赤い光弾ジリオン
以下はWikipediaより引用
要約
『赤い光弾ジリオン』(あかいこうだんジリオン、Red Photon Zillion)は、1987年4月12日から同年12月13日にわたり日本テレビ系列で全31話が放送されたタツノコプロ製作のSFアニメである。第17話以降は、『赤い光弾ジリオン 激闘編』(あかいこうだんジリオン げきどうへん)にタイトルが変更された。
『ジリオン』のネーミングは、「計り知れない数、膨大な無限に近い数字」という意味を持つ英語の“ZILLION”から転じて、「未知なるもの」という意味に由来する。
作品解説
1980年代のアメリカでは安全にサバイバルゲームができる光線銃に注目が集まり、『フォトン』など光線銃のサバイバルゲーム施設が流行していた。このような流れからセガ・エンタープライゼスが発売していた玩具『超高速光線銃ジリオン』の販促番組である。
セガの光線銃は『ジリオン』放映開始前から販売されていたが、パッケージ・商品名を番組の開始に合わせ変更している。銃や胸に付ける受信センサーのデザインの他、連射が効かない・バッテリー寿命が短いなどのストロボ式光線銃の弱点は、そのままアニメ作品中の演出にも生かされている。番組放映期間中にあったジリオン光線銃の大幅なモデルチェンジの際には、アニメでもこれに対応し、銃を作り直してニュージリオンとするエピソードが登場した。
セガにとっては、初のメディアミックス企画作品である。作中ではセガのゲーム『ファンタジーゾーン』のキャラクターであるオパオパが登場する他、第30話では「SEGA」とロゴが入った『SDI』がモチーフと思しきゲーム機をJJがプレイするシーンもある。
アニメファンの支持も得て、『アニメージュ』主催のアニメグランプリのグランプリ部門では『聖闘士星矢』に次ぐ2位、サブタイトル部門で2位、男性キャラクター部門では主人公のJJが1位、ヒロインのアップルが3位と上位に食い込んでいる。アニメ雑誌5誌による日本アニメ大賞ではファンからの投票で選ばれるファン大賞で、作品賞、男性キャラクター賞、女性キャラクター賞を独占した。この人気で、後述のCD、カセットテープ収録のボイスドラマ、OVAが発売された。
なお、後にセガから発売されたネットワークゲーム『ファンタシースターオンライン』および『ファンタシースターユニバース』では、形状や射撃音がニュージリオンそっくりの「ルビーバレット」という武器がレアアイテムとして登場している。
特徴
本作は、光線銃という小道具が主役メカであるため、白兵戦を売りとするSFアクションアニメとして企画された。さらに青春グラフィティとしての味付けがなされた。
質の高い作画とデザイン、敵味方共に魅力的なキャラクターとその魅力を引き出す演出と脚本、それを支える透明感あふれる音楽、単純な勧善懲悪に終わらせないスピーディーなストーリー展開など、完成度の高さが評価されて1987年当時のアニメ賞を数多く受賞し、OVA化もされた。
本作が激闘編で放送時間が移動されたのは、当時TBS系MBS制作10時前半枠で放送されていた『仮面ライダーBLACK』とぶつかるのを避けるためと言われている。
当初の企画案の中には、少年少女たちが夜の町に集合し、ジリオンバッジを付けるとあのスタイルに変身するという、ガッチャマンへのオマージュを思わせるようなものもあったという。この設定は、当時の放映されたCMにその名残と思しき演出がされている。
サウンド
入江純が作り出す『ジリオン』の音楽は、視聴者と作品との一体感を作り上げる要素として多大な力を発揮した。主題歌シングル以外に発売された音楽盤は当初、サウンドトラック2タイトルのみだったが、ファンからの支持を背景にバラエティに富んだ企画盤が次々と発売された。2枚目の「WHITE NUTS」と4枚目の「お洒落倶楽部」にはパロディドラマが収録。特に「お洒落倶楽部」は、ほぼ全編がパロディで構成された。3枚目の「Let It Rock」は、ホワイトナッツのメンバーがバンドを結成したというイメージで製作された劇中BGMのボーカルバージョン、5枚目の「あぶないMUSIC」は、アップルがパーソナリティを務める架空のDJ番組という企画である。
