ひきこまり吸血姫の悶々
小説
著者:小林湖底,
出版社:SBクリエイティブ,
レーベル:GA文庫,
巻数:既刊12巻,
漫画
原作・原案など:小林湖底,
作画:りいちゅ,
出版社:スクウェア・エニックス,
掲載誌:月刊ビッグガンガン,
レーベル:ビッグガンガンコミックス,
発表期間:2021年12月25日 -,
巻数:既刊3巻,
アニメ
原作:小林湖底,
監督:南川達馬,
シリーズ構成:大知慶一郎,
キャラクターデザイン:下谷智之,
音楽:椎名豪,
アニメーション制作:project No.9,
製作:ひきこまり製作委員会,
放送局:TOKYO MX,
話数:全12話,
以下はWikipediaより引用
要約
『ひきこまり吸血姫の悶々』(ひきこまりきゅうけつきのもんもん)は、小林湖底による日本のライトノベル。第11回GA文庫大賞優秀賞受賞作であり、GA文庫(SBクリエイティブ)より2020年1月から刊行されている。2024年3月には第13巻のドラマCD付き特装版が発売予定。
メディアミックスとして、原作イラストを担当するりいちゅによるコミカライズが『月刊ビッグガンガン』(スクウェア・エニックス)にて2022年Vol.01(2021年12月25日発売)から連載中。2023年にはテレビアニメが放送された。
あらすじ
第1巻
七紅天に就任してしばらく経ったころ、カレン主催の立食パーティーにて、コマリはテロリストグループ「逆さ月」に所属する少女による襲撃を受ける。その少女は、かつてコマリをいじめ引きこもりに追い込んだ張本人ミリセント・ブルーナイトだった。ミリセントとの再会でコマリは再び引きこもるようになるが、ヴィルが手紙に記した彼女の過去とコマリへの思いを知る。さらに自分が部下から内面的な部分においても慕われていることを自覚して再起し、コマリは単独でミリセントに攫われたヴィルの救出に向かう。ラ=ネリエント街の廃城に着いたコマリは、コマリへの復讐に燃えるミリセントと対峙。魔弾や神具によって重傷を負いミリセントに殺されかけるが、自力で拘束を解いたヴィルに血を飲まされたことによって、無自覚に所有していた異能烈核解放・孤紅の恤が発動し、コマリはミリセントを倒す。
第2巻
七紅天闘争では、フレーテの挑発を受けた第七部隊は開戦早々「古城に設置された紅玉の奪い合い」というルールを無視してフレーテ率いる第三部隊を襲撃し、放置されたコマリとヴィルはデルピュネー率いる第四部隊の襲撃を受ける。ヴィルはデルピュネーの凝血魔法によって重傷を負いながらもコマリに血を飲ませ、【孤紅の恤】を発動したコマリは光撃魔法によって古城一帯を更地にし参加者の大半を虐殺。辛うじて生き残っていたフレーテは紅玉を破壊されたことに激怒し、烈核解放の効果が切れたコマリを殺そうとするが、同じく生き残っていたサクナによって惨殺される。サクナは自身の素性を明かしコマリを殺そうとするが、彼女の説得を受けて思いとどまる。そこへサクナを脅迫していた逆さ月の構成員であるオディロンが姿を現し、用済みとなったサクナもろともコマリを神具で殺そうとする。サクナはコマリを助けるためにオディロンと交戦し重傷を負うが、ミリセントからの助言を思い出しコマリに血を飲ませる。再び【孤紅の恤】を発動したコマリは、ゲラ=アルカ支部のアジトまで逃走したオディロンを追跡しこれを撃破。結果的に七紅天闘争はオディロンが失格扱いとなり、殺害人数が最多となったコマリが優勝する。
第3巻
後日、ゲラ=アルカ共和国から宣戦布告を受けたムルナイト帝国と天照楽土の部隊は、ゲラ=アルカが狙うとされる核領域のムルナイト領城塞都市フォールにて、ゲラ=アルカから協力を要請された白極連邦軍の部隊による奇襲を受ける。カレンはゲラ=アルカの大統領ゲラ・マッドハルトから降伏を勧告されるが、マッドハルトの誘いに他国が消極的であることを看破していたためこれを拒否。同盟軍の戦力を2つに分けて、一方の防御グループにはゲラ=アルカ軍の迎撃を、もう一方の攻撃グループには夢想楽園の襲撃を命じる。攻撃グループに割り振られたコマリ、カルラ、サクナ、デルピュネーの部隊は夢想楽園付近への【転移】を試みるが、フォールを目指すゲラ=アルカの八英将パスカル・レインズワースとネリアが率いる部隊との交戦中に、ゲラ=アルカを裏切ったネリアがコマリを戦場から【転移】させる。転移先にて、ネリアが母ユーリン・ガンデスブラッドの教え子であり、ゲラ=アルカの改革を目的としていることを打ち明けられたコマリは、マッドハルト打倒のためのネリアからの協力要請を承諾し、ネリアのメイドであるガートルードと転移に巻き込まれたヴィル、カルラの5人で夢想楽園を目指す。
ムル天同盟軍の奮闘によってゲラ=アルカ軍が劣勢に立たされるなか、ゲラ=アルカ国内ではマッドハルトへの不信感からデモが勃発していた。一方で夢想楽園に到達したコマリたちは、そこで魔核を利用した非人道的な実験が行われていたことを突き止めるが、直後に八英将としての素性を隠していたガートルードによる裏切りに遭い、さらに追いかけてきたレインズワースから、マッドハルトが他国の制止を無視して、夢想楽園で教育を施された五千人の精鋭楽園部隊を投入したことを知らされる。その事実にネリアは消沈するが、コマリの必死の説得で再起するとともに烈核解放尽劉の剣花を獲得。カルラと六国新聞が電影箱を通じて夢想楽園の秘密を世界中に暴露する一方で、ネリアは囚人を解放してガートルードを撃破した後、コマリの実態を推し量った上で楽園部隊に対抗するためにコマリを説得し自身の血を飲ませる。コマリの【孤紅の恤】による膨大な魔力によって世界中が震撼し、ゲラ=アルカ打倒のために他国の軍が動き始める。最終的に楽園部隊は崩壊し、指揮を取っていたレインズワースも撃破されて八英将が全滅したことにより、マッドハルトは敗北を認め、六国を巻き込んだ大戦は終結する。
第4巻
