アゴなしゲンとオレ物語
以下はWikipediaより引用
要約
『アゴなしゲンとオレ物語』(アゴなしゲンとオレものがたり)は、平本アキラによる日本の漫画作品。『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、1998年5・6合併号から2009年27号まで連載された。単行本は全32巻。通称「ゲンさん」または「アゴゲン」。
作品概要
零細運送会社の経営者であるゲンと、その社員であるケンヂを中心とした日常生活をギャグタッチに描いている。一話完結が基本であり、例外もあるが各話のタイトルは「○○のトラッカー」というような、そのお話のキーワードとトラッカー=ゲンを合わせたものとなっている。元々はタイトルにあるように「オレ」ことケンヂの日記風の物語であったが、話が進むにつれて大胆かつ凄まじい下ネタまみれの作風と化していく。
2007年45号をもって一時休載に入り(翌46号から2008年8号まで、同じ作者による『やりすぎコンパニオンとアタシ物語』を連載)、2008年11号より再開した。その後、2009年27号をもって「第二部完」として連載終了となった。連載終了から5年後の2014年31号には、読み切りが掲載された。
登場人物
アゴナシ運送社員
ゲン
32歳。零細運送会社「アゴナシ運送」社長だが、あまりの仕事量の少なさと、あまりに安い運送請負料(一回数百円)のため収入はほとんど無い。そのため、たまに突飛な仕事を思いつき実行している。本人はこの会社を株式会社だと自称している。漫画のタイトルの「アゴなしゲン」とは彼のことであり、実際にアゴが無く(しかしアゴが外れるエピソードがある)巨顔に中年太りした腹、短足の持ち主である。髪型はパンチパーマでその理由が、運送業=トラッカーの証であると言ってはばからない。フミという嫁がいるが、「ウンコしているところを見せろ」と言った事が原因で逃げられてしまった。現在はソープ嬢で保育士の友達のハルちゃんにべた惚れである。全身の体毛が異常なほど濃く、それが彼にとってもうひとつのトラッカーの証である。髭は異常なほど鋭く、触れるだけで大怪我をする程。加えて髪や髭の手入れをしないと性格が荒んでいき、さらに進行すると野獣のように凶暴になるという描写もあった。妄想癖があり、それに加えて無駄に行動力があるため暴走し、警察に逮捕されてしまうこともしばしば。自分より立場が弱そうな人物に対しては強気かつ傲慢に接するが、自分より立場や腕力が強そうな人を目の前にすると一転して気が弱くなる。配達の際は軽トラックを使用するものの不注意から事故を起こし、大破させてしまう事もある(それでも軽トラックは次の登場時は回復している)。一日に3度はオナニーをしているらしい。国民的アニメの主人公であるニョン太とPたんニョン太の声優が死亡した時に代替わりを頼まれるほどニョン太に声が似ている。が、「ニョ」発声方法の秘密に触れ断念。特技はコンボイ(根男:コンボーイ)ケーキというアメリカントラックの形をしたケーキ作りであり、これは若い頃コンボイケーキ職人をしていたことが所以である。また「デラ・ベッピン」と叫びながら繰り出すパンチが必殺技で意外と強力。住まいは広いとはいえないも、閑静な住宅街の中にある平屋の一戸建てで駐車場は無く、ちいちゃんやハルちゃんがよく差し入れを持って遊びに来る。マイルドセブンを吸っている。
ケンヂ