演出
物語の主題は、圧倒的な戦闘能力で惑星を侵略してくる異星人に対して、特殊部隊の若者たちが死闘を繰り広げるという、シリアスな内容である。「ホワイト・ナッツ」のJJとチャンプのコンビ漫才を始めとして随所に盛り込まれる「お笑い」の要素が緩和剤になっている。
話数
本作は全31話というあまり例のない話数である。これは途中で打ち切られたわけではなく、玩具タイアップのアニメとして当初から予定されていた話数である。放映期間は3クール(37回)で、そのうち6回が傑作選と称する再放送である。
正味の話数もテレビアニメシリーズとしては少なく、都合によりカットされてしまったエピソードも多数存在する。最終回もアップルがJJの頬にさりげなくキスをして終わるという草案があったが、そこまでの馴れ初めを描くには話数が足りずボツになった。
製作体制など
今作の制作にはタツノコプロの本社スタッフは関わっておらず、当時制作デスクの一人だった石川光久がフリー・プロデューサーとして設立した竜の子制作分室が担当している。当時赤字続きで優秀なスタッフがどんどん辞めていくタツノコプロの状況に嫌気が差していた石川は、会社が無難に作ろうとしていた『ジリオン』を凄いものにして会社を見返そうと一念発起した。
そのためには自分が全責任を負う形にしなければならないと考えた石川は、まず親を説得し東京・八王子で農家を営む実家の土地家屋を抵当に入れ制作資金を捻出。そして自らいいと思ったり、仕事仲間から推薦された会社やスタッフを口説き落として回ったという。これらの下準備をわずか1週間で終わらせ、制作を任せてくれるように経営陣と営業に直談判。当初会社は28歳の石川にできる訳がないと拒んでいたが、紆余曲折の末、石川に『ジリオン』の制作が一任されたという。
なお、1話毎の制作費は580万円と、当時の平均的な1話分の制作予算1000万を大幅に下回っていた。全31話という当時の作品としては比較的短いスパンといえど、この低予算でクオリティを保ち続けたのは石川の手腕とスタッフの熱意によるところが大きいといえよう。
その後竜の子制作分室は、キャラクターデザインを担当した後藤隆幸の作画スタジオ「鐘夢(チャイム)」と合併し、有限会社アイジータツノコ(後のProduction I.G)として独立。OVA版『歌姫夜曲』はアイジータツノコ作品として制作された。そのため、本作はタツノコプロ作品であるが、Production I.Gの事実上のデビュー作である。
なお、石川光久自身は、竜の子制作分室の制作ではなく、本当は京都アニメーションの制作だと明かしている。かねてからタツノコプロ作品に動画や仕上げで参加していた京都アニメーションの姿勢を評価していた石川は、ジリオンの制作をある程度京都アニメーションに任せたという。
後にProduction I.G作品『攻殻機動隊』などを通じて世界に知られることになる沖浦啓之や黄瀬和哉などの現在では一線級として名高いアニメーターが本作には多数参加しており、彼らの初期の作風を知ることができる。沖浦と黄瀬は、当時『蒼き流星SPTレイズナー』の作画を担当していたアニメアールの主力原画マンで、『レイズナー』の終了に伴って本作にスライドし、アニメアール班・スタジオ・ムー班の外注スタッフとして作画監督を担当したという。特に沖浦の参加は石川のたっての願いで、オープニングアニメを担当したなかむらたかしからの「任せられるのは沖浦君しかいない」とのメッセージを携えて直々に口説いた。
また、数話のみだが、押井守もタツノコプロ時代の同僚の西久保の依頼により、「丸輪零」という変名で本作に参加しているという。押井守の劇場アニメ作品の制作をProduction I.Gが手掛けるようになったのは、本作が縁となっている。
あらすじ
西暦2387年、「第二の地球」と呼ばれた植民惑星マリスで暮らす人類は、凶悪な宇宙の侵略者ノーザ星人の侵攻により危機に陥っていた。人類の兵器ではノーザ星人の装甲に歯が立たず、火力でも圧倒され、人類の滅亡は時間の問題だった。
