幻想水滸伝II
以下はWikipediaより引用
要約
『幻想水滸伝II』(げんそうすいこでんツー)は、コナミより1998年12月17日に発売されたPlayStation用コンピュータRPG作品である。『幻想水滸伝シリーズ』の第2作目である。キャッチコピーは「その強さがあれば、全てを守れると思った」。
2009年12月24日にiモード版が発売された。
あらすじ
主人公と親友ジョウイは、ハイランド王国少年兵部隊ユニコーン隊に参加していた。そんな折、運命の悪戯からか、主人公は輝く盾の紋章、ジョウイは黒き刃の紋章を宿す。世界を揺るがしかねない27の真の紋章の力を手に入れた2人の道は、少しずつ、しかし確実に袂を分かつようになっていく。
主人公はハイランド王国に不信感を抱いて同盟軍のリーダーとなり、一方ジョウイはハイランド皇子ルカ・ブライトら王家の人間を利用してハイランド王国国王にまでのぼりつめ、その手段は違えども、互いの立場からハイランド王国に平和をもたらそうとする。しかし残酷な運命は、皮肉にもこの親友2人をやがて激突させる事となる。
太陽暦460年。後世において、“デュナン統一戦争”と呼ばれる戦乱の幕開けであった。
概要
データコンバート
前作『幻想水滸伝I』からのデータ引き継ぎが可能で、それにより変更になるのは以下の5点。
- 前作で設定した城の名前が、国の名前(幻想水滸伝シリーズの世界観#トラン共和国参照)やラダトの宿屋の名前になる。
- 前作登場キャラクターは、前作でレベルや武器レベルが一定を超えていると加入時にボーナスが加算され、共通して登場する一部の装備品や紋章が引き継がれる。
- 前作登場キャラクターは、一部イベントにおいて会話内容が変更される。
- 前作主人公が登場するイベントの追加、およびパーティキャラクターに加えることが可能になる。
- グレミオが生き返ってるデータを引き継いでいると、彼から「とくせいシチュー」のレシピが貰える。
エンディング
エンディングは複数が存在し、それぞれを簡潔に述べると以下の4つのパターンになる。
1.は開発開始当初に予定されていた結末でありプロデューサー自身にとっても正史であるが、開発途中で主人公が哀れすぎると感じたため108人が揃った場合のおまけとして2.を組み入れたとしている。ディレクターの村山吉隆は2.について「かなり迷った」とし、物語としては「ナシ」としながらも、長時間プレイした結果のゲームシナリオとしては「アリ」との見解を示している。3.は1.と大筋は同じだがエンディングの最後に表示される一枚絵が異なる。4.は物語途中で全てを放り投げるいわゆる「バッドエンド」に相当するものだが、途中で思い直して本編に戻ることで物語に変化が生じる。
評価
前作と共通して登場するキャラクターも多く、パーティメンバーの組み合わせによって特別な会話が発生することや、データコンバートによって前作の主人公も登場するなど、前作からのファンを意識した作りとなっている。ストーリーは他のRPGに比べて長く、やり込み要素も多く存在する。主人公からサブキャラに至るまで多くのキャラクターの心理描写が丁寧に描かれ、テンポ良く進むシナリオは非常に高い評価を得ており、電撃PlayStation(2007/6/22号)の読者人気TOP20編では歴代総合2位、最強の泣けるソフトランキング(2007/10/12号)ではファイナルファンタジーVII・X、テイルズオブジアビスに続き4位、同じく人気投票による歴代総合のソフト大賞を決める電プレアワードPSオールタイムベスト(2007/10/26)では100位中11位、テレビ朝日系の特別番組「国民5万人がガチ投票!テレビゲーム総選挙」(2021/12/27)ではすべてのコンシューマー機で発売されたゲームで19位(PlayStationのソフトとしてはファイナルファンタジーVIIに続き2位)と、PlayStation時代のソフトとしては異例とも言えるほどの人気を今でも誇っている。
当時3Dが主流となりつつある中で、あえてグラフィック描写に負担を掛けない2Dを採用した事で、待たされる時間の短縮といったメリットを得ている。
世界観
幻想水滸伝シリーズの世界観のうち、以下の地域・国家を参照。
- ジョウストン都市同盟
