カイバ
以下はWikipediaより引用
要約
『カイバ』は、2008年4月10日から7月24日までWOWOWで放送されたテレビアニメ作品。第12回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品。
概要
映画『マインド・ゲーム』などを手掛けた湯浅政明監督の前作『ケモノヅメ』に続くマッドハウス制作のオリジナルテレビシリーズ第二弾。
記憶がデータ化された世界で、さまざまな肉体に宿りながら人々の記憶をたどっていくSFドラマ。題名の「カイバ」は脳の記憶に関わる器官「海馬」のことを指し、物語はデータ化が可能になった記憶の売買や改ざんなどの犯罪が横行する世界を舞台にしている。
SF色が強いストーリーだが、それをリアルに緻密に描くのではなく、記号的におとぎ話のように展開している。
前作の反省を踏まえ、本作では最初からオチや先の展開を見据えて作っていった。また、反応が良くなかったキャラクターデザインも、アニメーション黎明期のテイストでまとめ、シンプルでソフトな可愛らしさを目指した。キャラクター設定の伊東伸高が最初に描いてきた手塚治虫風のデザインを見て、湯浅も「これなら前作の画風が怖かった人も取っつきやすいのではないか」と判断してそれを認めた。彩色も前作でメインに使ったのは原色の赤と青だったのに対し、本作では派手な原色は使わず、淡い色を使うことで昔のカートゥーンが退色したような雰囲気を出し、アール・ヌーヴォー時代の印刷物を思わせる絵本のような世界観を作り上げている。湯浅自身は可愛らしい、懐かしくオーソドックスな絵だと思ったが、古いアニメーションや手塚作品を知らない人々からは、またも『怖い』あるいは『画がよくわからない』と言われてしまった。
その一方で、構成やストーリーなどには共通点も多い。
あらすじ
記憶のデータ化ができるようになり、肉体の死がもはや死と呼べなくなった世界。記憶はデータバンクに保存され、新しい身体への「乗り換え」や、記憶の売買といったことが可能になり、違法に記憶を改ざん、記憶を盗むことも行われていた。社会は混沌とし、力を失い停滞化していた。そんな世界を主人公カイバは記憶を失ったまま宇宙の星々をめぐり、たくさんの人々と出会い、記憶を取り戻してゆく。
登場人物
カイバ
声 - 桑島法子
主人公。破壊された部屋で記憶を失ったまま目覚める。ネイロの写真が入ったロケットを首から下げている。
突然記憶を狩る兵器「スコンク」に襲われそうになったところを謎の鳥に助けられる。
その後ポポの助言によりパームにボディを売られ、密航という形で簡易型ボディの「カバ」に乗り移り宇宙に旅立った。後に惑星トトで出会った少女クロニコのボディに乗り移り、バニラと旅をする事になる。そして惑星を渡っていく度にネイロとの記憶と自分の記憶を取り戻していき、苦悩していく。
ネイロ
声 - 能登麻美子
ヒロイン。反社会組織「一想団」のメンバー。記憶を失ったカイバと愛し合うこととなる。団のリーダーであるダダを尊敬している。
実は記憶喪失になる以前のカイバとも出会っているが、その時の記憶はある人物によって改竄されている。
ポポ
チェキ
バニラ
声 - 江川央生
宇宙船保安官。地位を利用して影で悪事をしている。
惑星トトに逃げたカイバを追っていたが、クロニコ(のボディに乗り込んだカイバ)に一目惚れしてしまい、カイバを宇宙船に乗せて旅をすることになる。
実は彼の体はボディではなく、生身の体のままである。後に記憶タンク爆破事件の犯人(ゲル)と行動を共にしていたクロニコ(カイバ)を匿っている事を保安局に知られて追われることになってしまい、その途中でクロニコ(カイバ)を守って負傷する。そしてクロニコ(カイバ)を逃がそうと彼女(彼)の記憶をある場所へ転送し、最後は乗っていた船で追っ手の船に特攻をかけ、命を落とした。
クロニコ
声 - 斎藤千和
惑星トトでカイバが出会った心優しい少女。ピンクの長靴がトレードマーク。幼い頃に母を亡くしている。
家計を助けるために記憶を抜いた叔母とその子供たちのために記憶を抜き、ボディを売るが、記憶も体も捨てられてしまう。
捨てられたボディにカイバが乗り込み、バニラと共に旅をすることとなる。
ひょーひょー
キチ
サテ
声 - 甲斐田裕子
「一想団」のメンバー。キチの姉。顔の下半分までたくし上げた長い襟が特徴。
一人称を「俺」とするなど、女性らしさを排除した物言いをする。ポポの腹心。
人形体に内臓を詰め込んだ簡素な身体のため、激しい運動が出来ない。
ダダ
コチュ
バター
ネギ
声 - 玉川紗己子
クロニコの叔母。病死した姉、モカのかわりにクロニコを育てた。とある事故が原因で両腕を失くしている。
