義手を作製した ディアンケヒト・ファミリアに対する莫大な借金を抱えており、そんなファミリアを救うためにナァーザは報酬をごまかしていたと吐露する。事情を知ったベルたちと和解したナァーザは改めて冒険者依頼を発注し、採取したアイテムを材料にして新たなポーションの作製に成功する。
女神へのカンパネラ
同時掲載の短編。時系列は本編1巻の開始前に相当する。
結成したばかりのヘスティア・ファミリア。日々の生活の中、ベルとヘスティアはお互いの理解を深めてゆく。そんなある日、ベルが武器屋の店先で剣を、ヘスティアが商店の店先で髪留めを、物欲しそうに眺めているところをお互いが目撃する。
クエスト×クエスト
ベルは懇意にしているミアハ・ファミリアの団長ナァーザ・エリスイスから冒険者依頼を引き受ける。その報酬が見合わないことをリリに見抜かれたナァーザは、男神ミアハに咎められる。ファミリアにはナァーザの義手を作製した ディアンケヒト・ファミリアに対する莫大な借金を抱えており、そんなファミリアを救うためにナァーザは報酬をごまかしていたと吐露する。事情を知ったベルたちと和解したナァーザは改めて冒険者依頼を発注し、採取したアイテムを材料にして新たなポーションの作製に成功する。
女神へのカンパネラ
結成したばかりのヘスティア・ファミリア。日々の生活の中、ベルとヘスティアはお互いの理解を深めてゆく。そんなある日、ベルが武器屋の店先で剣を、ヘスティアが商店の店先で髪留めを、物欲しそうに眺めているところをお互いが目撃する。
本編 第5巻
ベルたちのパーティは命辛々18階層に到着し、遠征からの帰還の途にあるロキ・ファミリアに救われる。救助に向かっていたヘスティアたちとも合流できたベルたちは、ロキ・ファミリアの団員やヘルメスらと交流し、しばし穏やかな時を過ごす。ロキ・ファミリアが上層へ出発した後、一部の冒険者(モルド)の嫉妬と悪意を利用したヘルメスの策略によりヘスティアが攫われてしまう。ヘスティアは神威を開放することで冒険者たちから解放されたが、神威を感じとったダンジョンが階層主の変異種である漆黒のゴライアスを生み出してしまう。
漆黒のゴライアスの誕生により上層への通路が塞がれたため、ベルたちとリヴィラの街の100人を越す冒険者たちは力を合わせて漆黒のゴライアスに立ち向かうことになる。漆黒のゴライアスの異常な再生能力に苦戦したが、ステイタスの高いリューやアスフィが主力となって戦い、最終的にベルの英雄願望により漆黒のゴライアスは打倒される。
本編 第6巻
ベルは再び特訓をつけてもらうためにアイズを訪ね、アイズと対人戦を想定した1週間の猛特訓を行う。この間、ヘスティアはリリを救出すべくソーマ・ファミリアの本拠に殴り込みをかける。男神ソーマは神酒の誘惑を乗り越えたリリを認め、リリは正式にヘスティアの眷族となる。また、ヤマト・命はベルたちへの怪物進呈を悔やみ、恩を返すために男神タケミカヅチに自ら申し出て1年間限定でヘスティア・ファミリアに改宗し、ヴェルフも友のためにヘファイストスの許しを得て改宗する。助っ人としてリューが参戦することになり、ヘスティア・ファミリアは5人で戦争遊戯に挑む。
戦争遊戯では、リリが変身魔法を駆使して城内を攪乱し、リューがクロッゾの魔剣を用いてアポロンの団員の半数を城外に引きつけ、命が残った城内の半数を重圧魔法により動きを封じる。ベルとヴェルフが僅かに残った団員たちとの個人戦に持ち込み、圧倒的な数の不利をひっくり返す。シルから貰ったアイテムの助けもあり、ベルはレベルの差を物ともせずアポロン・ファミリア団長ヒュアキントス・クリオを一騎打ちで討ち取り、戦争遊戯はヘスティア・ファミリアの勝利で終わる。
本編 第7巻
その喜びも束の間、女神イシュタルが支配する歓楽街に、命の幼なじみサンジョウノ・春姫と似た狐人が捕らわれているとの噂を聞きつけ、真相を確かめるためにベルたちは歓楽街へ向かう。歓楽街で迷ったベルは戦闘娼婦アイシャ・ベルカに絡まれ、イシュタル・ファミリアの団長フリュネ・ジャミールから追い回され、とある娼館の部屋に身を隠したベルは娼婦である春姫と出会う。
本拠に戻ったベルたちは春姫を身請けするために、高額な冒険者依頼を引き受けるが、これはイシュタルが画策した罠であり、ベルと命は歓楽街に監禁されてしまう。二人は春姫の助けで牢から逃げ出すが、春姫が今夜行われる殺生石の儀式で犠牲になると知り、春姫の奪還を決意する。ベルは歓楽街を攪乱するための囮となり、その間に命が春姫の救出に向かうが、娼婦である自分は救われる価値がないと語り、春姫は救出を拒む。ベルと命は殺生石の儀式に乱入し、命が魔力暴発による決死の一撃を放ち、その隙に間一髪でベルが殺生石を破壊する。二人の姿を見た春姫は救って欲しいという本心を初めてベルに吐露するが、アイシャによって連れ去られてしまう。
イシュタルの動きを内偵していたフレイヤは、ベルに手を出したイシュタルを許さず、全面戦争を決断する。フレイヤの眷族による一気果敢な攻勢によりイシュタルの団員たちは悉く打ち倒される。その混乱の中、アイシャは、けじめを付けるためにベルと対峙してベルに覚悟を問う。ベルは真っ向勝負でアイシャを撃破し、あなたを救いにきましたと春姫に告げる。
フレイヤの手で崖下に突き落とされたイシュタルが天界に送還され、歓楽街と共にイシュタル・ファミリアは壊滅する。
本編 第8巻
ベルはダイダロス通りの孤児院に通うシルを見かける。シルと孤児院で戯れたベルは孤児たちから地下調査を依頼される。地下に降りたベルは血塗れのモンスターと遭遇して戦いとなるが、モンスターに違和感を抱く。苦戦するベルを見るに見かて、シルを護衛していたフレイヤの眷族がモンスターを打倒する。
ヴェルフは戦争の混乱に紛れてオラリオに侵入したラキア王国の父と再会し、父からクロッゾの魔剣の作製を頼まれる。ロキ・ファミリア団長フィン・ディムナの指示に基づいて、ヴェルフを見張っていたヘファイストスの団員により、アレスの眷族らは捕縛される。ヴェルフの確保には失敗したアレスだが、ヘスティアを都合よく捕まえたためオラリオから撤退する。ヘスティアの拉致を知ったロキによる素早い対応により、アイズとベルがベオル山地でアレスたちに追いつき、乱戦の混乱で崖下の川へ落下したヘスティアを助けたベルとアイズは、エダスの村で休息をとる。村ではかつて神の眷族であった村の長老が天に召され、これを看取ったヘスティアは悠久を生きる自分を恐れずに、自分と向き合って欲しいとベルに告げる。
ヘスティアの拉致に失敗したアレスは、ロキたちに捕縛される。アレスはオラリオの捕虜になった自身の眷族たちのステイタスを封印した上、眷族たちと共にオラリオから追放され、ラキア王国との戦争は終結する。
本編 第三部
異端児による事件を経験したベルの葛藤、覚悟、精神的な成長などが描かれる。
本編 第9巻
ウィーネとベルたちを密かに監視していたギルドの主神ウラノスは、ヘスティア・ファミリアへ強制任務を発令し、ベルたちはこの指示に従ってウィーネと共に20階層へ向かう。指定された未開拓領域へ進んだベルたちは、蜥蜴人に襲われる。蜥蜴人は春姫とリリが必死にウィーネを庇う姿を見て人語で笑い出し、自らをリドと名乗り、ベルたちを試していたと謝罪して握手を求める。戸惑いながらベルがこれに応えると周囲から歓声が沸く。リドは自分たちを異端児と名乗り、ベルたちを歓迎するための宴会が始まる。異端児との交流後、ベルは別れを惜しみつつウィーネをリドたちへ託す。この時、ベルは異端児を狙う狩猟者の存在を初めて知る。
ウィーネを追っていた冒険者たちはイケロス・ファミリアであり、その団長ディックス・ペルディクスは取り逃がした上物の狩猟を諦めていなかった。ディックスはウィーネが起こした街での騒動や男神イケロスの情報から、ウィーネとヘスティア・ファミリアとの関係を確信し、地上から20階層へ向かうベルたちを監視して追跡していた。しかし、ウラノスの指示を受けたヘルメスたちの二重尾行に気付いたディックスらは、その正体を露見することなく拠点へ撤退する。
本編 第10巻(章は第9巻から継続)
一部の異端児が討伐隊を足止めする中、狩猟者を拷問してウィーネの行き先を聞き出したリドたちは、開放された隠し扉から「クノッソス」に進入する。これを待ち構えていたディックスは呪詛を放ち、正気を失ったリドたちは同士討ちを始める。偶然手に入れた鍵(ダイダロス・オーブ)を用いてクノッソスに侵入したベルは、ディックスの手で見上げるほどの怪物にされたウィーネに襲われる。それでもウィーネを助けようとするベルにディックスは偽善者と罵るが、ベルは助けを求める者に人もモンスターも無いと叫ぶ。この叫びに感動して正気を取り戻したリドたちはベルと共闘してディックスを追い詰める。ディックスはウィーネに呪詛をかけて地上へ誘導してベルとリドたちに後を追わせ、その隙にクノッソス内部に逃れるものの、討伐隊を難なく制してクノッソスに侵入したアステリオスにより一撃で両断される。
地上では暴走したウィーネとロキ・ファミリアが対峙し、ベルは衆目の前で彼らに立ち向かう。アステリオスが単独でロキの第一級冒険者たちと戦い、この隙にリドたちは散り散りとなって逃亡する。一方、ベルは冒険者たちに攻撃を仕掛けながらウィーネを追走するが、長槍がウィーネを貫き、ベルは最期の時を迎えるウィーネを抱きしめる。その胸の中から大量の灰がこぼれ落ちた瞬間、フェルズのみに許された蘇生魔法が捧げられ、奇跡が起こる。
イケロスがオラリオから追放処分となりイケロス・ファミリアは壊滅し、ひとまず事件は終息したが、異端児たちは未だ地上に取り残されていた。
本編 第11巻
ナァーザとリューの協力を得てベルは囮として動き回り、リリはフィンに変身してロキ・ファミリアの布陣を切り崩し、ヴェルフと命、ヘファイストス・ファミリアの団長椿・コルブランドが魔剣とフェルズ作の魔道具でロキの眷族たちに対抗する。混乱の中、リドたちから逸れたウィーネを春姫とベルが助けに向かい、春姫とアイシャがベートを足止めするが、アイズに追い付かれる。ウィーネはベルを守るために必死の想いをアイズへ訴え、自分の過去とウィーネを重ねたアイズは二人を見逃してしまう。ウィーネは孤立していた異端児と共にアステリオスから譲り受けた鍵を使い、ベルの案内で孤児院の地下からダンジョンへ帰還する。一方、地下に逃れたリドたちは「ダイダロスの手記」が示す場所に到達するが、その場に出入口はなく、ヘルメスが待ち構えていた。この「ダイダロスの手記」はアスフィ作の偽物であり、ヘルメスはベルの名誉回復のために本当の出入口を教える代償にリドたちへ犠牲を求める。
石竜のグロスが再び地上で暴れてベルに討たれようとするが、ベルはこれを受け入れず、膠着した場にアステリオスが割って入り、アステリオスはベルに”再戦”を熱望する。オッタルたちがロキ・ファミリアを抑えたことで、衆目の前でベルとアステリオスの一騎打ちの激闘が進められる。激闘はアステリオスの勝利に終わり、彼はベルに次の戦いを誓ってダンジョンへ去ってゆく。この戦いの結果、全ての異端児がダンジョンに帰り着き、また神の思惑を超えた衝撃を人々に与え、ベルは敗北の悔しさに涙する。
本編 第四部
作者は第四部を『豊饒編』と名付けており、オラリオを巻き込んだベルの奮闘と「豊饒の女主人」のリューとシルの救済が描かれる。
本編 第12巻
ギルドから遠征の強制任務を与えられたヘスティア・ファミリアは、特訓や準備を進めていた。これまで懇意にしてきたミアハの派閥からダフネ・ラウロスとカサンドラ・イリオンが、タケミカヅチの派閥からカシマ・桜花とヒタチ・千草が参加し、個人参加のアイシャを含めた派閥連合でベルたちは遠征へ出発する。
ベルは異端児の事件を経て、強くなる覚悟、偽善者となる覚悟を決め、頼もしさと安心感が格段に増していた。パーティは目標である25階層へ進攻し、巨蒼の滝に感嘆しつつ、強制任務の要求アイテムや迷宮のお宝を順調に入手する。目的を果たし、24階層へ引き返そうとしたベルたちは、エルフの冒険者(ルヴィス)を襲うモンスターと遭遇し、戦闘の末に追い返す。このモンスターは狡賢く多くの冒険者たちを襲撃してきた強化種であり、ベルたちはルヴィスの仲間とモンスターの種子に寄生された千草を救うべく、強化種の打倒を決意する。ところが、強化種が仕掛けた罠に嵌り、ベルが一人分断される。ベルは強化種により巨蒼の滝から突き落とされるものの一命を取り留め、滝壺で人魚の異端児マリィと出会う。マリィの血により全回復したベルは彼女の案内でリリたちの下へ急行する。一方、リリたちはルヴィスの仲間を確保し、さらに同じ強化種に襲われたドワーフたちも引き連れ、ベルの無事を信じて24階層まで撤退を図っていたが、大量の魔石を喰らうことで能力向上を果たした強化種に追い詰められる。
間一髪でリリたちの下に駆け付けたベルは自らの力で考案した魔法と斬撃の同時蓄力による新技である聖炎の英斬により強化種を打倒する。ベルたちは傷付いた冒険者と共にリヴィラの街へ戻るが、リューによる殺人事件の報が伝えられ、衝撃を受ける。
本編 第13巻
27階層に到着した選抜隊の下に爆発音が響き渡り、ベルは単独でその場に急行し、殺気と共に冒険者(ジュラ)を踏みつけるリューを発見する。ベルはジュラの古傷を確認し、殺人事件がリューに恨みを持つジュラの自作自演であると確信する。企みが露見したジュラは調教した深層のモンスターであるラムトンをベルたちに嗾ける。一方、リリたちは25階層へ向かったタークを追跡するものの、痺れを切らしたタークはラムトンをリリたちに嗾け、その隙に大量の火炎石を爆発させて25階層を大規模破壊し、ジュラの思惑の通りダンジョンからジャガーノートが生み出される。ジャガーノートは討伐隊を襲撃し、水の迷都は冒険者の血で赤く染まり、カサンドラが予知した厄災が始まる。リューはジャガーノートに対するトラウマが原因で十全でなく、ベルが一人立ち向かうが、その破爪に右腕を切断されて首の骨まで砕かれる。戦いを見守っていたマリィがベルの腕を繋いで全快させ、ベルは再び戦いの場に戻り、カサンドラの勧めで装備したアイテムを盾に超近接戦を仕掛け、聖火の英斬でジャガーノートに深傷を負わせる。その隙に、ジュラは傷付いたジャガーノートの調教を試み、リューの殺害を命ずるが、逆にジャガーノートに瞬殺される。
瀕死のリューとベルはジュラの最期の命令に従ったラムトンにより37階層へ落とされる。一方、25階層では次産時期を無視して誕生した階層主(アンフィス・バエナ)が、ベルの救助に向かおうとするリリたちに襲い掛かろうとしていた。
本編 第14巻(章は第13巻から継続)
前半
双頭の水竜(アンフィス・バエナ)と対峙したリリたちはヴェルフの言葉で戦意を漲らせ、リリの指揮の下、春姫の魔法により能力が底上げされたパーティで超格上の敵を順調に削ってゆく。双頭の水竜の起死回生の行動で戦況が一変するが、命が自爆覚悟で水中から魔法を放って双頭の水竜を抑え込み、桜花が命の魔法による勢いを借りて、その片首を切り落とす。続けざまにアイシャが斬撃により魔石を打ち砕き、辛うじて双頭の水竜を討伐する。これまでの破壊や戦闘で水の迷都が崩壊しかける中、カサンドラが予知夢の解釈に成功して26階層への進行を訴えた結果、ダンジョンの崩壊から逃れることに成功する。遅れて到着した椿たちは崩壊後の水の迷都に唖然とするが、無事を信じてリリたちの後を追う。
リリたちはベルを助けに向かうが、モンスターの異常発生に苦戦する。窮地を切り抜けるためにヴェルフはダンジョンで魔剣の鍛冶を敢行し、朽ちない新たな魔剣の創製に成功する。魔剣により危機を乗り越え、道中で遭遇した討伐隊のリーダの案内でベルのいた27階層へ到着したリリたちだが、大量のモンスターに包囲される。間一髪で椿たちと異端児の救出隊が到着し、リリたちを助けた異端児は引き続きベルが落とされた37階層へ救出に向かい、リリたちと椿たちもこれに同行する。
後半
崩壊した闘技場の下の安全地帯に落ちた二人は束の間の休息を得る。リューは、かつて所属していたアストレア・ファミリアでの情景を回想し、見殺しにした仲間、正義への裏切りなどについてベルに吐露するが、ベルはリューの正義は生き続けていると告げる。ベルの言葉が染み渡り、リューはこれまで苦しんできた罪悪感から救われる。回復した二人は意を決して再出発し、正規ルートを見つけて上層へ急ぐが、ジャガーノートが待ち構えていた。ジャガーノートの攻撃に苦戦したベルをリューが身を挺して庇い、狭隘な通路に逃げ込むことで二人は何とか生き延びる。傷を負ったリューを休ませたベルは一人で対決の場へ向かい、眠っていたリューは夢の中でかつての仲間と邂逅して勇気を貰って未来を見出す。
ベルが再びジャガーノートに真っ向勝負を挑む中、トラウマを乗り越えたリューが駆け付ける。リューは魔法の並行詠唱を行い、ベルは聖火の英斬を発動し、ジャガーノートへ駆け引きを迫る。かつての仲間を想いながらジャガーノートを追い詰めたリューが魔法を直接打ち込み、ついにジャガーノートを打倒する。精根尽き果てたベルとリューは倒れ込み、意識を失いかけるが、異端児、椿たち、リリたちが到着してベルとリューは命を繋ぎ、地上に帰り着く。
本編 第15巻
リリはファミリアの実力以上の成果を伏せるために、遠征を失敗としてギルドへ報告する。ベルはエイナにだけ事実を伝えるが、あまりの内容にエイナは机に突っ伏してしまう。ヴェルフはヘファイストスに新たな魔剣を認めてもらい、飛び上がりたいほど歓喜する。それぞれ、自身の確かな前進を噛み締め、ふとオラリオに来た昔を振り返る。その後、ベルのギプス脱装と、リリ、ダフネとカサンドラのランクアップのお祝いも兼ねて、ベルたちは「豊饒の女主人」で宴会を行い、シルたちからも無事の帰還を祝福される。リューは自身の感情に混乱してベルを避けていたが、ベルの願いでアストレア・ファミリア時代の思い出を語る。春姫の経験値稼ぎのためにダンジョン上層に潜ったベルたちは、リリの上機嫌な様子に苦笑し、春姫の一向に戦えない様子に難儀していたが、命だけは春姫と出会ったころを思い出して春姫の成長を確信する。
ダンジョン探索を再開したベルたちは同業者の死に立ち会う。折しもベルがオラリオに来てから半年、オラリオでは過去の英雄たちを哀悼し、亡くなった冒険者を弔う挽歌祭が開かれていた。同業者の墓前に参ったベルは英雄たちの記念碑の前でアイズと出会い、迷宮神聖譚の大英雄とアイズの名の類似性に気がつき、驚愕する。
本編 第16巻
女神祭の1日目、ついにベルとシルのデートが始まる。ベルは特訓の成果を活かし、見事にシルをエスコートし、シルはベルのらしくない振る舞いに胸を高鳴らせる。多くの監視の目を巻いた二人は楽しい時を過ごすが、船上レストランでシルの護衛を務めるフレイヤの眷族たちに襲われる。二人は船から水路に飛び込み、ずぶ濡れになりながら宿に逃げ込む。夜の12時に、シルは眠っているベルに気付かれることなく一人宿を後にする。
女神祭の2日目、目覚めたベルは工業区で"シル"を見つけ出すが、フレイヤの眷族ヘグニに襲撃される。偶々居合わせたアイズがヘグニらと対峙し、二人は僅かな時間を得て廃墟に身を隠し、"シル"はベルに抱き着きナイフで殺害を試みる。ベルは初めからこの"シル"が偽者であると見抜いており、ナイフを抑えて何者かと誰何し、彼女はベルとの思い出の場所にシル様がいると語る。ベルはシルから初めて告白された場所に向かい、廃墟に残った偽者の"シル"はフレイヤの眷族アレンに叩きのめされる。変身魔法が解かれたヘルンは自身の望みを語り、フレイヤとの勝負には敗れたが、結果は同じになると笑う。
シルを見つけたベルは、シルから改めて告白される。ベルもシルの望みに真剣に応え、ごめんなさいと告げる。雨に打たれてうつむくシルは、ベルを盗るための準備をオッタルへと命じ、フレイヤへとその姿を変える。望みに決着が着いた娘は死に、拘りが無くなった神は笑う。
本編 第17巻
フレイヤの本拠で目覚めたベルは、自身がフレイヤの眷族であると告げられる。驚いたベルは親しい者たちに会いに行くが、誰もが偽りの認識を当然としている状況に動揺する。連日の苛烈な洗礼により疲弊したベルは、フレイヤの甘言に心が折れそうになり、自身の存在を疑い始める。一方、ヘルメスの指示で郊外に緊急避難したアスフィは、共に避難したリューの回復の後にオラリオの偵察を開始するが、シルの正体を知って混乱したリューはフレイヤに捕縛される。絶望の思いが増すベルは、最後の頼みの綱としてアイズと会い、彼女との会話から自身の存在に確信を持つ。一方、魅了はされたものの状況に違和感を抱いていたヘルメスは、魅了される直前の自身がヘスティアに託した反撃の切り札をアスフィから受け取り、自身の伝言に基づき、冬に備えてオラリオ中の家庭に薪を配布するギルドの仕事を引き受ける。
捕らえられたリューが脱走騒ぎを起こす中、ベルはヘルンと対面し、シルの正体がヘルンでありフレイヤでもあると知る。命を賭けた彼女から苦しむフレイヤを助けて欲しいと懇願され、ベルは二人を救うと決意する。その時、全ての準備が整ったヘスティアは自身の権能を発動し、オラリオ中の家庭の竈に灯された炎を触媒にしてフレイヤの魅了を解除する。フレイヤの暴挙に気付いた怒り心頭の神や人間がフレイヤの本拠を包囲する中、フレイヤはベルを賭けたヘスティア・ファミリアとの戦争遊戯を宣言する。
本編 第18巻(章は第17巻から継続)
派閥連合の指揮を任されたリリは、フィンの協力のもと入念に戦略を立てて戦争遊戯に臨んだが、フレイヤ・ファミリアの指揮を担うヘディンは「神探し」の趣旨を無視した全面戦闘に持ち込む戦略を採り、これにより派閥連合の眷族たちは次々と戦線から脱落する。派閥連合の敗戦が濃厚になる中、ミアを初めとする「豊饒の女主人」の女たちが戦場に駆け付け、また、これを期と捉えたヘディンがフレイヤの真の望みを実現するためにファミリアを裏切ったため、突如、選局はひっくり返る。
Lv.5にランクアップしたベルだが、オッタルとの一騎打ちでは全く歯が立たずにいた。この場にミアとLv.6にランクアップしたリューが現れて三人で協力して改めてオッタルと対峙する。さらに裏切ったヘディンも駆け付け、春姫の魔法で能力が押し上げられた四人の共闘により、漸くオッタルを倒すことに成功する。ベルは「神探し」の勝利条件を果たすべく、追っ手を振り切りフレイヤの下に駆け付ける。ベルと対面したフレイヤは、街娘であるシルではダメだったから女神である私を選んで欲しいと涙ながらに訴える。しかし、ベルはフレイヤの「伴侶」にはなれないと告げ、これによりシルとフレイヤの初恋は散り、また戦争遊戯は派閥連合の勝利で終わる。
この騒動を通じ、フレイヤは美の女神としては決して得られない恋が欲しかったのだと自覚する。戦争遊戯に敗れたフレイヤ・ファミリアは解体され、フレイヤにはオラリオ追放の処分が下される。フレイヤはミアと酒を酌み交わした後、粛々とオラリオを去ろうとするが、酒場の仲間とベルに引き留められる。ベルと彼女らに追求されたフレイヤは本当の望みを吐露し、女神の軛から救われて「豊饒の女主人」のシルとしてオラリオに残ることになる。
本編 第五部
海上学術機関特区(通称「学区」)におけるベルの学園生活が描かれる。
本編 第19巻
エイナは、これまで我武者羅に進んできたベルに休息も必要と考えて「学区」の見学に誘う。その場に居合わせたヘルメスに唆されたベルは、「学区」に無断侵入してしまう。一騒動あったものの、ベルは身分を隠して内密に学生を体験させてもらう運びになり、エイナの妹であるニイナと出会う。「学区」を運営する神と先生から、ニイナを含む4人のパーティを導いて欲しいと頼まれたベルは、サポータとして彼女ら共にダンジョンに潜り、集団戦を体験させて協調性を身に着けさせると共に、ベルにとってもパーティを俯瞰して捉えるという新しい体験を得る。ダンジョン15階層に挑んだニイナたちとベルのパーティは階層崩落に遭遇するが、ニイナらの選択と行動をベルが見守る中、彼女たちは間一髪で18階層のリヴィラの街に転がり込む。ベルはニイナたちへのご褒美として、リヴィラの街の冒険者を護衛に雇い、25階層の巨蒼の滝へ案内する。その光景に感動するニイナたちだが、モンスターに襲撃にされてベルの正体が露見してしまう。
