ブラスレイター
以下はWikipediaより引用
要約
『BLASSREITER』(ブラスレイター)は、GONZOとニトロプラスが展開し、テレビアニメ・漫画・小説から構成されるメディアミックスプロジェクトの総称である。
概要
アニメ制作会社のGONZOと、当時はアダルトゲームを中心とした制作活動をしていたニトロプラスによる初のコラボレーション作品。テレビアニメ、漫画などメディアミックスで展開されている。特設サイトでは2007年11月下旬よりPVが視聴可能となっている。2008年4月より同年9月まで、テレビアニメが放送された。また、2008年7月には小説版が出版され、同年9月にはメガハウスのACTION WORKSからフィギュアシリーズの発売が開始された。
栄光からの転落と人間不信による葛藤、いじめ・貧困・移民への差別など社会的弱者の苦悩を初め、ハードなストーリーが展開される。
「BLASSREITER」とはドイツ語。英語に直すと「PALERIDERS」で、「青ざめた騎手(騎士)」となる。
あらすじ
近未来のドイツ市街。その街では死体が突如蘇り、異形の融合体「デモニアック」となって生者を襲う謎の事件が勃発していた。そんな中、生者のままデモニアックへ自由自在に変化する者たちが現れる。
彼らはその力を得たために人々から非難と好奇の眼差しで見られながらも、それぞれの思いを胸に悪魔の力を使用していた。しかし、彼らの思いも虚しく刻々と迫って来る残酷な運命、それはデモニアックとなった者たち同士による、命を賭けたバトルロイヤルであった。
登場人物
主要人物
ジョセフ・ジョブスン
声 - 松風雅也、三瓶由布子(幼少期)
デモニアックを狩り続けるハンター。
寡黙で無愛想だが情に篤く信仰心も強い。ブラスレイターとなり堕ちる恐怖と戦いながら、自らと同じように悪魔の力を宿した者たちのために奔走する。
育ての親であるミュラー神父の影響で、手彫りの聖母子像をよく作っている。
元は異民。親は雪の日に孤児院の前で赤ん坊のジョセフを抱きながら死んだ。孤児たちの年長者として、虐げられても気丈に暮らしながら育ての親であるミュラーや恩人であるザーギンを尊敬していた。自らの信念である「どんな過酷な世界でも、命は生きるに値する」とはミュラーの遺した言葉でもある。変わり果てたザーギンを止めることが自らの旅の目的である。
XATからは「ブルー」と通称される。
エンドクレジットには最初に名前が出ているが、厳密には「唯一の主人公」ではなく、数多くの「主要人物の一人」である。
アマンダ・ウェルナー
声 - 伊藤静
XAT第2班に所属する女性。前所属はヘルマンと同じく交通機動隊で、同期であるがXAT着任はヘルマンに先を越されてしまった。担当はアタッカー。ピンク色のストレートヘア(勤務中はアップヘアにしている)と、グラマーな肢体が特徴(XATの制服に胸囲と合うものが無く無理に着込んでいるため、胸元はほぼ常時開放されたままである)。叔母が経営していた孤児院にいたマレクを引き取り弟として育てているが、最近はデモニアックの対応に追われ私生活ですれ違いが多い。
常に沈着冷静であろうと努めているがそれゆえ自己嫌悪に陥ることもある。ちなみに、とんでもない酒豪。
XAT壊滅後は負傷したジョセフを保護。メイフォンたちによりツヴェルフへ連行され、ヴィクターにマレクを盾にされての協力を迫られるが、彼の部下ではなくXATとして協力することを誓う。
15話でシドウが書いた「絆」の漢字は読めず「これは?」と尋ねていたが、21話で折り鶴に書かれた「ペトラ」のという叔母の名前の片仮名は読めている。
エレア
声 - 花澤香菜
ガルムに搭載されている端末を介してジョセフに付き纏う黒い妖精のような姿の少女。美しさを重視する気位の高い性格で「美しくないわ」が口癖(ただし、強壮で禍々しいブラスレイターを美しいと表するなど、特異な美的感覚を持つ)。
