あらいぐまラスカル
以下はWikipediaより引用
要約
『あらいぐまラスカル』は、1977年にフジテレビ系列「世界名作劇場」の第3作目として放映されたテレビアニメ作品。アメリカ合衆国を舞台に、少年とアライグマの交流を描く。
制作は日本アニメーションで、全52話が同年1月2日から12月25日まで、毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全放送された。
概要
原作はアメリカ合衆国の作家スターリング・ノース(Sterling North)が1963年に発表した、自らの少年時代を回想した小説『はるかなるわがラスカル(英語版)』(原題:Rascal)。同作品はダットン動物文学賞、アメリカ図書館協会オーリアンヌ賞を受賞し、日本でのアニメ化に先駆けて1969年に本国で映画化もされている(Rascal_(film))。
本作品では主人公である11歳の少年スターリング・ノースと、アライグマ「ラスカル」の友情を主軸に据えつつ、そのラスカルとの出会いから別れまでの1年間にわたって、20世紀前半(原作では1918年 - 1919年)のウィスコンシン州農村地域を背景に、同時代の少年の日常を牧歌的に・または淡々と描写している。また同時に動物と人間との共存の難しさを、成長したラスカルを通して描いている。
アニメオリジナルのキャラクターであるアリスや、アニメオリジナルのエピソードが追加されるなど、前二作と同様に原作とは細かな物語の展開に相違点も見られる。例えば冒頭では猟師は登場せず、スターリングとオスカーは母親アライグマとラスカルの「兄弟」たちの捕獲に失敗し、彼らは逃走している。またスターリングのボクシングや、父親の事業の失敗と引越しなどもアニメオリジナルの要素である。この他、原作では時代背景が第一次世界大戦中に設定されていたことから、スターリングの兄ハーシェルがヨーロッパ戦線に従軍していた他、食糧配給や金属供与などアメリカの戦時下の生活が垣間見える描写があるが、本作品ではいずれもカットされており、兄ハーシェルも本作品には一切登場しない。
本作品が人気を博した影響で、本来日本に生息していないはずの、北アメリカ大陸(北米)原産のアライグマがペットとして大量に持ち込まれた。その後、飼えなくなったアライグマが山などに捨てられて野生化し、農作物への被害やタヌキなど既存の野生動物の生息を脅かすなど害獣化して問題となった。2005年に特定外来生物の指定を受けたため、現在ではアライグマを輸入することも、ペットとして飼うこともできなくなっている。
アライグマに関して
北米の山林地域を原産とするアライグマという動物は、その丸々としてユーモラスな容姿や餌を洗うという興味深い習性からは、想像もつかないほどに気性の荒い動物だとされている。原作においても、主人公の友人がアライグマを捕獲・飼育することは困難で苦労が多いことを指摘している。特に成獣となる頃には、本作品中でも触れられている通り、人間との共存は極めて困難である。本作に影響され実際に飼育し、その経験を『ぜったいに飼ってはいけないアライグマ』(ISBN 978-4652071816)として出版したさとうまきこによれば、噛まれたり引っ掻かれたりといったケガは日常茶飯事だったという。ただし、出産・育児の時期に安全な住処を得る目的でメスのアライグマが人間社会に接近することはある(物語に出てくる、ホテルに住み着いたクレオパトラ親子はこれに該当する)。しかし、アメリカにおいても、アライグマは(日本におけるタヌキ、イタチなど里山の動物に相当する)身近な動物ではあっても、ペットとして飼育する動物ではなく、農業関係者からは害獣とされることが多い。また、原作の舞台となった時代には、既にアライグマが狂犬病を媒介する恐れがあることは知れ渡っており、ラスカルが狂犬病媒介の恐れが無いか確認をするべきだと、ラスカルを学校に連れてきたスターリングにホエーレンが注意するシーンもある。