- 新都市同盟・デュナン国
- ハイランド王国
- ハルモニア神聖国
- トラン共和国
システム
本作特有のシステムを解説する。基本的なシステムは「幻想水滸伝シリーズ」を参照。
料理イベント
ハイ・ヨーと黒竜料理会の戦いを描いた料理対決。仲間になったキャラクターが審査員となり、入手したレシピを使って料理を作り、60点満点で点数の高いほうが勝者となる。最大12戦まで存在し、料理イベントのエンディングも存在するが、強制的に敗退する1度を除いて、8戦目以降の料理対決では敗退するとそれ以降のイベントは発生しない。
戦争イベント
本作の戦争イベントはシミュレーションRPG形式で進行する。仲間になったキャラクターをリーダー1人と副官2人で1つのユニットとする。通常の攻撃あるいは特殊な攻撃方法で攻撃し、ダメージを2つ(「重装備」があれば3つ)受けたユニットは戦線を離脱する。
登場人物
※声はドラマCD版のキャスト。
主要人物
108星
主人公
声 - 小田久史
ハイランド南部辺境の街キャロに住む少年。武器はトンファー。生年は不明、ハイランド王国キャロの街出身。町外れの道場の武術家ゲンカクの養子として育てられた。
ゲーム開始当初はハイランド軍の少年兵部隊に所属していた。しかし、ルカの策略により、少年兵部隊はジョウイと主人公を除いて全滅。逃走後、同盟軍の捕虜となる。ジョウイと共に脱走し、ハイランドに帰国するも、ラウド率いるハイランド王国兵に殺されかける。しかし、ビクトール、フリックに救出される。
後に右手に「輝く盾の紋章」を宿し、対ハイランド王国同盟軍(新都市同盟軍)を率いるリーダーとなって、ジョウイ率いるハイランド王国軍とデュナン統一戦争を繰り広げることとなる。
なお、小説版とドラマCDでは「リオウ」、漫画版では「タオ」と名付けられている。
エンディングは大きく分けて4つのパターンがあり(#エンディングを参照)、そのパターンに応じて戦後の行方が異なる。
『外伝』ではベストエンディングを採用しており、ナナミやジョウイとともに無名諸国へ向けて旅をしていた。
ナナミ
声 - 松岡由貴
主人公の義姉。太陽暦444年生まれ(16歳)、ハイランド王国キャロ出身。食の好みは味オンチ。底抜けに明るく、元気いっぱいのお転婆娘だが家族想いでとても優しい。シュウを仲間にする際のイベントでシュウが銀貨を小石にすり替えていたのを見た程の動体視力を持っている。ほうれん草とオバケが苦手。子供の頃、いじめられていた主人公とジョウイを守ってあげていた。そんな2人が敵対してしまう事に堪えられず、なんとか戦争を止めたいと願っていた。新同盟軍に身を置いてはいるが、立場そのものは中立に近い。
終盤で主人公を庇い戦死するが、108星を集め、さらに条件を満たすことで一命を取り留めたことが判明する。
シュウ
声 - 速水奨
名軍師マッシュ・シルバーバーグの直弟子の一人で、アップルの兄弟子。太陽暦434年生まれ(26歳)、出身地は不明。食の好みは中華好き。物事の先を読むことに長け、交易でも成功し、戦場では縦横無尽の策で戦況を支配する。天才軍師マッシュの一番弟子とされるほどの軍才をみせたが、軍略を出世に利用しようとしたため破門される。勝つためには、まず味方から欺ような読まれにくい巧妙な手法をとる。デュナン統一戦争ではアップルの執念ともいえる熱意に負け新同盟軍での筆頭軍師として活躍する傍ら、クラウス、アップルら後進の指導にも余念がなかった。またアップルや主人公・特にナナミの影響か、最終戦ではレオンの裏をかくために捨て身の策で一矢報いる。
ベストエンディングでは、主人公らの帰りを待つこととナナミの顛末を伝え、軍師として最後の助言を行うとともに旅立ちを見送った。
戦後成立した連邦国家においても正軍師を務めたが、翌年に引退して貿易商に戻る。それ以降直接的には国勢に関係していないが、新たに正軍師となったクラウスは時折相談に訪れており、太陽暦472年のハイイースト動乱にも陰ながら協力しているとされている。
108星以外
ジョウイ・アトレイド(ジョウイ・ブライト)
声 - 梶裕貴