天舞祭の一週間、天照楽土に滞在することになったコマリは、カルラが大神ではなく和菓子職人を目指しており、それゆえに先代の大神である祖母と確執があることを知る。天舞祭のプログラムのひとつである討論会は、大神から許可をもらったと主張するカリン陣営のフーヤオ・メテオライトが司会を務め、実は運営がカリン陣営に肩入れして当日の会場の観客を選別していたという、なぜかカルラにとって明らかに不利な条件で行われる。幼いころからカルラを敵視していたカリンは討論の議題を無視してカルラの非難に終始する上にカルラの夢を貶すが、それを受けたコマリが怒りを露わにして反論、コマリに触発されたカルラは自身の夢について告白し、カリンを大神に就任させないために天舞祭で勝つことを宣言する。討論会を終えたカルラは、大神の助言とコマリの協力もあって、お菓子屋になることを祖母に認められる。討論会やカルラの祖母との話し合いを経て信頼を築いたコマリとカルラは互いに自身の境遇を明かすが、直後にカルラの祖母がフーヤオに襲撃され、神具によって重傷を負う。翌日、カルラの祖母の暗殺未遂の容疑でカルラとコマリが指名手配を受ける。逮捕令状を出したのがカルラの夢を後押ししたはずの大神だと知らされたコマリたちはその真偽を確かめるべく大神のいる桜翠宮に向かい、そこで待ち受けていたカリンとフーヤオから、天舞祭開催前に本物の大神を葬ったというフーヤオが自身の烈核開放で大神に成り代わり権力を行使していたことを告げられる。カルラは、天舞祭で勝った後で大神を辞任するという討論会での発言を撤回し、自身が大神になる決意を固める。
天舞祭最終日、核領域にて最後のプログラムである死闘が行われるが、その最中に逆さ月としての本性を露わにしたフーヤオは、立ちふさがったコマリに神具で致命傷を与えた後、自身の素性と天舞祭中の所業を明かし、カリンを拷問にかけて突き止めたという天照楽土の魔核の破壊を宣言する。和魂種たちが混乱する中で、今際の際においてもカルラを気にかけるコマリに感化されたカルラは、自身の使命を自覚したことで烈核解放逆巻の玉響の制御に成功する。【逆巻の玉響】によって蘇生したコマリは、カルラからの頼みでカルラの血液を摂取して【孤紅の恤】を発動、魔核があるとされる東都に向かったフーヤオを追い、カルラと協力して撃破する。その後、カリンが立候補を辞退したことでカルラの勝利が確定し、天舞祭は終結する。
第5巻
数日後、スピカの扇動で帝都内にいる神聖教の信者による暴動が発生。帝国軍が暴動の鎮圧に臨む中で、ムルナイトは神聖教と逆さ月が共謀していることを突き止める。スピカと和解するために、コマリとサクナ、七紅天になったミリセントは聖都に潜入するが、神聖教の軍隊聖騎士団に見つかり交戦に入ったため失敗。大聖堂地下でトリフォンによる拷問を受けていたヴィルを辛くも救出してムルナイトに帰還するが、別の経路から聖都に潜入した第七部隊は聖騎士団に制圧され、帝都は全勢力を投入した逆さ月によって陥落寸前だった。
コマリとヴィルはそれぞれ烈核解放を発動し、トリフォンと“神殺しの邪悪”としての正体を表したスピカと対峙するが、戦いの最中にコマリのペンダントが破損し、コマリとヴィル、トリフォンの3人は忽然と姿を消す。ムルナイトの魔核の正体は、コマリがユーリンから託されていたペンダントだった。常世と呼称される謎の異空間に転移させられたコマリとヴィルはトリフォンを撃破し、帝都にいる逆さ月の構成員の大半は駆けつけたネリアやカルラの部隊によて一掃、捕縛され、のちに吸血動乱と名付けられる事件は終息する。常世から帰還したコマリとヴィル、カレンの3人は、自分たちを帝都に送り返した人物が、行方不明となっていたユーリンである可能性を考えるようになる。
第6巻
孤立したコマリは、殺人現場に現れた謎の影の後を追った先で、モニクの主治医であるクーヤ先生がモニクを殺そうとする場面に遭遇する。クーヤ先生が逆さ月の残党であり、治癒と偽って神具でモニクの病を悪化させていたことを知ったコマリは、モニクの血を飲むことで【孤紅の恤】を発動しクーヤ先生を退ける。影はコマリにキルティ・ブランと名乗り、常世からこの世に干渉していることを明かす。コマリはキルティから、ユーリンが常世で生きていることや、ユーリンに会うためには困っている人たちを助けて世界を一つにする必要があると教えられる。キルティが去った後、殺人事件が自作自演のドッキリであったことを知らされて安堵したコマリは、友人たちに祝われて誕生日を迎える。フレジールからの帰宅後、コマリは使者としてムルナイトに訪れていた夭仙郷の公主アイラン・リンズから助けを求められ、これに応じる。この時、リンズの従者リャン・メイファの烈核解放屋烏愛染の影響で、コマリはリンズに恋心を抱く。
第7巻
夭仙郷の魔核を狙う軍機大臣ローシャ・ネルザンピが烈核解放童子曲学を使って京師で暴動を起こす。ネルザンピの正体は人類滅亡を企む夕星が率いる組織星砦の一員であり、意志力の研究のためにクーヤ先生やシーカイを利用していた。コマリとリンズはネルザンピを止めようとするが、病状が悪化するリンズにどうすることもできないコマリはネルザンピから夭仙郷の秘密を教えられる。夭仙郷の魔核柳華刀は600年前に既に壊れていたが、愛蘭朝はもとの形を維持するために烈核解放先王の導を代々継承させてきた。魔核に頼れず常に意志力を消費し続ける【先王の導】の担い手たちは早逝し、現在の担い手であるリンズも同じ運命を背負わされていた。コマリが【孤紅の恤】でネルザンピを倒したことで事態は収束し、その後リンズはかろうじて一命を取り留めるが、限界を迎えた《柳華刀》は崩壊する。
第8巻
6年前に生死不明になった幼馴染と同一視してヴィルに特別な関心を寄せるコレットに、コマリが悶々とする一方で、コレットの素性が明らかになる。コレットはムルナイトが和睦のためにアルカへ献上するはずだった巫女姫であり、護送中の事故に乗じてコレットが逃げ出したことで両国の関係が決裂し、アルカ軍はコレットを追いながら他国に侵攻していた。護送車を襲撃して争いのきっかけを作ったのは、星砦のメンバーであるトレモロ・パルコステラだった。
コマリたちはコレットを故郷のルミエール村まで送るが、トレモロが扇動するアルカの兵士によって襲撃される。乱入したスピカによってトレモロは退けられ、村は逆さ月の救助活動で窮地を脱するが、トレモロの策によって重傷を負ったコマリがスピカに連れ去られる。
第9巻
コマリは逆さ月と行動するなかでスピカたちの思想について考え、特にフーヤオを気にかけるようになり、フーヤオも次第にコマリに感化されていく。スピカたちは魔核を見つけるために傭兵たちを利用して探索に臨むが、牢から脱出していたネフティの策で洞窟を爆破されて閉じ込められる。コマリとフーヤオは出口を探す途中で遭遇したトレモロと交戦。負傷したコマリと回収したネオプラスの魔核を仲間に託したフーヤオは、烈核解放反魂呪殺曼荼羅を発動したトレモロを倒した後、意志力が尽きて死亡する。