また頭がよく、閂(かんぬき)程度なら前足を使って器用に開けることも出来てしまうため、前出の野生化問題では様々な被害防止用の仕掛けも徒労に終わるとする報告も出ており、結果的に駆除(捕獲後に誰かに飼われるケースは稀である)する以外では被害を予防する方法は無いとされている。作中でも、周囲の畑にある作物を荒らす被害が出た。
本放送後の展開
後述のように、本放送から四半世紀以上過ぎた今なお再放送が度々行われていることから、日本国内で販売されている関連製品(キャラクターグッズ)も数多い(関連項目の節なども参照)。こうした関連商品の好調は商品化する各社を結束した「ラスカル会」の設立につながった。同会は1998年に設立。会員となった各社共同で商品開発やプロモーションが行われるようになった。
2005年11月、日本アニメーション公認のキャラクターグッズとしてバンプレストから、最終話に登場するメスのアライグマをモチーフとした「ラスカル&ガールフレンド」がリリースされた。このメスアライグマは「リリィ」と命名されており、グッズ内ではラスカルに次ぐサブキャラクターとして展開されている。
2011年、日本アニメーションによる「あらいぐまラスカル」放送35周年記念事業の一環として、新たなキャラクターデザインの「RASCAL little trip」「Toy RASCAL」「まるりんラスカル」が発表された。さらに2017年には「あらいぐまラスカル」放送40周年を記念し、新たなキャラクターデザインの「FLOWERラスカル」も発表された。
2013年1月、LINEのスタンプショップに「あらいぐまラスカル」が登場し人気を集める。本スタンプのためにデザインされたデフォルメキャラクターは、「プチラスカル」(Puchi Rascal)として商品展開も行われている。
2022年、セイコーよりあらいぐまラスカル45周年記念コラボウオッチが販売された。
この他、それぞれの県や観光地をモチーフとした「御当地ラスカル」や、アニメ・ゲーム作品とコラボレーションしたグッズも発売されている。
2015年からは、本作品を含む日本アニメーション制作作品を主体とした子供向けの映画祭「せいせき桜ヶ丘 ラスカル子ども映画祭 with キネコ映画祭」が、日本アニメーション本社所在地の東京都多摩市にて年1回開催されている。また2018年2月には同イベントの開催地で本社最寄駅でもある聖蹟桜ヶ丘駅近辺に、ラスカルのデザインマンホールが設置された。
2023年度には警視庁防犯大使に起用され、2023年5月29日に委嘱状が着ぐるみのラスカルに渡された。
2021年7月26日、東京オリンピックスケートボードで、金メダルを獲得した西矢椛選手と、銅メダルを獲得した中山楓奈選手が、競技後のインタビューで「あらいぐまラスカル」の話をしていたと発言。Twitter上でも「ラスカル」がトレンド入りした他、本作品の公式アカウントより両選手のメダル獲得に対する祝福のコメントとともに、ラスカル史上で初めてとなる「スケートボードに乗ったラスカル」のイラストが、メダル獲得より約2時間で公開された。
あらすじ
動物の大好きな10歳のスターリングはある日、友人のオスカーや飼い犬のハウザーと一緒に、ウエントワースの森の奥へ釣りに出かけアライグマ親子に遭遇する。飼育のために親子をまとめて生け捕りにすることに試みるが、そこに居合わせた猟師が母親のアライグマを射殺。残されたまだ目も開かない幼い子供を、スターリングは家に連れ帰って「ラスカル」と名付けミルクを藁のストローで与えるなど大切に育てる。