そのとき、未知の超文明から3丁の銃が人類にもたらされた。ターゲットを分子崩壊によって消滅させるこの銃は、ノーザ星人に対して唯一の有効な武器であり、神秘の銃「ジリオン」と命名された。マリス防衛軍は、ジリオンを活用して戦局を打開すべく、ジリオンを持つにふさわしい3名のエキスパート/JJ、アップル、チャンプを選抜し、スペシャルチーム「ホワイト・ナッツ」を編成した。
以降、ホワイト・ナッツとノーザ星人の死闘が繰り広げられる。中でもホワイト・ナッツにより敗北を喫せられて以来、JJを宿敵としてつけ狙うノーザ軍指揮官バロン・リックスとの対決は壮絶を極めた。しかし、リックスはJJとの決着が果たされることなく「命の時」を迎えてしまう。「命の時」とは何なのか? リックスによってノーザ星人の悲しき宿命が語られた。
登場人物
特に登場話数を記述していないキャラクターは第1話から登場。
マリス軍
JJ
声 - 関俊彦(タイトルコール及び次回予告ナレーションも兼任)
2371年3月18日生まれ(16歳)、身長168cm、体重53kg、血液型はO型。自称「ホワイト・ナッツのハリキリボーイ」の熱血漢&食いしん坊。スポーツ万能だがすぐに先走ってしまう、せっかちで無鉄砲な一面を持つ。セオリーを嫌い、ノーザ軍のコンピュータでさえ予測不能な、出たとこ勝負での戦闘を得意とする。残弾やジリオンのエネルギー残量の確認を怠る悪癖があり、撃ちすぎていざという時にジリオンが使えずに窮地に陥ることが度々あった。こういった性格ゆえ、対照的なチャンプとはぶつかることもしばしばあった。以前はコヨタベースに所属。後に、本来は参謀本部・戦略部勤務のバード少尉という人物が選抜されるはずが、コンピュータミスによってホワイト・ナッツに選抜されたことが判明。Mr.ゴードの意向により続任となる。このミスについては、科学アカデミーの学者たちが何者かによるシステム介入説を唱えるが、結局は原因不明で終わった。自己申告により決められたコードネームの由来は、本名のイニシャルらしい。
就寝時はパンツを履かない主義。遅刻の常習犯であり、18話の時点で50回遅刻している。人気アイドル・セシルの大ファン。
チャンプ
声 - 井上和彦
2369年8月8日生まれ(18歳)、身長178cm、体重68kg、血液型はB型。マリス軍きっての射撃の腕前を誇るスナイパーで、睡眠時間は4時間で十分と豪語する。ホワイト・ナッツのアタックチームの中では最年長で、チームをまとめる司令塔的存在。洞察力にも長けている。キザでニヒルな女ったらしという反面、プライベートでは密かにレース編みが趣味という一面も持っている。基本的には冷静で余裕のある態度だが、JJと喧嘩となると同レベルにまで崩れる。狙撃時には、ジリオンに飛距離性能を向上させるアタッチメントを装着する。コードネームの由来は、射撃大会などの優勝経験から。原型は、キャラクターデザイン担当である後藤隆幸が作画監督を務めていたアニメ版『光の伝説』の夏川真生。
アップル
声 - 水谷優子
2370年4月13日生まれ(17歳)、身長165cm、体重50kg、血液型はA型。元情報部所属で、いつも張り合うJJとチャンプのまとめ役。JJをも負かす格闘能力とチャンプにも負けない判断力を兼ね備えた「戦う大和撫子」であるが、動物や子供好きで、時折女性らしい優しさに満ちた一面も見せる。戦闘ではオールラウンドプレイヤーだが、激闘編以降は、連射力を向上させるサブマシンガン型のアタッチメントを装着しての接近戦がメインのスタイルとなった。コードネームの由来は、アップルパイ好きからという説が有力。原型は、キャラクターデザイン担当である後藤隆幸が作画監督を務めていたアニメ版『光の伝説』の上条光。
デイブ
声 - 中村大樹
身長175cm、体重85kg、血液型はO型(17歳?)。地味な性格ながら抜群の存在感を持つ、ホワイト・ナッツのメカニック。空輸機ビッグポーターやサブメカの操縦、新兵器の開発、メンテナンス全般を担当する上、ジリオン銃のエネルギーとなるジリオニウムの管理責任者でもある。ホワイト・ナッツのアタックチームに内心憧れていたが、射撃の才能の無さからその夢は諦めていた。代わりにアタックチームのサポートに徹することを決意する。名前の通り肥満児だが、顔の贅肉を除けばかなりの美形に描かれている。