姉に劣等感を抱き将来の夢がないとベルに吐露していたニイナだが、ベルとの共闘を体験して心が震えたニイナは、ベルの隣で冒険者になりたいという夢を確立する。地上に戻ったニイナは、会うことを避けていたエイナと対面し、ヘスティア・ファミリアに入団するという夢を楽しそうに語り、エイナは様々な面から驚きかつ困惑してしまう。
派生作品あらすじ
外伝『ソード・オラトリア』
『都市の破壊者編』(第1巻から第12巻)
アイズを主人公に据え、本編の裏で同時進行していたオラリオの運命を賭けた事件が描かれる。
外伝 第一部
外伝 第1巻
ロキ・ファミリアはダンジョン59階層へ向けて遠征しており、部隊は50階層の安全地帯に到着し、冒険者依頼を果たすために幹部を中心とした選抜隊が51階層を探索していた。
この探索の中、選抜隊は未知の極彩色のモンスター(巨蟲)と遭遇し、大量の巨蟲による強力な腐食液を用いた攻撃により武器が次々と破壊されたため50階層へ撤退するが、下半身が巨蟲で上半身が女性の人体である未知のモンスターが現れて部隊は窮地に陥る。フィンは遠征の中断および部隊の撤退を決断し、腐食液に対抗可能なアイズだけを未知のモンスターと対峙させ、アイズは部隊の撤退を確認した後、未知のモンスターを単身で撃破する。その後、部隊と共に地上へ撤退中のアイズは、偶然ミノタウロスに襲われた少年(ベル)を助けたが、ベルは脱兎の如く逃げ出してしまう。
地上に戻ったアイズは何故か元気が無く、それを心配したティオナたちが遊びに誘い出して少し調子を取り戻す。その後、アイズはロキにも強引に怪物祭へ連れ出されるが、突如、地上に現れた極彩色のモンスター(食人花)と対峙する。この戦闘に、怪物祭の見学に来ていたティオネとティオナも参戦するが丸腰だっため苦戦し、レフィーヤが重傷を負う。しかし、レフィーヤは執念で起ち上がり、召喚魔法により食人花を氷結し、アイズたちが止めを刺すことで事無きを得る。
外伝 第2巻
ロキはベートと共に食人花の出現ルートを調べ、旧式の地下水路で食人花を発見する。これをベートが退治して地上に戻ったところ、ディオニュソスとフィルヴィスと遭遇し、ロキはディオニュソスから極彩色のモンスターの件で協力関係を打診される。
アイズは怪物祭の騒動で破壊した代剣を弁償するために、単身、ダンジョンで資金稼ぎをするつもりだったが、ベートとガレスを除く派閥幹部とレフィーヤと共にダンジョンに向かう。18階層へ到着したアイズたちは、リヴィラの街で殺された冒険者の犯人捜しに協力することになり、アイズは街の外れで冒険者(ルルネ)を捕える。ルルネから保護を依頼されたアイズは、彼女の荷物が不気味な緑色の宝玉の胎児であることを確認した後、フィンに判断を求めるために街に引き返そうとするものの、冒険者を殺害した謎の女性(レヴィス)から襲われる。レヴィスとの戦闘中に宝玉の胎児が食人花に寄生して精霊の分身へ変異し、これと同時に街にも食人花が大量発生して18階層は大混乱となる。アイズは全力でレヴィスと戦うものの追い詰められるが、間一髪でフィンとリヴェリアに助けられる。レフィーヤは食人花の群れを魔法で殲滅し、ティオナとティオネにより精霊の分身も打破され、騒動はひとまず沈静化する。
当初予定の通り、フィンたちは37階層まで探索し、十分な成果が得られたため地上へ帰還する。一方、レヴィスが自身を「アリア」と呼んだこと、戦闘で敵わなかったことに思い詰めるアイズは、単身で階層主のウダイオスに挑戦し、その打倒に成功する。37階層からの帰還の途、アイズは精神疲弊したベルと遭遇して介抱するが、気がついたベルが再び逃げ出してしまい、呆然として立ち尽くす。
外伝 第3巻
アイズはLv.6へランクアップしたが、その心はどこか曇っていた。ダンジョンに向かう道中、エイナからベルの救援を依頼されたアイズは、10階層へ急行してベルを手助けする。焦るベルはアイズに気付かずに慌てて上層へ向かい、その場に残されたアイズはフェルズから24階層の食料庫における騒動の調査を目的とした冒険者依頼を引き受け、アスフィたちとパーティを組んで24階層へ出発する。
24階層の騒動についてディオニュソスと相談していた場に、アイズからの手紙が届いて驚いたロキは、ベートとレフィーヤを24階層へ急遽派遣する。ディオニュソスはロキの信用を得るためにフィルヴィスを同行させる。24階層へ向かう道中のフィルヴィスは頑な態度を取るが、レフィーヤが強引に距離を縮めたことで二人は親しくなってゆく。
アスフィたちは不気味な緑肉で覆われた24階層の食料庫に到達し、6年前の「27階層の悪夢」で死亡したはずのオリヴァス、闇派閥の残党、食人花の群れと戦闘となり、これにレフィーヤたちも加わり乱戦となる。レフィーヤに支援されたベートの攻撃で追い詰められたオリヴァスは、怪人に生まれ変わった自身の正体を明らかにし、自分たちの目的がオラリオの破壊であると宣言する。一方、レヴィスはパーティから分断されたアイズの生け捕りを試みるが、Lv.6の力を得たアイズに圧倒される。オリヴァスの魔石を喰らって能力強化を図るもののアイズたちに追い詰められたレヴィスは、巨大花を暴走させ、緑色の宝玉を「エニュオ」に渡せと仮面の人物(エイン)に告げ、また59階層へ行けとアイズを挑発して撤退する。
地上に帰還したアイズは、エイナの助けで漸くベルと対面し、お互いに伝えたい言葉を交わし合う。心が晴れたアイズだが、思いがけずベルに師事されることになる。
外伝 第4巻
アイズはベルの成長の秘密に興味があり、朝早くからベルとの訓練の場へ出かける。その姿を偶然見かけたレフィーヤはアイズの後を追い、その道中でベルと出会う。その後、拠点に戻ったアイズは、レフィーヤからの思わぬ圧力によりベルとの訓練を打ち明けてしまい、半ば強引にレフィーヤにも師事されることになり、59階層への再遠征までの間、忙しい日々を過ごす。
ロキ・ファミリアは巨蟲対策のために同行を依頼したヘファイストスの眷族たちと共に再遠征に出発し、その道中の9階層でベルの冒険に立ち会い、衝撃を受ける。その後、部隊は予定通り50階層に到着し、ファミリアの幹部と椿やレフィーヤらを加えた選抜隊が59階層に向かう。52階層で砲竜による階層無視の砲撃を受け、選抜隊は二隊に分断される。砲撃の穴に落下したレフィーヤは、フィルヴィスやアイズとの訓練でものにした魔法の並行詠唱を早速実践し、深層のモンスターを一掃してティオネたちと共に58階層に降り立つ。一方、正規ルートで急ぎ59階層へ向かうフィンたちは、53階層でエインが率いる巨蟲の群れに遭遇するが、事前の準備が功を奏して巨蟲を難なく殲滅し、椿がエインの片腕を切断して追い返す。58階層で合流した選抜隊は59階層へ侵入を果たし精霊の分身と対峙する。精霊の分身はアイズをアリアと呼び、アイズに向けて強力な魔法を放ち、選抜隊は壊滅に近い状態となる。フィンはベルを出しにして選抜隊に奮起を促し、レフィーヤを含む幹部たちの突撃により精霊の分身に肉薄し、最期はアイズが止めを刺す。
戦いに勝利したフィンは怪人の企みを地上における精霊の分身の召喚と推測する。一方、地上では、アイズに持たせた眼晶を用いて24階層の争乱を観察していたフェルズは、エニュオが事件の重要神物であると考えるが、ウラノスはエニュオという名の神は知らず、神の言葉では都市の破壊者という意味であると語る。ロキはディオニュソスとヘルメスと対談し、極彩色のモンスターや怪人に対処すべく、ダンジョンのもう一つの出入口を明らかにするために三者間で同盟を結ぶ。
外伝 第二部
外伝 第5巻
59階層からの帰還の途、ロキ・ファミリアの部隊は毒妖蛆の異常発生に遭遭して部隊が行動不能となり、18階層での休息を余儀なくされる。そこに、中層で遭難したベルたちのパーティが到達し、フィンはベルたちを受け入れて治療を施す。間もなく、ベルたちを助けにきたヘスティアとヘルメス、その護衛であるアスフィとリューが合流する。ティオナたちは英雄譚に詳しいベルに精霊「アリア」について問うが、核心について何も得られなかった。その後、ティオナたちのアイズへの心配に配慮したリヴェリアは、アイズには精霊の血が流れていると明かす。
ヘルメスの男の浪漫に付き合わされたベルはレフィーヤの怒りを買い、18階層の森の中で追い回され、二人で迷子になってしまう。怒りが多少収まったレフィーヤはベルと野営地へ戻ろうとするが、その道中で闇派閥と考えられる人物を発見する。レフィーヤはベルと共に彼らを尾行するものの、溶解液で満たされた落とし穴状の極彩色のモンスター(巨靫蔓)に捕らわれる。レフィーヤはベルへの蟠りを捨て、二人で協力して落とし穴から抜け出すが闇派閥が操る食人花から追撃される。その場にリューが現れて食人花は打倒され、二人は無事に野営地へ戻り着く。
フィンたちは二人が襲われた場を調査したが、闇派閥に関する痕跡は見つからなかった。毒の特効薬が地上から届き、団員の治療が済んだので、フィンは部隊を地上へ撤退させる。一方、リューは食人花を解き放った闇派閥を捕らえて尋問していたが、エインにより闇派閥の団員が口封じされてしまう。その跡地でリューは「D」の文字が刻まれた謎の魔道具を手に入れる。
外伝 第6巻
遠征の成果により、ベート、ヒリュテ姉妹がLv.6へランクアップし、レフィーヤも魔力のアビリティが成長するまで保留したが、ランクアップ可能となる。ロキはダンジョンの出入口を見つけ出すためにディオニュソスと話し合い、かつてダンジョンと繋がっていたメレンの調査を引き受ける。ロキは女性団員だけを連れてメレンへ赴き、ロログ湖に食人花を確認する。この地に地上とダンジョンを繋ぐ経路が示唆されたため、ロキは男神ニョルズ、ギルド支部、メレンの長に調査への協力を求める。
ロキたちは、かつてヒリュテ姉妹が所属していたテルスキュラのカーリーとその眷族と遭遇する。カーリーはフレイヤを打倒するためにイシュタルが呼び寄せた戦力だったが、因縁のあるティオネとアルガナ、ティオナとバーチェとの闘争の儀式を望み、レフィーヤを攫って人質に取り、ヒリュテ姉妹を儀式に引きずり出す。イシュタルの眷族たちはレフィーヤたちを取り戻そうとするロキ・ファミリアを邪魔するために食人花を街に解き放ち、フリュネがアイズを足止めする。しかし、カーリの企みを知ったロキは男性団員をメレンに呼び寄せ、レフィヤーとヒリュテ姉妹は無事に救出され、メレンでの騒動は鎮圧される。
ロキは罠を張ってニョルズたちの共犯関係を暴き出し、ニョルズたちは海のモンスターを退治するために食人花を解き放っていたと自白し、陰湿そうなヒューマンによる密輸に協力する代わりに食人花の提供を受け、その運び屋がイシュタル・ファミリアであると打ち明ける。一方、カーリーはイシュタルからメレンに招かれた理由をロキに明かさなかったが、イシュタルには他にも「隠し玉」があるのだろうと示唆する。
外伝 第7巻
ロキたち同盟の神々は、これまでの調査結果からダンジョンのもう一つの出入口がダイダロス通りにあると確信し、ヘルメスはイシュタルの歓楽街を、ロキはダイダロス通りの調査を開始する。一方、エインから連絡を受けたレヴィスはロキ・ファミリアによるクノッソスへの進攻が近いと男神タナトスに伝える。タナトスはバルカに命じて、ヴァレッタとフィン、レヴィスと「アリア」の決着の場を設け、他は始末するように罠を巡らせる。
ダイダロス通りの地下水路を探索していたフィンたちは、最硬精製金属製の扉を発見する。フィンは罠の可能性を認識しつつ扉内部への侵入を決意、フィルヴィスもレフィーヤの護衛のために同行する。張り巡らされた罠によりパーティは数人規模の集団に分断され、アイズが孤立してしまう。レヴィスに急襲されて深傷を負ったフィンはヴァレッタに執拗に狙われるが、ラウルとアキたちによるフィンを囮にした眼黽の怪物進呈で難を逃れる。また、二人となったレフィーヤとフィルヴィスは退路を探索する中で、六天使と竜の絵画が飾られた広間でタナトスと出会い、彼の真意を知らされる。孤立したアイズはレヴィスに襲われて危機に陥るが、地下空間全体に及ぶ風を巻き起こして分断された仲間を呼び寄せる。集結した仲間たちとレヴィスが対峙する場に、イシュタルの意向で精霊の分身が解き放たれ、レヴィスはアイズの魔法に興奮した他の精霊の分身を抑えるために撤退する。アイズたちがレフィーヤが見つけた退路から撤退する中、精霊の分身はティオネの魔法とガレスとティオナの力業で絞首され、最期はガレスにより息の根を止められる。
複数の団員の死亡が確認され、怒りに燃えるロキが次なる戦いを決意した時、フレイヤ・ファミリアの襲撃によるイシュタル・ファミリアの壊滅が知らされる。
外伝 第8巻
フィンたちは地下迷宮の鍵(ダイダロス・オーブ)の情報を収集するために、人海戦術により破壊された歓楽街での鍵の捜索と元イシュタルの眷族たちへの接触を開始する。一方、地下迷宮への進攻で殺されたリーネにかけた酷い言葉が原因で、ベートはファミリア内で孤立し、フィンは混乱を避けるために、ベートにだけ暇を出す。
酒場でやらかし、アイズにまで突き放されて街を彷徨っていたベートは、元イシュタルの眷族でベートに懸想するレナに絡まれる。ベートは鍵を探すために不承不承ながらレナとのデートに付き合うが、バルカの呪道具で武装したヴァレッタが率いる暗殺者から襲われる。その狙いが自分であると気付いたレナは暗殺者たちを引き付けるためにベートから離れる。ヴァレッタは暗殺者にレナを追跡させるために、リーネたちの殺害について挑発的に暴露してベートを足止めする。ヴェレッタは鍵の流失を防ぐために元イシュタルの眷族たちを襲撃し続け、呪道具による傷がアミッドの魔法でしか治癒できなかったため、治療が間に合わずに命を落とす者もいた。怒り心頭のベートは、アミッドの治療を受けた後、咆哮を上げて単独で街に繰り出し、これをフィンも黙認する。ベートは暗殺者たちを次々と始末してヴァレッタと対峙する。事前に施されていたヴァレッタの結界魔法によりベートはLv.4程度まで弱体化させられるものの、切り札である魔法を発動し、命乞いするヴァレッタらを容赦なく消し炭に変える。
レナの無事も確認され、またロキの一芝居によりベートの罵詈雑言が弱者への叱咤激励の意であるとファミリアに直接伝わり、ベートの孤立は解消される。
外伝 第9巻
ラキア王国の進攻に対して、ロキ・ファミリアは前線で防衛の任に就いていた。ラキア王国は徒に戦線を長期化しており、フィンはその狙いがオラリオ内部にあると確信し、フレイヤ・ファミリアに防衛を任せて団員たちにはクノッソスの鍵と扉の探索を指示する。これにより、闇派閥が密輸に使っていた地上の洞窟とダンジョン18階層の隠し扉の発見には成功するものの、鍵の入手は不調に終わる。一方、ロキは鍵の存在についてフレイヤに鎌をかけるが、フレイヤは先の抗争でイシュタル・ファミリアの副団長を魅了して鍵を入手していたものの、神の勘に基づきロキに白を切り通す。
アレスに攫われたヘスティアを追走したアイズは、ベルと共にヘスティアの体調が回復するまでベオル山地のエダスの村で休息を余儀なくされる。モンスター除けに村に奉られている黒竜の鱗を紹介されたアイズは、自身の異常な闘争心が抑えられず、ベルや村人との距離が一気に広がったと感じる。村の祭りでヘスティアやベル、村人の楽しそうな様子を見たアイズは益々孤独感を抱くが、アイズの悩みを見抜いたヘスティアの言葉で悩みが和らぎ、ヘスティアと一緒に踊ることで、微かな笑みを浮かべるようになる。
本巻ではロキ・ファミリア入団直後の幼少期のアイズが描かれる。モンスターへの復讐心に囚われていたアイズは、ダンジョン12階層で顔を隠したタナトスから闇派閥に勧誘されたが、自身の意志でこれを断る。タナトスはアイズを始末するために神威を開放し、漆黒の翼竜をダンジョンに産ませたが、アイズは初めて魔法エアリエルを唱え、これを打破する。
外伝 第三部
外伝 第10巻
フィンはウラノスとヘルメスが理知のあるモンスターを囲っていると見抜き、全てを捨てる覚悟で竜女を庇ったベルの愚直な行動を尊いと感じる自身に対して憂鬱になる。フィンは現実を見据えてモンスターとの結託を拒否し、鍵の入手を目的としたモンスターの確保と闇派閥を釣り出すための二面作戦を立案し、ダイダロス通りとクノッソスの扉へファミリアを布陣する。地上の布陣に綻びが生じるが、これがリリの仕業だと見破ったフィンは、アキに命じてリリの身柄を確保させ、その変身魔法を利用して闇派閥を釣り出し、クノッソスの鍵を入手する。しかし、一度は地下に逃げた石竜が地上に現れ、フィンは石竜を最後まで信じたベルの愚しいほど眩しい行動を再び目撃する。
地下では、ヘルメスがフレイヤから譲り受けた鍵を渡す代わりに扉に陣取るクルスらを撤退させ、フェルズと異端児をクノッソスへ導き、一方、アキから鍵を託されたリヴェリアの妖精部隊がクノッソスへ進攻し、闇派閥から新たな鍵を手に入れていた。これを知ったタナトスは罠を仕掛け、異端児と妖精部隊、闇派閥とレヴィスによる乱戦が始まる。この中で歌人鳥が身を挺してレヴィスからアリシアを庇い、妖精部隊のエルフは衝撃を受ける。レヴィスが追撃を仕掛けようとした瞬間、フィンたちが駆け付け、異端児にも同行を促しつつ撤退する。ベルの行動に衝撃を受けたフィンは、これまでの自分を捨てて本物の英雄となる決意を固めており、フェルズと異端児に向かって共闘を呼びかける。
一方、アイズは自身の過去を投影して竜女を見逃してしまい、自身の誓いを初めて破ったことに衝撃を受け、雨に打たれながら立ち尽くす。
外伝11巻
クノッソスの鍵を確保し、ウラノスと異端児との協力関係を確立したフィンは、クノッソスへの本格的な進攻作戦を計る。自身の誓いを破ったことに苦しむアイズは、ベルと会って前に進む決心を固め、オッタルとの訓練に臨む。ヘルメスはこの件からベルを遠ざけるためにヘスティア・ファミリアへの強制任務をウラノスへ要求する。ディオニュソスは作戦への同行をロキに依頼する。
囮としてダンジョン12階層から進攻したアイズが彼女に執着するレヴィスを抑え、18階層から異端児が、地上からフィンたちがクノッソスへ進攻する。この影で隠密行動を取るアスフィらがバルカを追い詰め、ついに「ダイダロスの手記」を確保する。これによりフィンたちはクノッソスの構造を完全に掌握し、タナトスと闇派閥を包囲する。バルカは最期の抵抗として宝玉の胎児を自身に寄生させて呪詛を放つ怪物と化すが、アミッドの全癒魔法により絶命する。ところが、タナトスと対峙したロキの眼晶にディオニュソスの殺害が伝わり、突如、正体不明の緑肉がクノッソス内に爆発的に発生する。主神の送還により常人となったフィルヴィスは、レフィーヤの目前でエインに首を折られて食人花に喰われ、ディオニュソスの眷族も緑肉に喰われて全員死亡する。ロキとフィンたちは逃げ場を失うが、タナトスがエニュオへの腹癒せに自刃する。緑肉が迫る中、タナトスの送還で穿たれた穴からロキたちは脱出し、逃げ遅れたフィンもレイにより間一髪で助け出される。
クノソッスから撤退後、ロキとヘルメスはディオニュソスを黒幕と推理していたと打ち明ける。ヘルメスは悔しさを滲ませて元凶探しに走り、感傷的になっていたロキの前には偶然ソーマが現れる。ソーマはロキから神酒の匂いを察知し、ディオニュソスの本拠に向かったロキは神でさえ酔わすことができる葡萄酒を発見し、とある神を思い浮かべる。
外伝 第12巻
アイズたちは左腕に妙な鎧を装着したベルと出会い、レフィーヤがクノッソスで見た絵画の意味が知らされる。フィンは敵の狙いが六体の精霊の分身を用いた大魔法「精霊の六円環」によるオラリオの破壊であると各派閥の団長に告げ、進攻作戦の要諦を伝える。ロキはヘルメスにエニュオの正体に関する推理を説明し、ヘルメスは女神デメテルの追跡に向かう。拠点に戻ったロキはフィルヴィスの死に直面して心を閉ざしたレフィーヤにも自身の推理を伝え、レフィーヤは真実を確かめるために再起する。
オラリオの主要派閥と異端児による部隊がクノッソスへ進攻を開始し、これらの部隊が六体の精霊の分身と対峙する中、フェルズがクノッソスの魔力回路を破壊する。これにより、フレイヤやカーリーの眷族、アステリオス、ヘスティアの眷族らが援軍として参戦、地上でも冒険者やニョルズの眷族らが食人花に立ち向かう。アイズはスキル復讐姫と魔法エアリエルを結合した黒き力でレヴィスに一騎打ちを仕掛ける。レフィーヤはロキの推理をエインに語り、ベートと援軍として駆けつけたアスフィとリュー、アイシャと春姫と共に、正体を明かしたエインと対峙する。
ベオル山地でデメテルを見つけたヘルメスは、貴女はエニュオではないと告げる。一方、ロキはクノッソスの隠し通路の先でエニュオと一人で対峙し、自身の推理を語る。ついにエニュオは正体を明かし、子供たちが狂い叫ぶ時代の復活を目的とし、怪人や闇派閥と手を結んでこの動乱を15年前から進めていたと暴露し、七体目の精霊の分身(ニーズホッグ)による冒険者たちの殲滅こそが本命だと笑い出す。フィンには既に打つ手が無かったが、神に対抗するための「未知」を閃き、ベルをニーズホッグの下に運ぶようにレイに命令する。
ベルはニーズホッグと対峙し、全力で英雄願望の蓄力を始め、クノッソスに大鐘楼の音が響き渡る。鐘の音に気が付いたアイズは、黒き復讐心に飲み込まれる直前で踏み止まる。一方、瀕死のレフィーヤたちも鐘の音が切っ掛けで起ち上がる。ニーズホッグはベルの英雄願望により消滅し、レヴィスはアイズの白き一撃で止めを刺され、ベートの魔法で瀕死となったエインは、レフィーヤにより魔石を砕かれる。
打つ手の無いエニュオをロキが叩きのめす中、灰化が進むエインの片割れが駆け付ける。エインの片割れはエニュオから歪んだ愛を語られて満足して逝き、エニュオは最期にダンジョンはもう限界だと言い残し、自刃して天界に送還される。アイズはベルの下に向かい、精神疲弊したベルに感謝の言葉を告げ、その隣で休息を取る。レフィーヤは灰化するもう一方のエインの片割れと最期の言葉を交わし、レフィーヤの慟哭がクノッソスに轟き、エニュオによる動乱は幕を閉じる。
『妖精覚醒編』(第13巻から)
外伝 第四部
外伝13巻
エニュオによる動乱でフィルヴィスを喪なったレフィーヤは新しい自分に生まれ変わろうと決意する。守られるばかりの後衛でなく、一人でも戦えるフィルヴィスの様な魔法剣士となるべく、時を惜しんで自らを鍛錬し、ベートにも近接戦闘の稽古を付けてもらう。派閥の幹部たちや同僚は、冷静に自分を追い込み、自分以外の者になろうとするレフィーヤを心配していた。ロキもレフィーヤの状態を芳しくないと考え、彼女の出身でもある「学区」へ派遣し、自分を見つめ直す機会を与える。
当初、「学区」への派遣に不満を持ったレフィーヤだが、旧友や先生との邂逅を喜び、学生への教導にもやりがいを覚える。レフィーヤは学生4人の研修を担当し彼らと共にダンジョンに潜るものの、不運にも15階層の崩落に遭遇して学生たちと分断される。18階層の安全地帯に向かった学生らは階層主に阻まれて窮地に陥るが、間一髪、レフィーヤが間に合い、魔法剣士の如く単独で階層主と対峙する。しかし、学生たちに共に戦いたいと懇願されたレフィーヤは前衛を彼らに任せ、学生らが命がけで魔法に集中するレフィーヤを守り切り、レフィーヤの特大魔法により階層主は焼き尽くされる。感激して泣き出す学生に抱きつかれて困惑するレフィーヤだが、かつて「学区」の学生だった時、無謀にも階層主と対峙し、アイズたちに助けられて心が震えた過去を思い出す。
「学区」での仕事を終えてファミリアに戻ったレフィーヤは、かつて冒険者になりたいと心から願った自分を取り戻し、フィルヴィスに対する罪悪感から彼女の幻影を追うのではなく、自身らしく成長しようと晴れやかに笑みを浮かべる。
外伝14巻
エニュオによる動乱後、ロキ・ファミリアではフィン、リヴェリア、ガレスの三人がLv.7に昇格した偉業を祝って宴が開かれる。宴が終わった後、フィンたち三人とロキだけで集まって細やかな二次会を開き、三人はLv.7に至ったことを感慨深く思い耽ながら、ロキ・ファミリアを結成した三十年前の過去を語り合う。
ファミリアクロニクル
episodeリュー
グラン・カジノをぶっつぶせ!