やがて無事育ったラスカルは、親友のオスカー、隣家の少女マーサと馬のドニイブルックともよく遊ぶようになり、「スターリングの変わったペット」として近所でも知れ渡るようになる。菓子屋の息子でいじめっ子のスラミーは、人気者のラスカルをうらやみ、ことあるごとにラスカルを譲り渡すよう強硬に迫るが、スターリングはボクシングでこれに対抗したため、一躍、近所の少年らから一目置かれることとなる。鉄道駅の新駅長で越して来た家のお婆さんを助けたことで、この家のアリスという女の子と仲良くなれたりといった出来事も起こったりしている。
だが仲がよく聞き分けもあり、イタズラも程度が知れていたラスカルも、大きくなってくると次第にその行動がエスカレート、近所の畑を荒らしたりするようになり、近所のサーマンさんにひどく憎まれ、射殺すると脅かされる。スターリングは大きな檻を作ってラスカルをその中で飼うことにするが、その後もサーマンさんはラスカルを目の敵にする。
スターリングの身にも辛い出来事が訪れる。病弱だった母親を物語途中で亡くし、またラスカルとの暮らしが1年を迎えた頃に父親の事業が失敗したため、進学のこともあってミルウォーキーの姉の家に行くことになる。スターリングは寂しさをこらえてラスカルを森に返す決心をし、手作りのカヌーを使って、人里へ二度と戻って来られないよう、また猟師に狙われなくて済むよう、森の奥深くにラスカルを連れて入っていった。そして間もなく、スターリングも父親や友人達と別れ、ミルウォーキーへと旅立つ。
登場キャラクター
主要キャラクター
スターリング・ノース
声 - 内海敏彦
本作品の主人公。登場当時、10歳。動物をこよなく愛する少年。素直な性格で物分かりのいい方だが、大好きなラスカルのことになると考えが固執してしまい、頑固な部分もある。温厚な性格だが勇気があり、時には体格の大きいスラミーとケンカしたり、大人に自分の考えを主張することもしばしば。
家では動物を飼っていて、ラスカルの他に犬のハウザー、カラスのポーがいる。趣味は釣りで、4kgもある大きななまずを釣ったこともある(13話)。工作が得意でラスカルの檻を作ったり、自分で作った設計図をもとにカヌーを造っている。
ラスカル
声 - 野沢雅子
ウェントワースの森に母子でいたところ、猟師に母親を殺され、その場に偶然居合わせたスターリングに拾われたアライグマ。名前の意味は「やんちゃぼうず」。ノース家の庭の樫の木にある巣で寝起きしている。数カ月間は放し飼いだったが他人の畑を荒らしたせいで、これ以降外出時は首輪と皮ひもをつけられ、樫の木の周りを檻で囲まれてそこで寝起きすることになる。
とにかく食いしん坊で、スターリングたちが何か食べていると鳴いてせがんで自分も食べたがり、歯磨き粉ですら食べたことがある(第25話)。人間が食べるものはだいたい食べるようで、特に好物は、角砂糖、あめ玉、スッポンガメの卵など。またトウモロコシや蜂蜜を食べた時は、我を忘れてスターリングの制止を聞かないほど夢中で食べまくる。猫舌らしく、熱いものは苦手である(第45話)。
キラキラ光るものが好きで、光るものを見つけると自分の巣に持っていく癖がある。車のようなスピードのある乗り物に乗るのが大好き(第21話)。好奇心旺盛でいたずら好き。頭が良くて手先が器用である。
パイロット版では、ラスカルの色設定は実際のアライグマにより近いものであったが、放映版では目のまわりが白くなり、レッサーパンダに近い色合いとなった。本放送当時発売されていたラスカルのグッズには、このパイロット版の絵柄に準じているものもある。
声優の野沢雅子は、役作りのために動物園に十日間通ってアライグマを観察したものの、鳴き声を聞くことができなかったという。その後テレビにおいて鳴き声をようやく聞くことができたため、それを真似たという。
ウィラード・ノース
声 - 山内雅人
スターリングの父親。55歳。銀行から融資を受けながらいくつかの農場を経営している資産家。物腰が柔らかく温厚な人柄で、滅多なことでは怒らず何事にも寛容的な紳士。家族思いで子どもたちをのびのびと育てていて、スターリングがラスカルについて自分の意見を通そうとする時も優しく諭しており、頭ごなしに叱ったりしない。ギターが弾ける(第16話)。