エイミ・ハリソン
声 - 本多知恵子
2371年5月16日生まれ(16歳)、身長155cm、体重46kg、血液型はAB型。Mr.ゴードの秘書官で、ホワイト・ナッツのマスコットガール的存在。ホワイト・ナッツメンバーへの伝令や、作戦時のオペレーターもこなす。性格はやや子供っぽく、泣き虫。時折ホワイト・ナッツのメンバーにコーヒーを振舞うが、影では「泥のようにマズい」と酷評を受けている。本来は一般人である彼女が、なぜ特殊部隊長官の秘書官という極めて重要なポストに就けたのは謎であるが、親類を通じてマリス軍上層部とのコネクションがあったからだという説もある。
Mr.ゴード
声 - 藤本譲
特殊部隊「ホワイト・ナッツ」の長官(48歳?)。バーンスタイン司令長官とは士官学校時代の同期で、主席を争っていた。最終的には自由への道を選び、ホワイト・ナッツの長官に就任。バーンスタインからの指令の下に作戦を立てて、ホワイト・ナッツへ指令を下す役目に回った。最終話直前にはエイミと共に、果敢な空中戦も披露した。葉巻とアナログの腕時計を愛用している。
バーンスタイン
アディ
声 - 神代智恵
【第1話、第22話】
ラニアベースで両親をノーザ兵に殺され、愛犬のエルと放浪中にJJに助けられた、男勝りな女の子。両親の死を認めたくないがためにウソをつくことを覚え、他の子供たちから「ウソつきアディ」と呼ばれるようになってしまう。現在はクリーニング屋のジルの家に居候している。初期設定では、ロコという名前の男の子とされていた。
パトロール兵
JJの戦友たち
【第15話、第16話】
JJがマリス軍の部隊に所属していた頃の戦友4人組。どういった部隊で一緒だったかまでは、特に作中では語られていない。「あのJJを鍛えたのは俺達だ」という言葉通り、兵士としての戦闘能力はかなり高い。ホワイトナッツの援護として、それぞれバズーカ、アサルトライフル、投げナイフなどを駆使してノーザ兵を蹴散らしながら基地に突入し、挙句の果てには窮地に陥ったホワイトナッツメンバーをいとも簡単に救う活躍ぶりを見せる。さらには3人が大苦戦した超音波使いのスペシャルエリーターズを、時限装置つきのナイフ一本であっさり倒している。なお、それぞれのキャラクターの顔は制作スタッフがモデルになっており、準備稿の段階ではかなり本人そっくりに描かれていたという。
ニック
ボー
マッシ
ノーザ軍
ノーザ兵
アドミス
バロン・リックス
声 - 速水奨
P38地区・ノーザ軍マリス攻撃隊総指揮官(推定20歳)。またの名を「狂乱の貴公子」。どんなものでも切断でき、伸縮自在なムチにも変化する特殊金属の剣を携えている。第16話以降は全てを捨てて宿敵JJとの決着に執念を燃やし、そのためなら友軍をも裏切る反逆者となった。孤高の一匹狼的存在。ネーミングの由来はプロレスラーのリック・フレアー。
スペシャル・エリーターズ
ノーザ・ウォーリアーズ
ガードック
声 - 古田信幸、山寺宏一
ノーザ・ウォーリアーズのリーダー格。右手に大きな剣を装着し、左手に鋭い爪を持つ。また、右腕の剣や左手を伸ばして離れた敵を攻撃することができる。憑依能力も持っており、第26話ではマリス軍の兵士の体を乗っ取ってマリス星建国記念式典に潜入した。ネーミングの由来はプロレスラーのディック・マードック。
登場メカ
特に記載が無い場合は、第1話から登場。
ジリオン関連
ジリオン(初期タイプ)【第1話 - 第11話】
ニュージリオン 【第11話 - 】
JJのニュージリオンの開発が成功した後、アップルとチャンプのジリオンもニュージリオンに一新して改造された。JJが拳銃(ハンドガン)型なのに対して、アップルの銃は短機関銃型、チャンプの銃は小銃(ライフル)型と、各人の個性に合わせたカスタマイズが施された。専用アタッチメントを装着してカスタマイズしているので、作戦に応じて取り外して基本型の拳銃型への復元が可能。