ハイランドの地方貴族マルセル・アトレイドの長男だが、母・ローザの連れ子である。太陽暦443年生まれ(17歳)、ハイランド王国キャロ出身。主人公の幼馴染であり親友。幼い頃に主人公と出会い、以来ともに行動することになる。後に右手に「黒き刃の紋章」を宿し、ハイランド王国皇女ジル・ブライトと結婚し王位継承権を得る。その後、皇太子ルカ・ブライトと共謀して皇王アガレス・ブライトに毒を盛り暗殺。さらにルカを裏切って死に追い込み、ハイランド皇国王位継承権により皇王に即位する。
ただ平和を願う一心から、傭兵隊に主人公と共に参加を志願するが、ジョウストンの丘上会議において諸侯の身勝手ぶりに都市同盟の存在に疑問を抱く。主人公と共に王国軍の兵糧調査の折、主人公を逃がすため王国軍に拘束された。拘束時にルカにアトレイド家を反逆者として扱うと脅されつつもルカの強さに惹かれ、主人公らを裏切り、己の手を汚してでも戦争の早期終結を実現しようとした。ルカの圧倒的な強さに戦争を終結する“力”を感じつつ、ルカのやり方では荒廃を生むだけであることを理解しており、自らそれを実現するための行動を取った。自身の軍師となったレオン・ジルバーバーグと共謀し、ルカ謀殺を実行。上述のように皇王に即位する。主人公率いる新同盟軍に降伏勧告を行うが決裂。皇都防衛戦で姿を消し、「約束の地」で主人公と最後の戦いに臨んだ。
ジョウイが皇王に即位しつつも戦争を継続させたのは、このデュナン地方にハイランド皇国や都市同盟が競合するには、あまりに狭い地域であるためであり、例え軍事力による統一であっても強い国家が新たに樹立されれば争いが無くなると考えたからである。
ニンジンが苦手。朝も弱い。
ルカ・ブライト
声 - 関智一
ハイランド王国の皇子で第一軍団長。後ハイランド皇王に即位。太陽暦433年生まれ(27歳)、ハイランド王国出身。物語の発端となる人物。己の思うがままに徹底的に虐殺するという残虐な性格から「狂皇子」と呼ばれる。幼少の頃、母親が父王・アガレスの失態で都市同盟の盟主・ダレルの手の者によって捕らえられ、幼い自分の眼前で嬲り者にされたことと、これを救えなかった父の無能さを垣間見る二重苦を味わい、以後、深いトラウマとなり「狂皇子」となる発端でもあった。このトラウマから父と都市同盟の人間を心底憎んでおり、父アガレスを殺害すること、都市同盟を滅ぼすことが彼の目的である。敵味方を超えて誰もが認める天才的な剣技と超人的な身体能力を併せ持ち個人レベルでは無敵の実力の持ち主。また、武勇・剣術のみならず戦略にも非常に長けており、外伝でナッシュに「天が味方すれば世界をも平定できる」と言わしめたほどの有能な武人で、戦いにおいては全てが天才的。しかしその圧倒的な強さも、暴走しがちな狂気と残虐性によって部下からも疎まれて危険視され、シードやクルガンなどの側近にも裏切られることになる。後にジョウイの口車に乗り、父を暗殺して皇王となるが、ジョウイに裏切られ敢え無く戦死する。その最期は壮絶で、主人公たち新同盟軍の精鋭と戦い満身創痍になった後、シュウの罠の蛍に気をとられてるところで全身に矢を無数に受けた末、主人公と一騎討ちをして果てる。
108星
ア行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- アップル(声 - 能登麻美子)
- ヴァンサン・ド・ブール
アイリ
アダリー
アニタ
アビズボア
アルバート
アンネリー
エイダ
エミリア
カ行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- カスミ
- からくり丸
- キリィ
- クライブ
- ゲオルグ・プライム
カーン・マリィ
カミュー
声 - 小野大輔
マチルダ騎士団赤騎士団長。太陽暦433年生まれ(27歳)、グラスランド出身。食の好みは洋風好き。カマロ自由騎士団の推挙でマチルダ騎士団に所属した。騎士道を重んじ、レディファーストを身上にしている。参謀的能力もあり、猛進しがちなマイクロトフをしばしばフォローする。マイクロトフと一緒に騎士団を脱退して新同盟軍の一員になる。戦後はマイクロトフとともに騎士団を再建した後にグラスランドへ旅立ち、『外伝』ではナッシュとともに「炎の運び手」と戦った。
カレン
ガンテツ
ギジム
キニスン
キバ・ウィンダミア
ギルバート
クラウス・ウィンダミア
ゲンゲン
ゲンシュウ
コウユウ