当初は正体不明で、デモニアックの力を進んで使おうとしないジョセフに様々な助言を与え、ザーギン打倒の手助けをしていた。物語終盤で妖精のような少女の姿はホログラフィーであり、その実体はツヴェルフのAIプログラム人格であることが明かされる。
自分の意思でガルムを操ることもできる。
ヘルマン・ザルツァ
声 - 三宅健太
XAT第2班に所属する赤毛の男性。前所属は交通機動隊。担当はアタッカー。元々はバイクレーサーで、アマチュアの時分からの親友であるゲルトを尊敬している。普段は冷静だが、ゲルトが絡むと途端に命令無視や暴走が目立つ。密かにアマンダに想いを寄せていたが最後迄告白ができないまま死亡した。
デモニアック化したマレクをゲルトの二の舞にはさせまいとアマンダに協力して奔走する。XAT壊滅時にスケールライダーの爆撃をまともに受けたため、アマンダを逃がし落命したと思われたが、ベアトリスによりブラスレイターとして復活させられた。融合体となった混乱から暴走するも、アマンダの叱責から理性を取り戻しXATの生き残りとして戦うことを決意する。
マドワルド・ザーギン
声 - 諏訪部順一
清廉な雰囲気を漂わせる金髪の美男子。ベアトリスを従え、ヴァイスという白馬に乗っている。ジョセフを試すような物言いが目立ち、その余裕に相応しい圧倒的な力を持つブラスレイター。
かつては医者であり、幼少のジョセフが住んでいた孤児院の危機に医師団と共に駆け付けた人物でもある。市民でありながら異民を全く差別しない正義感の強い性格だったが、市民のリンチによるサーシャの落命から自分の無力さと穢れきった世界に絶望し、豹変。ヴィクターの甘言に乗り最強の力を得た。しかし「世界を統べる」のではなく「世界を変えるために世界を終わらせる」という黙示録の騎士となることを誓いツヴェルフと袂を分かつ。
ベアトリス・グレーゼ
声 - 大原さやか
政府公認のクレルモン・メディカル製薬会社の調査員を名乗る、褐色のグラマーな身体を白衣に包む謎の女性。ザーギンに心酔しており、その命に従ってジョセフの動向を監視している。
選んだ候補者のナノマシンを活性化するために、死体安置所などから調達した遺体をデモナイズして意図的に事件を起こさせ、デモニアック同士を戦わせることで候補者の進化を促す。その一方、ザーギンに特別視されるジョセフには苛立ちを隠さない。
かつては異民であり貴族の家畜の世話をしていた。負傷した老馬ヴァイスの毒殺を命じられたが、それに従えずヴァイスを連れて逃亡したところを貴族の召使いに発見され、ヴァイスは狙撃されベアトリスも暴行を受け、瀕死となる。その際ザーギンに救われ、ヴァイスと共にブラスレイターとなった。
民間人
XAT、ツヴェルフなど、組織に関わらない重要人物たち。
ゲルト・フレンツェン
声 - 石塚運昇
常勝無敗のオートバイレーサーだったが、ジョセフとデモニアックの戦いに巻き込まれて負傷し、下半身不随となって引退した。その後、身体機能を回復する新薬としてベアトリスから与えられた薬を飲み、デモニアックと化す。XATに協力して他のデモニアックを倒したことで一度は英雄として返り咲くが、社会との軋轢やデモニアック化に伴う幻覚症状によって暴走してしまう。ヘルマンの「チャンプ!」という呼びかけに人としての意識を呼び起こされ、マレクからの手紙を受け取ったが、襲い来る幻覚との戦いに限界を覚え、ジョセフに最期を託した。
レーサー時代のゼッケンはNo.46、渾名は「白い風」「不敗のチャンピオン」。チーム「Phoenix(フェニックス)」に所属していた。
マレク・ウェルナー
声 - 皆川純子
アマンダの義弟。14歳。前姓はユルドゥルム。ゲルトの熱烈なファンで、彼がデモニアックになっても崇拝していた。異民であることから同級生によるいじめの対象となり、登校拒否児になる。「悪魔憑き」と罵られ、暴力を振るわれているところをジョセフに救われたが、親友のヨハンを巡る事件で現実に失望。復讐を果たす力を求め、ベアトリスから与えられた薬により、デモニアックと化し同級生を惨殺した。変身後の姿から「イエロー」と通称される。