第10巻
ルクシュミオの扇動によってコマリとスピカがテロリストとして指名手配される一方、コマリはレハイシアでコマリ倶楽部のメンバーと再会する。スピカはレハイシアの魔核を持つ神聖教教皇クレメソス504世を人質にしてコマリたちと尖塔に立て篭もり、残りの魔核を差し出すよう声明を出す。しかしルクシュミオに強行突破され、コマリとスピカは事前に力を封じられていたために、なすすべなく拘束される。後日、コマリたちは民衆の前で処刑される寸前に仲間たちによって救出される。スピカは、ネリアがユーリンから託された2つ、白極連邦のプロヘリヤ・ズタズタスキーが回収した1つ、クレメソス504世が所持していた1つを譲渡され、6つの魔核を揃えるに至る。
スピカが神殺しの塔の封印を解いたことによって、星砦の手に堕ち地獄と化した第三世界から瘴気の獣である多数の匪獣が常世へ送り込まれる。常世中が混乱するなかで、コマリたちは殲滅外装04-《縛》へ瘴気を集めたことで強化されたルクシュミオと交戦、ルクシュミオによって神殺しの塔が破壊され、第三世界につながる大穴が出現する。コマリと協力してルクシュミオを倒したスピカは、地獄への大穴を塞ぐこと、現世と常世を繋ぐ門を創ること、コマリたちを現世へ帰すこと、自分をナチューリアの元へ導くことを魔核に願い、コマリに常世のことを頼んで姿を消す。
第11巻
第12巻
ミリセントはカレンの推薦で七紅天になった際にブルーナイト家の名誉回復を求めていたが、ムルナイトらしい方法としてカレンを倒すことで実現してみせるよう挑発され、以来機会を窺っていた。ある時、歳をとるにつれて平和主義になっていくカレンに不満を持っていた七紅天ペトローズ・カラマリアから、カレンの弱点と密かに回収した《刻》を提供され、計画のために愚者を利用することに決める。
ミリセントは単独でララに接触して偶然適合した《縛》を奪い、《刻》を返してほしければ他の4つの殲滅外装も差し出すよう脅迫する。愚者はコマリの妹のロロッコ・ガンデスブラッドと、白極連邦から派遣された要人ドヴァーニャ・ズタズタスキーを誘拐し、ムルナイト帝国にミリセントの身柄を要求するが、ムルナイト側は逆に3人の愚者の拘束に成功し、人質もコマリたちによって救出される。ミリセントが愚者に指定した期日である新月の夜、ムルナイト宮殿は残る2人の愚者による襲撃を受けて捕らえていた3人の脱獄を許すが、ミリセントから血を飲まされたコマリが愚者を撃退する。その裏でミリセントは殲滅外装による攻撃から宮殿を守るために力を使い果たしたカレンを殺害する。
作中設定
魔核
読みは「まかく」。スピカによると、大昔に神々によって作られた、どんな願いも叶えるアーティファクト。現世と常世に6つずつ存在し、6つ集めることによって所持者の意志を世界に反映させる力を持つ。本来はキラキラと輝く星のような球体で、願いによって形状が変化する。
現世の魔核
現世の魔核が天文台から与えられた本来の役割は、六国の中心に一つずつ存在する常世への扉を封印し、国家の礎として常世の魔力を吸い上げて現世に供給すること。魔核を破壊することによって常世との往来が可能になるほか、6つ以外にも扉は存在し、災害が発生すると一時的にこじ開けられた状態になる。魔核の効果範囲は常世への扉を中心に大地を覆っており、魔核本体が移動しても効果範囲は変化しない。
常世の魔核
種族
吸血種 / 吸血鬼
獣人種
蒼玉()種
翦劉()種
和魂()種
神仙()種
抱影()種
霊音()種
砂朧()種
世界観・勢力
下記の第一世界と第二世界のほか、星砦に掌握された第三世界や第六世界が存在する。
現世 / 第一世界
吸血種のムルナイト帝国、獣人種のラペリコ王国、神仙種の夭仙郷、翦劉種のゲラ=アルカ共和国(後にアルカ共和国へと改称)、蒼玉種の白極連邦、和魂種の天照楽土、以上の六国が存在する。
現代の六国は魔核の恩恵の元で、それぞれの威信をかけて国同士でエンタメ戦争を行なっている。
ムルナイト帝国
七紅天()大将軍
第七部隊
ゲラ=アルカ共和国→アルカ共和国
アルカ王国の滅亡後に共和制に移行し、国名は初代大統領に就任したマッドハルトのファーストネームをとってゲラ=アルカ共和国に改められた経緯を持つ。
その実態は世界の覇権を狙うマッドハルトによる独裁国家で、少しでも反抗する姿勢を見せた者や他国から拉致してきた者を、リゾート施設と偽って核領域に違法造営した夢想楽園の地下に収容し、魔核や烈核解放に関する非人道的な人体実験に利用している。六国大戦にてマッドハルト政権の危険性が六国中に露見し、マッドハルトは蒸発。国名はアルカ共和国に改められ、その後の選挙を経てネリアが大統領に就任する。
魔核の正体は黄金の鞘に包まれた短剣。六国大戦後にネリアの父からネリアへ譲渡される。
アルカ王国
ゲラ=アルカ共和国の前身。最後の国王はネリアの父親。戦争中に妻を神具で失ったことに起因する国王の過剰な平和主義によって、将軍を二英将まで削減するなど軍備縮小が行われたことで、国民の不満を買い、当時の二英将だったマッドハルトがクーデターを起こし、王侯貴族が捕縛・幽閉されたことで滅亡した。
アルカ王国
天照楽土()
魔核の正体は時習鈴()という名称の鈴。天舞祭後にカルラの祖母からカルラへ譲渡される。
夭仙郷()
魔核の正体は柳華刀()という名称の小刀。600年前に壊れて以降は【先王の導】によって機能が維持されていた。柳華刀の完全な崩壊後、神仙種は他国の魔核に登録し、その多くが移住を始めている。
モデルは明から清までの時代の中国。
白極連邦()
ラペリコ王国
核領域
六国新聞
逆さ月
六戦姫
神聖教
天文台
常世 / 第二世界
太陽が2つ存在する、現世とは別次元の異界。
魔核や魔力、魔法の概念が存在せず、烈核解放は単に能力と呼称される。
現世とはほぼ鏡映しになっているとされ、ムルナイト帝国やアルカ王国、天照楽土、夭仙郷、ラペリコ王国、白極連邦に相当する白極帝国を含めた合計42個の国が存在する。