ジリオン・バズーカ 【第26話 - 】
ブラックボックス
なお、最終話(第31話)ではブラックボックスの真の能力と意志が明かされることになる。
オパオパ:声 - 本多知恵子
ウパウパ:声 - 滝沢久美子
第24話のオパオパの活躍後、気をよくしたデイブが新たに作ったオパオパの妹分。セガのゲーム『オパオパ』の2Pキャラクターから名前を採っているがカラーリングは大きく異なり、放映当時に発売されていた「オパオパ」の玩具に準じた物となっている。
ビッグポーター
エアロキャリッド
青色塗装の大気圏・宇宙空間両用の航空機。実質的には高速軽輸送・連絡機や軽爆撃機に相当する設計だが、機動性に優れた大気圏内用の制空戦闘機を持たないノーザ軍に対しては「戦闘機」として十分通用する。ビッグポーターで近づけないような場所への移動、空中戦などに使用される。航続距離が他のキャリッドに比較して長い、ビッグポーターに合体せずに単体での運用も可能。ビッグポーターでの運搬時は、主翼・尾翼を折り畳んだ状態で収納され、空中での分離・合体が可能。最大速度マッハ3.8(高空にて)。
アクアキャリッド
黄色塗装の潜水艇で艇首を開いてトライチャージャーを揚陸・回収可能な揚陸艇としての機能を併せ持つ。惑星マリスの地表は60%が水面であるため、活動の幅は幅広い。ビッグポーターでの運搬時は両側の推進機を折り畳んだ状態で収納。最大航行速度は、海上103ノット/水中68ノット。滝を登る能力も持つ。激闘編以降は出番は減少。
ランドキャリッド
ライディングセプター
トライチャージャー
デイブが開発した三輪オートバイ(トライク)型のバギー。ラインディングセプターよりも悪路に強いバギー形態(最大時速310km)と、身体の一部を解放型とした戦闘強化服に変形するアーモレーター形態、アーモレーターの状態で正座形態になり後輪で走行する中間形態(ニーリング形態)の3形態に変形可能。なお、中間形態は設定画や変形玩具の箱絵や説明書でも紹介されたが、劇中では未登場。アーモレーター形態の場合はジリオン銃を使用不可能だが、短時間の空中飛行が可能で白兵戦における機動性、及び搭乗者の装甲による防護性能は格段に向上し、その能力は拳銃程度の小火器では傷一つ付かない装甲を誇りノーザ軍歩行メカのノーザレイカーを格闘パワーで圧倒するほどである。第14話ではJJが、三輪オートバイ(トライク)のまま、アーモレーター形態時用の手首だけを出して、窪みにはまった従軍看護婦「セシル」の運転する医療車両を押し上げるという器用さも見せてくれた。ちなみに、第7話でJJはこのトライチャージャー1輛で、副官ドランの小隊を壊滅させている。
ヘッドギア
ノーザ軍側
ノーザ・レイカー
スタッフ
- 製作 - 九里一平
- 企画 - 嶋村一夫、井上明
- 文芸構成 - 関島真頼
- 設定協力 - 伊東恒久
- キャラクターデザイン - 後藤隆幸※
- オープニング - なかむらたかし
- メカニックデザイン - アンモナイト (デザイン集団) (小川浩、大倉宏俊、小野隆嗣)
- 音楽 - 入江純
- 美術監督 - 多田喜久子
- 撮影監督 - 橋本和典、古橋一太、森田俊昭
- 制作プロデューサー - 石川光久
- プロデューサー - 武井英彦、大野実、岩田弘
- チーフディレクター - 西久保瑞穂
- オープニング作画・メカ作監 - 中村勝
- 美術担当 - 田原優子
- 編集 - 三木幸子、吉田千尋
- 録音ディレクター - 清水勝則
- 音響効果 - 野口透・井上裕(アニメサウンドプロダクション)
- メカデザイン協力 - 青井邦夫
- 制作協力 - 竜の子制作分室、京都アニメーション、八田英明、I.Gタツノコ
- 協力プロダクション - タマプロダクション、きのプロダクション
- 制作 - タツノコプロ
補足事項
※第1話登場のメインキャラクター、サブキャラクターのみ。以降は各話の作画監督が担当。
主題歌
オープニングテーマ「ピュアストーン」
エンディングテーマ
「Push!」(第1話 - 第20話)
「Rock Candy」(第21話 - 第31話)
各話リスト