シルがとある猫人からカジノの招待状を入手し、リューとシルは夫婦に扮してカジノに侵入する。モルドに連れられてカジノに来ていたベルの「幸運」もあって、賭けに勝って資金を得たリューとシルは貴賓室に招かれ、オーナーのテリーと対峙する。リューによりテリーの正体がかつてアストレア・ファミリアに捕らえられたテッドであると暴露され、テッドは用心棒として雇っていた賞金稼ぎの黒拳と暗殺者の黒猫を嗾けるが、その黒拳と黒猫も偽者でありリューに倒される。囲われていた女性たちも開放され、リューとシルは無事にアンナを両親の下へ送り出す。
そこは豊饒の酒場〜Girl meets Girls〜
路地裏を通りかかったシルは、闇派閥への復讐を果たした瀕死のリューを見つけ、「豊饒の女主人」に運び込んで介抱する。女主人ミアが作った食事を平らげたリューは、宿代を含めて高額な借金を言い渡されて「豊饒の女主人」で働き始める。リューはシルに何故自分の世話を焼くのかを尋ね、シルはオラリオの暗黒期が終わり再び人々が笑うようになった変化をリューに示し、リューのおかげであると感謝を伝える。リューはシルの言葉からアリーゼたちが残した未来を見届ける意義に気付き、シルに恩を返すために「豊饒の女主人」にしばらく厄介になると決める。
ルノアとクロエの監視に気付いたミアはリューに自分で落とし前を付けろと告げ、シルと共にフレイヤの下へ出かける。これ幸いと馬鹿騒ぎした店員たちを介抱し、眠ろうとしたリューにクロエが襲いかかり、次いでルノアが襲撃する。リューはルノアと一騎打ちとなり、漁夫の利を狙って観戦していたクロエは眼を覚ましたアーニャと戦闘になる。そこに、ブルーノ商会たちが現れ、今回の件が三人を潰し合いさせるための罠であると暴露し、リューたちに襲いかかる。リューたちは共闘して商人たちを倒したが、帰宅して店の惨状を知ったミアが店を壊した者たちに雄叫びを上げる。
事情を把握したミアは、ブルーノ商会とそのバックにいたファミリアを根刮ぎ壊滅させる。ルノアとクロエはミアから高額な借金を背負わされるが、リューも含めてミアを母さんと呼ぶ「豊饒の女主人」の仲間となる。
episodeフレイヤ
アリィと8人の眷族
アリィは隣国へ対抗するために、オッタルたちの力を借りたいとフレイヤに頼むが、フレイヤはこれを拒否し、アリィに奪ってゆけと告げて盤上遊戯による勝負を持ち掛ける。アリィは自身も気がつかない起死回生の一手を放ち、フレイヤは笑い声をあげて負けを認め、オッタルたちを貸す約束をし、さらにご褒美をアリィに与える。
8万の敵に対してアリィは8人の第一級冒険者のみが戦力だったが、質が量を圧倒して敵国は壊滅する。フレイヤはアリィの輝きが王である責務に基づくものであることに気づき、「伴侶」とすることを諦め、アリィに王として生きろと告げる。オラリオに戻ったフレイヤは、再び退屈を持て余していたが、新たな「伴侶」の候補を見つけ、高揚感に打ち震える。
最強の起源
フレイヤ・ファミリアでは女神の寵愛を得るために、眷族間の殺し合い紛いの戦いは日常茶飯事であり、オッタルは自身がLv.2だったころの激しい洗礼と当時の団長であるミアからオッタル自身が追われる者になるだろうとの会話を思い出す。体も大きくなり、団長となってオラリオ最強と呼ばれる身だが、かつてゼウスやヘラ・ファミリアに所属していたLv.8やLv.9の冒険者に軽くあしらわれてきたオッタルは、更なる高みにしか興味がなく、自分を追うアレンたちは眼中になかった。
ヘディンがフレイヤの署名を持ってアレンたちを止め、オッタルは37階層に向かい単独でウダイオスと対峙する。オッタルの一方的優勢に進む戦闘の中で、ウダイオスは大黒剣による一撃を放ち、オッタルはこれを回避せずに受け止める。絶対防御は健在だが体は耐えきれずに自身の未熟を知るが、オッタルは魔法によりウダイオスを打破する。
それぞれの昔日
主な登場人物
主人公
ベル・クラネル
声 - 松岡禎丞
本作品の主人公。ヘスティア・ファミリア団長。紅眼白髪を持つ14歳のヒューマンの少年であり、その容姿から作中では兎に喩えられる。物語開始時のステイタスはLv.1の駆け出しだったが、急激な速度でランクアップしており、本編18巻時点でLv.5となっている。
育ての祖父の死後、異性との出会いを求めて冒険者となるべく田舎からオラリオを訪れ、女神ヘスティアと出会って彼女の最初の眷族となる。性格は基本的に善良かつ奥手だが、祖父の影響で異性に抱く憧れが強く、年上の女性を意識する。祖父から英雄譚(原典)を聞いて育ったために英雄譚に詳しく、年甲斐もなく英雄になりたいという想いを秘める。物語初期からアイズに憧れを抱いて強くなりたいと願い、片角のミノタウロスとの死闘を経て未知に挑む冒険者となり、ベルを見初めた神々が関与した様々な騒動を乗り越えて力を付ける。異端児の事件を通じて偽善者となる覚悟と新たな好敵手を得てからは精神的にも成長し、周囲からの信頼を掴み取って英雄に喩えられるようになる。
アイズから指導されたために戦い方が似ており、主にナイフなどの刃渡りの短い刀剣や軽装の鎧を装備し、自身の速度を生かした戦い方を多用する。持ち主と共に成長するという特異な特性を持つ神(ヘスティア)のナイフと、作品世界では異例な無詠唱魔法ファイアボルトを使用する。アイズへの憧憬から発現したレアスキル憧憬一途(リアリス・フレーゼ)により、アビリティの急激な成長と限界突破を成し遂げており、その副次効果で魅了(チャーム)が効かない設定がなされている。また、蓄力(チャージ)により攻撃や魔法などの能動的な行動の威力を増幅し、英雄の一撃を放つスキル英雄願望(アルゴノゥト)を得ており、このスキルの特徴を応用した聖火の英断(アルゴ・ウェスタ)という技を独自に編み出す。
本作品の人気の大きな理由の一つとして、読者が物語当初から純真な意志を失わずに憧れを目指して鍛錬を続け、真っ直ぐに成長するベルの姿に共感し、読者の気持ちを引き付けていると分析されている。また、宝島社の『このライトベルがすごい!』による男性キャラクター部門のランキングでは2015年に8位、2016年に7位、2019年に10位、2020年に8位、2024年に9位に選ばれている。
最初の二つ名は未完の少年(リトル・ルーキー)。Lv.4にランクアップした際に白兎の脚(ラビット・フット)という新たな二つ名となる。
アイズ・ヴァレンシュタイン
声 - 大西沙織
外伝『ソード・オラトリア』の主人公。本作のメインヒロインであり、作者から本編では最後に救いたいヒロインと位置付けられている。金髪金眼の16歳のヒューマンであり、ロキ・ファミリアの中核を担う冒険者。物語当初のステイタスはLv.5だったが、単身で階層主ウダイオスを打倒してLv.6へランクアップする。
ミノタウロスに襲われていた駆け出しのころのベルを間一髪で救い、ベルと出会う。これ以降、ベルの目標であり憧れの人となる。また、ベルに戦い方を初めて教えてから戦闘の師匠という立場にもなり、物語の進展に伴いベルと少しずつ関係を深めている。性格は物静かで感情をあまり表に出さないが、精神的には幼く、対人関係が苦手で天然な行動も多く、酒乱という設定もある。一方、その美貌も相まって神秘的な印象を持たれがちであり、ファミリア内外の冒険者から尊敬と人気を集めているが、自身は何よりも強くなることが最優先であり、暇さえあればダンジョンへ潜っている。
戦闘では強力な剣士であり、パーティでは主に前衛を務め、自身に風を纏わせる付与魔法エアリエルにより攻撃力と防御力を高める戦闘スタイルをとる。必殺技は武器に風を纏いながら突撃する刺突技リル・ラファーガ。神の恩恵を刻まれた当初からモンスターに対する攻撃力の高域強化と竜種に対する攻撃力を超域強化するスキル復讐姫(アヴェンジャー)を発現している。
作者から本編ではアイズの設定を回収できず、感情移入がしにくいキャラクターになっていると評される。一方、アイズを主人公とする外伝では、ロキ・ファミリアへ入団した年齢は7歳であり、教育係であるリヴェリアを困らせていた過去が描かれる。また、外伝では、幼少期から「怪物は必ず殺す」と自らに誓いを立てるほどのモンスターに対する並々ならぬ憎悪や、自分の前には英雄は現れないという絶望、そして自身が強くなる必要があるという必死の心情も描写されている。アイズに関する秘密はロキとファミリアの古参首脳陣だけが具体的に把握しているとされ、本編18巻および外伝13巻時点では母の名がアリア、彼女の中に精霊の血が流れていること、黒竜に対するただならぬ憎悪、迷宮神聖譚の大英雄アルバートとの関連だけが示唆されている。
二つ名は剣姫(けんき)。
主なファミリア・組織
ヘスティア・ファミリア
本編で主役を担う、女神ヘスティアが運営する探索系ファミリア。結成直後はヘスティアとベルのみが所属する弱小ファミリアであり、教会の隠し部屋を本拠としていた。アポロン・ファミリアとの戦争遊戯を切っ掛けに所属する団員も増えて、同戦争遊戯に勝利した結果、新たな本拠「竈火の館(かまどのやかた)」も得て、エンブレムを重なりあった鐘と炎とする。入団希望者も殺到したが、ヘスティアの莫大な借金が露呈したため、入団希望者が皆無の状態に戻る。異端児による事件の終結後、ベルがLv.4にランクアップしたために派閥の等級がD級へ昇格し、フレイヤ・ファミリアとの戦争遊戯の結果、フレイヤがヘスティアの従属神という扱いとなり、ベルのランクアップとLv.6のリューの入団により派閥の等級がBへ昇格する。
ヘスティア
声 - 水瀬いのり
本作品のヒロインの一人。ヘスティア・ファミリアの主神。キャラクターの設定はギリシア神話に登場する女神ヘスティアーに由来し、作中においても三大処女神の一人であり、炉の女神として竈の炎を司るとされる。また、ボクっ子という設定もあり、黒髪ツインテールで身長140Cの幼い外見だが巨乳のため、他の神からは「ロリ巨乳」と呼ばれ、道行く人やバイト先の客からはマスコットキャラのように可愛がられる。
下界に来た当初は友人であるヘファイストスの下に身を寄せていたが、怠惰な生活を改めなかったために追い出され、同じく路頭に迷っていたベルと出会い、彼を眷族にしてファミリアを構える。その後は態度を改め、ファミリアの運営と生活のために幾つものバイトを掛け持ちして、ファミリアの運営に取り組む。ベルのために丸一日かけてヘファイストスに土下座までして頼み込んで神(ヘスティア)のナイフを作製してもらうが、その代償に彼女の店でのタダ働きの義務と2億ヴァリスの個人的借金を背負う。同じく零細のファミリアを運営するミアハやタケミカヅチと親交がある一方、フレイヤには苦手意識があり、ロキとは取っ組み合いの喧嘩をするほど仲が悪い。下界に降り立った神々の中でも根っからの善神であり、天界では誰に対しても平等に接する人物として知られ、神格の高さもあり神々からは一目置かれる。
神と人の違いを乗り越えてベルと相思相愛になることを夢見ており、彼が想いを寄せるアイズや彼に想いを寄せる女性を警戒する。本編8巻では神々との愛を怖がらないで欲しいとベルに告げ、ベルに想いが伝わったと勘違いしている。
2015年に本編がアニメ化された際に、外見のトレードマークである「例の紐」が注目され、これによりキャラクターの人気に火がつき、作者が想像できない形で本作品が周知されるようになる。詳細は「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか_(アニメ)#反響・評価」を参照
リリルカ・アーデ
声 - 内田真礼
本作品のヒロインの一人。栗色の髪、およそ身長100Cの小人族で15歳の少女。元ソーマ・ファミリアの眷族。アポロン・ファミリアとの戦争遊戯に参加するためヘスティア・ファミリアに改宗し、派閥連合による遠征を経てLv.2へランクアップする。愛称はリリ。
ベルの最初のパーティメンバーとして出会い、ベルを騙したのに自分を救い、許してくれたベルに好意を抱く。普段は誰に対しても敬称をつけて敬語で話すが、身内には皮肉や毒を吐く。世間に疎い純朴な団員の中ではオラリオの世故に通じており、金にはがめつく、ファミリアの会計係も務める。本編8巻ではリリの勇気を認めたフィンから求婚されるが、ベルを支えたいという気持ちから断る。少なくとも3歳の時点でソーマの眷族となって物乞いをしており、6歳の時点で神酒欲しさに金儲けに血眼になった。戦闘力の弱さからサポーターになったが、冒険者たちに虐げられ搾取され続けたために冒険者を憎むようになり、ファミリアからの脱退資金を得るために冒険者を騙して盗賊まがいの真似までしていた。
戦闘ではサポーターを務め、直接的な戦闘は苦手だが、ボウガンやアイテムを駆使してモンスターへ立ち回り、自身の能力と体格の範囲内でモンスターも含めた相手の身体能力もコピーできる変身魔法を使用する。豊富なダンジョン経験を活かして物語初期からパーティの参謀的な役割を果たし、物語が進むにつれ指揮官の役割を身に付け、派閥大戦では派閥連合の指揮を任される。
作者によれば、リリのヘスティア・ファミリアへの加入の描写は本編2巻でベルがリリに放った台詞と対応付けられているとされる。また、作者はリリを本作における才能のないキャラクター代表として位置付けてランクアップさせないつもりであったが、編集長からの助言から、これまでの修羅場を考えると成長しないのはおかしいと考え直してランクアップさせている。
ヴェルフ・クロッゾ
声 - 細谷佳正
赤髪で意志の強そうな眼差しのヒューマンの青年で17歳の鍛冶師。元ヘファイストス・ファミリアの眷族。鍛冶アビリティを入手するために、リリと共にベルとパーティーを組んでダンジョンに挑み、Lv.2へランクアップする。アポロン・ファミリアとの戦争遊戯に参加するためヘスティア・ファミリアに改宗する。
自分が作製した防具を探していたベルと出会い、ベルと専属契約を結ぶ。気前のいい職人気質な性格で、ベルの兄貴分のような存在である。ヘファイストスに好意を抱き、彼女が認める武具を作ることができた時には自分と交際して欲しいと告白する。ラキア王国の出身であり、10歳頃にスキルが発現し、没落した一族の中で唯一クロッゾの魔剣を作製できるようになったが、一族から魔剣の鍛錬を強要されたために嫌気がさして、ラキア王国から出奔した。
戦闘では、主に太刀を装備して前衛を担い、敵の魔力暴発を誘発させて自爆させる超短文詠唱の対魔力魔法を使用する。武器は使用者と最後まで寄り添うべきという信念から使用者を残して自壊する魔剣を憎み、当初は意地でも魔剣を鍛錬しなかった。ヘファイストスの助言により意地を捨て、本編5巻から魔剣を鍛錬するようになり、本編14巻では従来にない新たな魔剣の作製に成功し、魔剣に対して前向きな考えを持つようになる。
担当編集はヴェルフとリリのヘスティア・ファミリアへの加入を急ぐように望んだが、作者の強い意向により仲間が集結するカタルシスを表現するために、加入のタイミングが本編6巻となった。また、作者によれば、本編14巻のダンジョン内での鍛錬の場面は、ヴェルフの内面や成長の全てをさらけ出すように描かれている。
二つ名は不冷(イグニス)。
ヤマト・命(ヤマト・みこと)
声 - 赤﨑千夏
青紫の瞳で1つに結った長い黒髪を持つヒューマンで16歳の少女。元タケミカヅチ・ファミリアの眷族。本編4巻でLv.2へランクアップし、本編6巻で戦争遊戯に臨むベルに恩を返すため1年間の期限でヘスティア・ファミリアに改宗する。
負傷した千草を救うために怪物進呈した件でベルと出会う。非常に生真面目で礼儀を重んじ、義理堅い性格で嘘をつくのが下手。大の風呂好きで料理が得意である。タケミカヅチを父として敬愛すると同時に異性としても慕う。極東出身の孤児であり、タケミカヅチの眷族と春姫は幼馴染である。幼少期から「お姫様」である春姫を敬愛し、彼女の恩に報いるために神の恩恵を授かり、彼女を守ると心に決めていた。
戦闘では、あらゆる配置をこなすオールラウンダーでモンスターや味方の位置を探る探索・探知スキルを保有し、重力結界を展開して中にいるものを押し潰す重圧魔法を使用する。
ヘスティア・ファミリアへの加入は、リリとヴェルフだけでは地味と考えた作者が、本編6巻の執筆直前に決めたとされる。アニメ第1期放送後に発売されたOVAでは、脚本家の白根秀樹が設定を膨らまし、命の温泉好きという設定がユーモラスに描かれている。
二つ名は絶†影。
サンジョウノ・春姫(サンジョウノ・はるひめ)
声 - 千菅春香
本作品のヒロインの一人。翠の瞳で金色の長髪と太い尾を持つ狐人で16歳の少女。元イシュタル・ファミリアの眷族。イシュタル・ファミリアが壊滅した後、ヘスティア・ファミリアへ改宗し、派閥連合による遠征を経てランクアップする資格を得て、派閥大戦の前にLv.2へランクアップする。
歓楽街でベルと出会い、自分を救うために奮闘するベルに物語の英雄を重ねて好意を抱く。礼儀正しく気品があり温和で純朴、誰に対しても丁寧にしゃべる。極東の貴族出身であり、タケミカヅチの眷族とは旧知の仲。幼少期から何事につけ他人に従順であり、外の世界を本でしか知れなかったために英雄譚や童話を耽読していた。11歳頃に詐欺にあった父に勘当され、紆余曲折を経て魔法(妖術)に目を付けたイシュタルに娼婦として囲われる。歓楽街でも自主的には何もできず、男の裸を見ると必ず気絶するほどに初心であり、本人も知らないが実際には生娘である。殺生石の儀式による自身の消滅を承知しつつもイシュタルに従っていたが、ヘスティア・ファミリア加入後は、独り立ちの意志を示し、ファミリア内の世話係を自主的に務め、母子または姉妹のような間柄となったウィーネを守るためにベートと対峙した際には一歩も引かない強さも示す。
戦闘では、直接の戦闘力は皆無であり専ら後衛を務める。対象者のレベルを一時的に1つランクアップさせる階位昇華の魔法を有し、遠征の前に会得した付与魔法により複数に同時発動することも可能となる。作中では強敵と対峙する際の切り札として多用される。
黒竜を含めて敵が強すぎることから、作中の設定では倒せない可能性があるために作品の都合として登場させたキャラクターであるが、作者は初めてライトノベルらしいヒロインを書けたという手応えがあったとも述べている。
リュー・リオン
声 - 早見沙織
本作品のヒロインの一人であり、読者からの人気が高いキャラクターの一人。ファミリアクロニクル『episodeリュー』では主人公であり、ゲーム『メモリア・フレーゼ』のアストレア・レコード編でも主人公を担う。薄緑の髪のエルフの女性で年齢は21歳。物語開始時はアストレアの眷族でステイタスがLv.4の元冒険者。派閥大戦に参加するためにアストレアの下に赴き一気にLv.6へランクアップする。派閥大戦後にヘスティア・ファミリアに改宗して冒険者に復帰する。
「豊饒の女主人」に住み込みで働くウェイトレスとして登場し、駆け出しのころのベルと出会い、ベルをシルの将来の伴侶と即断し、シルを勝手に応援する。謹厳実直で誰に対しても言動が厳しめだが、気を許した相手には柔らかい態度になり、かつて起こした事件のために素性を隠していたが、元冒険者の経験を踏まえて駆け出しのベルにアドバイスする。素性が明らかになった後、助っ人として何度も駆り出され、本編13巻ではクノッソス攻略に参加するアイシャらの助っ人として同行し、ジュラの罠によりベルと共に深層に落とされる。ベルと共に命懸けで深層から脱出する過程で、かつての仲間たちを失った強い自責の念から救われ、深層から帰還した後、ベルの顔を直視できないほど意識するようになる。当初は自身の感情に戸惑うばかりだったが、派閥大戦中にベルへ好意を伝える。
11歳頃、エルフへの同族嫌悪を抱いて里を飛び出してオラリオへ向かい、アリーゼの強引な勧誘によりアストレアの眷族となった。本編開始の5年前、闇派閥の罠により自身を除いた全団員が殺され、その復讐心から多くの者を血祭りにした結果、冒険者の資格も剥奪されてギルドから賞金を賭けられていた。復讐を終えて自暴自棄になっていた時にシルと出会い、生きる希望を示唆してくれた彼女の恩義に報いるために酒場の一員となった経緯がある。
戦闘では疾走系スキルを活かした直接戦闘の技術が高く、風の広域攻撃魔法を洗練された並行詠唱で使いこなし、回復魔法も有する高度なオールラウンダーであり、Lv.6へのランクアップによりアストレアの眷族たちの魔法を全て使える魔法を獲得し、多能多彩に磨きがかかる。
二つ名は疾風。
ロキ・ファミリア
外伝『ソード・オラトリア』で主役を担う、女神ロキが運営する探索系ファミリア。本拠は「黄昏の館」、エンブレムは道化師。女好きのロキの方針ゆえに、女性冒険者の割合が高い。オラリオ最強ファミリアの一角を占め、物語開始時点では団長のフィンをはじめとする幹部たち7名の第一級冒険者と、第二軍の中核メンバーであるヒューマンのラウル・ノールド、猫人のアナキティ・オータム(通称アキ)、エルフのアリシア・フォレストライトなどの第二級冒険者が多数所属する。
ロキ
声 - 久保ユリカ
ロキ・ファミリアの主神。糸目がちで朱色の瞳と髪を持つ女神であり、エセ関西弁で喋り、無類の酒好きである。胸がコンプレックスであり、無乳と称されるほど絶壁。天界では退屈凌ぎに他の神々を扇動して殺し合いをさせようとする物騒な神でトリックスターとも言われていたが、下界に来てから丸くなった。北欧神話で神々を困らせるトラブルメーカーとして登場する男神ロキに由来し、神話においてロキの子とされる登場人物と同じ二つ名を持つ眷族が作中でも登場する。
フレイヤのベルに対する興味にいち早く気づいており、怪物祭や片角のミノタウロスの騒動がフレイヤの企みであると当たりをつけているが、フレイヤとはベルへの行動に干渉しない取引をしている。ベルには関心がなかったが、異端児を救ったベルを「本物の馬鹿な子」と評し、初めて興味を示す。天界ではヘスティアとよく喧嘩をしており、下界に降りて来てからも続いている。その一方で、ヘスティアの善性は信頼している。
外伝『ソード・オラトリア』では、ダンジョン24階層の食料庫における騒動の後にヘルメスとディオニュソスと同盟を組み、4度のクノッソスへの進攻の末に正体不明であったエニュオを追い詰め、オラリオの危機を救う。派閥大戦では、ミアを焚き付けて派閥連合の援軍として参加させる。
フィン・ディムナ
声 - 田村睦心
ロキ・ファミリアの団長。ファミリアの最古参で首脳陣の一人。年齢は40代だが、黄金色の頭髪に碧眼の幼い少年のような外見の小人族であり、泰然とした穏やかな物腰がカッコよくて可愛いと評され、オラリオの女性冒険者の間で人気がある。初登場時のステイタスはLv.6、エニュオによる動乱の鎮圧後にLv.7へランクアップする。ゲーム『メモリア・フレーゼ』のナイツ・オブ・フィアナ編では主人公を担う。ケルト神話に登場するフィン・マックールに由来する。
戦闘では主にパーティの指揮官を担う。非常に頭が切れ、計算された戦略や戦術が得意だが、親指の疼きに基づく直感的判断も重視する。指揮官として、自身が先頭に立って味方を鼓舞し、仲間の士気を高める天才でもある。個人としては、小柄な体格を活かした素早い身のこなしと、長槍を組み合わせた戦法を用い、指揮官として正常な判断能力を失うことを代償に、戦闘意欲が引き出され、全能力が超高強化される魔法を駆使する。
