ドラゴン騎士団 (漫画)
以下はWikipediaより引用
要約
『ドラゴン騎士団』(ドラゴンきしだん)は、押上美猫による代表作で、ファンタジー漫画にあたる。1990年から2007年4月(6月号)まで「月刊ウィングス」(新書館)で連載されていた。途中、1994年から1997年までにドラマCDも発売された。2008年9月までに単行本全26巻+外伝1巻、文庫本13巻が発売されている。本書終了後、五百年後を舞台とする続編『祝福の黒と破滅の白 ドラゴン騎士団Ⅱ』が月刊ウィングス2014年2月号より開始され、現在はウェブマガジン ウィングスに移り連載中となっており、2018年1月までに単行本3巻が発売されている。
あらすじ
竜帝に仕えるラス、ルーン、ザッツの3人の竜騎士は敵将ナディルを討ち、竜都へと戻る途中だったが…。という書き出しで話が進む。本書の構成は、大きく本篇、竜都篇、秘宝篇、怪魚篇、風竜篇、胎動篇、復活篇、異界篇に分けられる。著者によると各篇に巧妙緻密な伏線が張り巡らされているという。
- 本篇 … ラスたちドラゴン騎士団一行が、首尾よくナディルの首を取り、寄り道をしながら竜都に向かう話。主人公であるラス、ルーン、ザッツ、セシアが一通り解説される部分である。
- 竜都篇 … ドラゴン騎士団と竜帝・竜族との関係から、魔族の策動による世界異変の序曲まで。竜帝、竜族と世界の構造が一通り解説される話である。以下、ラス、ルーン、ザッツに分かれて展開する。
- 秘宝篇 … ザッツが昔の盗賊仲間・キチェルと西の大陸で秘宝探索の旅に出る説話。東の大陸と西の大陸の存在が明らかとなるとともに、物語の核心部分が徐々に明らかになる。
- 怪魚篇 … ルーンが精霊族の極度な衰亡を探索すべく旅に出る説話。
- 風竜篇 … ラスとセシアが風竜を探して旅に出る説話。
- 胎動篇~復活篇 … 魔族の胎動と魔王ナディルの復活とが描かれる。著者によると復活篇は「怒濤の謎解き」であるとされる。
- 異界篇 … ドラゴン騎士団がナディルの住む異界カイナルディアに乗り込み、ナディルと対峙する話。
本作は執筆期間の長期化に伴い、著者自ら当初の推進計画が「玉砕」した旨を告白している。試みに単行本20巻の「まいらいふ」(巻末部分)に指摘された所の、著者による1991年段階のプロットには、本来は以下のような基本骨格であったことが例示されている。
- 1巻……本篇
- 2巻……本篇、外伝1・2・3
- 3巻……竜都篇
- 4巻……竜都篇
- 5巻……秘宝篇
- 6巻……怪魚篇
- 7巻……風竜篇
- 8巻……復活篇、外伝4、異界篇
- 9巻……異界篇2
- 10巻……異界篇2、終章
物語の世界観
世界
本書の世界は東の大陸(アリナス=ARINAS)と西の大陸(デュシス=DUSIS)とに分けられ、東西に各々統治者と魔王とが存在した。しかし本書開始時点では、東の大陸は既に亡んでおり、魔物の巣窟と化している。一方の西の大陸は、当初竜帝の統治する大陸であったが、本作開始時には竜帝の統治国をはじめ、いくつかの国に分裂している。またこれらの大陸とは別に、異界として魔王ナディルの住むカイナルディアがある。
統治機構
本書には竜騎士なる身分をはじめ、幾つかの特徴的官位・身分が存在する。(単行本第4巻冒頭の「ドラゴン騎士団キャラクター相関図」に図解がある)