600年前は魔力が豊富だったが、原住民はスピカとナチューリアから教えられるまで魔法の存在を知らず、現世よりも文明が遅れていた。第一世界の戦国時代の終結を図った天文台が常世への扉を開いたことによって侵略を受け、最終的に第一世界の魔核の力で扉を封印され、第一世界へ魔力を供給する養分となるに至った。
その後、再び常世の魔核を集めたスピカの願いによって、神殺しの塔跡地の上空と現世のフレジールの上空をつなぐ大扉が出現し、現世との往来が可能になる。
神殺しの塔
カレード帝国
ルミエール村
ネオプラス
ルナル村
フーヤオはユーリンが村を滅ぼしたと記憶していたが、実際は地中の魔核と夕星に捧げる瘴気の回収を目的としたトレモロとネルザンピが【童子曲学】で幼いフーヤオを操って滅ぼさせていた。その後フーヤオは嵐によって現世に飛ばされ、自分の故郷を魔核のない田舎と認識していた。現世にあるルナル村は存続している。
ポワポワ王国
神聖レハイシア帝国
星砦()
フルムーン
烈核解放
読みは「れっかくかいほう」。この世のあらゆる法則から外れた、ひとたび行使すれば大地を穿ち星をも動かすとされる特殊能力。現世では普段は魔核の魔力によって封じられており、条件を満たすことによって魔核とのパスが切断されて発動するとみなされているが、常世に飛ばされたヴィルからは、実際は発動した結果として魔核とのパスが切断される仕組みになっており、魔核の有無は重要ではないと推測された。
烈核解放の強さは心のありようと関係しているとされる。烈核解放を発動すると瞳が赤色に変化する。
孤紅の恤()
コマリは七紅天就任前に【孤紅の恤】の暴走を3度起こしたため、アルマンによって血が嫌いになるように催眠誘導を施されていた。当初のコマリは【孤紅の恤】発動時は意識がないため、この異能を自覚していなかったが、吸血動乱後は発動中の記憶が朧げながら残っていたために自覚するに至った。
吸血種
魔力は紅色。爆発的な魔力と身体能力を獲得する。
蒼玉種
魔力は白色で、コマリの髪も同様の色に変化する。鋼のように頑丈な肉体と強力な回復魔法および氷結魔法を獲得する。サクナの血を摂取した際には吸血種と蒼玉種の両方の能力を発現した。
翦劉種
魔力は金色。あらゆる武器を生成し操る力と物質を黄金に変化させる力を獲得する。
和魂種
魔力は翠色。森羅万象の時間を加速させる力を獲得する。
神仙種
魔力は虹色で、能力の発動直後に同様の色の衣がコマリの周囲に形成される。長命という神仙種の特性を、不幸が降りかかった際に幸運を呼び込むことによって擬似的に再現する。発動中のコマリの意識は普段と変わらずはっきりしており、他の【孤紅の恤】の重ねがけができる。
獣人種
瘴気を抹消する力と圧倒的な身体能力を獲得する。フーヤオの血を飲んだ際には狐の耳と尻尾が生えた。
吸血種
蒼玉種
翦劉種
和魂種
神仙種
獣人種
パンドラポイズン
アステリズムの廻転()
尽劉の剣花()
逆巻の玉響()
先王の導()
栄花の秋忘れ()
快刀金剛()
心刀滅却()
屋烏愛染()
今昔渡月橋()
増幅する霊宝
大逆神門()
水鏡稲荷権現()
童子曲学()
反魂呪殺曼荼羅()
パラドックスオラクル
神具
電影箱()
思惟杖()
夜天輪()
星彩弦()
光のくす玉
殲滅外装()
刻()
映()
回()
縛()
砕()
剔()
登場人物
声の項は原作PVおよびテレビアニメ版の声優。
主要人物
テラコマリ・ガンデスブラッド
声 - 楠木ともり
本作の主人公。ガンデスブラッド家の次女として生まれた吸血鬼の少女。愛称はコマリ。七紅天の1人でムルナイト帝国軍第七部隊隊長。華燭戦争後は夭仙郷の天子を兼任。六戦姫の1人でもある。第1巻時点で15歳。誕生日は2月18日。烈核解放は孤紅の恤。
嫌いなものは吸血鬼の栄養源である血。そのため「魔法が使えない」「運動音痴」「背が小さい」と、並の吸血鬼よりも能力が劣っている。趣味は読書。将来の夢は小説家。小心者である反面お人好しで正義感が強く、大切な人が窮地に立たされた際には自分より強い相手にも屈しない強さを持つ。好物はオムライス。
名前のテラコマリは、めちゃくちゃ困っている感を名前から出していくために設定された。当初の設定では現在よりもアクティブだったが、変遷を経て引きこもり気質なキャラクターになった。本編のコマリは金髪だが、原案では銀髪だった。
『このライトノベルがすごい!2021』の女性キャラクター部門では第37位、『このライトノベルがすごい!2022』の女性キャラクター部門では第31位になった。
ヴィルヘイズ
声 - 鈴代紗弓
本作のメインヒロイン。コマリのメイドを務める青髪の吸血鬼の少女。愛称はヴィル。ムルナイト帝国軍第七部隊の第一班・工作班の班長で、階級は特別中尉。コマリとは同い年で、第8巻時点で16歳。烈核解放はパンドラポイズン。
コマリをムルナイト帝国の次期皇帝にすることが目的で、基本的にはクールに仕事をこなすが、ややズレた感性の持ち主で、コマリの意に反した行動を取るたびにコマリをやきもきさせている。コマリのことは「宇宙でいちばん愛している」と明言し、「愛情表現」と称して頻繁にセクハラしている。コマリからは「変態メイド」と辟易される一方で、有事の際のサポートの甲斐もあって信頼を得ている。
出身は帝都の下級区とされているが、実際は幼いころに記憶喪失で雷雨の森の中を彷徨っていたところを当時の七紅天クロヴィス・ドドレンズに保護された過去を持つ。帝立学院時代に、ミリセントにいじめられていたところをコマリに助けられたが、代わりに虐められるようになったコマリに何もできなかったことを悔やんでいた。
引きこもりであるコマリを外に引っ張り出すための、コマリありきのキャラクターとして設定された。
サクナ・メモワール
声 - 石見舞菜香
本作のヒロインの1人。七紅天の1人でムルナイト帝国軍第六部隊隊長。母方の祖母が蒼玉種のクォーターで、白い肌に白銀の髪が特徴的な吸血鬼の少女。第2巻時点で16歳。烈核解放はアステリズムの廻転。
魔法の練習中にたまたま七紅天を爆殺したことが下克上と見なされ、ヘルデウスが強く推薦したことによって七紅天に就任した。基本的には気弱だが優しい性格。神聖教の神父だった父の影響で星に詳しく、人の精神構造を星座として捉えることができる。七紅天の先輩にあたるコマリのことを慕っており、良好な関係を築いているが、一方で15体の自作の等身大人形をはじめとした総勢100個のコマリのグッズを自宅に所持するストーカーでもある。