架空の女神フィアナと同等の名声を得て小人族の象徴となり、衰退した小人族を再興するという野望の実現を目指している。自身の後継者となる子孫も考慮しており、密かに小人族の嫁を探している。自身の二つ名も神々の発案でなく、ロキに掛け合って強引に得た称号であり、そのために自身を「人工の英雄」と卑下していたが、片角のミノタウロスとの戦いや異端児に対するベルの行動を目撃した後、ベルに感化されたことを自覚の上で「本物の英雄」を目指すためにフィアナを超えた存在になると決意する。
二つ名は勇者(ブレイバー)。
リヴェリア・リヨス・アールヴ
声 - 種田梨沙(本編第1期)、 川澄綾子(外伝『ソード・オラトリア』、本編第3期)
ロキ・ファミリアの副団長。ファミリアの最古参で首脳陣の一人。深緑の長い髪で仙姿玉質な容姿のハイエルフの女性。初登場時のステイタスはLv.6、エニュオによる動乱の鎮圧後にLv.7へランクアップする。
エルフの王族出身であり堅物だが、自分に対する過剰な慇懃は苦手である。外の世界を見たい一心からエルフの里を飛び出した末、強引にロキの眷族にされたが、いつかはファミリアを脱退して世界を旅することを決めている。アイズを幼少期から世話しており、紆余曲折を経て母と子のような関係となる。
戦闘では自他共に認めるオラリオ最強の魔法使いであり、攻撃・防御・回復の3種類の魔法にそれぞれ3段階の階位の魔法があり、詠唱連結によって計9つの魔法を使用でき、二つ名の由来となっている。自分の魔法円の中にいるエルフと自身の魔法効果を増大させ、周囲の魔素を回収して精神力も回復可能なレアスキルにより、リヴェリアを中心としたエルフだけの部隊である「妖精部隊」が作られる。
片角のミノタウロスとの死闘で精神疲弊したベルの恩恵を読みとっており、アイズに加えて、ベルがアビリティの限界を超えたことを知る数少ない人物の一人である。
二つ名は九魔姫(ナイン・ヘル)。
ガレス・ランドロック
声 - 乃村健次
ファミリアの最古参で首脳陣の一人であり、髭を蓄えたドワーフの老兵冒険者。初登場時のステイタスはLv.6、エニュオによる動乱の鎮圧後にLv.7へランクアップする。
豪胆な性格で細かな言動は苦手。ロキの眷族になる前は炭坑や鉱山で働いていた。ファミリア結成当初は種族同士の対立からリヴェリアと犬猿の仲であり、仲裁を試みたフィンに対してもリヴェリアと共に侮蔑していたが、時を経るに連れ、お互いに大切な仲間となる。同じドワーフのミアとは腐れ縁であり、昔からの喧嘩仲間。
戦闘ではオラリオで1、2を争う力と耐久を活かした超前衛特化型であり、撤退時には部隊の殿を担う。その拳はいかなる敵も砕く破砕鎚となり、その体は何ものよりも強固な盾となる。普段は若い団員の成長を見守る立場にあるため、裏方に回っているが、ひとたび前に出ると豪快な戦いぶりで敵を圧倒する。
二つ名は重傑(エルガルム)。
ティオネ・ヒリュテ
声 - 高橋未奈美
ティオナの双子の姉で長い黒髪のアマゾネス。ステイタスは59階層への遠征を経てLv.6にランクアップする。
普段は冷静沈着に振る舞うが、本来は粗暴な性格。フィンに惚れており、フィンに好かれるために髪を伸ばし、口調や立ち振舞いを矯正しているが、激昂すると口調が戻ってしまう。フィンへのアプローチには遠慮がなく、常に彼のために献身的かつ積極的である。
戦闘では主にパーティの中衛を担う。武器や体術を駆使して戦い、ダメージを負う度に攻撃力が上昇し、怒りの丈によって効果が向上するスキルと、瀕死になると力のアビリティに超高補正がかかるレアスキルを持ち、追い詰められてからが最も強い。魔法は得意ではないが、魔力で具現した光の鞭で対象を捕らえる束縛魔法を使用する。
生まれ故郷のテルスキュラでカーリーの眷族として育ち、風習に従って同族たちと命懸けの闘いの日々を送っていたが、ある日姉のように慕っていたアマゾネスを闘って殺したことに気づいて絶望する。今でもこの件を後悔しており、カーリーとその眷族を嫌悪し、師であるアルガナに恐怖とそれ以上の怒りを持っている。
二つ名は怒蛇(ヨルムガンド)。
ティオナ・ヒリュテ
声 - 村川梨衣
ティオネの双子の妹で短髪黒髪のアマゾネス。ステイタスは59階層への遠征を経てLv.6にランクアップする。
天真爛漫な性格であり、誰とでも直ぐ仲良くなるが、肉付きの薄い体型で胸が無いことを気にしている。英雄潭が好きで各物語に詳しく、ベルと片角のミノタウロスとの戦いを目撃してからベルを「アルゴノゥト君」と呼んで気に入り、何度かアイズやティオナと共にベルの特訓に付き合っている。
戦闘では主にパーティの前衛を担う。大型武器を駆使した豪快な戦い方を好み、ダメージを負う度に攻撃力が上昇するスキルと、瀕死になると全アビリティの能力に高補正がかかるレアスキルを持ち、追い詰められてからが最も強い。
生まれ故郷であるテルスキュラでは、ティオネと殺し合いたくなかったため、主神のカーリーに「国を出たい」と申し出ており、カーリーの許可を得てティオネと共にテルスキュラから去っている。バーチェから闘い方を叩き込まれており、鍛練の途中にバーチェに英雄潭を読んでもらい、物語の面白さを知ってからは、それまで以上によく笑うようになる。
二つ名は大切断(アマゾン)。
ベート・ローガ
声 - 岡本信彦
灰色の毛並みの狼人の男性で180Cを越える長身、左の頬に入れ墨がある。ステイタスは59階層への遠征を経てLv.6にランクアップする。
普段から誰に対しても攻撃的な悪漢のように振る舞う。同じファミリの団員にも罵詈雑言を吐くので、首脳陣と好意を寄せていたリーネ以外の団員からは人望が無かった。貪欲に強さを求めるアイズの姿勢と実力を認めて好意を抱く。本編1巻では、アイズに向かって駆け出しのベルを酔った勢いで口汚く罵るが、これがベルの決意を後押しし、アイズとベルの間柄を深める切っ掛けにもなる。ベルと片角のミノタウロスとの一騎打ちを目撃してからは、ベルに対する評価を変える。
戦闘では主にパーティの中衛を担う。ファミリアでトップの速度を有し、接近戦で強力な膂力を叩きつける戦闘スタイルを好む。魔法効果を吸収できる武器を使った蹴技、獣化、魔力を見境無く吸収して攻撃力が際限なく高まる付与魔法を切り札とする。自身の弱さを象徴する詠唱が気に入らないので、余程のことがない限り魔法の使用を禁じている。
平原を放浪する獣人部族の出身。12歳頃から、自身の不在時に自身の大切な人を奪われる経験を何度もしており、その経験から弱者の犠牲を許せず、弱者が戦う場に参加することを嫌うようになる。そして、戦う者には弱者であることを許さず、弱者を鼓舞するための罵詈雑言を吐くようになった。
二つ名は凶狼(ヴァナルガンド)。最初の二つ名は灰狼(フェンリス)。
レフィーヤ・ウィリディス
声 - 木村珠莉
山吹色の髪をした15歳のエルフの少女。クノッソス最終戦の前にLv.4へランクアップする。本編ではアイズの設定を回収し難いため、いろいろと掘り下げるための仲間として外伝で設定されたキャラクターであり、外伝のもう一人の主人公である。外伝の新章開始に合わせて、外伝13巻から外見と中身が一新される。
魔力に秀でたウィーシェの森の出身であり、「学区」からロキ・ファミリアに入団する。心優しい性格でアイズを特に慕う。また、ベルに対して一方的にライバル意識を持っており、ベルのランクアップの情報を知ると焦りを見せる。ベルに嫉妬や敵意を向けることも多いが、18階層での共闘を通じて彼の人柄は理解しており、ベルとアステリオスの戦いでは思わず声援を送り、ベルの冒険に感化された一人となる。派閥同盟を組んだディオニュソス・ファミリアのフィルヴィスと個人的にも親交を深めていたが、その正体を知って悲しみと葛藤を抱えつつ打倒する。
戦闘ではアイズやヒリュテ姉妹の攻撃力を越える魔法を放つ程の魔法特化型の後衛専門であり、ロキからは「馬鹿魔力」と評される。エルフの魔法に限って、詠唱とその効果を完全把握していれば、他者の魔法を使用できる召喚魔法を有し、二つ名の由来となっている。この召喚魔法によりリヴェリアの魔法を全て使用でき、将来、ファミリアを離れるリヴェリアの後釜として、彼女から日々指導を受ける。Lv.4へのランクアップにより、先行して詠唱した魔法を保持しながら、次に詠唱中の魔法を放棄することなく、保持中の魔法を任意に発動できるレアスキルを発現する。
二つ名は千の妖精(サウザンド・エルフ)。
フレイヤ・ファミリア
女神フレイヤが運営する探索系ファミリア。本拠は「戦いの野」、エンブレムは戦乙女の側面像。団長のオッタルは都市最高のLv.7、副団長の猫人でオラリオ最速のアレン・フローメル、英明でファミリアの指揮を担う白エルフのヘディン・セルランド、および黒エルフで厨ニ病なヘグニ・ラグナールはLv.6、小人族のガリバー四兄弟はLv.5の第一級冒険者であり、ロキ・ファミリアをも凌駕するオラリオ随一の戦力を誇る。オッタルを除いた団員たちはフレイヤのベルへの執心に少なからず嫉妬しているが、フレイヤへの忠誠は揺らいでいない。派閥大戦に敗北してファミリアは解体されるものの、眷族たちはオラリオに残留する。
フレイヤ
声 - 日笠陽子
本作品のヒロインの一人であり、作者からラスボスと称され、その底の見えなさ具合から畏怖を抱かれる。フレイヤ・ファミリアの主神であり、ファミリアクロニクル『episodeフレイヤ』では主人公。銀色の髪と瞳で神々の中でも随一の美貌を持つ美の女神。その美による魅了の効果は絶大でモンスターや神ですら簡単に虜にすることができ、本気で魅力を行使すれば、下界の全てを掌握できる力がある。北欧神話に登場する平和と豊穣の女神フレイヤに由来する。
愛の他に勇気と英雄を尊び、魂の本質を見抜く洞察眼を持つことから、天界にいたころから英雄と謳われる戦死者を収集しており、下界でもその趣味は変わっていない。かつてヘラとの抗争に敗れた時の約束によりオラリオに留まっているが、発作的に伴侶(オーズ)を探すために旅に出て行こうとする。
かつて見たことが無いほど透き通った綺麗な魂の色を持つベルを偶然目撃して彼を気に入り、これまでと趣向を変えて今回は影ながらベルが成長する姿を見て楽しんでいる。ベルとの直接的な出会いは本編6巻のアポロンが主催した宴の場であるが、最終的に自分のモノとして相応しい能力を身に付けさせるため、本編1巻から密かに試練を与えたり手助けをして成長を促している。ベルに対する執着は尋常でなく、ベル一人のためにイシュタル・ファミリアを壊滅させる。
物語当初からシルを娘と呼んでいたが、本編16巻で自身がシルでもあるという正体が明らかとなる。シルとしてベルに好意を伝えるが正式に振られ、女神としてベルの簒奪を画策するが失敗し、ベルを手に入れるために戦争遊戯にまで持ち込む。戦争遊戯を経て、女神としてもベルに振られて自身の望みを漸く自覚し、女神であることに根差す束縛から救われて、シルとしてオラリオに残る。
オッタル
声 - 小柳良寛
フレイヤ・ファミリアの団長。32歳の猪人で身長210Cの大男。ステイタスはオラリオにおいて唯一のLv.7であり、魔力を除いたアビリティは全てS級のほぼ最大値に達する。
常に冷静沈着、実直で武人肌な性格。フレイヤの側仕えのような存在であり、一貫してフレイヤに尽くす。何もわからなかった幼少期にフレイヤに拾われ、その名もフレイヤに名付けられている。
都市最強と謳われ、頂天と渾名される。戦闘では絶対防御と呼ばれる安定感を有し、単身で49階層まで踏破した実績がある。作中ではロキ・ファミリアの幹部ですら太刀打ちできない圧倒的な実力者として描かれており、クノッソス最終戦では、ベートたちと分断されたアナキティたちの部隊に加入して精霊の分身をほぼ一人で討ち取る。派閥大戦では、ミア、リュー、ヘディンと共闘したベルに敗北する。
ベルとアイズの成長にも関与しており、本編では心の中でベルを激励しつつミノタウロスを鍛え上げ、片角のミノタウロスとベルとの戦いでは邪魔が入らないようにベルを助けに向かうアイズと対峙し、アステリオスとベルとの戦いではフィンの介入を阻止している。外伝では、迷いを抱えるアイズの訓練に付き合い、その心の内を見抜いて助言する。
二つ名は猛者(おうじゃ)。
ヘファイストス・ファミリア
女神ヘファイストスが運営する鍛冶系ファミリア。エンブレムは交差する2本の槌に火山。「鍛冶」アビリティを習得した鍛冶師が鍛錬し、ヘファイストスと幹部たちが認めた武具は、ブランド名「Hφαιστοs」の銘が打たれ、その価格は短刀ですら800万ヴァリスの値が付く高級ブランド品であり、冒険者の間で最も信頼が厚い。武具販売の収益が絶大であることから、オラリオ内で唯一ダンジョンからの収入に頼らずに運営されている。
ヘファイストス
声 - 寺崎裕香
ヘファイストス・ファミリアの主神。右目に眼帯をつけた赤髪で男装の麗神。鍛冶の神としては他の追随を許さないほどの技術を保有する。ギリシア神話に登場する鍛冶の男神ヘーパイストスに由来する。
めんどう見の良い姉御肌な性格。ヘスティアの神友であり、彼女が下界に降りた時から何かと彼女の世話をし、懇願する彼女のためにベルの武器となる神(ヘスティア)のナイフを鍛錬し、作中の事件では何度も彼女に味方してファミリアとしても協力する。ロキとも馴染みであり、ロキ・ファミリアの遠征に自身の眷族の同行を許可する。
自分の元眷族であるヴェルフに目を掛けており、魔剣に意地を張る彼を諭す。本編8巻でヴェルフから告白され、本編15巻でヴェルフが鍛錬した新たな魔剣を評価して交際しても良いと告げようとするが、ヴェルフが立ち去ってしまい少女のように悔しがる。
椿・コルブランド(つばき・コルブランド)
声 - 生天目仁美
ヘファイストス・ファミリアの団長。極東出身のヒューマンとドワーフの間に生まれたハーフドワーフの女性。ステイタスはLv.5。
黒髪赤眼で左眼に眼帯を装着し、普段でもさらしを巻いた姿で現れる。何よりも鍛冶優先、愉快で快活な性格も相まって見た目に反して色気が薄い。オラリオ最高の鍛冶師であり、ダンジョンで自らの武器を試し斬りし続けて強くなった第一級冒険者でもある。
普段はヴェルフを「ヴェル吉」と呼んでからかうが、鍛冶師としてヴェルフの魔剣に対する意地を無意味な拘りと非難していた。本編14巻ではベルたちの救出のためにダンジョンに向い、ヴェルフが作り上げた新たな魔剣を確認して、ヴェルフを自分と同じ領域に到達した同族だと歓迎する。ロキ・ファミリアとは繋がりが深く、ガレスとは直接契約を結んでおり、ベートの武器は彼女の作品である。幼少期のアイズとも出会っており、武器の作製を依頼されるが、アイズ自身を剣と評して断った。ロキ・ファミリアの遠征に不壊属性の武器を提供して自らも深層まで同行し、クノッソス最終戦ではガレス率いる部隊に加入して共闘する。
二つ名は単眼の巨師(キュクロプス)。
ミアハ・ファミリア
男神ミアハが運営する回復薬を扱う道具店を営む商業系ファミリア。本拠は「青の薬舗」、エンブレムは五体満足の人の体。かつては名の知られた中堅ファミリアだったが、物語当初は派閥の等級がHであり、団員がナァーザだけの零細ファミリアとして登場する。ヘスティア・ファミリアとは、その結成直後から親交があり、互いに助け合う関係にある。アポロン・ファミリアによる戦争遊戯の後、有名になったベルのおかげで客足が増え、新たにダフネとカサンドラが加入する。
ミアハ
声 - 古川慎
ミアハ・ファミリアの主神。ケルト神話の医術に長けた神ミアハに由来する。
群青色の髪で美麗な目鼻立ちの青年。ベルをはじめとする多くの知人にタダ同然でポーションをばら撒いたりするため、ファミリアの経営は常に火の車である。タケミカヅチと同様に、無自覚に女性をたらし込んでいるが、その神格からあまり反感をもたれていない。ヘスティアとは懇意であり、本編9巻でヘスティアから内密に相談されて、異端児の存在を把握する一人となる。また、ヘスティア・ファミリアの遠征ではタケミカヅチと派閥連合を結成して眷族を参加させたり、様々な事件で彼女に味方する。
ナァーザ・エリスイス
声 - 葉山いくみ
ミアハ・ファミリアの団長。瞼が半分降りた眠たそうな眼をしている犬人の女性で18歳。物語当初のステイタスはLv.2だったが、派閥大戦後にLv.3へランクアップする。ケルト神話に登場する、右腕の義手をミアハによって完治してもらった神ヌアザに由来する。
かつては冒険者だったが、右腕をモンスターに喰われた心的外傷により冒険者を廃業して薬師に専念する。全財産を投げ打ち高額な魔道具の義手を手に入れて自分を救ってくれたミアハに好意を抱く。
ファミリアを没落させてしまった罪悪感から金に対して厳しく、ポーションの売り込みに余念がない。駆け出しのベルにぼったくり価格でアイテムを売りつけていたが、本人も反省した後、ヘスティア・ファミリアの団員とは友好的な関係を築き、ベルたちに幾度も助力する。
二つ名は医神の忠犬(ミーヤル・ハウンド)。
ダフネ・ラウロス
声 - 小若和郁那
アポロンの元眷族であり、アポロンが戦争遊戯に敗北した後にミアハの眷族となる。ヒューマンの女性で18歳。ステイタスは本編15巻でLv.3へランクアップする。
短髪吊り目の美少女で外見から強気そうな印象を受けるが、冷静で落ち着きのある人物。過去に無理やり迫られて眷族にされた経緯があるため、アポロンに見初められたベルに対して同情する。戦争遊戯後はカサンドラと共にヘスティア・ファミリアへの入団を志望するが、ヘスティアの莫大な借金を知って入団を取り止め、紆余曲折を経てカサンドラと共にミアハ・ファミリアに改宗する。
戦闘ではアポロン・ファミリア時代に致し方なく指揮官の役割を担った経験から、リリにパーティの指揮について指導する。パーティでは主に中衛役であるが、アンフィス・バエナとの戦闘では戦力不足のために前衛として活躍し、カサンドラの予知夢をいつものように受け入れようとしなかったが、人としての彼女を信じた決断が派閥連合を救う。
二つ名は月桂の遁走者(ラウルス・フーガ)。
カサンドラ・イリオン
声 - 真野あゆみ
本作品のヒロインの一人。アポロンの元眷族であり、アポロンが戦争遊戯に敗北した後にミアハの眷族となる。ヒューマンの女性で18歳。ステイタスは本編15巻でLv.3へランクアップする。
外見や雰囲気から、あどけいない印象を受ける長髪垂れ目の美少女。戦闘では範囲回復魔法と解害・解呪魔法によりパーティを支える後衛役を担う。神でさえも理解不可能なスキルを発現しており、そのスキルから予知夢を見ることができるが、その予知夢は誰にも信用されない呪縛がある。そのため、アポロン・ファミリアの面々から妄想癖があると思われており全く相手にされなかった。
ヘスティア・ファミリアとの派閥連合による遠征では、パーティが全滅する最悪の予知夢を回避するために行動し、急遽ヴェルフに頼んで作製してもらった「ゴライアスのマフラー」が、ジャガーノートとの戦いでベルの命を繋ぐ要となる。アンフィス・バエナの打倒後、予知夢の解釈に成功してパーティの壊滅を回避し、また予知夢を誤解して嫌々ながら匿った異端児が広いダンジョンの中から自分の場所を特定し、これまで役に立たなかった予知夢が深層に落ちたベルとリューの救出に繋がる。
戦争遊戯後に自分の予知夢を初めて信じてくれたベルに感激し、遠征後には予知夢の厄災を打ち破ったベルに想いを寄せる様子を見せる。作者が物語の早期の段階で考えていた予言者としてのキャラクターだが、作者の想定以上に活躍してヒロインに昇格し、作者自身も驚いている。
二つ名は悲観者(ミラビリス)。
タケミカヅチ・ファミリア
男神タケミカヅチが運営する探索系ファミリア。本拠は「仮住居の長屋」、エンブレムは地面に突き立った剣。本編5巻時点で極東出身者6人のヒューマンが所属し、あらゆる武術や武具の取り扱いに長け、本編8巻時点でLv.2の団員が3人となる。団員たちは春姫と幼馴染の仲。ヘスティア・ファミリアとは協力関係にあり、ダンジョンでの滞在を試すための小遠征を共同で行ったり、様々な件でヘスティア・ファミリアに協力する。
タケミカヅチ
声 - 間島淳司
タケミカヅチ・ファミリアの主神。日本神話に登場するタケミカヅチに由来する。
頭髪が角髪の凛然とした容姿。神格者であり、女性絡みの対応が天然ジゴロのため女性や子供から好意を寄せられる。下界では新参者であり、普段は街でバイトをしてファミリアの運営の足しにしている。武の神であり、神の恩恵とは関係のない戦う技術に精通しており、団員たちに技と駆け引きや連携の稽古をつける。ヘスティアとは神友(親友)で、土下座を教えたり、戦争遊戯に臨むヘスティアのために命に改宗を薦めようとしたり、本拠の留守番を引き受けたりする仲であり、本編9巻でヘスティアから内密に相談されて、異端児の存在を把握する一人となる。
カシマ・桜花(カシマ・おうか)
声 - 興津和幸
タケミカヅチ・ファミリアの団長。大柄な体格のヒューマンの青年。ステイタスはLv.2。
ダンジョン中層で千草が怪我を負った際、地上に撤退するために偶然居合わせた、見ず知らずのベルたちのパーティに怪物進呈を仕掛け、団長として怪物進呈の決断に後悔はなかったが、後に彼らに土下座で謝罪する。ヴェルフとは折り合いが悪かったが、アポロンやイシュタルによる騒動、17階層への小遠征を経てお互いに戦友と呼べる関係となる。戦闘では戦斧を使い、盾役もこなす前衛であり、漆黒のゴライアス戦では体を張ってベルを守る。
二つ名は武神男児(マスラタケオ)。
ヒタチ・千草(ヒタチ・ちぐさ)
声 - 井口裕香
いつも前髪で瞳を隠しているヒューマンの16歳の女性冒険者。ステイタスは本編8巻でLv.2へランクアップ。
気弱な性格で人見知りだが、ファミリアの中では桜花と命に次ぐ力量を持ち、弓は命よりも上手である。命とだけは自然に話ができて互いの思い人を知る仲であり、自身は桜花に好意を持っている。
二つ名は比翼少女。
ヘルメス・ファミリア
男神ヘルメスが運営する探索系ファミリア。本拠は「旅人の宿」、エンブレムは翼のついた旅行帽と靴。ヘルメスの意向で団員のレベルをギルドへ申告していないため、派閥の等級はFに留まっている。ヘルメスがオラリオにほぼ不在なので、団長のアスフィがまとめている。儲け話ならどんなことにでも手を出すと評判で、立場上、物語で起きる多くの事件に関わっており、団員全員が異端児や闇派閥や怪人といった情報に精通している。
ヘルメス
声 - 斉藤壮馬
ヘルメス・ファミリアの主神。おどけた言動が多いがその大半は演技であり、勘も鋭く、掴みどころのない性格で全般的に食えない人物。ギリシア神話に登場するゼウスの息子でマルチな才能を持ったとされるヘルメースに由来する。
ゼウスの使い走りをしていた経緯でベルに興味を抱き、本編5巻でベルを探るために騒動の火種を蒔き、事件を収束させたベルを英雄の器と認め、ベルと周囲の英雄候補たちが織りなす神々が予想もできない物語を神託する。イシュタルによる事件ではベルを最後の英雄に押し上げると決意し、異端児の事件ではベルとアステリオスの闘争を神意すら越えた未知と評し、打ち震えている。何よりもベルを英雄に押し上げることを優先しており、この点についてはフレイヤと目的を共有し、応援者としてお節介をしてゆくとベルにも直接伝えている。