竜族は竜帝を頂点とし、その直属に五色の竜官(赤、黒、黄、青、白)が存在する。赤の竜官は五色の竜官の長として、また竜騎士の統率者として重責を担っている。黒の竜官は公安官として裁判関係と公安関係(竜戦士の指揮者)を担当している。他の黄の竜官は政務官、青の竜官は外務官、白の竜官は秘書官として各々職責を全うしている。赤の竜官の指揮下にある竜騎士は、戦闘竜(デュエルドラゴン)の数だけ存在する。戦闘竜は最大の力を持つ風竜以下、光竜、火竜、水竜、地竜の五体。つまり最大で五人存在することになる。竜騎士の下には竜戦士がいる。彼等竜戦士は、戦闘竜をもたないことから総体的には竜騎士の下位に位置付けられているが、個々人の戦力は竜騎士に匹敵するとされている。なお竜帝の妻である竜妃の下には女官長が控えており、その下に女官、内侍が存在する。
一方、西の大陸の魔族は魔王ナディルの力のもと、側近のシャイデマンとシャイレンドラが統率するのみで、力をもって全てとする集団であるため、竜族に匹敵する機構は存在しないと思われる。
その他、西の大陸に存在する各国にも国家機構の存在があるようであるが、本編で詳細に語られていない。
物語開始時の五色の竜官、及び竜騎士は以下の通りである。
- 五色の竜官
- 赤の竜官 - 不明 → 21巻からはビアレス(それ以前は赤の竜玉はラスの体内にあったらしい)
- 黒の竜官 - テーセウス
- 黄の竜官 - ルウォーク
- 青の竜官 - カイスターン
- 白の竜官 - アルフィージ → 11巻でルーンの体内に白の竜玉が入ったが詳細は不明
- 竜騎士
- 風竜の騎士 - 不明(ナディルだったが、風竜は彼に殺されてしまい、詳細は不明)
- 光竜の騎士 - 不明(過去、竜帝リュクレオンの戦闘竜であったことが明らかとなる)
- 火竜の騎士 - ラス → 21巻からはギル
- 水竜の騎士 - ルーン
- 地竜の騎士 - ザッツ
- 赤の竜官 - 不明 → 21巻からはビアレス(それ以前は赤の竜玉はラスの体内にあったらしい)
- 黒の竜官 - テーセウス
- 黄の竜官 - ルウォーク
- 青の竜官 - カイスターン
- 白の竜官 - アルフィージ → 11巻でルーンの体内に白の竜玉が入ったが詳細は不明
- 風竜の騎士 - 不明(ナディルだったが、風竜は彼に殺されてしまい、詳細は不明)
- 光竜の騎士 - 不明(過去、竜帝リュクレオンの戦闘竜であったことが明らかとなる)
- 火竜の騎士 - ラス → 21巻からはギル
- 水竜の騎士 - ルーン
- 地竜の騎士 - ザッツ
登場人物
「声」はドラマCDのもの。2人いる場合は、後者がドラマCD「伝説の国王をさがせ!」内の「ドラゴン騎士団外伝」のものである。なお登場人物の分析は著者自ら公式サイトの「キャラクター紹介」で行っている。
主要キャラクター
ラス=イリューザー
声:関智一、岩田光央、ドラマCD「風竜篇」では石川英郎
主人公。Rath=Illuther。火竜の騎士。趣味は魔物退治。実は西の大陸中を震撼させた「鋭い爪と牙を持つ魔獣」と呼ばれた魔物で、リュクレオンが自分の血を分け与えて竜族にした。そのため魔物の気に影響を受けやすく、それから自身を守るため、竜帝の血で作った「光竜の守り」というお守りを常時身につけなくてはならない。竜妃レイスリーネはかつて、ナディルに生涯子供が宿らない呪いをかけられたため、実質竜帝ただ1人の後継者である。一見は明るく振る舞っているが、内には深い闇を抱えており、デルテから「今にも死にそうな顔をしてる」と言われている。《東の大陸》の魔王だったが、25巻にてナディルの口から聞かされるまで彼自身もそのことを覚えていなかった。
ルーン
ザッツ
竜族
リュクレオン
声:三木眞一郎