経営者としての才覚は普通だが、銀行から融資を受けて牧場を買い取り、その牧場を担保にして融資を受けて別の牧場を買い取るという自転車操業状態だったため、洪水によって二つの牧場が閉鎖に追い込まれたことで資金繰りが急速に悪化、一番小さな一つを除いて全ての農場を手放すことになってしまった。
オスカー・サンダーランド
声 - 鹿股裕司
スターリングの友達。スターリングと釣りに出かけたりよく行動を共にしており、様々な状況で助け合うなど熱い友情でつながっている。遊びたい盛りで、父親のハーマンから農作業の手伝いをさせられることに不満を感じていたが、徐々に考えが変わる。特技は、逆立ちで歩くこと(第16話)。
アリス・スティーブンソン
声 - 冨永ミーナ
スターリングの友達。シカゴから引っ越してきた行動的で元気でかわいい女の子。喜怒哀楽の感情表現が豊かである。都会育ちにしては泳ぎがうまく(本人曰く、以前の学校では「クラス一番」)、スケートも上手である。
アリスを含め、スティーブンソン一家は原作には登場しない。
ノース家
サラ・エリザベス・ネルソン・ノース
声 - 香椎くに子
スターリングの母親で、ウィラードの妻。47歳。作中の第1話では既に、家から遠く離れたミルウォーキーの病院に入院している。病院でがんが見つかり、手術をした。スターリングと同じく動物好きで、ハウザーを家の中で飼ったり、退院後に初めて会ったラスカルともすぐに仲良くなったりした。
自宅で療養生活を送っていたが、第13話で病状が悪化し、帰らぬ人となった。
セオドラ・モード
声 - 松尾佳子
スターリングの長姉。既婚。ミルウォーキーに住んでいる。愛車は、スピード・オブ・スターという車。ガブリエルの車とちょっとした衝突事故になった時に短気なガブリエルと口論するなど、意外と勝ち気な性格。
アーサー・モード
ハケット
声 - 麻生美代子
ノース家の家政婦。動物が大の苦手で、怖がっていると同時に動物によって家の中を汚されるのを極端に嫌う。動物絡みに関して言いたいことがあるとウィラードにさえ物怖じせずにはっきり言う。
角砂糖の入ったビンに手をかけたラスカルを止めようとして手に傷を負わされ、病院に運ばれた(第11話)のを最後に姿を見せることなく家政婦を辞めてしまう。
原作版では終盤に登場するクイン夫人に相当する。
サンダーランド家
ハーマン・サンダーランド
声 - 石森達幸
オスカーの父親。オスカーが畑仕事を手伝わないと、罰としてオスカーをムチで叩く厳しい父親(ただし、実際に叩く描写はない)(第02話)。口数は多い方ではなく少々無愛想だが、スターリングがカヌー造りでうまくいかずに悩んでいた時に、オスカーを通じて助言を与えるなど根はいい人。
グレタ・サンダーランド
声 - 野沢雅子
オスカーの母親。冷静で優しい性格。農家で人手が足りないが、人を雇う余裕がないためオスカーに畑仕事を手伝わせることに少々不憫に思っている。まだ赤ん坊だったラスカルの世話の仕方をスターリングに教えてあげた。オスカーによると動物好きで、動物のことなら色々なことを知っているとのこと。
スティーブンソン家
ジェイムス・スティーブンソン
キャサリン・スティーブンソン
クラリッサ・スティーブンソン
声 - 京田尚子
アリスの祖母。ジャムを作るのが得意で、「ジャム作りの名人」を自称している。加えて、クッキーやパイなどのお菓子作りも得意(第50話)。お転婆な女の子がそのまま年をとったような人。年を感じさせないほど元気で活動的、賑やかでそそっかしい性格。特技は、簡単な手品(第16話)。かなりの音痴らしい。
スターリングの学校関係の人物
ホエーレン
声 - 杉山佳寿子
スターリングの学校の教師。家族と離れ離れで、ほぼ父子だけの生活をしているスターリングのことを何かと気にかけてくれている。スターリングについて「(将来は)学問を生かして、世の中の役に立つ人になると思っている」と評価している(第49話)。