話数 | 放送日 |
サブタイトル | 脚本 | コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1987年 4月12日 |
コードネームはJJ | 伊東恒久 | 西久保瑞穂 小林哲也 |
小林哲也 | 後藤隆幸 |
第2話 | 4月19日 | 頭上の敵をうて! | 丸輪零 | 五月女有作 | 浜崎博嗣 | |
第3話 | 4月26日 | チャンスは0.1秒! | 山崎晴哉 | 綴爆 | 渡辺章 | |
第4話 | 5月3日 | 姿なき忍者部隊のわな | 伊東恒久 | やまざきかずお | 小林哲也 | 水村良男 |
第5話 | 5月10日 | アップル命令違反!? | 渡辺麻実 | 古川順康 | 五月女有作 | 井口忠一 |
第6話 | 5月17日 | 発進トライチャージャー | 山崎晴哉 | 石山タカ明 | 小林哲也 | 浜崎博嗣 |
第7話 | 5月24日 | 死闘! JJ対リックス | 伊東恒久 | 綴爆 | 水村十司 | |
第8話 | 5月31日 | 海底基地をぶっとばせ! | 渡辺麻実 | 貞光紳也 | 五月女有作 | 水村良男 |
第9話 | 6月7日 | ぬすまれたジリオン | 山口直樹 | 殿勝秀樹 | 井口忠一 | |
第10話 | 6月14日 | 炎! リックスの逆襲 | 伊東恒久 | やまざきかずお | 栗山美秀 | 松本勝次 |
第11話 | 6月21日 | 新ジリオン誕生! | 貞光紳也 | 浜崎博嗣 | ||
第12話 | 6月28日 | 撃て! トリプルシュート | 山崎晴哉 | 綴爆 | 五月女有作 | 沖浦啓之 |
第13話 | 7月5日 | 怒れシャッターチャンス | 渡辺麻実 | 小林哲也 | 水村良男 | |
第14話 | 7月12日 | 戦場のナイチンゲール | 伊東恒久 | 貞光紳也 | 井口忠一 | |
第15話 | 7月19日 | 生か死か!? 宿命の対決(前編) | 山崎晴哉 | 丸輪零 | 岡田聡 | 松本勝次 |
第16話 | 7月26日 | 生か死か!? 宿命の対決(後編) | 綴爆 | 浜崎博嗣 | ||
赤い光弾ジリオン 激闘編 | ||||||
第17話 | 9月6日 | 涙! JJをさがせ | 渡辺麻実 | 山口直樹 | 殿勝秀樹 | 沖浦啓之 |
第18話 | 9月13日 | ノーザの美しき挑戦 | 伊東恒久 | 小林哲也 | 水村良男 | |
第19話 | 9月20日 | 勝負! コインを投げろ | 山崎晴哉 | 貞光紳也 | 井口忠一 | |
第20話 | 9月27日 | 失恋パワーでけちらせ | 渡辺麻実 | 綴爆 | 栗山美秀 | 松本勝次 |
第21話 | 10月4日 | 激突! ザ・スナイパー | 小山高男 | 五月女有作 | 水村良男 | |
第22話 | 10月11日 | ウソから出た大勝利! | 山田隆司 | 殿勝秀樹 | 沖浦啓之 | |
第23話 | 10月18日 | 恐怖! 魔のバイオ兵器 | 伊東恒久 | 小林哲也 | 黄瀬和哉 | |
第24話 | 10月25日 | 大冒険! 戦士オパオパ | 渡辺麻実 | 貞光紳也 | 井口忠一 | |
第25話 | 11月1日 | 優しき逃亡者アップル | 山田隆司 | 山口直樹 | 高木真司 | 水村良男 |
第26話 | 11月8日 | しのびよる復讐鬼! | 山崎晴哉 | 綴爆 | 岡田聡 | 松本勝次 |
第27話 | 11月15日 | 非情の反逆者リックス | 渡辺麻実 | 殿勝秀樹 | 沖浦啓之 | |
第28話 | 11月22日 | 神秘!? ジリオンパワー | 貞光紳也 | 小林哲也 | 黄瀬和哉 | |
第29話 | 11月29日 | 壮絶! リックス死す!? | 伊東恒久 | 綴爆 | 岡田聡 | 松本勝次 |
第30話 | 12月6日 | 惑星マリス絶体絶命! | 殿勝秀樹 | 井口忠一 | ||
第31話 | 12月13日 | 勝利のラストシュート | 西久保瑞穂 | 水村良男 |
放送局