物語全般に裏から影響を及ぼしており、調停者を自称する。異端児の事件では、地に落ちたベルの名誉回復、異端児の保護を目指すウラノス、異端児の討伐とダイダロス・オーブの入手を目指すロキ・ファミリアとの間で板挟みとなるが、際どい立ち回りと裏取引により厳しい状況を切り抜ける姿が本編と外伝を絡めて描かれる。また、本編8巻のイシュタル・ファミリアの壊滅や本編12巻のヘスティア・ファミリアの遠征についても、ヘルメスによる裏からの介在が外伝で描かれる。派閥大戦では敗戦濃厚な派閥連合への不参加を決め込むが、リューの参戦とランクアップに一役買う。
アスフィ・アル・アンドロメダ
声 - 茅野愛衣
ヘルメス・ファミリアの団長。眼鏡を掛けた理知的な雰囲気を持つ22歳のヒューマンの女性冒険者。ステイタスはLv.4。
いつもヘルメスに振り回される苦労人で、歳に似合わない蓄積された疲労感を醸し出す時がある。立場を越えてヘルメスに小言や嫌みを言ったり、折檻したりもするが、結局は命令に従って行動する。立ち居振る舞いや仕草が洗練されており、とある海国の姫であると噂される。
調合と彫金に加えてレアアビリティ神秘を保有し、稀代の魔道具製作者として名声が知れ渡っている。被ると透明状態になる漆黒兜はパーティの隠密行動や奇襲に多用され、装備者に飛行能力を与える飛翔靴はアスフィの切り札として使用される。異端児の事件ではヘルメスの命により「ダイダロスの手記」の偽物を作製し、外伝ではフェルズ製の眼晶に感化され、ダイダロス・オーブの自作に成功する。リューの願いを知ったため、派閥大戦への参加を個人的に希望するが、ギルドから名指しで禁止される。
パーティの戦闘では中衛で指揮を担当し、パーティの要である。発現している魔法がしょぼいため、空気に触れると爆発する液体を小瓶に入れた爆炸薬や凍炸薬を多用する。
二つ名は万能者(ペルセウス)。
ルルネ・ルーイ
声 - 赤尾ひかる
犬人の女性冒険者で18歳、ステイタスはLv.3。
役割が盗賊ゆえに、マッピングが得意。口が軽く、何事も少し脇が甘いので、アスフィを疲れさせる原因の一人である。外伝では、小金欲しさにフェルズからの冒険者依頼を引き受け、レヴィスに襲われそうになるがアイズとレフィーヤに保護される。これらの件を通じて、アイズと名前で呼び合う仲となる。
二つ名は泥犬(マドル)。
アイシャ・ベルカ
声 - 渡辺明乃
元イシュタル・ファミリアの幹部。容姿端麗な21歳のアマゾネス。ヘルメス・ファミリア入団後にLv.4へランクアップする。
性格は剛胆かつ色欲に忠実。姉御肌でめんどう見がよく、イシュタル・ファミリアでは、戦闘娼婦のアマゾネスたちを束ね、妹分として春姫の世話をしていた。戦闘では大剣と体術を流れるように駆使する。また、並行詠唱の使い手でもあり、巨大な紅色の斬撃波を放つ攻撃魔法を使用する。
歓楽街で彷徨っているベルと偶然に出会い、一目見て気に入る。イシュタルの魅了の影響で見て見ぬ振りができないため、春姫を救おうとするベルの前に立ち塞がり、その覚悟を見定める。イシュタル・ファミリア消滅後、春姫をヘスティア・ファミリアに任せ、自身は殺生石の流通を監視するために情報通のヘルメス・ファミリアへ入団するが、その後も春姫を守るためにベートと戦ったり、魔導書を使って春姫に新たな魔法を発現させたりする。アスフィとリューと組んで何度も共闘するが、隙あらばベルに迫ろうとしており、リューとは険悪になることもある。また、ファミリアに束縛されおらず、元イシュタル・ファミリアの戦闘娼婦たちを率いて幾度も参戦している。
二つ名は麗傑(アンティアネイラ)。
ギルド
オラリオの都市運営、冒険者および迷宮の管理、魔石の売買を司る機関。男神ウラノスが長であるが、中立性を示すため、ウラノスはギルドを運営する職員たちに恩恵を授けていない。冒険者やファミリア間のトラブルには余程のことがない限り介入しないが、ギルドの傘下であるファミリアや個人はキルドからの緊急の指令には必ず従う決まりがある。
ウラノス
声 - 大川透
ギルドの主神。2Mを超える巨大な老神であり、この地に神の恩恵をもたらした最初の神。千年前に神々が降臨した際に当時のギルドを再編成して作り直す。以降は「君臨すれども統治せず」を貫き、自身はギルドの地下で祈祷を捧げ続け、圧倒的な神威でモンスターの大移動や地上への進出を抑え込んでいる。
ゼウスとヘラのファミリアが失脚した後、彼個人が動かすことができる戦力はフェルズだけであり、組織的な戦力に乏しい。本編開始の15年ほど前に知った異端児との共生を望み、秘密裏に異端児を庇護すると共にダンジョンの問題に当たらせていた。
エイナ・チュール
声 - 戸松遥
本作品のヒロインの一人。ギルドの受付嬢を務める眼鏡を掛けたハーフエルフの19歳の美女。眼鏡の設定は作者の原案にはなく、原作のイラストを担当するヤスダスズヒトにより追加された設定であり、これにより作者のビジュアルイメージが膨らんだキャラクターとされる。
有能で真面目なギルド職員。ベルの担当アドバイザーであり、「冒険者は冒険してはいけない」を信条とする。親身でめんどう見も良く、ベルが冒険者の駆け出しのころから、ダンジョンで生き抜くための知識を叩き込んでいる。ベルの尋常ではない成長速度に頭を悩ませており、自身の予想以上に危ない状況に陥るベルを警戒も含めて心配をする。僅かながら神聖文字が読めるため、何度かベルのステイタスを見る機会があったが、ベルの成長の秘密まではわかっていない。
ギルドの同僚や冒険者の異性から人気があるが、本人は少し困っている。自他共に認める世話好きな性格であり、少し頼り無く世話をしてあげられる男性が好み。駆け出しのベルを弟のように思っていたが、アステリオスと激戦の上に敗北して悔し涙を流す姿を見て以降、ベルのアイズへの憧憬を承知の上で彼に対する恋心を自覚する。
エイナの母(アイナ)はリヴェリアと一緒にエルフの里を出奔した仲。「学区」を卒業してギルドに就職してから担当する冒険者の死を何度も経験するが、同僚から勧められる冒険者との距離感についての助言に従わずに、冒険者に積極的に深入りしている。そのため、ベルだけに限らず、アドバイザーとしての教えはスパルタである。妹(ニイナ)も「学区」に所属しており、本編19巻に登場する。
フェルズ
声 - 小松未可子
ウラノスに仕える魔術師。ステイタスはLv.4。
全身を黒衣に包み、容姿どころか性別も判断できない。800年前に神秘のアビリティを極めた賢者であり、不死の秘法を編み出した結果として肉が腐り落ち骸骨の姿となり、その後は愚者(フェルズ)と名乗る。紆余曲折を経てオラリオに流れ着き、ウラノスの右腕として仕えており、異端児との連絡役や裏の仕事を引き受ける。
異端児の事件でベルと出会い、異端児の未来についてベルに全てを賭けると決意する。偽善者こそ英雄になる資格があり愚者であれと語り、異端児と共生するためにはダンジョン最下層の攻略が必要であるとも告げ、ベルに大きな影響を与える。
神秘のアビリティで数々の魔道具を開発しており、異端児の事件では眼晶をはじめとする特異な魔道具が重要な役割を果たす。魔導のアビリティを持つ魔導士でもあり、全癒魔法はどんな疲労や負傷でも全快にまで回復できる。死んだ者を蘇らせる奇跡の魔法を持ち、一度も成功したことがなかったがウィーネの蘇生にて初めて活用される。
豊饒の女主人
女主人のミア・グランドが、オラリオの治安が悪かった時代に、誰でも笑って酒が飲めるようにと一代で起ち上げた人気の酒場。本編と外伝においてヘスティア・ファミリアやロキ・ファミリアが宴会の場に度々利用する。
従業員は全て女性であり、訳ありで腕っ節の強い娘が多く、ミアを「母さん」と呼んでいる。ミアはベルを上回る身長と数倍の横幅があるドワーフであり、酒場の女主人となってからは半脱退の状態であるが、かつてフレイヤ・ファミリアに借りがあったために嫌々ながらフレイヤの眷族となり団長になったLv.6の実力者である。ウェイトレスのアーニャ・フローメルは思慮の足りない行動が目立つ少しお馬鹿な猫人であり、Lv.4の元フレイヤ・ファミリアの冒険者。アレンとは実の兄妹だが、物語開始時点では深い確執がある。ヒューマンのウェイトレスであるルノア・ファウストは素手での直接戦闘を得意とするLv.4の元賞金稼ぎであり、猫人のウェイトレスであるクロエ・ロロは幻影魔法などの搦め手を得意とするLv.4の元暗殺者である。
シル・フローヴァ
声 - 石上静香
本作品のヒロインの一人。光沢のない薄鈍色の髪と瞳を持つ18歳のヒューマンの少女。作中のメインキャラの中では唯一の一般市民として登場し、物語当初、ダイダロス通りにある孤児院に赴く際に影ながらフレイヤ・ファミリアの団員から護衛されたり、団員からは「シル様」と呼ばれたりしていたが、本編16巻でその正体がフレイヤであると明かされる。
「豊饒の女主人」のウェイトレスとして登場し、駆け出しのベルと出会って店に招待する。ベルに対して好意を抱いており、ベルに弁当を差し入れたり、冒険者という危険な立場のベルを心配したりするが、Lv.2にランクアップした際は心から喜ぶ。また、店に置いてある魔道具などをベルに貸し与えて、それらがベルの窮地を脱することに役立つ。
ちゃっかりしているものの、基本的にドジッ子体質。知らない人と触れ合う事が趣味であり、人を見ることが好き。純朴そうな雰囲気であるが、人の心の機微に聡く、瞳を見ただけで人の思考を読み取る事ができ、アーニャやクロエはシルを「魔女」とぼやいており、ロキからは「豊饒の女主人」の中で最も警戒すべき人物と評される。
かつて貧民街で飢えていた時にフレイヤと出会った「シル」は、フレイヤになりたいと告げて彼女と取引をした。この取引により、かつての「シル」は名をヘルンと改め、フレイヤの眷族となって女神の侍従頭を務め、彼女にだけ変身できる魔法を得て心身を彼女と共有することになる。フレイヤに影響されてヘルンもベルに心惹かれてゆくが、その思い以上に女神を小娘へと堕落させるベルに対して憎悪を抱いてベルの殺害を謀る。しかし、最終的にはベルへの愛を受け入れ、自身の命を賭してフレイヤの救済をベルに託す。
異端児
本編9巻から登場する高い知性や心を備えた異端のモンスターであり、その中には人間の言葉を話す者すら存在する。ウラノスによって保護され、ダンジョン内の安全な「隠れ里」を拠点とし、冒険者が落とした武器を装備してダンジョンを巡回しつつ同胞を探しているが、通常のモンスターからも敵として認識されるため、生き残っている者は40体ほどである。アステリオスを除いて全員が地上や人間に対する強烈な憧憬を持ち、いつか地上に出ることを夢見ている。 ウィーネを通じてヘスティア・ファミリアと親交を持ち、イケロス・ファミリアが起こした事件において、全てを失う覚悟で自分たちを救おうとしたベルの決意と覚悟が異端児たちの心に大きな影響を与える。外伝ではウラノスとロキと間で協力関係が成立した後、クノッソス攻略のためにロキ・ファミリアとも連携する。
ウィーネ
声 - 日高里菜
ベルよりも年下の初めてのヒロインであり、ベルにとって庇護の対象となる立ち位置にある。ベルが初めて出会った異端児であり、青銀の髪に琥珀色の瞳を持ち、蛇のような下半身をした通常の竜女(ヴィーヴル)と異なり、人と同じように足が生えた姿をしている。
「竈火の館」で生活を共にしたヘスティア・ファミリア全員に心を許しており、特にベルと春姫に懐く。ディックスの企みにより地上で暴走し、自分を救おうとしてくれたベルに感謝と好意を伝えて一度は命を失うが、フェルズの魔法により奇跡的に蘇る。不安で寂しかった自分を何度も救ってくれたベルの優しさと強さに感化され、怖がられることを覚悟で子供を助けたり、ベルを助けるために自らアイズと対峙したりする程の強さを身につける。本編14巻では深層に落とされたベルを救出するためにリドたちに同行し、ヘスティア・ファミリアの面々と再会を果たす。クノッソス攻略戦にも、地上への恩返しのために自ら参加する。
リド
声 - 水中雅章
赤緋色の鱗と雄黄の瞳が特徴的な蜥蜴人(リザードマン)。異端児の最初期からのメンバーであり、古株の木竜のグリューが巨体で気軽に動けない代わりにリーダーを務める。
人間との共生を望んでおり、ウィーネと共に20階層の「隠れ里」に訪れたベルたちを歓迎する。気さくな性格であり、ベルを「ベルっち」、リリを「リリっち」と呼んでいる。仲間が惨殺された際、人間に対して複雑な気持ちを持つが、ディックスの呪詛に苦しめられ際にベルが発した言葉に感動し、人間との共生に希望を見出してベルに多大なる感謝と期待を抱く。本編14巻ではフェルズからベルたちの危機を知らされ際には、異端児の半数を率いて深層へ向かい、37階層でベルとリューを救助する。外伝でもクノッソスに部隊を率いて精霊の分身と対峙する。
レイ
声 - 高田憂希
毛先が青みがかったくすんだ金髪と青い瞳が特徴的な美しい相貌の歌人鳥(セイレーン)。異端児の最初期からのメンバー。一部は片言だが人の言葉を喋ることができ、美しいその歌声は一部の冒険者たちの間で噂になる。夢は日の光を浴びて空を羽ばたくことと、愛する人に抱きしめられることである。
人間に対する友愛を自らの行動で示し、本編ではダンジョン19階層でベルとヴェルフの前に現れ、人とモンスターの共生ができるかについて直接問いかけたり、20階層の「隠れ里」では姿を晒して命とダンスを共にしたり、外伝ではアリシアを身を挺して庇い、精霊の分身の緑肉に飲み込まれそうになったフィンを危機一髪で助けている。フィンを救った後は、ロキ・ファミリアの本拠に保護され、ロキやティオネとも直接交流する。
アステリオス
声 - 杉崎亮
黒い猛牛(ミノタウロス)の異端児。異端児の中では新参者でありながら最強であり、オラリオを代表する冒険者たちを悉く払いのけた実力はLv.7に匹敵する。作者の大森は本作品の着想からしてミノタウロスに特別な位置付けを与えており、ベルの好敵手を設定するにあたってはミノタウロスしかないと考え、彼を第三部の猛牛(ヒロイン)と位置付けている。
ベルが駆け出しのころに戦って討ち取った片角のミノタウロスの記憶を持っており、ベルとの再戦が憧憬であり、自身の名前も前世の最期に見たベルのファイアボルト(雷光)を由来とする。本編11巻においてベルとの再会を果たし、自身の想いを伝えて再戦を申し込み、瀕死で隻腕の状態ながらベルとの一対一の戦いに勝利する。次回の闘争での決着の意志をベルに告げ、フェルズに右腕を元通りに治療してもらった後、ダンジョン深層で修行に励んでいたが、クノッソス最終戦に参戦するために呼び戻され、リドたちの必死の説得によりベルとの再戦を思い止まって精霊の分身を討ち取る
マリィ
声 - 福積沙耶
人魚(マーメイド)の異端児。下半身が魚であるため、ダンジョン下層の「水の迷都」から離れられず留守番をしている。普段からリドたちが出かけている間は一人なため、初対面にもかかわらず優しく接してくれたベルには好感を抱く。生まれ落ちたばかりでもないのに言動が幼く、リドたちと異なり好奇心旺盛であり、ベルはマリィから精霊のような印象を受ける。
通常の人魚と同様に、歌声を使った魅了の力と水中での圧倒的な速度を有するが、自身の性格もあって基本的に戦闘は苦手。自身の血に宿る類稀な回復能力が特徴であり、ジャガーノートと戦ったベルを何度も窮地から救う。
その他の登場人物
現存するファミリア・組織
現存するその他のファミリア・組織、その登場人物を説明する。
ガネーシャ・ファミリア
男神ガネーシャが運営する大手の探索系ファミリア。派閥の等級はSであり、本拠は「アイアム・ガネーシャ」。エンブレムは象の顔。古くからオラリオの治安維持を担っており、Lv.5の団長シャクティ・ヴァルマをはじめとして上級冒険者をオラリオで最も多く抱え、その戦力はロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアに匹敵する。腕の良いモンスターの調教師が多数所属し、ギルドが企画し、観客の前でモンスターを調教する祭典である怪物祭(モンスターフィリア)を主催・運営する。
主神のガネーシャは自身を群衆の主と標榜しており、神々の中でも特に人間たちへの愛が深く、好漢として有名である。常に象の仮面を装着し、会話の一言目が「俺がガネーシャだ!」なので、変神とも見なされる。ウラノスからも信頼されており、本編9巻時点より前に異端児の存在を知らされていた数少ない人物であり、極一部にのみ異端児の存在を明かして、怪物祭も異端児との融和を想定して実施している。インド神話に登場する象頭神であるガネーシャに由来する。
ソーマ・ファミリア
男神ソーマが運営するファミリア。エンブレムは三日月に杯。探索系のファミリアだが、酒の販売も行う。ソーマが作る酒は神すらも正気を失わせるほどの魅力を有する「神酒」にまで昇華しており、神酒に魅せられて多数の冒険者が集まったため、団員数だけは非常に多い。
主神のソーマは酒造りにしか興味がなく、他の神々との親交やファミリアの運営にも全く興味がなかった。酒造りの資金のためにファミリアを設立したが、団員たちは我先に報償の神酒を得るために他者を蹴落とす荒くれ者と化す。神酒に溺れてしまう自らの眷族に失望して何も対処しなかった結果、エイナの告発によりギルドから警告を受けて、唯一の生き甲斐である酒造りを禁止され、一時は完全な無気力状態に陥ってしまう。本編6巻では、眷族たちがアポロン・ファミリアと手を組んでリリルカを捕らえるものの、ソーマはリリルカに試練を与え、神酒の誘惑に打ち勝ったリリルカに心を動かされ、彼女を解放する。その後、ソーマはファミリアの運営に気を配り、ファミリアの状況は少しずつだが改善してゆく。外伝では、ソーマがロキから嗅ぎ付けた神酒の僅かな香りが切っ掛けとなり、ディオニュソスの企みの真相が暴れる。
ディアンケヒト・ファミリア
男神ディアンケヒトが運営する大手の医療系ファミリア。エンブレムは光玉と香草。回復薬の販売や原材料の買取り、専門的な医療の提供などを通じて、ロキ・ファミリアをはじめ、多くの冒険者と取引がある。
主神のディアンケヒトは髭を蓄えた初老の男神であり、腕は確かだが意地が悪く、同じ医療系ファミリアの神であるミアハとは犬猿の仲。ケルト神話に登場する弟子のミアハを殺害したとされるディアン・ケヒトに由来する。オラリオ最高の治療師と評されるアミッド・テアサナーレは、白銀長髪の小柄な美少女であり、頭が良く優しい気性で沈着冷静なLv.2のヒューマン。ありとあらゆる傷や異常を完全に回復するオラリオ最強の全癒魔法を持ち、支援ではなく攻勢に作用する希有な治療師である。発展アビリティの神秘も有しており、外伝ではバルカが作製した呪道具に宿る呪詛に対抗するための秘薬を作り出し、多くのアマゾネスの命を救う。クノッソス攻略戦には2度参加して規格外の後衛として戦線を支える。また、本編ではジャガーノート戦で壊滅したベルの左腕を再建し、その後、クノッソス戦で無理をしたベルの左腕を特殊なギプスで完全に固定する。
ラキア王国
男神アレスを一柱の神として信仰する国家系ファミリア。ラキア王国は大陸西部に位置し、緑豊かで肥沃な大地と巨大な王都を持つ豊かな国だが、他国や他都市に戦争を仕掛ける軍事国家でもある。アレスの神意で選ばれる王が派閥の団長を兼ね、60万を超える全ての軍人は神の眷族だが、ダンジョンが無いためにステイタスは低い。かつては大量に保有するクロッゾの魔剣の力により戦争に連勝していたが、クロッゾの魔剣を作る力を失って一気に連敗する。ヘスティア・ファミリアのヴェルフの出身国である。
主神のアレスは光り輝く金髪に、精悍で逞しい美丈夫の容貌をもつ闘神。頭まで筋肉と称されるほど猪突猛進な性格であり、建国前から所かまわず戦争を仕掛けるため、第一王子であり副団長でもあるマリウス・ウィクトリクス・ラキアをはじめとする配下の将軍や副官たちを振り回して苦労させている。
本編8巻において、クロッゾの魔剣を唯一作製可能なヴェルフを確保するために、6度目のオラリオ進攻を行うが、敢え無く失敗する。捕縛されたアレスは、捕虜になった眷族たちのステイタスの放棄と多大な賠償を条件に解放され、眷族と共に故郷へ戻る。
テルスキュラ
女神カーリーが治めるアマゾネスの国家系ファミリア。オラリオの東南に位置する断崖絶壁に囲まれた半島を領地とする国であり、男子禁制のためアマゾネスの聖地と呼ばれる。真の戦士を目指して眷族たちは互いに殺し合って研鑽を積んでおり、ダンジョンは無いが眷族たちのステイタスは高く、団長のアルガナ・カリフとバーチェ・カリフの姉妹はLv.6に達する。ロキ・ファミリアのヒリュテ姉妹(ティオネとティオナ)の出身国である。
主神のカーリーは赤い髪と褐色の肌を持つ幼女のような風貌だが、闘争と殺戮こそが子供たちの真理であるという考えの女神である。アルガナは蛇のような印象を与えるアマゾネスで、カーリーに本質が近いため女神の分身(カーリマー)の異名を持ち、かつて凄惨なやり方でティオネに戦い方を教えていた。バーチェは顔の下半分をヴェールによって隠した砂色の髪のアマゾネスであり、壮絶な姉を恐れ、姉を打倒するための糧とすべくティオナを指導していた。
外伝6巻において、フレイヤを打倒するためにイシュタルから港町メレンに秘密裏に呼び出され、カーリーの企みによりカリフ姉妹とヒリュテ姉妹との殺し合いの儀式が行われる。儀式に介入したフィンに敗れたアルガナはアマゾネスの習性に従って彼に惚れ、ティオナに敗れたバーチェは腑抜けになった姉に対抗する意味を失い、カーリの企みは失敗に終わる。外伝12巻ではヘルメスからの誘いを受けてクノッソス攻略の援軍として参戦し、アルガナはティオネと、バーチェはティオナと共闘する。
その他
モルド・ラトロー
声 - 相馬康一
オグマ・ファミリアに属する、ヒューマンの平凡な上級冒険者。35歳。ステイタスはLv.2。
本編4巻では「豊饒の女主人」で駆け出しのベルにやっかんで絡むが、リューたちに叩きのめされて追い出され、本編5巻では早々に18階層に到達したベルに嫉妬を抱き、ヘルメスに唆されてヘスティアを人質にし、ベルを一方的にいたぶるが、神威を解放したヘスティアに怖気づいて逃げ出す。その後、漆黒のゴライアスとの戦いで窮地をベルに助けられ、階層主に果敢に立ち向かうベルたちを見て考えを改め、周囲の冒険者たちを奮い立たせて共に立ち向う。その後もベルには好意的な印象を抱き、度々登場してはベルに味方する立ち位置にいる。
アンナ・クレーズ
ファミリアクロニクル『リュー>episodeリュー』に登場するヒューマンの街娘であり、男神たちから度々求婚されるほどの美貌の持ち主。その美貌に目をつけたテッドの差し金により、父が賭博で多額の借金を背負わされ、担保として交易所に連れて行かれた末に、オラリオ最大のカジノに買い取られてテッドの愛人にさせられる。カジノに潜入したリューたちによって救出され、男装していたリューに恋心を抱いてしまい、別れ際にリューに告白しそうになったところで男装を解いたリューが女性であると知り衝撃を受ける。呆然としたままリューが手配していた馬車に乗り、母の待つ場所へ送り届けられる。
アリィ