Lykouleon。《西の大陸(デュシス)》の王、竜帝。竜族の王で、存在するだけで魔物を寄せ付けない。そのため、魔物は彼が守っている竜城には入ることすらできない。その高貴で強力な血は竜妃以外には眩しすぎて、触れるだけで毒となり、たとえ竜族であろうとも苦しんで死ぬこととなる。
レイスリーネ
ルウォーク
アルフィージ
カイスターン
テーセウス
魔族
ナディル
シャイデマン
声:小野健一
Scheideman。ナディルの腹心で、ナディル軍の参謀。ナディルが首のときは遠くから、彼が復活して以後は常にその傍に控えている。テーセウスの弟、シャイレンドラの兄。部下にフェデルタがいる。
シャイレンドラ
声:叶木翔子
Sailendra。ナディルの腹心、ナディル軍の参謀。シャイデマンとともに、ナディルが首のときは遠くから、ナディルが復活して以後は常にその傍に控えている。テーセウスとシャイデマンの妹。部下にフェデルタがいる。
フェデルタ
メテオーラ
カール
声:緑川光
Karl。魔物の魂を作れる能力を持つ錬金術師。実際は東の蒼生魔王。当人の口から、東の魔王は彼の半身であるとの説明がなされてある。物語開始時には、東の大陸でガルファクシーと二人で暮らしている。時折、西の大陸の魔族に物を売りつけている。
ビアレス
声:石田彰
Vierres。ナディル軍の魔物。窃かにセシアを慕っており、その故に竜帝に匿われたセシアを奪還すべく、カールの力を借りて竜城に潜入した。その際、ラスを動かす原動力の一部として、取り込まれることを望んだ。封印符によるラスの消滅後、単行本21巻以後に赤の竜官として再登場する。
ゾーマ
声:永島由子
Zoma。ナディル軍の下級魔物。ラスから生れた三体の内の一つ。物語開始時には、魔物と鳥とからなり、鳥なしでは移動できない体であった。窃かにセシアを慕っていたが、セシアを守るため、ラスの力で鳥と一体となった。異界篇にて自らの意思でラスの器となる。
人喰い魔女
ラームガーナス
リム・カーナ(リム=カーナ)
闇の沼の主
声:緑川光
コスタリカ村近くの闇の沼に住むナディル軍には属していない魔物。長い間竜帝の守護府シシリーの羽で封じられていたが羽を盗まれて復活、コスタリカ村の男たちを惨殺し女たちを召使に差し出させては食べていたが、竜都への帰還の旅の途中のラスたちに討たれる。
エキドナ
声:松本保典
Ekhidna。ナディル軍に属さない魔物で盗賊。自由気侭を好んでナディル軍を嫌い、盗賊稼業に熱中している。ルーワの町で知らずに地図のかけらを盗んだことと、誰にも負けない盗賊と自負していたためにザッツとキチェルにアジトの塔を襲われ、盗んだものを盗み返された。
精霊族
ティントレット
デルテ
リングリース
シルク
雅(みやび)
人間
野広
声:上田祐司
怪魚篇に初登場する、精霊族を愛し求めている記憶喪失の人間の青年。思い込みが激しく当初はルーンを女性と間違えプロポーズした。精霊族ではないのに精霊族を上回る至善力や死後の精霊族へ再生の力を与えて植物に変化させる能力を持ち、魔物に変えられた精霊族の少女・シルクに生まれ変わりの力を与えたり、《東の大陸》にかけられていた呪いを解いたが、本人も自分の能力を理解してはいない。ルーンやカールに、ラスによく似た容姿をしていると疑念を抱かれる。
ギル
キチェル
ピュア
マスター
声:緑川光
ザッツの馴染みの酒場「lemures」のマスター。ザッツやキチェルの先輩。元盗賊で現役時代には《東の大陸》に旅をしたこともある。異様な情報収集能力を持ち、ザッツが地竜の騎士になったことや、ずっと昔に滅んで西側の地図からも消え幻の王国となっている《東の大陸》のことなど、あらゆることを知っている。