ザーギンからジョセフを守るために重傷を負っての昏睡後、ツヴェルフに確保される。その症状は脳死に酷似しているが、サーシャはマレク自身が目覚めることを拒否していると見立てる。その後、ベアトリスとヘルマンの決戦中に覚醒し、最終決戦前にザーギンと戦うことで最終決戦までの時間稼ぎに貢献した。
スノウ
声 - 中原麻衣
ベアトリスたちに襲撃された村の生き残りの少女。ジョセフに助けられた際に彼の血液からナノマシンに感染し、ブラスレイターとなる。非常に純粋無垢で健気な性格であり、ジョセフのことを強く信頼している。しかしその純粋さが、ジョセフの罪悪感を更に煽っていた。全編における「ジョセフの罪」の象徴である。
XAT
Xenogenesis Assault Team(異種発生突撃隊)。
デモニアックから市民を守り、一連のデモニアック事件の実態を調査するために設立された組織。軍の特殊部隊と警察の交通機動隊から選出された人材で構成される。 部隊単位は「班」であり、ひとつの班は6名の人員からなる。1班と2班が存在しているが、2班の方が少数精鋭であり、指揮系統は2班の方が上位にある模様。第10話より新たにパラディン部隊の3班が編成された。主な個人武装はFN P90。
支給されるスーツやバイクは、職務内容によりカラーが異なる。携行火器や特殊バイクを用いて狙撃ポイントまで誘導するアタッカーは赤、遠距離から耐甲50ミリ弾などで射撃するスナイパーは緑、全体の指揮を執る隊長やオペレーターは黄。
真の存在理由はツヴェルフの稼動準備が整うまでの時間稼ぎと、陰の存在であったツヴェルフを表舞台に出すため「通常の手段では融合体に対抗できず、サイボーグなどの非人道的テクノロジーの使用もやむなし」と印象付けることである。このことを知る者は、XAT長官でありツヴェルフの管区長でもあるヴィクター以外にはほとんど居ない。
隊長であるウォルフがブラスレイター化、彼の暗躍によって所属メンバーのほとんどが融合体となったため、実質的に壊滅。
最終決戦後はアマンダの尽力で再建され、融合体と化した人々を救済するための組織として活動を再開した。
ウォルフ・ゲイリグ
声 - 立木文彦
XAT隊長。アフリカ系で、大兵肥満という形容が相応しい壮漢。強い意志と優れたリーダーシップで職務を遂行していたが、ジル・ホフマンの事件でのナノマシン感染を機に、人生が大きく狂い始める。ベアトリスに薬を与えられて唆されるまま覇道を夢見た果てに、目を掛けていたXAT第2班を「デモナイズさせて救う」という歪んだ理念に奔走するが、人間として生きることを選んだ部下たちには拒絶されてしまった。その後はベアトリスに協力し、デモニアック軍団を率いて新生XATを名乗り、ツヴェルフと敵対する。
アルビン・ルッツ
声 - 檜山修之
XAT第2班に所属する男性。前所属はGSG-9(ゲーエスゲー・ノイン)。担当はスナイパーで、使用火器は通常の狙撃銃。通称「アル」。逆立った短髪と鼻元にあるバーコード状のタトゥーが特徴。飄々とした性格で、斜に構えたような皮肉な言動が目立つ。しかし嫌味というわけではなく、ブラッドと共に第2班の暴走しがちなメンバーを諫める役割。
XAT壊滅時はナノマシンに感染していた自身より、まだ無事であるアマンダとヘルマンを逃がすべく最後の力を振り絞る。しかし、ウォルフの妄執によって後にブラスレイターとして復活することとなり、蘇生された時点では記憶が喪われた状態でありウォルフに従順だったが、決戦時、アマンダ機のパラディンに書かれている自分とかつての仲間の名前を見て全てを思い出し、アマンダ・ヘルマン側に加担してウォルフを斃し、結果を見てその場から離れたあと自決をした。
ブラッドリー・ギルフォード
声 - 中村悠一