ファミリアクロニクル『フレイヤ>episodeフレイヤ』に登場するシャルザード王国の第一王子アラムであり、男性のように振る舞うが実際は褐色の肌で薄紫色の瞳を持つ美しい16歳の女性であり、本来の名がアリィ。傭兵系のラシャプ・ファミリアを引き入れたワルサ国の進攻により国王が殺害され、奴隷に扮装して紙一重で王都から逃げ出した先でフレイヤに見初められる。フレイヤの協力により国を取り戻した後、男としても女としても報われないと承知の上で国を選ぶか、国を捨てて男としても女としても満たすというフレイヤの手を取るか、渇望と葛藤が入り混ざるが、フレイヤから王として生きろと告げられる。後に、シャルザードはアラム王の治世のもと最盛期を迎え、アラム王は後継者も残し、最後まで善政を尽くして「王にして英雄」と呼ばれるまでになる。
モルド・ラトロー
声 - 相馬康一
オグマ・ファミリアに属する、ヒューマンの平凡な上級冒険者。35歳。ステイタスはLv.2。
本編4巻では「豊饒の女主人」で駆け出しのベルにやっかんで絡むが、リューたちに叩きのめされて追い出され、本編5巻では早々に18階層に到達したベルに嫉妬を抱き、ヘルメスに唆されてヘスティアを人質にし、ベルを一方的にいたぶるが、神威を解放したヘスティアに怖気づいて逃げ出す。その後、漆黒のゴライアスとの戦いで窮地をベルに助けられ、階層主に果敢に立ち向かうベルたちを見て考えを改め、周囲の冒険者たちを奮い立たせて共に立ち向う。その後もベルには好意的な印象を抱き、度々登場してはベルに味方する立ち位置にいる。
アンナ・クレーズ
アリィ
ファミリアクロニクル『episodeフレイヤ』に登場するシャルザード王国の第一王子アラムであり、男性のように振る舞うが実際は褐色の肌で薄紫色の瞳を持つ美しい16歳の女性であり、本来の名がアリィ。傭兵系のラシャプ・ファミリアを引き入れたワルサ国の進攻により国王が殺害され、奴隷に扮装して紙一重で王都から逃げ出した先でフレイヤに見初められる。フレイヤの協力により国を取り戻した後、男としても女としても報われないと承知の上で国を選ぶか、国を捨てて男としても女としても満たすというフレイヤの手を取るか、渇望と葛藤が入り混ざるが、フレイヤから王として生きろと告げられる。後に、シャルザードはアラム王の治世のもと最盛期を迎え、アラム王は後継者も残し、最後まで善政を尽くして「王にして英雄」と呼ばれるまでになる。
消滅したファミリア・組織
物語開始後に、消滅したファミリア・組織とその登場人物を説明する。
アポロン・ファミリア
本編6巻でヘスティア・ファミリアと対峙した男神アポロンが運営する探索系ファミリア。派閥の等級はDで、エンブレムは太陽に弓矢。アポロンが見初めた者たちが数多く所属しており、美男美女が多い。ギリシア神話に登場する光・太陽の神とされるアポローンに由来する。
主神のアポロンは月桂樹の冠を被った金髪の美男子で、1度見初めた相手を絶対に手に入れようとする執念深い性格であり、長身の美青年であるファミリアの団長ヒュアキントス・クリオをはじめ、見初めた相手は女性よりも男性の方が多い。天界ではヘスティアにも求愛しており、彼女からは苦手意識を持たれている。恋多き神であるため、他の神からは悲恋(ファルス)と渾名を付けられて笑いものにされる。
ベルを見初めたアポロンは、ソーマ・ファミリアと極秘に手を結び、卑劣な手段を用いてベルとヘスティアを追い詰めて戦争遊戯の開催に持ち込ませる。戦争遊戯ではLv.3のヒュアキントスがLv.2のベルと一騎打ちとなり、ベルから渾身の拳を頬に受けて敗北する。戦争遊戯の終了後、アポロンはヘスティアに許しを請うたが聞き入れられず、全財産を没収され、本拠としていた豪邸はヘスティア・ファミリアの本拠となる。団員のステイタスを改宗可能な状態にしてファミリアは解散され、アポロンはオラリオから永久追放される。ヒュアキントスをはじめとする団員の一部はアポロンを追い、ギルドの戦力流出禁止令を無視してオラリオを去る。
イシュタル・ファミリア
本編7巻でヘスティア・ファミリアと対峙した女神イシュタルが運営する娼館ファミリア。派閥の等級はA。本拠は「女主の神娼殿」、エンブレムは娼婦。オラリオの南にある歓楽街を牛耳っており、莫大な利益を上げる。構成員の大半は戦闘娼婦のアマゾネスたちが占める。メソポタミア神話やシュメール神話に登場する愛と美の女神イシュタルに由来する。
主神のイシュタルは黒髪で褐色の肌を有する性愛の神であり、自身と同じ美の神であるフレイヤを尋常でないほど憎んでいた。本格的にフレイヤを打倒するために、春姫と殺生石を使った団員の強化のための儀式を計画し、テルスキュラを味方に付け、闇派閥とも手を結び精霊の分身の準備も進めていた。団長のフリュネ・ジャミールはLv.5のアマゾネスの戦闘娼婦であり、おかっぱ頭に大きな目と裂けた口、短い手足の割りに顔と胴体がずんぐりと太った人間離れした2Mを超える風貌と「ゲゲゲッ」という笑い方も相まって、同じ派閥の団員たちからはヒキガエルと蔑まれる。外伝6巻でベートに一撃で倒されたアマゾネスの少女レナ・タリーはアマゾネスの性癖に従って彼に惚れ、外伝8巻でベートの前に現れて以降、ベートに求婚を繰り返す。
本編7巻でイシュタルはヘルメスを尋問してフレイヤのベルに対する執心を知り、彼女より先にベルを我が物にしようとするが、ベルに手を出したことがフレイヤの逆鱗に触れ、フレイヤ・ファミリアから急襲される。フリュネはフレイヤを侮辱した罪でオッタルの怒りを買い、再起不能になるほどの恐怖を叩き込まれ、イシュタルはフレイヤに美しさという自分の矜持すら砕かれて天界へ強制送還されて、ファミリアは歓楽街と共に壊滅する。
イケロス・ファミリア
本編9巻と10巻でヘスティア・ファミリアと対峙した男神イケロスが運営するファミリア。派閥の等級はBで20年以上前からオラリオに存在し、クノッソスを根城にしていた。異端児を捕まえては怪物趣味の貴族に売り飛ばしていた無法者の狩猟者集団である。団長のディックス・ペルディクスがウィーネを確保するために多数の異端児を惨殺したことが、リヴィラの街と地上を巻き込んだ異端児たちの動乱に発展する。
主神のイケロスは、常に卑屈そうな眼差しに軽薄そうな笑みを浮かべる神であり、ディックスの狂気を獣の夢として面白がって眷族たちの悪行を放置していた。赤い左眼の瞳を持ち、煙水晶のゴーグルを掛けたディックスは奇人ダイダロスの子孫であり、バルカの弟である。ステイタスはLv.5であり、超短文詠唱で幻惑と錯乱をもたらす呪詛を武器とする。先祖代々のダイダロス一族の呪縛を自覚しているが、異端児を痛めつけることに一族の狂気を越える欲望を見出し、捕らえた異端児を拷問した後に貴族たちへ密輸することで自身の生き甲斐とクノッソス完成のための資金集めを両立していた。
本編10巻でイケロスはファミリアの全てをヘルメスに暴露し、ガレスに捕らわれそうになったフェルズを逃がすためにヘルメスの取引材料にされる。外伝10巻でロキ・ファミリアに闇派閥との協力関係を自白するが、イケロスはエニュオの計画に関与していないことが明らかとなり、ギルドに身柄を引き渡される。異端児とベルに追い詰められたディックスはクノッソス内部に逃げ込むが、最期にはアステリオスの一撃を喰らって死亡する。その他の団員も異端児たちに皆殺しにされ、唯一生き残ったイケロスはオラリオから永久追放の処分となり、本編10巻でファミリアは消滅する。
タナトス・ファミリア
外伝『ソード・オラトリア』でロキ・ファミリアと敵対した男神タナトスが運営するファミリア。クノッソスを拠点とし、タナトスが闇派閥の残党を束ね、その幹部のヴァレッタ・グレーデとバルカ・ペルディクスと共に、エニュオや怪人と手を組んでオラリオの破壊を企む。
主神のタナトスは、退廃的で陰鬱な雰囲気を纏う死を司る神であり、人間は昔のように頻繁に死んだ方が良いという考えに基づいてオラリオの破壊に加担する。本編開始の8年前、幼少期のアイズをダンジョンで闇派閥に勧誘し、この気紛れがアイズの存在を穢れた精霊に気付かせる原因となり、エニュオによる動乱の具体化に繋る。Lv.5のヴァレッタは口の悪い下品な女であり、かつて「27階層の悪夢」を画策した人物でもある。外伝7巻では恨みを抱くフィンを取り逃がした腹癒せにリーネたちを殺害し、元イシュタルの眷族たちを虐殺する指揮もとる。もう一人の幹部でLv.4のバルカはディックスの兄にあたる。クノッソスの機構を掌握し、弟とは逆にダイダロスの呪縛に強く囚われており、クノッソスの完成以外は一切の興味がない人物である。また、レアアビリティ神秘を保有し、ディックスやヴァレッタ、セクメト・ファミリアの暗殺者が備える強力な呪道具の製作者でもある。眷族たちは、タナトスから死後の転生を信じさせられており、自爆覚悟で戦う死兵と化している。
外伝8巻でヴァレッタはベートの魔法により部下と共に焼き尽くされて死亡し、外伝11巻で異形の怪物となったバルカは、アミッドによりダイダロス一族の呪縛が解かれ、生きる意味を失って死亡する。その他の団員たちも精霊の分身に喰われて全滅し、主神のタナトスもエニュオに道具として利用された意趣返しとばかりに自らへ短剣を突き刺して天界へ強制送還され、外伝11巻でファミリアは消滅する。
ディオニュソス・ファミリア
男神ディオニュソスが運営する中堅クラス規模のファミリア。外伝『ソード・オラトリア』において、闇派閥や怪人、都市の破壊者と敵対する。
主神のディオニュソスは上品さと優雅さを兼ね備えた酒神であり、オラリオの住民に敬われ、特に女性には人気がある。外伝1巻の神会でデメテルと共にロキと顔を合わせ、外伝2巻で極彩色のモンスターに殺害された眷族の敵討ちと称してロキに近づく。外伝3巻でロキの信用を得て、外伝4巻でロキとヘルメスと共に派閥同盟を組む。団長のフィルヴィス・シャリアはファミリアで唯一のLv.3であり、赤緋の瞳に白い肌で濡れ羽色の長髪を有する美しいエルフの少女だが、6年前の「27階層の悪夢」で一人だけ生き残った後も、参加したパーティが四度とも彼女を除いて全滅したために死妖精(バンシー)の悪名で呼ばれ、団員を含む冒険者たちから忌み嫌われる。そのため、他者に対して気を許さず、潔癖性で排他的な振る舞いや言動が多かったが、外伝3巻でレフィーヤと出会い、強引に親交を深めようとするレフィーヤに根負けして、次第に心を開くようになる。攻撃と防御の超短文魔法による並行詠唱を得意とする魔法剣士であり、外伝4巻で深層の遠征に赴くレフィーヤに並行詠唱を指導し、自身の障壁魔法を授ける。
外伝11巻でエニュオによりディオニュソスが殺害された様が眼晶を通じてロキへ伝えられ、天界への強制送還による衝撃が走った後、常人となったフィルヴィスはエインに殺害され、団員たちは精霊の分身に喰われて死亡する。しかし、外伝12巻でディオニュソスとフィルヴィスの死は偽装であることが明らかとなる。
詳細は「#エニュオ」および「#エイン」を参照
怪人
外伝『ソード・オラトリア』に登場する人間とモンスターの混合種。穢れた精霊により極彩色に輝く魔石を人の身体に埋め込まれた強化種であり、どんな傷でも自己再生する強力な治癒能力を有し、極彩色のモンスターや精霊の分身に命令できる。穢れた精霊の意志に従う存在として、エニュオと呼ばれる神物、闇派閥の残党、暗殺者と利用し合う関係にある。外伝3巻において、「27階層の悪夢」の首謀者であり、死亡したと認識されていたオリヴァス・アクトが、怪人として蘇った姿を自ら晒してオラリオを滅ぼすと宣言し、ロキ・ファミリアをはじめとしたオラリオ全体と敵対する。
レヴィス
声 - 大原さやか
赤い髪の女性。外伝2巻で初めて登場し、当初、素性が謎に包まれており、食人花を操っていたため、フィンは調教師だと考えていた。
フェルズの依頼で緑色の宝玉を持ち去ったハシャーナをリヴィラの街で殺害し、宝玉を探索していた折りにアイズと出会い、初めて会ったアイズを「アリア」と呼び、レフィーヤの援護を受けたLv.5のアイズを圧倒する。これ以降、「アリア」の確保に執着する穢れた精霊の命令を実現するためにアイズと何度も対峙する。戦闘力は高くフィンに深手を負わせたこともあり、フィンから最も警戒すべき敵として認識され、フィンによる作戦やエインによる邪魔もあり、ロキ・ファミリアを壊滅できなかった。
クノッソス最終戦にて、穢れた精霊を惰性で守る役割を含めて、この世の全てをくだらないと感じていたが、アイズとの対戦が愉快であり剣を交えることに夢中だったと語り、一対一でアイズと死力を尽くした戦いに敗れて消滅する。
エイン
声 - 金元寿子
紫紺の外套に両手にメタルグローブを装着した仮面の怪人。外伝3巻でアイズやレフィーヤ、フィルヴィスらの眼前に正体不明の怪人としてオリヴァスと共に現れ、その後も度々登場していたが、外伝12巻でその正体がフィルヴィスであると明かされる。真の姿は「27階層の悪夢」において穢れた精霊の分身により極彩色の魔石を埋め込まれた怪人であり、普段は分身魔法によりディオニュソスの眷族役のフィルヴィスと、仮面を被った怪人役のエインの二人に分かれていた。
怪人となった当初、汚れた自分が許せずに何度も死のうとしたが、怪人の自己再生力によりそれも叶わず、汚れた自分を愛していると語るディオニュソスに救われ、彼の願いを共に叶えることが生きる目的となる。しかし、心を通わせたレフィーヤとの出会いにより、ディオニュソスに対する忠誠との間で心が引き裂かれてゆく。
レフィーヤを思うあまり、食人花を率いて自分に自分を殺させて自身の死を偽装し、彼女の心を壊してでもクノッソスから遠ざけようとする。しかし、クノッソス最終戦でレフィーヤに正体を突き付けられ、分身魔法を解除してレヴィスよりも強力な怪人としてレフィーヤたちと対峙する。激戦の末、最期にはレフィーヤに抱かれながら感謝の言葉を語り、笑顔を浮かべて消滅する。
レヴィス
声 - 大原さやか
赤い髪の女性。外伝2巻で初めて登場し、当初、素性が謎に包まれており、食人花を操っていたため、フィンは調教師だと考えていた。
フェルズの依頼で緑色の宝玉を持ち去ったハシャーナをリヴィラの街で殺害し、宝玉を探索していた折りにアイズと出会い、初めて会ったアイズを「アリア」と呼び、レフィーヤの援護を受けたLv.5のアイズを圧倒する。これ以降、「アリア」の確保に執着する穢れた精霊の命令を実現するためにアイズと何度も対峙する。戦闘力は高くフィンに深手を負わせたこともあり、フィンから最も警戒すべき敵として認識され、フィンによる作戦やエインによる邪魔もあり、ロキ・ファミリアを壊滅できなかった。
クノッソス最終戦にて、穢れた精霊を惰性で守る役割を含めて、この世の全てをくだらないと感じていたが、アイズとの対戦が愉快であり剣を交えることに夢中だったと語り、一対一でアイズと死力を尽くした戦いに敗れて消滅する。
エイン
声 - 金元寿子
紫紺の外套に両手にメタルグローブを装着した仮面の怪人。外伝3巻でアイズやレフィーヤ、フィルヴィスらの眼前に正体不明の怪人としてオリヴァスと共に現れ、その後も度々登場していたが、外伝12巻でその正体がフィルヴィスであると明かされる。真の姿は「27階層の悪夢」において穢れた精霊の分身により極彩色の魔石を埋め込まれた怪人であり、普段は分身魔法によりディオニュソスの眷族役のフィルヴィスと、仮面を被った怪人役のエインの二人に分かれていた。
怪人となった当初、汚れた自分が許せずに何度も死のうとしたが、怪人の自己再生力によりそれも叶わず、汚れた自分を愛していると語るディオニュソスに救われ、彼の願いを共に叶えることが生きる目的となる。しかし、心を通わせたレフィーヤとの出会いにより、ディオニュソスに対する忠誠との間で心が引き裂かれてゆく。
レフィーヤを思うあまり、食人花を率いて自分に自分を殺させて自身の死を偽装し、彼女の心を壊してでもクノッソスから遠ざけようとする。しかし、クノッソス最終戦でレフィーヤに正体を突き付けられ、分身魔法を解除してレヴィスよりも強力な怪人としてレフィーヤたちと対峙する。激戦の末、最期にはレフィーヤに抱かれながら感謝の言葉を語り、笑顔を浮かべて消滅する。
都市の破壊者
エニュオ
外伝『ソード・オラトリア』に登場するオラリオの破壊を企む黒幕。外伝3巻で謎の神物として初めて名前のみ登場し、その後も事件の黒幕として描かれていたが、外伝12巻でその正体がディオニュソスであると明かされる。普段は自身が作った神酒を飲んで自分を正義の神であると自己暗示をかけていたため、同盟を組んでいたロキやヘルメスにもその偽りの姿を見抜けなかった。
かつてモンスターに蹂躙された子供たちが泣き叫ぶ時代「狂乱(オルギア)」を楽しんでいたが、ウラノスによりモンスターがダンジョンに閉じ込められたため、「狂乱」を再び引き起こすためにゼウスとヘラがオラリオから出奔した15年前からオラリオの破壊を計画する。6年前にアイズを求めて27階層に出現した穢れた精霊の存在に唯一気付き、自身の計画を実現するために怪人や闇派閥と手を結び、アイズを狙う穢れた精霊の要求に応えるためにロキ・ファミリアにも接近する。
正体を隠すために、自身に探りを入れた女神デメテルの眷族を誘拐し、彼女を脅迫することで自身の身代わりに仕立て上る。また、神酒を使って老婆の女神ペニアも利用し、自身の眷族をペニアの眷族へ改宗させて隠れ蓑とし、外伝11巻で自身の死を偽装するためにペニアを殺害する。しかし、ペニアが行方不明であること、何よりディオニュソスに対する恐いというヘスティアの印象からロキに正体を見破られ、最期は笑いながら自刃して天界に強制送還される。
エニュオ
外伝『ソード・オラトリア』に登場するオラリオの破壊を企む黒幕。外伝3巻で謎の神物として初めて名前のみ登場し、その後も事件の黒幕として描かれていたが、外伝12巻でその正体がディオニュソスであると明かされる。普段は自身が作った神酒を飲んで自分を正義の神であると自己暗示をかけていたため、同盟を組んでいたロキやヘルメスにもその偽りの姿を見抜けなかった。
かつてモンスターに蹂躙された子供たちが泣き叫ぶ時代「狂乱(オルギア)」を楽しんでいたが、ウラノスによりモンスターがダンジョンに閉じ込められたため、「狂乱」を再び引き起こすためにゼウスとヘラがオラリオから出奔した15年前からオラリオの破壊を計画する。6年前にアイズを求めて27階層に出現した穢れた精霊の存在に唯一気付き、自身の計画を実現するために怪人や闇派閥と手を結び、アイズを狙う穢れた精霊の要求に応えるためにロキ・ファミリアにも接近する。
正体を隠すために、自身に探りを入れた女神デメテルの眷族を誘拐し、彼女を脅迫することで自身の身代わりに仕立て上る。また、神酒を使って老婆の女神ペニアも利用し、自身の眷族をペニアの眷族へ改宗させて隠れ蓑とし、外伝11巻で自身の死を偽装するためにペニアを殺害する。しかし、ペニアが行方不明であること、何よりディオニュソスに対する恐いというヘスティアの印象からロキに正体を見破られ、最期は笑いながら自刃して天界に強制送還される。
その他
ジュラ・ハルマー
本編13巻に登場する元ルドラ・ファミリアの団員。猫人の男性冒険者で怪物趣味の志向をもつ隻腕の調教師。
本編開始の5年前、敵対するアストレア・ファミリアを全滅させるために策を弄した結果、ダンジョンからジャガーノートが産み出され、その圧倒的な強さに魅せられてしまう。復讐のために本拠に襲撃してきたリューに右腕を斬り落とされるものの、何とかクノッソスに逃げ込み、ジャガーノートを自分の所有物にするための計画を練り続けていた。一連のクノッソスでの騒動から身を隠しきれないと悟ったジュラは強力な調教具を確保し、ターク・スレッドを巻き込んで計画を実行する。
タークはリヴィラの街でジャンを殺害し、その犯人が疾風であると騒ぎ立ててリヴィラの街の冒険者を味方につけリューを罠に誘い込む。思惑通りジャガーノートを誕生させることに成功するが、ジュラはジャガーノートの調教に失敗して胴を両断されて死亡し、タークも25階層の崩壊に巻き込まれて死亡する。
テッド
ファミリアクロニクル『episodeリュー』に登場するドワーフの男性。オラリオ最大のカジノのオーナーであるテリー・セルバンティスが死亡した事故を利用し、彼に成り済ましてカジノを取り仕切る。気に入った女性がいると、その女性の親近者に賭博を持ちかけて多大な借金を背負わせた上、脅しをかけて女性を奪う手口で何人もの女性を囲う。アンナを助けにきたリューとシルに正体を暴かれ、シルから後ろ盾として囁かれたフレイヤ・ファミリアの名前を聞いて戦意喪失、ガネーシャ・ファミリアに拘束される。
ジュラ・ハルマー
本編13巻に登場する元ルドラ・ファミリアの団員。猫人の男性冒険者で怪物趣味の志向をもつ隻腕の調教師。
本編開始の5年前、敵対するアストレア・ファミリアを全滅させるために策を弄した結果、ダンジョンからジャガーノートが産み出され、その圧倒的な強さに魅せられてしまう。復讐のために本拠に襲撃してきたリューに右腕を斬り落とされるものの、何とかクノッソスに逃げ込み、ジャガーノートを自分の所有物にするための計画を練り続けていた。一連のクノッソスでの騒動から身を隠しきれないと悟ったジュラは強力な調教具を確保し、ターク・スレッドを巻き込んで計画を実行する。
タークはリヴィラの街でジャンを殺害し、その犯人が疾風であると騒ぎ立ててリヴィラの街の冒険者を味方につけリューを罠に誘い込む。思惑通りジャガーノートを誕生させることに成功するが、ジュラはジャガーノートの調教に失敗して胴を両断されて死亡し、タークも25階層の崩壊に巻き込まれて死亡する。
過去に存在したファミリア・組織
物語開始前に、既に消滅していたファミリア・組織とその登場人物を説明する。
ゼウス・ファミリア
ヘラ・ファミリア
アストレア・ファミリア
かつて女神アストレアが運営していた探索系ファミリア。派閥の等級はB。ガネーシャ・ファミリアと共にオラリオの秩序を乱す者を取り締まる役割を担っており、住民から慕われていた。ゲーム『メモリア・フレーゼ』のアストレア・レコード編では主役を担う。
正義と秩序を司る主神のアストレアは胡桃色の髪をまとめた藍色の瞳を持つ気品ある女神である。団長のアリーゼは自らを清く完璧と自賛する、赤い髪をした快活で美しいLv.4のヒューマンの少女で、リュー曰く、いつでも前を向いて誰にも分け隔てなく接する優しさを持つ「尊敬する人物」である。11人の団員は全て女性の第二級冒険者であり、一見、正義の派閥らしからぬ者たちも所属していたが、アストレアとアリーゼの下、オラリオの暗黒期を終わらせるために団結していた。
本編開始の5年前、ジャガーノートに団員が瞬殺され、辛うじて生き残ったアリーゼもリューを救うために犠牲となり、アストレアはオラリオの外で存命だが、ファミリアは事実上消滅する。本編14巻で危機に陥ったリューの回想の中で団員たちが登場し、リューの中に正義と希望が残っていると伝え、リューにトラウマであるジャガーノートに立ち向かう勇気を与える。本編18巻では、リューの派閥大戦への参加資格を満たすためにアストレアが久しぶりにオラリオに来訪する。
闇派閥
かつて存在した邪神を名乗る神々が束ねていた過激派ファミリアの総称。ゼウスとヘラのファミリアが壊滅した後、秩序の崩壊や破壊工作を繰り返してオラリオに混沌をもたらす暗黒期を主導していた。
本編開始の6年前、ギルドから追い詰められたヴァレッタら幹部は、オリヴァスを唆して闇派閥の団員とギルド傘下の冒険者の潰し合いをダンジョン27階層で画策したが、企みを見抜いたフィンの活躍により戦いはギルド側の勝利に終わる。双方多くの犠牲を出したこの事件は「27階層の悪夢」と呼ばれ、生き残ったヴァレッタを含む幹部たちだけは死んだ振りをしてギルドから身を隠すことに成功し、闇派閥の壊滅を印象付ける。