ゴードン(2)
サ行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- シーナ
- ジーン
- スタリオン
ジェス
シエラ・ミケーネ
「月の紋章」の所有者。生年は不明、蒼き月の村出身。食の好みは野菜好き。見た目は少女だがその正体はヴァンパイアの長老。年齢は推定800歳。ハルモニア成立以前から生きている古代人でもある。年齢の件に触れられることは、実年齢から年長として扱われることも、外見から年少として扱われることも嫌っており、逆鱗に触れると雷を落とすこともある。すべてのヴァンパイアはこのシエラによって創られ、ヴァンパイアらの間では「始祖」と呼ばれている。クラウスを気に入ったらしく、彼の前ではおしとやかな少女を演じる。「月の紋章」がない状態では本来の力は発揮できず、常に睡眠不足のような状態であるらしい。古風なイントネーションが特徴だが、それは本来の喋り方ではなかったことが『外伝』で判明している。『III』には登場しないが、壁新聞でナッシュと会っていたことが記事にされている。
シモーヌ・ベルドリッチ
シロ
シロウ
タ行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- タイ・ホー
- テンガアール
- テンプルトン
- トウタ
ツァイ
テッサイ
テレーズ・ワイズメル
ハ行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- バレリア
- ハンフリー・ミンツ
- ビクトール(声 - 小西克幸)
- ビッキー
- ヒックス
- フッチ
- フリック(声 - 中村悠一)
- ペシュメルガ
ハイ・ヨー
ハウザー
ハンス
ハンナ
ピコ
ヒルダ
フィッチャー
フリード・ヤマモト
ホイ
ボブ
ボリス・ワイゼン
マ行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- マクシミリアン
- メグ
マイクロトフ
声 - 前野智昭
マチルダ騎士団青騎士団長。太陽暦434年生まれ(26歳)、マチルダ騎士団領ロックアックス出身。食の好みは肉好き。質実剛健が売りの青年。気まじめすぎるため周囲から浮くこともしばしばある。騎士でありながら保身を至上とするゴルドーを見限り、騎士団を脱退して新同盟軍の軍門に加わる。戦後はカミューとともに騎士団を再建し、団長就任を勧められたが断り、カミューとともにグラスランドへ旅立つ。『外伝』ではナッシュとともに「炎の運び手」と戦った。
『III』ではマチルダ騎士団団長の地位に就いている。
マルロ・コーディー
ミリー
ムクムク
声 - 金田朋子
主人公とは旧友のムササビ。太陽暦454年生まれ(6歳)、グリンヒル市国グリンヒルの森出身。食の好みはなんでもウマイ。普段はグリンヒルの森に住んでいるが、時折キャロの街まで遠出している。
マクマク、ミクミク、メクメク、モクモクといった仲間(108星はムクムクのみ)がおり、それぞれ身に着けているマントの色が違う。パーティに空きを作ってグリンヒル市近くのフィールド上を歩いている(正確に言えば道や所定の位置にいる)と、いつの間にか仲間になっている(ムクムクは別の方法でも仲間にすることが可能)。
メイザース
ヤ行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- ヤム・クー
ユズ
ラ行
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- ルック(声 - 福山潤)
- ローレライ
リィナ
リキマル
リッチモンド
リドリー・ワイゼン
コボルト族出身の名将。太陽暦421年生まれ(39歳)、トゥーリバー市国トゥーリバー出身。食の好みは辛党。コボルト一族の利益を考え、人間の代表者とたびたび対立してきており、王国軍の使者として現れたキバとマカイが停戦協定を結んだために人間を信用しなくなる。しかし、主人公とフィッチャーたちの奔走により自分の過ちに気付く。トゥーリバー攻防戦ではチャコの「愛する街を守る」という言葉に心を打たれ、人間とウイングホードと和解。その後はシュウとともに主人公の右腕として戦い、新同盟軍の中核となる軍規を守る厳格たる名将である。