- 日本テレビ(制作局) - 日曜日 10:00 - 10:30 → 10:30 - 11:00
- 札幌テレビ - 日曜日 8:30 - 9:00
- ミヤギテレビ
- 福島中央テレビ
- テレビ新潟
- 静岡第一テレビ
- 福井放送 - 水曜日 17:00 - 17:30(1987年7月15日より放送)
- 中京テレビ 金曜日 17:00 - 17:30 → 日曜日 10:00 - 10:30
- よみうりテレビ 金曜日 17:00 - 17:30 → 日曜日 10:30 - 11:00
- 日本海テレビ
- 広島テレビ日曜日 10:00 - 10:30 → 10:30 - 11:00(最終回以降の傑作集は別枠)
- 西日本放送
- 福岡放送
- くまもと県民テレビ
OVA
『赤い光弾ジリオン 歌姫夜曲(バーニング・ナイト)』
ジリオンキャラクターによる、テレビ版とは設定の異なるスピンオフ作品。本編におけるノーザ星人の各キャラクターは、新たにデザインされた人間としての登場人物に置き換えられている。参加したキングレコードの大月俊倫は、アメリカ映画『ストリート・オブ・ファイヤー』のパロディーのような作品と表現している。
キャスト (OVA)
- JJ - 関俊彦
- チャンプ - 井上和彦
- アップル - 水谷優子
- リックス - 速水奨
- アドミス - 沢田敏子
- ガードック - 塩沢兼人
- ソラー - 富沢美智恵
- ナバロ - 安西正弘
- ゴード - 藤本譲
- エイミ - 本多知恵子
- デーブ - 中村大樹
スタッフ (OVA)
- 脚本・監督 - 西久保瑞穂
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 後藤隆幸
- メカデザイン - アンモナイト
- 作画監督 - 武田一也、黄瀬和哉
- 美術監督 - 多田喜久子
- 色彩設定 - 遊佐久美子
- 特殊効果 - 村上プロジェクト
- 撮影監督 - 横山幸太郎
- 音響監督 - 清水勝則
- 文芸協力 - 岩田弘・関島眞頼
- 音楽 - 入江純
- 制作協力 - I.Gタツノコ
- 制作 - 竜の子プロダクション
- 製作 - キングレコード
主題歌 (OVA)
オープニングテーマ「嘆きのKIDS」
エンディングテーマ「さよならの街角」
挿入歌
「僕に翼を」
「黄昏どきのハートには」
「フリーディア」
「ラブソングはお前に」
関連商品
- LD「赤い光弾ジリオン Vol.1」~「同 Vol.8」
- DVD「赤い光弾ジリオン DVD-BOX Vol.1」「同 Vol.2」
- Blu-ray「赤い光弾ジリオン Blu-ray-BOX」
- VHS/Beta「赤い光弾ジリオン 総集編 JJ対リックス 宿命の対決」 Hi-Fi STEREO(一部モノラル) COLOR 48MIN
- VHS/Beta「赤い光弾ジリオン 総集編 チャンプ&アップル ファンタスティック・メモリーズ」 Hi-Fi STEREO(一部モノラル) COLOR 45MIN
以上、バップ(Vap)より発売。
- LP/CD/TAPE「赤い光弾ジリオン 音楽編」サウンドトラック
- LP/CD/TAPE「赤い光弾ジリオン WHITE NUTS」サウンドトラック
- LP/CD/TAPE「赤い光弾ジリオン Let It Rock」アレンジバージョン
- LP/CD/TAPE「赤い光弾ジリオン お洒落倶楽部」パロディドラマ
- LP/CD/TAPE「赤い光弾ジリオン あぶないMUSIC」サウンドトラック
- VHS/Beta/LD ミュージックビデオ「赤い光弾ジリオン エイミ ペンギンズ・ダイアリー」シーン別総集編
以上、スターチャイルドレコード(キングレコード)より発売。
- ボイスドラマ『アニメイトカセットコレクション 赤い光弾ジリオン シークレットパーティ』
- ムービック発売。カセットテープで発売されたコメディ調のボイスドラマ。
- Mr.ゴードの誰も引っかからないような作戦に見事おびき寄せられたリックス。JJとリックスのおバカ対決が始まった!