XAT第2班に所属する男性。前所属はアルと同じくGSG-9。担当も同じくスナイパーで、使用火器は対物ライフル。通称「ブラッド」。鷲鼻と目元まで覆う長髪(勤務中はオールバックにしている)が特徴。物静かだが、意外にユーモア溢れる男性で、アマンダに「冗談を言うのね」と驚かれていた。常に着用しているドッグタグと弾丸から成るネックレスは、大切なお守り。死後、ウォルフが復活させようとするも、死体は塵になって消えた。
レーネ・ロザムンデ
声 - 喜多村英梨
新設されたXAT第3班に所属する、切れ長の瞳の女性。とても一途な性格。グリーンに塗装されたパラディン2番機を駆る。GSG-9時代に使用していたコードネーム「Clavier(クラヴィーア)」を、現在でも使用している。ブラッドとはかつてGSG-9のブラボーチームで共に戦い、残弾を幸運のお守りとして交換した仲。
XAT壊滅時はパラディン2番機で融合体掃討の任務に就いていたが、ウォルフに騙されてアマンダたちの前に立ち塞がる。真実を知ってウォルフに立ち向かうも敵わず、逆に融合能力で2番機ごと操られ、ブラッドと対峙。かつてブラッドに託した残弾は、悲しい形で返されることになった。死後はウォルフが復活させようとするも、死体は塵になって消えた。
ツヴェルフ
ドイツ語で「Zwölf(12)」の名を持つ組織。教義に基づく宗教団体ではあるが、経済・軍事団体を統べる巨大な組織。中世の頃より脈々と受け継がれてきたテンプル騎士団が母体。
医療技術や科学技術は最先端かつ強力で、またデモニアックなどの技術の大元でもあり、ヴィクター、メイフォン、エレア、サーシャらが所属している。「神の名の元に世界を支配する」という目標の下、元々は医療目的であったサーシャのナノマシン研究を、サイボーグに次ぐ人体兵器化の軍事研究へと流用し、ある計画を進めるが、組織の一員かつ素体として勧誘したザーギンの反逆に遭う。しかし、計画履行を阻止するザーギン一派と対立しながらも、暗躍は続けている。
XATを設立し、ザーギンを誘き出す餌としたのも組織の意向。ジョセフはザーギンの血によってブラスレイターとなってからは、ガルムとエレアを通じてツヴェルフからの情報を得ながら、ザーギンを追跡していた。
ヴィクター・シュタッフス
声 - 斧アツシ
XATを率いる長官。ウォルフと並ぶほどの巨漢で、髪から髭まで続くライオンのような剛毛が特徴。冷静沈着な面持ちで職務を全うしていたが、XAT長官とは表の顔に過ぎず、裏の顔はベアトリスが「真の敵」と呼ぶツヴェルフの管区長である。かなりの自信家でどす黒い野望に満ちており、政治的な立ち回りに長けてはいるが、実際の戦闘指揮においては不測の事態に対応し切れず、苛立ちを部下にぶつけることが多い。ツヴェルフ本部が多数の融合体に包囲された際、地下コンピュータルームへ進入してきたザーギンによって、強制的にコンピュータと融合させられてしまう。
アポカリプスナイツ
メイフォン・リウ
声 - 遠藤綾
本部から出向してきた、XAT第2班に所属する黒髪の眼鏡の女性。担当はアナライザー。上司であるウォルフと同行することが多いが、それは表の顔に過ぎず、裏の顔はツヴェルフの一員である。サイボーグ化されている身体で「スケールライダー」を駆り、融合体を掃討する。冷徹に任務を遂行するが、XATでは仲間に対する情も一応は持ち合わせていた。
実はヴィクターの孫娘でもあり、彼への想いはとても深い。
サーシャ・ジョブスン
声 - 生天目仁美
若くして奉公に出たため、ジョセフと生き別れた実姉。肌の色は白く、髪は金髪。異民初の生物工学研究者として大学でも一目置かれていた、ザーギンの親友。デモニアックのナノマシンを開発した第一人者でもあることから、罪の意識に苛まれていた。市民のリンチによって一度命を落としたが、人体実験によりサイボーグとして蘇生。「ボウライダー」を駆り、3人の中では司令塔を兼ねる。
なお、ビジュアルファンブック「レコード・オブ・マグナス」にて彼女の本名は「アレクサンドラ・ジョブスン」と記載されている。