正体は逆さ月のスパイ。幼いころに、オディロンによって家族を神具で惨殺され、家族を取り戻す方法を教えてもらうことを条件に逆さ月の一員となった過去を持つ。それ以来、任務に失敗した罰として「家族」を神具で殺される度に「家族と精神の形が類似した人間を殺し、烈核解放でサクナの家族の記憶を植え付ける」ことによって「家族」を作り直し、表ではオディロンに従いながらも裏では復讐心を燃やしてきた。七紅天闘争後、逆さ月のスパイだったことが公となったため要人暗殺の罪に問われるが、情状酌量により軽罰で済み、「家族」を作り直すこともやめて七紅天を続けている。
ネリア・カニンガム
声 - ファイルーズあい
本作のヒロインの1人。ツーサイドアップにした桃色の髪が特徴の翦劉種の少女。第3巻時点で15歳。八英将の1人でゲラ=アルカ共和国軍第一部隊隊長。六国大戦後はアルカ共和国の大統領。月桃姫の異名を持ち、六戦姫の1人でもある。烈核解放は尽劉の剣花。
アルカ王国元国王(声 - 西垣俊作)の一人娘。幼いころに自分の家庭教師となったユーリンとその娘のコマリに感化されて他者を思いやる心を持つようになり、アルカ王国の滅亡後は、王族としての権利を剥奪され父とも離れ離れになるが投獄は免れ、独裁者となったマッドハルトを打倒しアルカを改革すべく実力で八英将まで上り詰めた。
アマツ・カルラ(天津 迦流羅)
声 - 島袋美由利
本作のヒロインの1人。五剣帝の1人で天照楽土軍第五部隊隊長を務める和魂種の少女。天舞祭後は天照楽土の大神。六戦姫の1人でもある。第3巻時点で15歳。烈核解放は逆巻の玉響。
世間では実力のある将軍として知られており、あらゆる分野で優秀だが、唯一戦闘の才能は皆無であり、親のコネで五剣帝に就任させられた。将来の夢は京いちの和菓子職人で、現在は東都の外れで甘味処風前亭()の店主を務めている。コマリについては、出会った当初はすれ違いによって殺人鬼と誤解するが、天舞祭を通じて互いの事情を知り友人になる。
エステル・クレール
アイラン・リンズ(愛蘭 翎子)
本作のヒロインの1人。夭仙郷の公主で三龍星の1人である神仙種の少女。華燭戦争後は夭仙郷の皇后で、書類上のコマリの嫁。六戦姫の1人でもある。目を合わせただけで相手の心臓を爆発させる魔法を持つと噂されているが真偽は不明。烈核解放は先王の導。
世間知らずで、小物を自認する凡庸な人物。公主としての義務感から夭仙郷を救うために奔走するが、本心では分相応な普通の人生を望んでいた。コマリからはか弱いカテゴリーに入れられているが、将軍なので普通に戦える。華燭戦争で自分や夭仙郷を変えたコマリに好意を抱いている。
常世からの帰還後、とある1件から書類上の結婚相手という関係で終わらせず、コマリとより良い関係を築くためにムルナイト帝国に移住を決意し、現在は帝都で園芸店を営んでいる。コマリに対しては、ヴィルやサクナのような姿勢を取ることはできないと考えつつも、少し過激な人に囲まれているコマリが疲れた時に癒してあげられる存在になれたらいいと思っている。
スピカ・ラ・ジェミニ
本作のヒロインの1人。神殺しの邪悪の通称で知られる逆さ月のボス。吸血種の父親と戦争奴隷だった神仙種の母親の間に生まれたハーフの吸血鬼の少女。金髪をツインテールにし、逆さまの月の飾りがあしらわれた宗教的な衣服を着用する。烈核解放は栄花の秋忘れ。
現世では隠れ蓑として神聖教を利用し、アマツやトリフォンの尽力で第99代教皇ユリウス6世の地位を得ていた。
お転婆で騒々しいが、飄々とした態度で朔月にも本心を見せない。高い身体能力、特に腕力と握力を誇る一方で、古い吸血鬼ゆえに太陽を苦手とし、燃費が悪い体質のため常に血液の飴を携帯している。
その目的は、常世を心の綺麗な者たちだけの楽園にすることであり、そのための犠牲は厭わない。600年前、異種族との間に生まれた子として家で虐げられる日々の中でナチューリアと友人になり、2人で逃げた先の常世で魔法を教えたことによって賢者と呼ばれるようになった。常世からの搾取を目論む天文台との戦いに敗れて第一世界へ追放された後は、扉を封じられた常世へ再び渡るために活動してきた。
ムルナイト帝国
吸血種による国。国家概要はこちら。
七紅天大将軍
ペトローズ・カラマリア
ヘルデウス・ヘブン
声 - 宇垣秀成
七紅天の1人でムルナイト帝国軍第二部隊隊長。神聖教の神父であり、孤児院も経営している。エキセントリックな言動が目立つが七紅天としての実力は本物であり、サクナの烈核解放を無効化している。
サクナの父親とは学院時代からの親友で、彼の家族が逆さ月によって惨殺されたのちに生き残ったサクナを孤児院に引き取った。サクナが逆さ月の構成員としてオディロンに利用されていることを知り苦悩しながらも、自ら復讐を望むサクナを「神とは逆境を跳ねのけようとする心に宿るもの」という信念に従って見守り、サクナと2人きりの時のみ彼女の烈核解放に操られたふりをして、サクナの父親として振る舞い彼女の支えとなるよう努めていた。
フレーテ・マスカレール
声 - 杉山里穂
七紅天の1人でムルナイト帝国軍第三部隊隊長。木耳のように艶やかな髪が特徴的な貴族然とした女性。第2巻時点で20歳。「黒き閃光」の二つ名を持つ暗黒魔法の使い手。「英邁なる七紅天」を自称する通り七紅天であることに誇りを持っており、自他ともに厳しい。
デルピュネー
第七部隊
カオステル・コント
ベリウス・イッヌ・ケルベロ
メラコンシー
ヨハン・ヘルダース
声 - 小林裕介
金髪の吸血鬼の少年。第四班・特攻班の班長で、階級は中尉。火炎魔法の使い手。実力もなくコネによって七紅天になったコマリのことをよく思っていなかったが、ミリセントの事件を経て考えを改める。死亡回数が多く、コマリからは「死神に愛された吸血鬼」と評される。普段のコマリが弱いことを把握しているが、【孤紅の恤】を発動したコマリのことを知らない。
ガンデスブラッド家
その他のムルナイト帝国の人物
カレン・エルヴェシアス
声 - 日笠陽子
ムルナイト帝国の皇帝。第2巻時点で38歳。外見は金髪巨乳の美少女で、何十年も前から姿が変わっていないとされる。「雷帝」の二つ名を持つ雷魔法の使い手。