スターリングと同様に動物好きで、各自のペットを連れてきて紹介し合う特別授業を開いたこともある。
スラミー・ステルマー
声 - 滝雅也
菓子屋の息子。いわゆるガキ大将で、威張っている。体が大きく意地悪で粗暴で喧嘩っ早いが、大人には弱い。スターリングをライバル視しており、ラスカルをあの手この手で横取りしようと企む。学校でペットを紹介する際にラスカルばかりえこひいきするなと怒ったことも。そのとき、ラスカルが怒ってスラミーの手に噛み付いてしまった。店のキャンディーを盗み食いばかりしていることは父親にバレており、見張られている。意地悪な性格の取り巻きが2人いる。
ノース家の隣人たち
マイク・コンウェイ
声 - 村瀬正彦
スターリングの隣人。彼も動物好きな一面も持っているが、馬好きでスカンクだけは苦手。馬のドニイブルックを飼っている。
基本的には温厚な性格だが、自動車は嫌いで、ガブリエルをライバル視しており、「馬より車の方が速い」と言うガブリエルと口論になったり、競争したこともある。ラスカルのことは気に入っているが、畑を荒らすいたずらに困っている。
マーサ・コンウェイ
声 - 貴家堂子
マイクの娘。年齢は幼い。スターリングを兄のように慕っている。幼さもあってわがままで、少しでも思い通りにならないと「ウワーー!!」と大声で泣きだすため、オスカーからは「うるさいやつ」と嫌われている(第08話)。
ガブリエル・サーマン
声 - 永井一郎
スターリングの隣人。性格は短気でせっかちなため、些細なことにイライラしているせいで不機嫌なことが多い。姪のヘレン・カートの結婚式が、スカンクの悪臭のために台無しにされる。動物嫌いで、ラスカルに自分の畑を荒らされてからことあるごとにラスカルを銃で殺そうとするなど、少々物騒な人物。作中の最初の頃に買った自動車が自慢。乗り始めたものの運転技術はあまりうまくなく、道の途中でガス欠になって止まることも多い。ガブリエルの車は1マイルを1分で走る(第33話)。
原作では牧師である。
フートン
声 - 上田敏也
ノース家の隣にある教会の牧師で、とても温厚な人。カラスのポーが教会の屋根から、お祈りの時などにうるさく鳴くことに困っている。ラスカルが畑を荒らした時や、ガブリエルとマイクの「車と馬」に関する揉め事など、地元でちょっとしたいざこざが起こった時の仲介役となることがある。
ブレールスフォードに住むその他の人
ジム
ガース・シャドウィック
声 - 北山年夫
馬具屋を営む老人。40年間、馬の鞍や乗馬靴などを作っている職人。自身が作る馬具に関して「丈夫でキレイ」と自負している。ラスカルの首輪と皮ひもを作ったり、ドニーブルックが地元の収穫祭のレースに出た時に徹夜で馬車を作り優勝に一役買ったりした。
ソートン・ステルマー
トーマス
マッコイ
ゲイン
声 - 吉沢久嘉
ブレールスフォードに住む町医者。ミルウォーキーの病院から退院後の母親の具合を診たり(第13話)、獣医ではないがスターリングから必死にお願いをされてラスカルを診察した(第41話)。クリスマスイブでも遠いところまで往診へ行くなど親切な医者である。
アッシュ
ヘンリック
カールと叔父さん
カール・マーティ
声 - 野島昭生
スターリングの父・ウィラードの友人であるバート・マーティの息子。ホテルのマネージャー兼雑用係。濃いあごひげを蓄えており、気持ちのいい性格で爽やかな青年。子供の頃は、コシュコノング湖の湖畔の家に住んでいたが、父親の死後おじに引き取られた。現在はおじが経営する、自然豊かな場所にあるホテルで、たくさんの野生の動物に囲まれ過ごしている。カールの「動物にも心があり、人間のように心が分かりあえばどんな動物たちとも仲良くなれる」という考えにスターリングも共感している。
カールの叔父
声 - 塩見竜介