シドウ・カサギ
声 - 石塚運昇
「ソードライダー」を駆る、筋骨隆々で大柄な日本人の男性。一見ぶっきらぼうでニヒルな性格に見えるが、実は慈愛に満ちた心温かな人物で、孤児院を運営するアマンダの叔母とも寄付を通じて知り合いであった。元は広島県出身の自衛隊隊員であり、先天性遺伝病の我が子を助けるために自ら進んでサイボーグ化手術を受け、摘出された自身の臓器を我が子へ移植させている。そういった思いから、使命感のあまり自身を粗末にするアマンダを諫める一面もあり、その精神は敵であるザーギンからも敬意を払われるほどであった。
劇中名字を呼ばれることも名乗ることもなかったが、コックピットからの通信などの際に「Shido Kasagi」と表示されることから、その姓はカサギであるものと推定される。
なお、シドウとメイフォンの頭部は見た目には常人と同じだが、サーシャは右目が赤(生身の時と同じ色)、左目が緑色(カメラ付き義眼)のオッドアイであり、左耳部からこめかみ付近まではカバーが装着されているため、一目でサイボーグと判別可能。また、3人とも首などには各自の愛機やコンピュータとのコード接続用に、ソケットが内蔵されている。
一般人
ジル・ホフマン
声 - 佐久間紅美
ゲルトの恋人。利己的かつ享楽的な性格が災いしてマシューと密通を繰り返していたが、その裏切りをゲルトに知られて殺されかけ、マスコミの前で悲劇のヒロインを演じる。デモニアックと化したマシューの血を浴びて研究所に隔離された後、移送中に首の長いデモニアックへとデモナイズ。錯乱して人命を奪ったが、同様に混迷するゲルトに八つ裂きにされた。
マシュー・グラント
声 - 木下浩之
チームPhoenixのチーフ・マネージャー。ジルとは深い関係。オーナーの意向を伏せ、下半身不随のゲルトに解雇を告げて居場所を奪った上、デモニアック退治の英雄として再びマスコミの注目を浴び始めた彼を利用しようと謀ったが、ゲルトの血を浴びて髑髏顔のデモニアックと化し、異形と化した絶望感から自暴自棄となり、ジョセフの説得にも耳を貸さずに倒される。
ヨハン
声 - 水沢史絵
マレクの友達。家族のために度々教会で祈りを捧げる優しい少年だが、いじめっ子のレオ、フィリップ、マークスに脅され、マレクへのいじめに加担してしまう。悔やんでも悔やみ切れない思いから、アマンダにマレク宛の手紙を託した後に自殺した。
レオ、フィリップ、マークス
ミュラー
声 - 広瀬正志
ジョセフの育ての親。極貧の経済状態の中、煙たがられながらも寄付を集めて孤児たちを育てる、寛大な心優しい神父。「どんな過酷な世界でも、生きる意味はある」と、ジョセフたちを励まし続けた。イエーヴァ川の氾濫で帰る所を無くした被災民を、シスターのハンナと共に教会で保護・治療していたが、彼らの世話から来る疲労と極貧の生活で蓄積された長年の心労が祟り、被災民やジョセフたちの無事を神に祈り続けていた最中に息を引き取る。
デモニアックとブラスレイター
「悪魔」「悪魔憑き」とも呼ばれ、忌み嫌われる謎の異形をデモニアックと呼ぶ。さらに、その中でも、特徴的且つ強大な力を持つ者をブラスレイターと呼ぶ。
醜悪な外見と強靭な身体能力、機械や金属と融合して操る能力を持ち、その能力から、XATや政府公式には「融合体」と呼ばれる。従来は死体がデモナイズするものとされていたが、その後に生者がデモナイズする事例が出てきた。デモニアックに遭遇し感染の疑いがある者はXATにより研究所へ運ばれ、隔離先の個室で48時間、発症の過程を観察される。
原因はサーシャが開発したナノマシン「ペイルホース」。デモニアックの血液中のペイルホースは、空気に触れると1分以内に蛋白質が分解消失するために通常の血液検査では検出されないが、デモニアックの血液の直接接触や空気中のペイルホースが分解前に傷口(かすり傷程度でも)を通して人体に入ると急激に増殖し、特定の蛋白質に作用した結果、その身体を融合体に作り変えてしまう。デモナイズ後も元の人格は残るが、変化する際に発熱や咳などの体調不良を伴い、「見るもの全てがデモニアックに見える」などの幻覚に常時苛まれる。