自由奔放な性格。生粋の同性愛者として知られており、コマリにも頻繁にセクハラしている。人が互いに助け合える世界を作ることを目的としており、そのための力と思想を持っているコマリに目をかけている。
ブーケファロス
声 - 魚建
七紅府の近くの厩舎で管理されている紅竜。幼女趣味で、幼女以外の人間には将軍であっても心を開かない。騎獣を見繕うために厩舎に訪れたコマリに懐き、彼女から「ブーケファロス」と命名される。敏捷性に優れているほか、鉄製の剣をも弾く鱗を持つ。
ゲラ=アルカ共和国 / アルカ共和国
翦劉種による国。国家概要はこちら。
ガートルード・レインズワース
声 - 日高里菜
ネリアのメイド。第3巻時点で15歳。ドジな一面もあるが感情豊かな性格で、いつもニコニコと笑顔を浮かべている。
正体はパスカル・レインズワースの妹。世間に公表されていない八英将の最後の1人でゲラ=アルカ共和国軍第八部隊隊長。アルカ王国の崩壊後に兄の命令でネリアの監視役となったが、虐待をしていた兄と違い自分に優しく接してくれるネリアを慕うようになった。
パスカル・レインズワース
メアリ・フラグメント
ゲラ・マッドハルト
声 - 井上和彦
ゲラ=アルカ共和国の大統領。容姿に特徴のない翦劉種の男。かつてはアルカ王国の二英将の1人だったが、のちに日和見の過ぎた国王に対してクーデターを起こした。
翦劉の伝統を第一とする自国至上主義者で、元首となってからは権力を濫用する独裁的な姿勢によって、次第に国民の反感を買うようになった。ゲラ=アルカによる六国の支配を目論み六国大戦を起こすが、最終的には敗北を認めて蒸発する。
天照楽土
和魂種による国。国家概要はこちら。
峰永 こはる()
レイゲツ・カリン(玲霓 花梨)
アマツ・カヤ(天津 神耶)
夭仙郷
神仙種による国。国家概要はこちら。
クーヤ先生
白極連邦
蒼玉種による国。国家概要はこちら。
プロヘリヤ・ズタズタスキー
声 - 悠木碧
白極連邦六凍梁の1人。六戦姫の1人でもある蒼玉種の少女。第12巻時点で18歳。蒼玉種らしからぬ寒がりで、常に防寒着を着用する。理不尽な暴力や悪意を嫌う、強い正義感の持ち主。烈核解放を持っている。
名前は3巻の執筆時に即席で設定されたものだが、キャラクター自体はメインに絡むことを想定されていた。
ドヴァーニャ・ズタズタスキー
逆さ月
六国の魔核の破壊を目論むテロ組織。組織概要はこちら。
アマツ・カクメイ(天津 覺明)
声 - 中村悠一
カルラの従兄である和魂種の男。朔月の1人で、フルムーンのメンバーでもある。天照楽土の元五剣帝で、大神の密命で逆さ月に潜入した。大神の事情を把握しており、現代のカルラが平穏な未来を迎えるためにコマリの存在を重要視する。烈核解放は今昔渡月橋。
ロネ・コルネリウス
声 - いなせあおい
朔月の1人で、逆さ月の技術部長。白衣を着て眼鏡をかけた翦劉種の少女。自分の研究で世界をどれだけ変えることができるか確かめるために行動する。官能小説の執筆が趣味で、研究費の足しにするためにロネロネ・コリーの名前で商業出版もしている。烈核解放は増幅する霊宝。
トリフォン・クロス
フーヤオ・メテオライト
ミリセント・ブルーナイト
声 - 雨宮天
逆さ月に所属する吸血鬼の少女で、コマリを引きこもりに追いやった張本人。光撃魔法【魔弾】を得意とする。
烈核解放の発現を望む父親(声 - 丸山壮史)とアマツによる虐待同然の修練を課されて荒み、学院で烈核解放を持つヴィルやコマリを劣等感からいじめていたが、事故で【孤紅の恤】を発動したコマリが起こした帝立学院襲撃事件後、アルマンによって大量虐殺罪と国家反逆罪に問われて国外に追放され、アマツの勧誘で逆さ月の構成員となった経緯を持つ。
七紅天になったコマリに敗北した後は牢獄に入れられていたが、カレンが手を回したことによって外出を許可される。以降はブルーナイト家の再興を目的とし、六国大戦の前後で功を挙げて罪を償うよう命じられ、ムルナイト帝国軍第五部隊を率いる七紅天となる。
オディロン・メタル
声 - 稲田徹
七紅天の1人でムルナイト帝国軍第五部隊隊長。威圧感を醸し出している筋骨隆々の巨漢。
正体は逆さ月のスパイでゲラ=アルカ共和国デリストル州にあるアジトの支部長。帝都の下級区出身で、貴族によって家族を失い核領域の荒野で生死の境をさまよっていたところを“神殺しの邪悪”に助けられた過去を持つ。傍若無人な性格で、サクナをはじめとした逆さ月の部下のことも自分の道具としか見ていない。七紅天闘争で素性が公となり、七紅天を解任される。
星砦
人類滅亡を目論むテロ組織。組織概要はこちら。
トレモロ・パルコステラ
天文台
銀盤が第一世界の秩序を守るために創設した組織。組織概要はこちら。
その他の現世の人物
リオーナ・フラット
メルカ・ティアーノ
ティオ・フラット
声 - 水野朔
猫耳の少女で、六国新聞の新人記者。第2巻時点で18歳。においを感じ取る魔法を得意としているが、それ以外の能力は劣っている。コンビを組んでいるメルカにいつも振り回され、退職を視野に入れつつ仕事に努める。リオーナの双子の姉で、自分より多才な妹を嫌っている。
その他の常世の人物
コレット・ルミエール
ヴィルヘイズ・ルミエール
ナチューリア・ルミエール
作風・制作背景
帝国の将軍になってしまった引きこもりの主人公と、主人公を取り巻くキャラクターとのギャップや温度差を描くコミカルファンタジー。作者の小林は本作がゆるふわ+殺伐な空気感になるように心がけている。
大学時代に執筆した前漢の張子房による始皇帝暗殺未遂事件の逸話を再構成した短編小説の感想を受けて、自分の得意分野を把握した小林は「西洋チックで底抜けに明るいライトノベル」として本作の執筆に至る。本作の着想は主人公から始まり、主人公を魅力的に描くために本作のジャンルを決め、周囲の設定は後から固められていった。
吸血種以外の種族や国については、3巻で初めて肉付けされた。作中に登場するどの種族も現実の地球における「別の国に住んでる人」という程度の差異しかなく、本作の吸血鬼も「太陽のもとを闊歩して海でバカンスを楽しんで時と場合によっては十字架でチャンバラをするような吸血鬼モドキ」であり、他作品ほど異形の存在に寄せられているわけではない。
本作に登場するそれぞれの国にはモデルが存在するが、文化風俗はあまり再現されていない、なんとなくのイメージ程度に設定されている。