ストーリー進行によっては主人公たちを助けるために命を落とすが、その場合は息子ボリスが登場する。
ロウエン
108星以外
ジョウストン都市同盟
アナベル
声 - 田中敦子
ミューズの女市長。太陽暦426年生まれ(34歳)。豪胆な性格で部下の使い方もうまい。政治・軍事的手腕もあり、都市同盟の指導者としてハイランド王国と渡り合っていたが、ジョウストン都市同盟の問題点に気づき、結果として王国軍の刺客となったジョウイによって暗殺される。ルカ・ブライトからは「ミューズのメスブタ(外伝より)」と罵倒されていたが、戦略の天才でもある彼が唯一評価し、都市同盟における最大の敵として認めていた政治家でもある。
アレク・ワイズメル
グスタフ・ペンドラゴン
ティント市長。太陽暦413年(47歳)。鉄火肌の人間ではあるが地の理のよい土地(とりわけハイランドに対して)を拠点に置いているせいか都市同盟の中では慎重派。ただ、門の紋章戦争後期におけるマッシュの策に起因する、赤月帝国領への侵攻に関しては積極的であった。しかし、共に出兵したグランマイヤーが解放軍の反撃に際して撤退したので以降彼との関係は悪化する。ティントに戦火が及ぶまで慎重論に終始していたがティント市を守ることを考えてのことであり、本質は義理堅い人物。ノースウィンドゥから逃げてきたネクロードによってティントが襲撃されると新同盟軍と手を組み、ネクロード討伐後も新同盟軍に協力した。後にデュナン国からティントを共和制国家として独立させ、初代大統領に就任した。しばしばグラスランドへ出兵している。
グランマイヤー
ゲンカク
主人公とナナミの育ての親。かつてはダレルによるハイランド侵攻をきっかけに始まったジョウストン都市同盟とハイランド王国との戦争にて、都市同盟側の敗勢を覆し英雄と称えられた有能な人物であった。また、ティントの鉱山開発において住処を失ったウィングホードに新天地としてトゥーリバー市内の中州地帯を与える事を発案し、トゥーリバー市国や都市同盟の承諾を得て移住を実行した。しかし、その移住に必要な費用を独断で都市同盟の軍事予算から調達した為、ハイランドへの勝利を欲するダレルの不評を買ってしまう。そして、キャロ一帯の領有権を巡る自らとハーンの一騎討ちにおいて、一騎討ちに使うダレルから手渡された剣に毒を塗られていたのに気付き、一切自分から手を出さず最後にはハーンより剣を叩き落され、その直後ダレルから都市同盟の顔に泥を塗ったとして追放される。追放後はキャロの街で道場を開いて余生を過ごす。かつて戦争時には「輝く盾の紋章」を宿していたが、トトの村の祠に封印した。現代では故人で、道場の裏手に墓がある。
本編開始時に既に他界しているため回想でしか登場しないものの、物語の中で多くの人の心に刻み込まれている物語の核心に位置する人物。
ゴルドー
声 - 広瀬正志
マチルダ騎士団の団長で、騎士団を構成する三騎士団の1つ、白騎士団の団長を兼任。太陽暦423年生まれ(37歳)。騎士らしからぬ強欲で狭量極まる性格の持ち主で、異を唱える部下をことごとく「騎士の誓い」を振りかざして黙らせてきた。結果赤騎士団長カミュー、青騎士団長マイクロトフ及び両騎士団に属する騎士約半数の離反を招いた。先代グリンヒル市長アレクと共謀しルシアの父・前カラヤ族長キヌアを暗殺。マチルダ騎士団の弱体化・イメージダウンの元凶。統一戦争末期にロックアックス領民の保護を優先するため、ハイランド王国に降伏。ロックアックス城の戦いの混乱の中で、城内に乗り込んだ主人公と皇王ジョウイを暗殺して、一挙に富と権力を得ようと直率していた部下に命じて矢を放たせ、庇ったナナミを殺した(ベストエンディングでは重傷を負わすに留まっている)。しかしこれに激怒した2人によって討たれた。
ダレル
ハイランド王国
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- ササライ
- ユーバー
- ルシア
- レオン・シルバーバーグ
ピリカ