本編開始の5年前、疾風によるルドラ・ファミリアをはじめとする闇派閥の残党への復讐が行われた結果、関連する組織は壊滅し、男神ルドラなどの邪神たちも天界に強制送還され、オラリオの暗黒期は終焉を向かえる。
「#タナトス・ファミリア」も参照
用語
ファミリア関連
ファミリア
ダンジョン探索系が最も多いが、デメテル・ファミリアやニョルズ・ファミリアのような食料生産を担う商業系、ヘファイストス・ファミリアやゴブニュ・ファミリアのような武器の生産や建築を担う製作系、ディアンケヒト・ファミリアやミアハ・ファミリアのような医療系、暗殺者集団で構成されるセクメト・ファミリアのような犯罪系、果てはラキア王国やテルスキュラのような国家系のファミリアも存在する。
神の恩恵(ファルナ)
神の恩恵を具体的に数値化したものをステイタスと総称し、基本アビリティ、発展アビリティ、スキル、魔法(呪詛)、そして総合的階位を示すレベルから構成される。
戦争遊戯(ウォーゲーム)
本編18巻で描かれるオラリオを全体を巻き込んだフレイヤ・ファミリアが起こした戦争遊戯は「派閥大戦」と呼ばれる。
冒険者関連
冒険者
事件を起こしてギルドから登録を取り消された冒険者は、魔石やドロップアイテムの換金が禁止されて生活ができなくなり、度が過ぎた犯罪行為はギルドにより取り締まられて刑罰が課されたりする設定がある。
冒険者が別のファミリアに移転する再契約の儀式を「改宗」(コンバージョン)と呼び、一度改宗を行うと最低1年間は再改宗できない。
冒険者の「二つ名」は、神々が上級冒険者に与える称号であり、3か月に1回開催される神会において神々の多数決により決定される。個人的に親しい場合や同じファミリア内の場合を除き、上級冒険者は、本名ではなく、二つ名で呼び表す慣習がある。
サポーター
怪物進呈
冒険者依頼
三大冒険者依頼
黒竜は、英雄譚において最強の英雄アルバートにより己の命と引き替えに片目を潰して地上から退けられたとされており、古から「隻眼の竜」の名で伝わる生きる伝説的な存在であり、残された黒竜の討伐は下界全土の悲願とされる。作中では黒竜と、アイズおよびその父親との因縁が示唆されている。
能力関連
レベル
基本アビリティ
発展アビリティ
発現すること自体が珍しいレアアビリティもあり、「神秘」は神の奇跡を実現するような貴重なアイテムを作製できるようになる。神の恩恵にアビリティの説明がないため、ベルに発現した「幸運」のように前例のないアビリティは効果が不明である。
スキル
魔法
魔導士には、魔力が暴走すると「魔力暴発」と呼ばれる自爆現象が起こるため魔力の制御技術が求められ、精神力の消費が激しいと「精神疲弊」して気絶するため高い精神力が求められる。「並行詠唱」は戦闘や機動を行いながら魔術を発動させる高等技術であり、熟練者は移動砲台と呼ばれる。
呪詛(カース)
アイテム関連
魔石
ドロップアイテム
魔剣
クロッゾの魔剣
魔道具
殺生石
眼晶(オクルス)
ダイダロス・オーブ
種族
人間
神
精霊
モンスター
ダンジョンから産まれ落ちる人間の敵。階層毎に産まれるモンスターの種類と次産間隔が決まっており、殲滅後の一定時間はモンスターが産まれない。ダンジョン内部で神の存在(神威)が感知されると、神を排除するために強力な漆黒のモンスターが産まれる。
強化種
階層主
大蛇の井戸(ワーム・ウェール)
ジャガーノート
極彩色のモンスター
巨蟲は50階層付近から出没する芋虫のようなモンスターであり、腐食液を武器として死ぬときには破裂して広範囲に腐食液を撒き散らす。食人花は巨大な花の姿をしたモンスターで地上にも出現する。巨大花は24階層の食料庫の大主柱に寄生して食人花を産み出していたモンスター。眼黽はクノッソス内部に解き放たれていた6本足の虫の姿をした小型モンスターで、専用の結晶を持つ事で同じモンスターの仲間と誤認させることができる。
精霊の分身
精霊の分身は「穢れた精霊」の意志を擬えたかのように彼女をアリアと呼んで自らのものにしようとしたり、彼女の魔法に反応して興奮したりする。また、「穢れた精霊」はダンジョン60階層以下に潜むと示唆されているが、外伝12巻時点ではアイズ(アリア)との関係などの詳細は明かされていない。
地名
オラリオ
神々の降臨前から、迷宮のモンスターから得られる魔石とドロップアイテムで富を築くために、またモンスターの進出を防ぐために、多くの人々が集まり、発展してきた都市とされる。神々の降臨後、神々の多くがこの地に居を構えたことで神の恩恵を得る機会に恵まれ、成長を促す格好の場であるダンジョンの存在により、他に類を見ないほど高みに到達する者が多いため、武力において世界最高峰となる。また、魔石製品を輸出して莫大な収益を得ているため、大陸屈指の大都市でもある。
バベル
迷宮の真上にそびえ立つ50階建ての白亜の摩天楼施設。迷宮の監視と管理を行うギルド保有の施設で、地下1階は広大な空間の神殿造り、20階までは公共施設や換金所や各ファミリアの商業施設が軒を構え、30階の大広間が神会の会場となる。20階以上はオラリオでも有数のファミリアの神々が住み着き、最上階にはフレイヤが住んでいる。
元の高さは周囲の建物と大して変わらなかったが、下界に降りてきた最初の神々によってわざと破壊され、そのお詫びとして再建された結果、巨大な塔になった。迷宮からあふれ出るモンスターを抑える「蓋」としての側面ももつ。
ダイダロス通り
オラリオの東と南東のメインストリートに挟まれた第三区画にある貧民層の広域住宅街の通称。奇人ダイダロスによる度重なる区画整理のせいで複雑な迷路構造となり、オラリオに住む者からはもう一つの迷宮と称される。イシュタルが運営する歓楽街と隣接する。
バベル
元の高さは周囲の建物と大して変わらなかったが、下界に降りてきた最初の神々によってわざと破壊され、そのお詫びとして再建された結果、巨大な塔になった。迷宮からあふれ出るモンスターを抑える「蓋」としての側面ももつ。
ダイダロス通り
迷宮(ダンジョン)
神々の降臨前から地上に存在し、内部は魔石のようなもので出来ており、破壊されても勝手に修復され、壁や天井からはモンスターが産み落とされる。また、ヘルメスからは「神を憎んでいる」と評されたり、異端児からは「母」と評されており、作中では生きているかのように描かれる。
リヴィラの街
ダンジョンの安全地帯である18階層に存在する冒険者たちが独自に作った街。アイテムの販売や戦利品が法外な価格で取引されるが、それでも持ちきれないアイテムの換金や非常事態に仕方なく立ち寄るなど利用者は多い。300回以上モンスターに破壊されては、その都度再建される。ギルドの目が届かないため、開錠薬などの地上では御禁制の品なども普通に出回る。ボールス・エルダーという左目に眼帯をつけたヒューマンの男性が、街の顔役。
リヴィラの街
クノッソス
千年前、奇人ダイダロスがダンジョンに勝る作品を作り上げようとして建造を始め、その狂気と執念が呪縛となって子孫たちに継承され、「ダイダロスの手記」を見たダイダロスの一族はクノッソスの拡張を強いられてきた。このために莫大な資金が必要となるため、ダイダロスの一族はオラリオの闇と関わりをもち、バベルの通路を通らずにダンジョンへ出入りできることからイケロス・ファミリアや闇派閥らの拠点として利用されていた。
メレン
制作背景
小説作品
作者の大森が小説投稿サイトに投稿していた当時、大森は、ひとつの題材として確立されていたダンジョンを舞台とする作品の魅力に取り憑かれ、ギリシャ神話などを調べ上げて本作品の原型である『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』を執筆していた。小説投稿サイトの読者から商業化を希望するコメントもあり、その気になって『ファミリア・ミィス』というタイトルに変更して第4回GA文庫大賞に応募し、大森の応募作はGA文庫史上初の大賞を受賞し、2013年にタイトルを元に戻して本作品が書籍化された。
GA文庫の編集部に所属する小瀧は、作者の大森と会うまでは、大森の応募作が小説投稿サイトに投稿されていた作品であるとは知らなかった。小瀧によれば、大森の応募作は、壮大な世界観にキャッチーな所もあり、伝説をなぞった美しき女神らが登場する豪華な所や、王道のファンタジーに今風の感覚も備わっている所が評価され、満場一致で大賞に選ばれた。また、小瀧は、本作品のイラストを担当するヤスダスズヒトについて、かつて彼が担当した『スカーレット・ソード』という作品のイラストが印象に残り、彼を「ファンタジーでも何でも魅力的に描けるすごい人」と評価し、本作品の特徴である美しく妖しげなキャラクターたちの持つ憂いな表情を描くイラストレータとして最適と考えて採用したと述べている。
本作品の着想は、ギリシャ神話のミノタウロスと戦う主人公から始まっており、ミノタウロスは本作品において重要な役割を担うモンスターであり、本作品はヒロインのアイズがダンジョンでミノタウロスに襲われた主人公のベルを救うエピソードで幕を開ける。作者はベルの最初の冒険となる本編3巻のミノタウロス戦を非常に力を入れて執筆しており、ベルの初めてのライバルとして本編10巻で登場したミノタウロスの異端児をヒロインに位置付けている。また、ベルの原型は、作者が気まぐれから考えて作成した、『不思議の国のアリス』の白ウサギとアリスの関係を逆にしたお蔵入りの小説であり、この作品では白ウサギに対応するベルが、アリスに対応するアイズを追いかける、という関係となっている。
物語のプロットは、作者が小説投稿サイトに投稿していた当時から変化しておらず、当時の構想に従い最終話に向けて物語は進んでおり、本編16巻時点で全体の約7割程度が描かれている。ただし、本編9巻から11巻で描かれた異端児編は商業誌になったからこそ生まれエピソードであり、さらに本編12巻は異端児編で作者の想像を超えたベルの成長を具体的に示すために作成されており、当時の構成には全くなかったエピソードである。このように、物語が進むにつれて巻数が増えたりページ数が増えており、本編14巻はGA文庫史上最長となる640ページの分量となっている。
メディアミックス作品
アニメーション
ゲーム
CEDEC2019において、ゲーム『クロス・イリア』および『メモリア・フレーゼ』に関して、株式会社グリーの野澤武人、小泉義英、武田豊がライセンス、プロモーション、プロデュースの立場から制作経緯などについて発表した。本発表によれば、漫画原作のものが一巡していた2014年当時、グリーでは新しくゲーム化可能な漫画に代わるコンテンツを開拓しており、この中でライトノベルとして注目されていた本作品が抜擢されたとされる。2015年にアニメ第1期が放映されて世界的な人気となり、同アニメの放映終了後の半年ほど後にブラウザゲームとして『クロス・イリア』がリリースされた。
野澤らによれば、『クロス・イリア』の成功によって本作品を原作とするネイティブゲーム化の構想が進み、この中でロールプレイングゲームをそのままを題材にしたかのような本作品の内容や、性格が立った多くのキャラクターが登場して戦闘にも参加するという本作品の特徴からスマートフォンゲームが最適と考え、市場調査の結果から戦闘よりキャラクターの成長や物語にゲーム性を振ると決めた。また、原作や漫画版のファンおよびアニメから入ったファンを第一のターゲットと設定し、出演する声優のファンを第二のターゲットして開発を進めたと述べている。アニメ第2期が放送された2017年に『メモリア・フレーゼ』をリリースし、Twitterやラジオ番組を活用してターゲットを囲い込み、アニメ放送終了後はYouTubeを活用してユーザーをゲームに定着させることに取り組んだとも述べている。
『メモリア・フレーゼ』のリリース後、監修のボリュームが非常に多くなったために原作者である大森との認識の齟齬が増えたことから、これを解決するために原作者側とゲーム制作側で企画協力の体制を築き、定期的に企画会議を行うことを試みた。この取り組みが功を奏して、ゲーム内容に関する議論が深まり生産性も向上して、原作側との距離が一気に縮まるという好循環が生まれとされる。グリーがアニメ制作に出資してゲーム制作側もアニメの製作委員会に参画するようになり、共同製作者として本作品に直接関与するようになった。
社会的評価
小説は、2013年1月の刊行以降、シリーズ累計で2016年には370万部、2019年には1200万部が発行された。2023年にはシリーズ10周年を記念して、本編と外伝およびゲーム『メモリア・フレーゼ』のシナリオなどを小説化した作品などの小説が12カ月連続で刊行され、2023年7月時点で累計1500万部が発行された。また、2023年1月に発売された本編18巻はAmazonの和書ランキングで1位となり、楽天ブックスの週刊ランキング(2023年4月10日から同4月16日)では10位以内のうち『ダンまち』シリーズが5作品を占めた。
本作品は、2013年のGA文庫大賞を受賞し、『Google Playブックベストof 2013』でベストラノベに選ばれ、2014年の『第3回ラノベ好き書店員大賞』における大賞受賞、2016年の『第2回SUGOI JAPAN Award』におけるラノベ部門1位などの受賞歴がある。
また、宝島社が毎年発行する『このライトノベルがすごい!』では、2014年に作品部門で4位および新作部門で1位、2016年に8位、同文庫部門では2018年に9位を獲得しており、2020年に発表された「2010年代総合ランキング」では第4位に入る。
2019年に行われたPR_TIMESによる調査では読者の95%が男性であり、読者の年齢分布は30代と40代が32%、50代が23%とされる
既刊一覧
大森藤ノ(著)、ソフトバンククリエイティブ→SBクリエイティブ〈GA文庫〉。
本編(小説)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1. | 2013年1月31日 | 2013年1月15日 | 978-4-7973-7280-9 | |
2. | 2013年2月28日 | 2013年2月15日 | 978-4-7973-7307-3 | |
3. | 2013年5月31日 | 2013年5月15日 | 978-4-7973-7362-2 978-4-7973-7360-8(限定版) | 限定版:書き下ろし短編小説& ゲストイラスト集 |
4. | 2013年12月1日 | 2013年12月14日 | 978-4-7973-7514-5 978-4-7973-7515-2(限定版) | 限定版:小冊子 |
5. | 2014年5月31日 | 2014年5月15日 | 978-4-7973-7714-9 | |
6. | 2014年11月30日 | 2014年11月15日 | 978-4-7973-8058-3 978-4-7973-8059-0(限定版) | 限定版:小冊子 |
7. | 2015年4月30日 | 2015年4月15日 | 978-4-7973-8311-9 978-4-7973-8221-1(限定版) | 限定版:ドラマCD |
8. | 2015年6月30日 | 2015年6月15日 | 978-4-7973-8314-0 978-4-7973-8313-3(限定版) | 限定版:【ヘスティア】グラフィグ |
9. | 2015年9月30日 | 2015年9月15日 | 978-4-7973-8500-7 | |
10. | 2016年5月31日 | 2016年5月14日 | 978-4-7973-8677-6 978-4-7973-8678-3(限定版) | 限定版:小冊子 |
11. | 2016年10月31日 | 2016年10月15日 | 978-4-7973-8812-1 978-4-7973-8813-8(限定版) | 限定版:ドラマCD |
12. | 2017年5月31日 | 2017年5月25日 | 978-4-7973-9280-7 | |
13. | 2018年2月28日 | 2018年2月15日 | 978-4-7973-9356-9 978-4-7973-9357-6(限定版) | 限定版:ドラマCD |
14. | 2018年12月31日 | 2018年12月15日 | 978-4-7973-9620-1 | |
15. | 2019年6月30日 | 2019年6月15日 | 978-4-7973-9622-5 | |
16. | 2020年10月31日 | 2020年10月14日 | 978-4-8156-0756-2 | |
17. | 2021年4月30日 | 2021年4月22日 | 978-4-8156-0981-8 | |
18. | 2023年1月31日 | 2023年1月24日 | 978-4-8156-1371-6 978-4-8156-1871-1(限定版) | 限定版:小冊子 |
19. | 2023年9月30日 | 2023年9月15日 | 978-4-8156-1970-1 978-4-8156-2122-3(限定版) | 限定版:小冊子 |
外伝(小説)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか外伝 ソード・オラトリア
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1. | 2014年1月31日 | 2014年1月15日 | 978-4-7973-7553-4 978-4-7973-7554-1(限定版) | 限定版:小冊子 |
2. | 2014年6月30日 | 2014年6月13日 | 978-4-7973-7716-3 | |
3. | 2014年12月31日 | 2014年12月15日 | 978-4-7973-8203-7 978-4-7973-8150-4(限定版) | 限定版:小冊子 |
4. | 2015年5月31日 | 2015年5月15日 | 978-4-7973-8312-6 | |
5. | 2015年10月31日 | 2015年10月15日 | 978-4-7973-8508-3 | |
6. | 2016年6月30日 | 2016年6月15日 | 978-4-7973-8846-6 | |
7. | 2016年12月31日 | 2016年12月15日 | 978-4-7973-8934-0 978-4-7973-8935-7(限定版) | 限定版:小冊子 |
8. | 2017年4月30日 | 2017年4月15日 | 978-4-7973-9234-0 978-4-7973-9042-1(限定版) | 限定版:ドラマCD |
9. | 2017年6月30日 | 2017年6月15日 | 978-4-7973-9281-4 | |
10. | 2018年5月31日 | 2018年5月15日 | 978-4-7973-9460-3 978-4-7973-9623-2(限定版) | 限定版:ドラマCD |
11. | 2019年1月31日 | 2019年1月15日 | 978-4-8156-0026-6 | |
12. | 2019年7月31日 | 2019年7月12日 | 978-4-8156-0264-2 | |
13. | 2023年2月28日 | 2023年2月15日 | 978-4-8156-0982-5 | |
14. | 2023年3月15日 | 2023年3月15日 | 978-4-8156-1434-8 978-4-8156-1872-8(限定版) | 限定版:小冊子 |
ファミリアクロニクル(小説)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル
サブタイトル | 初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 |
---|---|---|---|---|
episodeリュー | 2017年3月31日 | 2017年3月15日 | 978-4-7973-9080-3 | |
episodeフレイヤ | 2019年12月31日 | 2019年12月12日 | 978-4-8156-0464-6 | |
episodeリュー2 | 2023年10月31日 | 2023年10月14日 | 978-4-8156-2369-2 |
アストレア・レコード(小説)
アストレア・レコード 邪悪胎動 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1. | 2022年10月31日 | 2022年10月14日 | 978-4-8156-1017-3 | |
2. | 2022年11月30日 | 2022年11月12日 | 978-4-8156-1018-0 | |
3. | 2022年12月31日 | 2022年12月15日 | 978-4-8156-1755-4 978-4-8156-1019-7(特装版) | 特装版:小冊子 |
掌編集
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 掌編集
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1. | 2023年4月30日 | 2023年4月14日 | 978-4-8156-1966-4 | |
2. | 2023年5月31日 | 2023年5月15日 | 978-4-8156-1967-1 |
オラリオ・ストーリーズ
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オラリオ・ストーリーズ
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 | |
---|---|---|---|---|
1. | 2023年6月30日 | 2023年6月15日 | 978-4-8156-1965-7 |
アルゴノゥト(小説)
アルゴノゥト ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 英雄譚
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | 備考 | |
---|---|---|---|---|
前章 | 2023年7月31日 | 2023年7月14日 | 978-4-8156-1968-8 | |
後章 | 2023年8月31日 | 同日発売 | 978-4-8156-1969-5 | |
豪華特装版 | 2023年8月31日 | 978-4-8156-2144-5 |
漫画
ダンジョンに出会いを求めるのは 間違っているだろうか | |
---|---|
漫画:本編 | |
原作・原案など | 大森藤ノ(原作) ヤスダスズヒト(キャラクター原案) |