ベアトリスはこれを、金属の肉体を持つ「人類の最終進化形」と称した。ベアトリスの説では、進化の過程であらゆる衝撃や高熱に耐え得る皮膚、宇宙にさえ行ける鋼の身体を得た「選ばれし者」の中から無限の進化と淘汰の果てに、ブラスレイターが生まれるという。
ペイルホースが感染者の遺伝子に干渉し、合計72種の変異パターンのうちどれか1つでも適合する素体は、通常のデモニアックを超える力を我がものとすることが可能なブラスレイターとなる。その72パターンは発見された順に、ゴエティアの悪魔の第1位からの名前を冠し、その暗示である印を後付で組み込んだ。
ペイルホースを死者に注入し72パターンのいずれかに適合した場合、事実上の蘇生が起こる。また、融合能力に加え、明確に思い描いた「ヴィジョン」そのままのものを体から具現化させることが可能(ジョセフの剣などは、その能力の産物である)。ブラスレイターは人間とデモニアックの姿を自由に使い分けられるが、その力を強く行使すればするほど、通常のデモニアックと同じ幻覚衝動や殺人衝動に苦しめられる。
コンピュータなどの電子機器には直接接触での一時融合により、ネットワーク情報を読み取ることが可能。
最初に見つかったバアルが最も理想的とされ、最後に見つかったアンドロマリウスが最も未知数且つ、バアルに対抗できる可能性を持つブラスレイターとされる。
タイプLXXII(72):アンドロマリウス
深い藍色の異形で、形状は人間に近い。また、獣の顔を象った篭手が左手には現れていない。スノウを助ける時に右角を、マレクを救う際には左肩を損傷しており、その部分が欠けている。ツヴェルフから支給されたスーパーバイク「ガルム」と融合し、空を飛ぶことができる。
ジョセフはこのブラスレイターの名の由来である悪魔の「蛇を持っていた」という伝承から、青い光を発する鞭に変形できる湾曲刀(シミター)を武器とし、自在に操る。
ジョセフは類い希なる精神力で暴走を抑制していたが、変身時の精神のリミットを外すことにより、バーサーカーへと進化した。基本色が黒と赤に変じ、延髄の部分から骨のような尾が伸びた異形となり、低級のデモニアックを支配できるだけの力を得た。
真の力の詳細は不明だが、ジョセフの変身体と同じカラーリングのマレク・ブラスレイター(ウァラク:後述)を召喚し共に戦った。他にも、その身に死したゲルトやヘルマンの意識をダウンロードし、擬似的に彼らの肉体となり、マルコシアスやフェニックス(共に後述)の姿に変じた。
タイプI(1):バアル
タイプXIV(14):レライエ
融合強化した愛用の狙撃銃により、超長距離からブラスレイターの装甲を貫通するレーザーを射出することができる。
タイプXXV(25):グラシャ=ラボラス
タイプXXIX(29):アスタロト
低級のデモニアックを指揮することが可能。
タイプXXXI(31):フォラス
低級のデモニアックを使役することが可能。
タイプXXXV(35):マルコシアス
ツヴェルフの新型兵器トリプルシックスと融合した時には、破壊力も機動力も優れた戦闘を見せた。
タイプXXXVI(36):ストラス
タイプXXXVII(37):フェニックス
タイプXXXXVI(46):ビフロンス
タイプLXII(62):ウァラク
タイプLXVIII(68):ベリアル
不明
バアル(ザーギン)を乗せて戦い、老馬ながらもデモナイズした時の走行速度は、ゲルトが駆る666に追随するほど。また、足から雷を放って攻撃することも可能。
メカニック
XATアタッカーバイク
XATスナイパーバイク
XAT指揮車
ガルム
戒厳令下の街でアマンダに職務質問された際、ジョセフはガルムを日本製「四菱ジャパンカスタム」と答えた。