19歳。漫画のタイトルの「オレ」とは彼のことであり、初期は彼の視点から描いた物語であった。アゴなし運送の社員であり、「自称アゴなし運送副社長」。しかし稼ぎが無いに等しいため、彼女のちいちゃんに食わせてもらっている俗に言うヒモ男。しかし本人にその自覚は少なく、なかなかの浮気癖を持つ。特技はギターであり、タバコ、酒、パチンコを好み、ハンチング帽を好んでかぶっている。顔は作中随一の男前であり、アゴなし運送でホスト部を作った時にはかなりの人気を誇った。基本的に常識的で心優しい面なども見せるものの、ゲンと同様の妄想癖があり、悩みは体毛が薄い事。ハンドルを握ると人が変わるためか、運転免許は未だに持っていない。月形の知り合いのチコちゃんと絡む話になるとジャッキー・パルカスという他言語地域の人物を演じさせられる事もある。マイルドセブンを吸っている。
月形
巨乳の持ち主(ただしブラジャーを着けずに胸にサラシを巻いている)で眼鏡っ娘、金髪美人の21歳。元ルンペン。日雇い労働者が集うとある公園より劣悪な環境に興味を惹かれ入社、アゴナシ運送の3人目の社員である。ゲンは彼女を「お月」と呼ぶ。アゴなし運送での収入が無いに等しいため、家庭教師のバイトを副業としている。常に無表情であり、異常なほど冷静で取り乱すことは滅多に無いが、ちいちゃんが絡むと普段とは違った一面を見せる事も。何でもそつなくこなすが、部屋の掃除ができず常に汚れている。またギャンブルは非常に弱く、一度だけツキまくってギャンブルで大勝した時は普段からは想像もできないほどの熱狂ぶりを見せた。何事も経験というポリシーを持っており、好奇心旺盛であらゆる事柄に精通し、先のルンペン生活からアゴなし運送入社をも含め、彼女にとっては経験している状態である。ゲンのことを自分にはない思考の持ち主として尊敬しているが、逆にケンヂの事は多少見下している模様。ちいちゃんに気があり、これもケンヂを多少見下す一因となっている。
ヒロイン
ちいちゃん
その他
アフロの髪形をした人
ドドイツ
ゲンの唯一の友人。自称孤高のテロリストで、遠隔、時限、触発発火する様々な爆弾を作り、何がしかを企てる。無職。橋の下でホームレス生活している。「ドドイツ」とは本名ではなく、ゲンと過去に組んだお笑い芸人コンビ名、「レッツゴードイツ&ドドイツ」が元となっている。本名は不明。親に捨てられた過去を持ち、様々な辛い過去を過ごしてきた為、自らテロリストを自認し、幸せそうな家族、またはカップル達を心の奥底から憎み、クリスマスやバレンタインデーなどの記念日に彼らを不幸のどん底に突き落とすべく、様々な手法を用いテロを起こすものの、ゲンに察知されて作戦は失敗する事が多い。最近、ハルちゃんの所属するソープランドで人気ナンバー1であったサヤヤという女性が、ひょんなことから彼女になった。彼女が彼の筆下ろしの相手でもある。そのおかげか、テロを起こす頻度は減ってきている。
茶羽根太一
タキザワシンジ
飛鳥万太郎
裏のおじいちゃん
ポチ
ゲンのペットである犬。ゲンの名づけた「ポチ」という名を本人はとても嫌っており、本名を「仁(ジン)」という。ポチは過去に垢マキゲという巨大熊に父親を殺され復讐を誓うも、仇である垢マキゲをゲンと勘違いしてしまい、隙を突いて仇を討つべく、ゲンの家に居候することになる。しかし後に自らの間違いに気づき、父親の魂の協力もあってついに必殺技「絶・倫五舞刃」で垢マキゲを倒す。しかしその後も居心地がいいのかゲンの元に居候しており、現在では本当にゲンのペットとなってしまった。初期の頃は硬派だったが、ある事件後に町内のボス犬となり、複数の彼女を持ち、100を超える子供を残すという絶倫ぶりを見せるようになる。ちなみに、100番目の息子の名前は百太郎(ももたろう)。モデルは銀牙 -流れ星 銀-の銀。
サヤヤ
山田兄弟