第5巻までが序盤戦、第6巻が5巻までの後日談と7巻以降のプロローグ、第7巻から第10巻までが中盤戦、第11巻が中盤戦と銀盤戦のつなぎの日常エピソード、第12巻からが銀盤戦となっている。第7巻のエピソードは、当初は第2巻として位置付けられる予定だった。
評価
『このライトノベルがすごい!2021』では、本作が文庫部門で第28位に、新作部門で第17位になった。
既刊一覧
小説
- 小林湖底(著)・りいちゅ(イラスト)『ひきこまり吸血姫の悶々』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、既刊12巻(2023年10月14日現在)
- 2020年1月31日初版第一刷発行(2020年1月11日発売)、ISBN 978-4-8156-0465-3
- 2020年5月31日初版第一刷発行(2020年5月14日発売)、ISBN 978-4-8156-0551-3
- 2020年9月30日初版第一刷発行(2020年9月11日発売)、ISBN 978-4-8156-0743-2
- 2021年1月31日初版第一刷発行(2021年1月14日発売)、ISBN 978-4-8156-0890-3
- 2021年5月31日初版第一刷発行(2021年5月13日発売)、ISBN 978-4-8156-0985-6
- 2021年9月30日初版第一刷発行(2021年9月14日発売)、ISBN 978-4-8156-1203-0
- 2022年1月31日初版第一刷発行(2022年1月14日発売)、ISBN 978-4-8156-1378-5
- 2022年5月31日初版第一刷発行(2022年5月13日発売)、ISBN 978-4-8156-1642-7
- 2022年10月31日初版第一刷発行(2022年10月14日発売)、ISBN 978-4-8156-1643-4
- 2023年1月31日初版第一刷発行(2023年1月15日発売)、ISBN 978-4-8156-1910-7
- 2023年5月31日初版第一刷発行(2023年5月15日発売)、ISBN 978-4-8156-2137-7
- 2023年10月31日初版第一刷発行(2023年10月14日発売)、ISBN 978-4-8156-2138-4
漫画
- 小林湖底(原作)・りいちゅ(キャラクター原案・漫画)『ひきこまり吸血姫の悶々』スクウェア・エニックス〈ビッグガンガンコミックス〉、既刊3巻(2023年11月25日現在)
- 2022年6月23日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-7986-6
- 2023年1月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-8363-4
- 2023年11月25日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-7575-8919-3
テレビアニメ
2023年1月にテレビアニメ化が発表され、同年10月から12月までTOKYO MXほかにて放送された。
スタッフ
- 原作 - 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々』(GA文庫 / SBクリエイティブ刊)
- キャラクター原案 - りいちゅ
- 監督 - 南川達馬
- シリーズ構成 - 大知慶一郎
- キャラクターデザイン - 下谷智之
- サブキャラクターデザイン - 倉橋N濘、阿見圭之介
- プロップデザイン - 高木あゆみ
- アクションディレクター - 高木啓明
- 色彩設計 - 林由稀
- 美術監督 - 葛琳
- 美術設定 - 高橋麻穂
- 撮影監督 - 上條智也
- 3DCG監督 - 濱村敏郎
- 編集 - 丹彩子
- 音響監督 - 高橋剛
- 音響制作 - ビットグルーヴプロモーション
- 音楽 - 椎名豪
- 音楽制作 - DMM.com
- プロデューサー - 岡田昭彦、服部健太郎、松本一貴、木梨美涼、和田卓治、兼光一博、尾山仁康、尾形光広、福井詔雄
- アニメーションプロデューサー - 糀谷智司
- アニメーション制作 - project No.9
- 製作 - ひきこまり製作委員会
主題歌
「Red Liberation」
「眠れない feat.楠木ともり」
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
#1 | 引きこもり吸血鬼、外に出る | 大知慶一郎 | 南川達馬 | のがみかずお |
| 下谷智之 | 2023年 10月7日 |
#2 | 下剋上、勃発 | 髙木啓明 | 竹澤清貴 |
| 阿見圭之介 | 10月14日 | |
#3 | ひきこもり吸血姫の闇 | 南川達馬 | 霜島孝介 |
|
| 10月21日 | |
#4 | 孤紅の | 髙木啓明 | 田中健太郎 |
| 10月28日 | ||
#5 | サクナ・メモワールと七紅天たち | 杉澤悟 | 江副仁美 | のがみかずお | Double Swordsアニメーション | 山口葵央 | 11月4日 |
#6 | 曲者ぞろいの円卓会議 | 大知慶一郎 | 高橋英俊 | 髙木あゆみ |
|
| 11月11日 |
#7 | スカーレット・ステージ | 杉澤悟 | 斎藤徳明 | 田中健太郎 |
|
| 11月18日 |
#8 | アステリズムの廻転 | 大知慶一郎 | 宮澤努 | 竹澤清貴 |
|
| 11月25日 |
#9 | 翦劉茶会 | 斎藤徳明 | のがみかずお |
|
| 12月9日 | |
#10 | アルカ王国のお姫様 | 杉澤悟 | 髙木あゆみ |
|
| 12月16日 | |
#11 | 夢の潰える楽園 | 大知慶一郎 | 藍崎灯 |
| 阿見圭之介 | 12月23日 | |
#12 | 黄金の世界 | 南川達馬 | 田中健太郎 |
|
| 12月30日 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2023年10月7日 - 12月30日 | 土曜 22:30 - 23:00 | TOKYO MX | 東京都 | 製作参加 |