ガルファクシー
声:千葉一伸
Galfacsy。人間だがカールの僕。灰からなんでも作れる灰使い。カールのためなら命をも惜しまない。姿形は子供のようであるが、カールの秘薬を定期的に服用しており、そのため不老のまま何百年も生きている。
その他
天の星姫
《東の大陸》の幽霊
リー魔
書誌情報
第1話「ドラゴン騎士団」のみ『サウス』で発表され、以後『月刊ウィングス』で連載されていた。2008年9月までに単行本全26巻+外伝1巻、文庫本13巻が発売されている。書誌の発行年月日はいずれも単行本奥付により、実際の発売月日はこれより若干早い。
掲載誌
- サウス(新書館):№7(第1話)
- 月刊ウィングス(新書館):1990年9月号から2007年6月号まで原則毎月1回掲載。
単行本
文庫本
CD
ドラゴン騎士団のCDには、1994年から1997年までに発売されたドラマCDとイメージヴォーカル集とがある。一般販売店では発売されず、単行本発売元の新書館及びアニメイトでのみ発売された。各々予約購入特典、または初回特典が用意されていた。なお1997年発売の「風竜篇」は「1」とされているが、「2」は発売されなかった。
声優には著者の希望が適い、ラス役に関智一、ルーン役に緒方恵美、ザッツ役に小野坂昌也、セシア役に冬馬由美、OP及びEDには影山ヒロノブが起用された。(OPとEDは第1巻と第3巻以下で異なるがヴォーカルは同じ)
- ドラゴン騎士団 イメージヴォーカル集(1994年8月31日)
- 押上美猫オリジナルドラマアルバム ドラゴン騎士団(1994年8月31日)
- イメージヴォーカル集と同時予約購入の特典は「特製2WAYカード」。単行本第1巻にあたる「風の魔女」から「消えた生首」までを収録。
- 押上美猫オリジナルドラマアルバム ドラゴン騎士団 II -竜都篇-(1995年3月31日)
- 予約特典は「特製CDキャリングバッグ」。単行本第2巻から第4巻にあたる「竜都篇」と「三番目の竜の騎士」を収録。
- 押上美猫オリジナルドラマアルバム ドラゴン騎士団 III -秘宝篇-(1995年9月17日)
- 初回特典は「ドラゴン騎士団身ミニノート」。単行本第5巻にあたる「秘宝篇」と第2巻にあたる「精霊戦士」を収録。
- 押上美猫オリジナルドラマアルバム ドラゴン騎士団 IV -怪魚篇-(1996年8月11日)
- 初回特典は「オリジナルステッカー」。単行本第6巻の「怪魚篇」を収録。附録として著者と緒方恵美、上田祐司の鼎談が収録。
- 押上美猫オリジナルドラマアルバム ドラゴン騎士団 V -風竜篇-(1997年8月25日)
- 初回特典は「ピルケース」。単行本第5巻の「ベルサの呪い」と第7巻にあたる「風竜篇」を収録。
イメージヴォーカル集と同時予約購入の特典は「特製2WAYカード」。単行本第1巻にあたる「風の魔女」から「消えた生首」までを収録。
予約特典は「特製CDキャリングバッグ」。単行本第2巻から第4巻にあたる「竜都篇」と「三番目の竜の騎士」を収録。
初回特典は「ドラゴン騎士団身ミニノート」。単行本第5巻にあたる「秘宝篇」と第2巻にあたる「精霊戦士」を収録。
初回特典は「オリジナルステッカー」。単行本第6巻の「怪魚篇」を収録。附録として著者と緒方恵美、上田祐司の鼎談が収録。
初回特典は「ピルケース」。単行本第5巻の「ベルサの呪い」と第7巻にあたる「風竜篇」を収録。