- 光線銃「ジリオン」(コード付きの旧型、およびコードレスタイプの新型)
- 「サウンドスコープ」
- 「ジリオンバズーカ」
- セガ・マークIII用ゲーム「赤い光弾ジリオン」
- セガ・マークIII用ゲーム「トライフォーメーション」
- フィギュア・プラモデルなど
- 主役3人の可動式フィギュア。Jr.アクションシリーズを除く、ライディングセプター、完全変形トライチャージャーにそれぞれを搭乗させることが出来た。
- ビッグポーター
- エアロキャリッド
- アクアキャリッド
- ランドキャリッド
- ライディングセプター
- 完全変形トライチャージャー
- Jr.アクションシリーズと呼ばれる、バギー形態とアーモレーター形態の2種別売りのトライチャージャーの廉価玩具。それぞれプルバック式走行とぜんまいばねによる歩行が可能。
- Jr.アクションシリーズによるライディングセプター。プルバック式走行が可能。
- Jr.アクションシリーズによる、オパオパとウパウパ
- Jr.アクションシリーズによる、ノーザ・レイカー。ぜんまいばねによる歩行が可能。
ムービック発売。カセットテープで発売されたコメディ調のボイスドラマ。
Mr.ゴードの誰も引っかからないような作戦に見事おびき寄せられたリックス。JJとリックスのおバカ対決が始まった!
主役3人の可動式フィギュア。Jr.アクションシリーズを除く、ライディングセプター、完全変形トライチャージャーにそれぞれを搭乗させることが出来た。
ビッグポーター
エアロキャリッド
アクアキャリッド
ランドキャリッド
ライディングセプター
完全変形トライチャージャー
Jr.アクションシリーズと呼ばれる、バギー形態とアーモレーター形態の2種別売りのトライチャージャーの廉価玩具。それぞれプルバック式走行とぜんまいばねによる歩行が可能。
Jr.アクションシリーズによるライディングセプター。プルバック式走行が可能。
Jr.アクションシリーズによる、オパオパとウパウパ
Jr.アクションシリーズによる、ノーザ・レイカー。ぜんまいばねによる歩行が可能。
以上、セガ(後のセガトイズ)より発売。
設定資料・ムックなど
- 書籍「赤い光弾ジリオン99の謎」(アニメディア'87年10月号第1付録)
- 書籍「別冊アニメディア 赤い光弾ジリオン 完璧版」
- 書籍「アニメV別冊 赤い光弾ジリオン 歌姫夜曲」
以上、学習研究社(学研)より発売。
- ジリオン・クリエーションズ 設定資料集(キャラクター編)
- ジリオン・クリエーションズ2 設定資料集(キャラクター&メカニックス&武器類&背景 編)
以上、株式会社ムービック(英語 Movic)より発売。
その他、文房具がアニメイトやセイカノート(後のサンスター文具)から発売された。
備考
- マイケル・ジャクソンは日本のアニメなどに造詣が深かったが、本作は特にお気に入りの一つで、実際「Scream」のPVでは、JJがワンカット登場している。
- 本作の情報は講談社の『コミックボンボン』、『スーパーボンボン』、『テレビマガジン』、『たのしい幼稚園』の各誌で掲載。岩田和久による漫画化・絵巻物化もされている。
- 超高速光線銃ジリオンの初期型フォルムは、セガ・マスターシステム用の光線銃「Light Phaser Gun」に流用され発売されたが、日本では未発売となっている。
- MORPG『ファンタシースターオンライン』『ファンタシースターユニバース』において「ルビーバレット」の名称で、ジリオンが激レアのハンドガン装備品として実装された。
- コンピュータRPG『デビルサマナーソウルハッカーズ』では、ジリオンが「ジリオニウムガン(銃)」の名称で実装された。
- 後に放映された『超音戦士ボーグマン』の作中にも、登場キャラクターの使用する銃にニュージリオンと同じデザインの銃が登場している。スポンサーが同じSEGAであることや、メンバーが男性2人、女性1人という点など、『ジリオン』との共通点も多く含まれているが、『ボーグマン』のキャラクターデザインを担当した菊池通隆は、後にスポンサーが同じとはいえ、ジリオンと同じデザインの銃を描くのは辛かった由の発言を自身の画集「The Next Generation 菊池通隆画集」で述べている。
- 『NG騎士ラムネ&40EX2 ユラユラ銀河帝国大混戦!』のアップル・ティの名前とデザインは本作のアップルを模しており、担当声優はアップルと同じ水谷優子。
参考文献
- 梶山寿子『雑草魂 石川光久 アニメビジネスを変えた男』ISBN 4822220648 日経BP社、2006年、pp.94-101
- 魂の仕事人 石川光久 人材バンクネット