土曜 23:00 - 23:30 | BS日テレ | 日本全域 | 製作参加 / BS/BS4K放送 / 『アニメにむちゅ〜』枠 | |
2023年10月11日 - 2024年1月3日 | 水曜 22:00 - 22:30 | AT-X | 日本全域 | CS放送 / 字幕放送 / リピート放送あり |
2023年10月11日 - 2024年1月4日 | 水曜 3:30 - 4:00(火曜深夜) | 毎日放送 | 近畿広域圏 | 『アニメ特区』第3部 / 最終回放送日時変更 |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト |
---|---|---|
2023年10月7日 | 土曜 12:00 更新 | ABEMAプレミアム |
土曜 22:30 更新 | ABEMA | |
2023年10月11日 | 水曜 0:00(火曜深夜) 以降順次更新 |
|
BD
イベント
TVアニメ「ひきこまり吸血姫の悶々」コマリン親衛隊決起集会
TVアニメ「ひきこまり吸血姫の悶々」スペシャルイベント〜コマリン親衛隊総会〜
特番
TVアニメ「ひきこまり吸血姫の悶々」〜コマリン閣下降臨祝賀パーティー〜
TVアニメ「ひきこまり吸血姫の悶々」〜七紅天闘争編突入記念SP特番〜
TVアニメ「ひきこまり吸血姫の悶々」〜六国大戦編突入記念SP特番〜
コラボレーション
東京 日本橋 三代目たいめいけん
参考文献
原作小説
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2020年1月31日。ISBN 978-4-8156-0465-3。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々2』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2020年5月31日。ISBN 978-4-8156-0551-3。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々3』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2020年9月30日。ISBN 978-4-8156-0743-2。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々4』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2021年1月31日。ISBN 978-4-8156-0890-3。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々5』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2021年5月31日。ISBN 978-4-8156-0985-6。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々6』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2021年9月30日。ISBN 978-4-8156-1203-0。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々7』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2022年1月31日。ISBN 978-4-8156-1378-5。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々8』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2022年5月31日。ISBN 978-4-8156-1642-7。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々9』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2022年10月31日。ISBN 978-4-8156-1643-4。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々10』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2023年1月31日。ISBN 978-4-8156-1910-7。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々11』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2023年5月31日。ISBN 978-4-8156-2137-7。
- 小林湖底『ひきこまり吸血姫の悶々12』SBクリエイティブ〈GA文庫〉、2023年10月31日。ISBN 978-4-8156-2138-4。
雑誌・ガイドブック
- 『このライトノベルがすごい!』編集部 編『このライトノベルがすごい!2021』宝島社、2020年12月6日。ISBN 978-4-299-01056-8。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部 編『このライトノベルがすごい!2022』宝島社、2021年12月9日。ISBN 978-4-299-02264-6。
- 『アニメージュ 2023年9月号』徳間書店、2023年9月10日。ASIN B0CCB3QRFG。
- 『メガミマガジン 2023年11月号』Gakken、2023年9月29日。ASIN B0CJ5TSXRS。
- 『メガミマガジン 2023年12月号』Gakken、2023年10月30日。ASIN B0CLB9ZTZ8。
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