作画 | 九二枝 矢町大成(シリーズII) |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | ヤングガンガン ガンガンONLINE |
レーベル | ヤングガンガンコミックス |
発表号 | 2013年16号 - 2019年8号 シリーズII 2019年18号 - |
巻数 | 全10巻 シリーズII 既刊5巻(2023年11月現在) |
漫画:外伝 ソード・オラトリア | |
原作・原案など | 大森藤ノ(原作) はいむらきよたか・ヤスダスズヒト (キャラクター原案) |
作画 | 矢樹貴 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | 月刊ガンガンJOKER ガンガンONLINE |
レーベル | ガンガンコミックスJOKER |
発表号 | 2014年6月号 - |
巻数 | 既刊26巻(2023年11月現在) |
漫画:ファミリアクロニクル episodeリュー | |
原作・原案など | 大森藤ノ(原作) ヤスダスズヒト(キャラクター原案) |
作画 | 桃山ひなせ |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載サイト | ガンガンONLINE |
レーベル | ガンガンコミックスONLINE |
発表期間 | 2017年2月23日 - 2018年10月25日 |
巻数 | 全6巻 |
漫画:ファミリアクロニクル episodeフレイヤ | |
原作・原案など | 大森藤ノ(原作) ヤスダスズヒト(キャラクター原案) |
作画 | 桃山ひなせ |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | マンガUP! |
レーベル | ガンガンコミックスUP! |
発表期間 | 2020年10月2日 - 2023年11月17日(プレミアム公開) |
巻数 | 既刊3巻(2023年1月現在) |
漫画:ダンジョンに出会いを求めるのは 間違っているだろうか4コマ | |
原作・原案など | 大森藤ノ(原作) ヤスダスズヒト(キャラクター原案) |
作画 | タカムラマサヤ |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載サイト | ガンガンONLINE |
レーベル | ヤングガンガンコミックス |
発表期間 | 2014年8月14日 - 2015年5月14日 2016年5月19日 - 2017年5月18日 |
巻数 | 全2巻 |
漫画:ダンまち4コマ そもそも ダンジョンにもぐるのが間違いではないだろうか | |
原作・原案など | 大森藤ノ(原作) ヤスダスズヒト(キャラクター原案) |
作画 | ちょぼらうにょぽみ |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載誌 | ヤングガンガン |
レーベル | ヤングガンガンコミックス |
発表号 | 2014年22号 - 2015年12号 2016年9号 - 2017年5号 |
巻数 | 全2巻 |
漫画:〜メモリア・フレーゼ〜 聖夜の夢想歌 | |
原作・原案など | 大森藤ノ(原作) ダンまち 〜メモリア・フレーゼ〜(協力) |
作画 | 汐村友 |
出版社 | スクウェア・エニックス |
掲載サイト | マンガUP! |
レーベル | ガンガンコミックスUP! |
発表期間 | 2021年10月21日 - 2023年11月11日(通常公開) |
巻数 | 全4巻 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
本編(漫画)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2013年12月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-4166-5 |
2. | 2014年5月14日 | 同日発売 | 978-4-7575-4304-1 |
3. | 2014年11月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-4464-2 |
4. | 2015年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-4592-2 |
5. | 2015年6月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-4673-8 |
6. | 2016年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-4925-8 |
7. | 2016年10月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5120-6 |
8. | 2017年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-5287-6 |
9. | 2017年9月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-5368-2 |
10. | 2018年6月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-5763-5 |
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか II
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2020年7月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-6769-6 |
2. | 2021年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-7169-3 |
3. | 2021年12月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-7647-6 |
4. | 2023年1月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-8354-2 |
5. | 2023年11月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-8912-4 |
外伝(漫画)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 外伝 ソード・オラトリア
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2014年11月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-4465-9 |
2. | 2015年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-4593-9 |
3. | 2015年5月15日 | 同日発売 | 978-4-7575-4465-9 |
4. | 2015年10月14日 | 同日発売 | 978-4-7575-4767-4 |
5. | 2016年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-4926-5 |
6. | 2016年10月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5121-3 |
7. | 2017年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-5289-0 |
8. | 2017年4月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5361-3 |
9. | 2017年6月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5369-9 |
10. | 2018年2月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5559-4 |
11. | 2018年5月15日 | 同日発売 | 978-4-7575-5712-3 |
12. | 2019年2月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5907-3 |
13. | 2019年2月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-6005-5 |
14. | 2019年7月12日 | 同日発売 | 978-4-7575-6203-5 |
15. | 2019年12月12日 | 同日発売 | 978-4-7575-6432-9 |
16. | 2020年7月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-6702-3 |
17. | 2020年11月21日 | 同日発売 | 978-4-7575-6941-6 |
18. | 2021年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-7170-9 |
19. | 2021年12月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-7645-2 |
20. | 2021年12月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-7646-9 |
21. | 2022年3月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-7830-2 |
22. | 2022年7月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-8032-9 |
23. | 2023年1月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-8352-8 |
24. | 2023年1月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-8353-5 |
25. | 2023年6月12日 | 同日発売 | 978-4-7575-8620-8 |
26. | 2023年11月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-8914-8 |
ファミリアクロニクル(漫画)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeリュー
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2017年3月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5270-8 |
2. | 2017年7月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-5401-6 |
3. | 2017年11月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-5518-1 |
4. | 2018年3月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-5656-0 |
5. | 2018年7月21日 | 同日発売 | 978-4-7575-5784-0 |
6. | 2018年12月13日 | 同日発売 | 978-4-7575-5908-0 |
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2021年12月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-7649-0 |
2. | 2022年7月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-8033-6 |
3. | 2023年1月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-8355-9 |
その他(漫画)
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか4コマ【神様の日常】
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2015年5月15日 | 同日発売 | 978-4-7575-4639-4 |
2. | 2017年5月23日 | 同日発売 | 978-4-7575-5356-9 |
ダンまち4コマ そもそもダンジョンにもぐるのが間違いではないだろうか
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2015年6月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-4674-5 |
2. | 2017年3月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-5288-3 |
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 公式アンソロジーコミック
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2015年10月15日 | 同日発売 | 978-4-7973-8556-4 |
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか〜メモリア・フレーゼ〜 聖夜の夢想歌
初版第一刷発行日 | 発売日 | ISBN | |
---|---|---|---|
1. | 2021年12月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-7648-3 |
2. | 2022年7月22日 | 同日発売 | 978-4-7575-5288-3 |
3. | 2023年2月7日 | 同日発売 | 978-4-7575-8382-5 |
4. | 2023年11月25日 | 同日発売 | 978-4-7575-8913-1 |
アニメ
本編のテレビアニメは、第1期が2015年4月から6月までTOKYO MXほかにて放送され、第2期が2019年7月から9月まで、第3期が2020年10月から12月まで、第4期が2022年7月から2023年3月まで放送された。
外伝『ソード・オラトリア』のテレビアニメは、2017年4月から7月までTOKYO MXほかにて放映された。また、オリジナルストーリで構成された劇場版アニメ『オリオンの矢』は2019年2月15日に公開された。
ゲーム
コンピュータゲーム
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか クロス・イストリア』
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 〜メモリア・フレーゼ〜』
2017年8月に公式YouTubeチャンネルが開設され、情報番組とトーク番組がそれぞれ週1回で配信される。2018年7月にはゲーム実況アプリMirrativとコラボした企画も行っている。期間限定のコラボレーション企画が展開されており、2021年11月時点では、『キノの旅』、『進撃の巨人』、『デート・ア・ライブ』、『ゴブリンスレイヤー』、『ストライク・ザ・ブラッド IV』、『アナザーエデン 時空を超える猫』の6作品との間で実施されている。
2020年5月には世界ダウンロード数が1500万を突破する。2020年9月から中国にも配信が開始され、ダウンロード数は全世界で2000万を越える。また、2022年には『ダンメモ』の発売3周年記念として配信された『偉大冒険譚 アストレア・レコード』の内容が原作者により改稿されてGA文庫から書籍化され、2023年には『ダンまち』シリーズの発売10年記念としてGA文庫より『偉大冒険譚 アルゴノゥト』が書籍化された。
この作品でベル役の松岡禎丞がアフレコした台詞数が1万175ワードに達しており、2019年6月17日に行われたイベントにおいて、松岡に対し「一人の声優によりモバイルゲームに提供されたセリフの最多数」という内容でギネス世界記録に認定されたことが発表、松岡禎丞に認定証が贈られている。
発売記念作品
2018年から2023年時点まで、毎年6月に原作者が完全監修したシナリオが発売記念として公開され、内容は原作では明かされていない作品世界の逸話や過去の英雄譚などを題材とした長編で構成される。これらの作品では、原作に深く関係する設定なども新しく公開されており、例えば、『偉大冒険譚 アストレア・レコード』では、ベルの出生が初めて明らかにされている。6周年の記念作品をもって新規のシナリオ公開は終了される。
発売記念作品
配信 | 記念 | タイトル | 構成 | 内容 |
---|---|---|---|---|
2018年 | 1周年 | 偉大冒険譚 グランド・ディ | 前後編 | ゼウス・ファミリアとヘラ・ファミリアによる陸の王者の討伐を描く物語 |
2019年 | 2周年 | 偉大冒険譚 アルゴノゥト | 前後編 | 原作中の英雄譚「アルゴノゥト」を題材とする物語 |
2020年 | 3周年 | 偉大冒険譚 アストレア・レコード | 3部作 | オラリオの暗黒期における、アストレア・ファミリアの物語 |
2021年 | 4周年 | 偉大冒険譚 アエデス・ウェスタ | 3部作 | 劇場アニメの舞台となった聖域オリンピアにおける、ヘスティアを主人公とする物語 |
2022年 | 5周年 | 偉大冒険譚 ナイツ・オブ・フィアナ | 3部作 | 原作中の古の英雄「フィアナ騎士団」を題材とする物語 |
2023年 | 6周年 | 偉大冒険譚 オルギアス・サガ | 3部作 | 外伝『ソード・オラトリア』の第12巻で描かれたオラリオの総力戦 |
公式YouTubeチャンネル
『ダンまち情報局オラジオZ』
番組開始時のパーソナリティは木村珠莉(レフィーヤ役)と高橋未奈美(ティオネ役)。2018年10月2日の放送から高橋が村川梨衣(ティオナ役)へ交代。第77回 2019年6月26日の放送では、第1回から全番組に出演してきた木村が村川と共にパーソナリティを卒業した。第78回 2019年7月2日の放送から第142回 2020年12月29日の放送までは、石上静香(シル役)と千菅春香(春姫役)がパーソナリティーを務めた。
『水瀬いのりと大西沙織のPick Up Girls!』
公式YouTubeチャンネル
『ダンまち情報局オラジオZ』
番組開始時のパーソナリティは木村珠莉(レフィーヤ役)と高橋未奈美(ティオネ役)。2018年10月2日の放送から高橋が村川梨衣(ティオナ役)へ交代。第77回 2019年6月26日の放送では、第1回から全番組に出演してきた木村が村川と共にパーソナリティを卒業した。第78回 2019年7月2日の放送から第142回 2020年12月29日の放送までは、石上静香(シル役)と千菅春香(春姫役)がパーソナリティーを務めた。
『水瀬いのりと大西沙織のPick Up Girls!』
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オラリオ・ラプソディア』
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか インフィニト・コンバーテ』
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか バトル・クロニクル』
3Dグラフィックで描かれたキャラクターを操作し、『ダンまち』の物語や名バトルを追体験することができる。また、自分以外は全員敵のバトルロイヤル「魔石争奪戦」やオートプレイ対戦「闘技大会」などのコンテンツが含まれる。
体感型ゲーム
『ダンまち緊急ミッション』
『ヘスティア・ファミリアの借金返済大作戦』
パチンコ・パチスロ
- パチスロ:パチスロ ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(2018年、北電子)
- パチスロ:パチスロ ダンまち外伝 ソード・オラトリア(2022年、北電子)
- パチンコ:Pフィーバーダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(2022年、SANKYO)
参考文献
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2014』宝島社、2013年12月4日。ISBN 978-4-8002-1954-1。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2015』宝島社、2014年12月5日。ISBN 978-4-8002-3373-8。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2016』宝島社、2015年12月5日。ISBN 978-4-8002-4766-7。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2018』宝島社、2017年12月9日。ISBN 978-4-8002-7798-5。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2019』宝島社、2018年12月8日。ISBN 978-4-8002-9044-1。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2020』宝島社、2019年12月9日。ISBN 978-4-8002-9978-9。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2024』宝島社、2023年12月9日。ISBN 978-4-299-04899-8。
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