ホテルの支配人。カールによって森の動物達がホテルに近づいてくるようになって、それを目当てにお客さんが増えたことは、喜んでいる。しかし、子熊がホテルの屋根にイタズラした時は、銃を持ち出すなどカールほど動物好きというわけではない。
フレッドおじさんの家族
フレッド・ノース
声 - 大宮悌二
スターリングの父・ウィラードの弟、スターリングの叔父。大きな農場を経営していて、牛や豚などの家畜も飼っている。明るく豪快な性格。力仕事をしていることもあり、大柄な体格。趣味は、動物の剥製を集めること。農家に勉学は必要ないという考え方を持っている。
リリアン・ノース
声 - 杉田郁子
フレッドの妻。気さくな人柄で、気遣いが出来る人。朝は一番早く起きてかまどに火をおこし、夜は家族が寝た後に、フレッドたちが使うランプの火屋(ほや=ランプの火を囲っているガラスの部分)についたすすを掃除するのが日課。
以下の3人はスターリングの従兄弟にあたる。父親とともに3兄弟で、朝4時に起きて朝食を食べて、すぐに数十頭いる牛の乳しぼりをして、2度目の朝食を取り、農場の仕事をしている。
チャールズ・ノース
ウィルフレッド・ノース
アーネスト・ノース
ラスカル以外の主な動物たち
ノース家の飼い動物
ハウザー
エドガー・アラン・ポー(ポー)
その他ブレールスフォードの動物
カールのホテルとその近くに住む動物たち
ホテルのそばに森と湖があり国立森林に接した場所で、猟師に襲われることもないため動物たちが、安心して暮らしている。アライグマ、熊、シカ、ビーバー、キツネ、様々な鳥たちが暮らしており、カールが指笛などで呼ぶと集まってくる。
その他の登場人物
ミッチェル
マーチン・ラッセル
声 - 飯塚昭三
黒人のボクサー。とても強かったが黒人差別ゆえに判定になると負けてしまっていたので、マーチンの勝った試合は全てKO(ノックアウト)である。しかし年には勝てず最近では負けが込んでいる。スラミーにケンカで勝ちたいというスターリングに、ボクシングの初歩的なやり方を教えた。
トム・サーマン
アンナ
声 - 遠藤晴
スティーブンソン一家が以前シカゴに住んでいた時に隣に住んでいたおばあさん。クラリッサの親友。
どうしても孫たちとスリーレイクスの農場へ行くと言って聞かないクラリッサを引き留めるため、ジェイムスに呼ばれブレールスフォードへやってくる。
ギルビィ
声 - 辻村真人
皮細工職人。ヘンリックの店の品物の下請け。妻が他界し、貧しい生活を送っている。ブレールスフォードからやや離れたところに住んでいる。
これまで一度も納品を遅らせたことはなかったが、リッチの病気により仕事が遅れ、ヘンリックが自宅まで取りに来る事態となった。リッチの病気を知ったスターリングに助けられ、お礼に自作の革袋をプレゼントした。
ビリィ
ミック
リッチ
スタッフ
- 製作 - 本橋浩一
- 製作管理 - 高桑充
- 監督 - 遠藤政治、斉藤博(第1話 - 第33話)、腰繁男(第34話 - 最終話)
- 脚色 - 宮崎晃、太田省吾、佐藤嘉助
- レイアウト - 坂井俊一
- キャラクターデザイン - 遠藤政治
- 作画監督 - 小川隆雄、桜井美知代、遠藤政治
- 作監補佐 - 水田めぐみ
- 作画 - 宮崎駿、小田部羊一、篠原征子、富沢信雄、羽根章悦、トランスアーツ 他
- 動画チェック - 前田英美、吉田十色
- 美術監督 - 井岡雅宏
- 背景 - スタジオアクア、ムクオスタジオ
- 彩色 - スタジオロビン
- 音楽 - 渡辺岳夫
- 録音監督 - 浦上靖夫
- 整音 - 中戸川次男
- 効果 - 石田サウンド(現・フィズサウンド)
- 撮影監督 - 黒木敬七
- 撮影 - トランス・アーツ
- 編集 - 瀬山武司
- 現像 - 東洋現像所(現・IMAGICA)
- 協力 - アバコスタジオ、オムニバズ・プロモーション、APU(オーディオプランニングユー)
- 演出助手 - 横田和善、馬場健一、小園井常久