主人公とジョウイが離れ離れになった際、ジョウイが世話になった家の娘。太陽暦454年生まれ(6歳)、ミューズ市国トト出身。トトの村がルカ・ブライトに襲撃された際両親を目の前で殺され、さらに砦を襲撃された時ルカに殺されそうになり、それ以来恐怖で失声症になってしまう。その後は主人公やジョウイそしてナナミと行動を共にしていたが、ジョウイがアナベルを暗殺して以降はジョウイと離れ離れになり、グリンヒル市内へ潜入したときにようやくジョウイと再会するも彼がハイランド軍の一員であることに衝撃を受ける。しかし、こうした状況にあっても本来の明るさや他者に対する優しさは失われず、その優しさは彼女が出会ったナッシュに対しても向けられた(外伝より)。
ルカの死後、ジョウイより使者として送られたクルガンから主人公達に対してミューズ市での和平交渉を持ちかけられ、主人公がそれを承諾した時、この交渉が偽りだと気付いたシュウの命を受けたビクトールによってミューズ市へと密かに連れて来られる。そして、主人公が「(ジョウイとの戦いに)余計な迷いを抱かせぬよう」にジョウイの元へ行かされ、そこでジョウイと対面。動揺するジョウイの前から主人公達はビクトールに先導され逃げるが、ジョウイはピリカに人の死ぬところは見せたくないと弓兵に矢を射るよう命ずるレオンを制し、主人公達を見逃す。その直後、ピリカはジョウイの前で長らく失っていた言葉を取り戻した。その後は皇都ルルノイエにてジョウイやジルと共に暮らしていたが、ルルノイエ陥落直前にジョウイから「別れを嫌がるのではなく、共に過ごせる時を大切にするように」と教えられ、ジルと共にハルモニア辺境領へ亡命する(ベストエンディングでは亡命先の山荘にて、ジョウイや主人公、ナナミと再会する)。
ジル・ブライト
ルカ・ブライトの異父妹でハイランド皇女。太陽暦444年生まれ(16歳)。皇妃である母がダレルの策略で襲われ、強姦された末に身籠った子供と言われているが、明確に描かれていない。幼少期にはキャロの町にある別荘にいた事があり、主人公やジョウイにその姿を見られた事がある。成長してからは一見儚げながらも強い芯のある女性となり、ルカの悪行を知った上で意見する事もあったがルカを止めるには至らず、失意を味わっていた。そんな中ジョウイと出会い、彼がラウドに捕まりルカの命で拘束されていたテントに出向き、自分がユニコーン少年隊に起こった悲劇を知っていると明かした上で、ジョウイを逃がした(外伝より。ちなみにこの行動はルカも知っていたが、予測済みだったためかジョウイ共々見逃されている)。その後、アガレスやルカを失うもジョウイと結婚して皇妃となり、王位継承権を彼に譲る。皇都ルルノイエ陥落直前にはジョウイに対し、自分がジョウイの関わったアガレスやルカの死について知りながら、彼に希望を寄せ心から愛していたと告白。その後はジョウイの手回しによってハルモニア辺境領に亡命し、ピリカと静かに暮らしている(ベストエンディングでは亡命先の山荘で、ピリカと共にジョウイと再会する)。
ラウド
声 - 藤原啓治
ルカ直属の軍人で、元ユニコーン少年隊隊長。太陽暦431年生まれ(29歳)。直接的には触れられていないが、キャロの町に重度の眼病を患っている妹がいて、出世したらトラン共和国の偉い医者(Ⅰのリュウカン)に治してもらう予定だった。妹の病気を治したいという事情から出世欲と金銭欲が強く、更に愛国心と軍人としての誇りも著しく低い。ユニコーン少年隊の隊長という地位への不満と、出世に伴う給料増額に目が眩み、ルカの悪事に加担する。主人公とジョウイにスパイ容疑を掛けて処刑しようとするも失敗。その件で出世が遅れたらしく、グリンヒルで主人公と再会した際、選択肢によっては主人公に対して逆恨み節を口走る。しかし、ルカの悪事が公になるとルカにとって命取りとなりうる事々を知っている為か、時には第四軍団長代理の肩書きで重要な役目を任される事もあった。ジョウイが皇王に即位した直後、彼の報復を恐れて妹と共に国を脱出、南へ逃亡する。
クルガン
声 - 稲田徹