ガルム改
最終決戦の4年後には、XATの遊撃隊長の任を受けたアマンダの乗機となっている。
トリプルシックス
最終決戦の4年後には改修されており、XATに入隊したマレクの乗機となっている。
パラディン
XAT配備機はいわゆるミリタリー風に、ツヴェルフ配備機は白を基調に塗装されているが、一部の機体は個人用配色で塗装されている。ザーギンがツヴェルフ本部へ侵入した際はメイフォンやシドウも使用したが、一矢報いることも出来ずに破壊された。アマンダ専用機は、XAT仕様のカラーリングにヘルマン、アル、ブラッドの名前と、シドウが書き添えた「絆」というマーキングがされている。
アポカリプスナイツ
スケールライダー
ボウライダー
ソードライダー
用語
作中のデモニアックや用語・地名の多くは、聖書や悪魔の名前からの引用が多い。
イシス
異民
作中においては、差別や欲望の捌け口の対象として悲劇的に描かれる傾向が顕著である。現実の難民と状況は変わらない。
テレビアニメ
2008年4月から同年9月まで、独立UHF局で放送された。ハイビジョン制作。
スタッフ
- 原作 - GONZO×ニトロプラス
- 監督 - 板野一郎
- シリーズ構成 - 虚淵玄(ニトロプラス)、板野一郎(D.A.S.T)
- チーフライター - 小林靖子
- キャラクター&メカニカルデザイン原案 - Niθ
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 恩田尚之
- メカニカルデザイン - 石渡マコト(ポリゴン番長)
- プロップ&テクスチャデザイン - イトウケイイチロウ
- セットデザイン - 青木智由紀
- 色彩設計 - 北沢希実子
- 3D監督 - 阿尾直樹
- 美術監督・クリエイティブディレクター - 佐野秀典
- 撮影監督 - 林コージロー
- 編集 - 廣瀬清志
- 音響監督 - 明田川仁
- 音楽 - 日比野則彦
- 音楽制作 - ランティス、フューチャービジョンミュージック、ステイミュージック
- 音楽プロデューサー - 伊藤善之、福士洋介
- エグゼクティブプロデューサー - 上木則安、星野禎、石井徹
- プロデューサー - 永井理、嶋津毅彦
- アニメーション制作 - GONZO
- 製作 - スカパー・ウェルシンク、GDH、東映ビデオ
主題歌
オープニングテーマ
「デタラメな残像」(第2話 - 第14話)
エンディングテーマ
「sad rain」(第1話 - 第11話)
「Separating moment」(第12話)
「A Wish For The Star」(第13話 - 第23話)
挿入歌
「DD」(第5話、第16話)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 絶望の始まり | 小林靖子 | 板野一郎 | 恩田尚之 | |
2 | 栄誉の対価 | 佐野隆史 | 小林利充 | ||
3 | 感染拡大 | 板野一郎 | 遠藤広隆 | 飯島弘也 | |
4 | 包囲網 | 小林孝志 | 小林孝志 遠藤広隆 |
安彦英二 | |
5 | 疎まれし者 | 佐野隆史 | 長岡義孝 | 羽田浩二 | |
6 | 悪魔を憐れむ歌 | 飯田馬之介 | 信田ユウ | 恩田尚之 | |
7 | 憎悪の果てに | 日高政光 | 長岡義孝 | 小林利充 | |
8 | 僕はもう弱者じゃない | 下司泰弘 | Shuzilow.HA | ||
9 | 力の価値、力の意味 | 信田ユウ | 渡辺純子 | ||
10 | 陰謀の中で | 虚淵玄 | 佐野隆史 | 西本由紀夫 | 土屋圭 |
11 | 黙示録の序奏 | 藤森カズマ | 長岡義孝 | 小林利充 | |
12 | 審判の日 | 佐野隆史 | 信田ユウ 吉沢俊一 |
恩田尚之 越智博之 | |
13 | 遠い記憶 | 太田愛 | 藤森カズマ | 友田政晴 | 越智博之 |