- 制作デスク - 遠藤栄
- フジテレビプロデューサー - 別所孝治
- プロデューサー - 中島順三、加藤良雄
- 企画 - 日本アニメーション株式会社
- 制作 - 日本アニメーション、フジテレビ
主題歌
オープニングテーマ - 「ロックリバーヘ」
1977年の日本コロムビアのゴールデン・ヒット賞を受賞した。
エンディングテーマ - 「おいでラスカル」
放映30周年記念カバー - 「ロックリバーへ」
近江知永4th Single「Happy Days」に収録。
あらいぐまラスカル30周年記念発売 -「To the Rock River ~ロックリバーへ~ 英語版」
英語DVD教材「あそぼう☆おどろうラスカルENGLISH」に収録。
劇場版
1977年7月17日、『東映まんがまつり』内で第12話「本と1セント銅貨」のブローアップ版が上映された。『東映まんがまつり』内で上映された、「世界名作劇場」関連の映画としては同作品が最後である。
同時上映は、 ソビエト連邦(現: ロシア)動画スタジオ作品『世界名作童話 せむしの仔馬』と『惑星ロボ ダンガードA対昆虫ロボット軍団』、『ドカベン 甲子園への道』(TVブローアップ版)、『キャンディ・キャンディ』(同)、『ジャッカー電撃隊』、『大鉄人17 空中戦艦』の計6本。
この他、2005年に『フランダースの犬』『母をたずねて三千里』に続く劇場版の第3弾として制作が決定したが急遽、制作中止になった。
再放送
2010年10月より、CSのキッズステーションにて画角を16:9に引き伸ばしたHDリマスター版が放送された。字幕付きで、スターリングが青色字幕、ラスカルが黄色字幕、それ以外の人物は白色で表記されている。
また2017年6月から9月までテレビ大阪で再放送された際は15分枠のため、1話を前半と後半に分け、全104回に再編集されている。
原作邦訳・音楽集・ノベライズなど
- 『はるかなるわがラスカル』:川口正吉訳で学研から1964年刊行。亀山龍樹訳が角川文庫から1970年に刊行され、のち小学館ライブラリーで復刻。
- 『あらいぐまラスカル うたとおはなし』(LPレコード:日本コロムビア CS-7032、1977年7月 /CD:日本コロムビア COCC-12680、1995年6月)歌8曲と「おはなし」を交互に収録。
- 『あらいぐまラスカル 20th Anniversary Memorial Album』(CD:日本コロムビア COCC-14297、1997年6月)
- 世界名作ものがたり27『あらいぐまラスカル』1977年2月 朝日ソノラマ刊(洋駿太郎 文/木村光雄 絵)
映像ソフト化
- 総集編ビデオ 全4巻(ポニーキャニオン)廃盤
- 総集編ビデオ 全1巻(角川書店、バンダイ)廃盤
- レーザーディスク(LD)LD-BOX 全13枚(TAKARA)廃盤
- レーザーディスク(LD)LD-BOX 全13枚(パイオニアLDC)廃盤
- レーザーディスク(LD)単品 全13枚(パイオニアLDC)廃盤
- VCD TVシリーズ 巻数不明(アポロンクリエイト)廃盤
- DVD 全13巻 1999年3月25日 - 同年6月25日発売。(バンダイビジュアル)発売中
- 完結版ビデオ、DVD 各全1巻(バンダイビジュアル)
- DVD 2007年8月25日発売。初版『あそぼう☆おどろうラスカルENGLISH』 (青春出版社)
ゲーム
- 『あらいぐまラスカル』(1994年3月25日発売、スーパーファミコン、メサイヤ):パズルゲーム
- 『おいでラスカル』(2001年4月25日発売、ゲームボーイカラー、タム)
- 『モンスターストライク』:2014年春から初夏に放映されたCMに起用された。ゲーム内の登場キャラクターとしてもラスカルが起用されている。
- 『ほしの島のにゃんこ』:2016年1月に、同ゲームとのコラボイベントが実施された。