ハイランド王国第四軍団の将軍で常に冷静な知将。また、優れた剣技と雷の魔法の使い手。太陽暦431年生まれ(29歳)。シードの同僚。第四軍団を率いるソロン・ジーに忠誠を誓っているが、それ以上に祖国ハイランド王国自体に忠誠を誓っており、ルカの暴虐さを認めていない。その一方、ハイランドを第1とする偏った価値観の持ち主で、勝利の為には卑劣な手段も厭わない。ルカの死後はハイランド軍の再編により、皇王となったジョウイの後釜として第四軍団の団長となる。最期はルルノイエに突入した主人公達に討たれた。『外伝』ではシードとともにナッシュを追って後一歩のところまで追い詰めるも、シードがナッシュの切り札である双邪剣グローサー・フルスに塗られた毒によって意識を失った為、力を消耗していたナッシュに剣を突きつけて命を見逃す代わりに解毒剤を出すよう要求し、目論見通り解毒剤を入手してシードの命を救った。
シード
声 - 森久保祥太郎
ハイランド王国第四軍団の将軍ですぐに熱くなる猛将。魔法の心得もあるが、戦いでは優れた剣技を存分に発揮する。太陽暦434年生まれ(26歳)。クルガンと同じく、祖国ハイランド王国自体に忠誠を誓っている。その一方、クルガンと違い卑劣な手段といった不名誉な行いを嫌い、それ故ルカを認めずジョウイに希望を見出す。ルカの死後はハイランド軍の再編により、立場的にはクルガン配下の将軍となるが、クルガンとの個人的な友情は変わらなかった。最期はルルノイエに突入した主人公達に討たれた。『外伝』ではクルガンとともにナッシュを追って後一歩のところまで追い詰めるも、彼のグローサー・フルスに塗られた毒によって意識を失った。しかし、左手で予備の小剣を振るうというシード流の二刀流にてナッシュに傷を負わせ、毒を受けなかったクルガンの勝利に貢献した。
ソロン・ジー
ハーン・カニンガム
ハイランド王国の古参の将軍で、第二軍団長。太陽暦395年生まれ(65歳)。ゲンカクとは共に国境沿いの村で育った親友。かつてはルカの剣術の師を務めた。現在では皇都ルルノイエの防衛に就き、最前線に出る事は無かったが、ルルノイエ攻略の際主人公の前に立ちはだかる。そして、かつてダレルの策略で実現しなかったゲンカクとの一騎討ちをゲンカクの養子にして弟子である主人公を相手に行い、一騎討ちに破れ散った。かつての戦争時「黒き刃の紋章」を宿していたが、トトの村に封印していた。その紋章の源流たる「始まりの紋章」について理解しており、「輝く盾の紋章」を宿す主人公を前に「わしとゲンカクは、ただ時を少しばかり引き伸ばしたに過ぎなかった」と発言した。
マルセル・アトレイド
キャロの地方貴族アトレイド家の当主で、ジョウイの養父。顔グラフィックは無い。実子のマルコを寵愛し、妻ローザの連れ子であるジョウイを疎んでいた。ジョウイがジョウストン都市同盟と通じていたスパイという報が入るや、ジョウイをラウド配下の部隊に引き渡し、アトレイド家から追放した。後にジョウイが皇王に即位すると、報復を恐れたのか一家で何処かへ逃亡した。
ジョウイはアトレイド家から追放された後も、アトレイド家に対しては家族という思いと連れ子でありながら育ててくれた恩義を感じており、ラウドに捕まった直後にルカからアナベル暗殺を命じられ、「断ればアトレイド家は反逆者」と脅された時には動揺していた(外伝より)。また、ルカより連れ子という出自を指摘された時は「育ててくれた恩義は感じています」と語っている。
アガレス・ブライト
ハイランド皇王。太陽暦407年生まれ(53歳)。軍事的にも政治的にも決して有能とはいえないが、争いを好まない平和主義者。軍部の不満をそらすため、息子・ルカに軍の全権を譲ったことが大戦争の契機となる。妻がダレルの策略で襲われた際、手をこまねくだけで何もしなかった為にルカからは憎悪の対象にされていた。また大変用心深く、口にする全てのものは毒見を終えたもののみという程であったが、自分に対して殺意を抱いていたと察していたルカ、そしてジョウイの策略により、騎士の叙任を受ける者の血が入ったワインを皇王が飲み干す「血の儀式」において毒を盛られ、苦しんでいたところをルカから罵倒されながら死亡した。
この時ジョウイは暗殺の為、自ら解毒剤を飲んでいるとはいえ自分の血に毒を仕込んでおり、ルカからは「思い切った手を使う」と賞賛された(ただ自身も無事では済まず、直後に昏倒した)。
その他
以下に列挙する人物については、幻想水滸伝シリーズのキャラクター一覧を参照。
- ネクロード
- ハンゾウ
- ブライト
- リリィ・ペンドラゴン
- レックナート(声 - 大原さやか)
コウ
メディア展開
幻想水滸伝II(全1巻・土方悠・メディアファクトリー) 連載中断