ゲンに復讐を誓う元殺し屋。世界ランクNo.5の殺し屋兄弟で、身長体格が子供くらいの兄と、巨体で尚且つ太く長いアゴを持つ弟の2人で、「闇の組織」なる組織に通称「麗しの山田兄弟」として所属していた。兄のほうが弟の肩の上に乗り登場する事が多い。かつては裏の世界で名を轟かせていた有名な殺し屋だったが、ゲン・ケンヂの暗殺に失敗、殺し屋ランクがどんどん下がってしまい、殺しの情熱も次第に失っていき、最終的に殺し屋を廃業。その後、2人がラーメン屋、無医村の医者、銭湯の番台などをやっている所にゲンとケンヂが登場し、その度に命を狙うもことごとく失敗。その為、殺し屋家業を完全に諦め、小さなスナックを経営するように。ゲン・ケンヂが初めて来客した時は動揺するも和解し、今ではそこは2人の行きつけの店となっており、「闇の組織」が未だに諦めない2人の暗殺を、彼らはスナックのお得意様であるからと陰ながら助けてやっている。兄弟仲は良好なようだが、店の経営方針には違った考えを持つ。
バロンのママ
ピスタチオ五十郎
物句読朗(ぶつくりーどろう)
本郷三浪
チコちゃん
清水ひろこ
綺羅星くん
ぴゅう太
Bダッシュおじさん
用語
愛死美絵無
アゴナシ運送
アストロ運送
エレファント運送
軽トラック
コンボイケーキ
単行本
単行本内の企画
4コマ漫画
程度の差こそあれ、猟奇的でグロテスクな内容が多い。
アゴなしゲンとオレ物語実写版
ゲンさん被害者の会
これは元々単行本内限定でなく、『ヤンマガ』の下部を利用して続いていたコーナーなので、そちらから先に説明する。普通のコーナーでは作者や劇中キャラに対するファンレターを扱うが、このコーナーはそれと正反対で、ゲンさんに対する不快感や個人的恨み(例:「ゲンさんの単行本を見られた後、彼女にふられました」「先日出会った人がゲンさんそっくりで、その日一日最悪でした」など)をぶつける構成になっている。これに編集部からコメント(例:「ゲンさんはもっとひどいんですから、下には下があるんですよ。ご希望の『カイジ』テレカをどうぞ」「そんなあなたも、ゲンさんと同じになったという事でしょうか?。ゲンさんテレカ送っときます」が寄せられ、毎週一人はその時『ヤンマガ』に連載中の漫画から希望する作品のテレホンカードが進呈される。だが他の採用者には、ゲンさん特製水着テレカが無理矢理進呈される。なお週によっては希望作品のテレカが複数登場したり、タチ切りが多い回はコーナーが掲載されない事もある。
単行本でのキャッチコピーは「読者からのクレームにゲンさんが謝っちゃうぞ!!」。クレームに対するゲンの回答は、自嘲気味なものからナルシスト気味なものと様々であるが、中には言いがかり的内容のクレームも存在し、そのようなものに対してはやや挑発的な回答をする。ただ挑発的な回答は最近増加傾向にある。また、殆どはゲンさんに対するクレームだが少数ながらも、ゲンさんへの励ましや応援のメッセージも見られる。
アゴナシの地平線
その他
- 『ヤンマガ』掲載時、最終ページの欄外コメントは「おしまい/来週も読まないと怒るよ、フフフ……。」か「おしまい/来週は、お休みだ。本当にスマンな。」(次号休載の場合)のいずれかで固定されていた(最終回前を除く)。
- 深田恭子はこの作品のファンである事を公言している。ゲンと深田恭子が競演する「ゲンさんmeets深田恭子」という特別編が描かれている(単行本8巻に収録)。
他作品とのコラボレーション
アゴなしゲンとネコ物語
アゴなしゲンと30周年物語
アゴなしゲンとオレは寄生獣
BeeTV
BeeTVにてキャラクターのセリフが音声化され、全24話が2010年12月20日から配信された。
キャスト
- ゲン:高田べん
- ケンヂ:松本真
- ハルちゃん:大野千紘
- 月形:東城未来
- ちいちゃん:日野まり
- タキザワ:山本祥太
- 茶羽根太一:高木達也
- ドドイツ:鈴木卓朗