14 | 聖者の選択 | 飯田馬之介 | 水森葉月 | 小林利充 | |
15 | 神を讃える千年の騎士 | 虚淵玄 | 日高政光 | 千葉高雪 | 羽田浩二 福島豊明 小島彰 |
16 | 再会 | 佐野隆史 | 長岡義孝 | 渡辺純子 | |
17 | 獣の咆哮 | 吉沢俊一 | 土屋圭 | ||
18 | 第四の黙示 | 太田愛 | 藤森カズマ | 友田政晴 | 越智博之 |
19 | 過去からの想い | 佐野隆史 | 祝浩司 | 海老原雅夫 | |
20 | 黄泉の軍勢 | 小林靖子 | 西本由紀夫 | 小林孝志 | 小林利充 |
21 | 蒼白の騎手 | 藤森カズマ | 信田ユウ | 結城信輝 | |
22 | 届かぬ思い | 虚淵玄 | 友田政晴 | 渡辺純子 | |
23 | 劫火の大地 | 佐野隆史 | 土屋圭 | ||
24 | 約束の地 | 板野一郎 | 吉沢俊一 | 越智博之 恩田尚之 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 備考 |
---|---|---|---|---|
神奈川県 | tvk | 2008年4月5日 - 9月27日 | 土曜 26:00 - 26:30 | |
兵庫県 | サンテレビ | 2008年4月6日 - 9月28日 | 日曜 25:30 - 26:00 | |
千葉県 | チバテレビ | 2008年4月7日 - 9月29日 | 月曜 25:40 - 26:10 | |
埼玉県 | テレ玉 | 2008年4月8日 - 9月30日 | 火曜 26:00 - 26:30 | |
ネット配信 | クラビット・アリーナ | 2008年4月9日 - 10月1日 | 水曜 13:00 更新 | |
日本全域 | AT-X | 2008年4月24日 - 10月2日 | 木曜 11:30 - 12:00 | リピート放送あり |
映像ソフト化
DVD
BD
これを記念し、2015年9月7日1:30(9月6日深夜)からアニマックスで放送開始。HD画質での放送はこれが初となる。
コミック
チャンピオンREDの2008年1月号から2009年4月号まで『BLASSREITER -genetic-』(ブラスレイター -ジェネティック-)のタイトルで連載。
脚本
作画
- BLASSREITER -genetic- 1(発売日:2008年5月20日) ISBN 978-4-253-23351-4
- BLASSREITER -genetic- 2(発売日:2008年10月20日) ISBN 978-4-253-23352-1
- BLASSREITER -genetic- 3(発売日:2009年3月19日) ISBN 978-4-253-23353-8
登場人物(漫画)
スノウ
内向的で惚れっぽく、しばしば妄想に陥りがち。誰かに依存しがちな危うさがある。かつてジョセフの血を浴び、デモナイズして以降数多くの融合体を殺めてきたことや、自分が悪魔であることに強い怯えと後悔を持ち、「罪は許されるのか」としばしば自責する。
テレビアニメ版には第10・18・19話に登場。
ティオ・カミング
リム・ブレッド
レイン
ポプラン・メアット
オリビア
アインベッカー・ディケンズ
レーベン
ヴェルシュ
小説
ブラスレイター ジャッジメント
著者:ゴンゾ、百瀬千代、ニトロプラス。
- ブラスレイター ジャッジメント1(発売日:2008年7月1日) ISBN 978-4-04-473701-6
- ブラスレイター ジャッジメント2(発売日:2008年10月1日) ISBN 978-4-04-473702-3
書籍
- ブラスレイター ビジュアルファンブック レコード・オブ・マグナス(出版社:新紀元社 発売日:2009年5月23日) ISBN 978-4-77-530691-8