家計を助けるために音楽や書物の記憶を売ったが、それによって記憶のなかにあったクロニコとモカとの思い出を忘れてしまった。
そのため次第にクロニコに冷たくなってしまい、遂には自分の子供たちのためにクロニコの身体を売ってしまう。
その後、クロニコの体を売った代金で自分の記憶を買い戻し、再び音楽や書物の記憶を取り戻したが、同時にクロニコと姉との思い出を思い出し、後悔の念に駆られることとなった。
モカ
パッチ & キルト
声 - チョー(パッチ)
カイバが旅した星々のひとつ、アビパの住人。
パッチは、ツギハギだらけの猫の着ぐるみのような姿をしたデザイナー。アビパで数百年間にわたって斬新なデザインのボディを発表し続け、住人からはカリスマ的な人気を誇っているが、当人は、自分たちのオリジナルのボディを始め、自然のものを大切にせずに流行のものばかりを追い続ける住民たちを激しく憎悪している。そのため、自身の発明であるコピー装置を利用して奇怪な姿のボディーをデザイン・量産して、捨てられたボディに代わって住民たちに復讐しようとするが、逆にそれが新たな流行として取り入れられ続けている。さらに、自分自身の記憶容量はすでに限界であり、新しいことを覚えられず、そのため、自身が以前に復讐のために作ったボディのデザインを忘れ、改めて新しい復讐用のボディを作り続けるという、無限に続くループの中で生きている。主なエネルギーは尻尾のコードから取り入れているらしく、しょっちゅうエネルギー切れになって機能停止する。
キルトは、犬のぬいぐるみの姿をしたパッチの助手。流行の移り変わりによって捨てられた無数の犬のボディをつなぎ合わせて生み出された。非常に賢く、装置を操作したり、エネルギー切れになったパッチを介抱したりしている。さらにその目はもともとパッチのものであるため、パッチの見ているものはキルトと共有されている。その記憶チップの中身は、パッチを慕って彼の身の回りの世話をしていた女性のものであり、寿命が近づいた自分の記憶をチップに移し、パッチの手元に放置したものがキルトに入れられた。パッチ自身はその女性の存在を過去の風景の一部程度にしか覚えていない。
キルトをモデルにしたぬいぐるみ(こちらは動かない)も一般に販売され、幼い頃のネイロもそのぬいぐるみを持っていた。
ゲル
コピーワープ
ワープ
チビワープ
スタッフ
- 原作 - 湯浅政明、マッドハウス
- 企画 - 丸山正雄
- 監督・シリーズ構成 - 湯浅政明
- キャラクターデザイン - 伊東伸高
- 設定デザイン協力 - 宮沢康紀
- プロップデザイン - 濱田高行
- 色彩設計 - 谷本千絵
- 美術監督 - 河野羚
- 撮影監督 - 高橋宏司
- 編集 - 寺内聡
- 音響監督 - 百瀬慶一
- 音楽 - 吉田潔
- 音響制作 - ミディアルタ エンタテインメントワークス
- 音楽プロデューサー - 岡田こずえ、尾上政幸
- 音楽制作 - アーティスト・マネージメント・オフィス
- エグゼクティブプロデューサー - 高見澤尚樹、丸田順悟、平山博志、伊豆倉公一
- プロデューサー - 北浦宏之、二方由紀子、田村学、池嶌千晶
- アニメーションプロデューサー - 藤尾勉
- アニメーション制作 - マッドハウス
- 製作・著作 - カイバ製作委員会
主題歌
オープニングテーマ「Never」
エンディングテーマ「Carry Me Away」
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 名はワープ | 湯浅政明 | 伊東伸高 | ||
2 | 密航 | 湯浅政明 横山彰利 |
横山彰利 | 本間晃 | |
3 | クロニコのながぐつ | 伊東伸高 | |||
4 | ばあさんの記憶の部屋 | 三原三千夫 湯浅政明 |
三原三千夫 | ||
5 | 憧れの星アビパ | CHOI EUNYOUNG 湯浅政明 |
CHOI EUNYOUNG | ||
6 | 筋肉質な女 | 高橋知也 湯浅政明 |
高橋知也 JAMIE VICKERS |
高橋知也 | JAMIE VICKERS |
7 | 記憶に残らない男 | 横山彰利 湯浅政明 |
横山彰利 | 伊東伸高 | |
8 | 化けの皮 | 湯浅政明 | CHOI EUNYOUNG | ||
9 | ワープを討て! | 横山彰利 | 伊東伸高 | ||
10 | カイバ | 湯浅政明 | 久保まさひこ | ||
11 | まわるファン | 湯浅政明 | 久保まさひこ | 牧原亮太郎 | |
12 | みんな雲の中 | 湯浅政明 | 伊東伸高 |