家なき子レミ
以下はWikipediaより引用
要約
『家なき子レミ』(いえなきこレミ)は、1996年9月1日から1997年3月23日まで、フジテレビ系列(テレビ大分を除く)で毎週日曜19:30 - 20:00(JST)に全23回が放送された、日本アニメーション制作のテレビアニメ。『世界名作劇場』の第23作に当たると共に、地上波テレビシリーズとしての最終作でもある。
概要
原作はエクトール・アンリ・マロの『家なき子』(Sans famille)。原作のテロップ部分は同じマロ原作の『ペリーヌ物語』(1978年)と同様に、エクトル・マロとクレジットされている。『世界名作劇場』のテレビシリーズとしては、セル画を使用しフィルムで撮影する形態で制作された最後の作品でもある。
前作『名犬ラッシー』が打ち切られ急遽企画されたため、『世界名作劇場』では初めて年初以外の放映開始となった。また放送開始に先立って、1996年8月30日には『世界名作劇場』の記念番組が、フジテレビローカル(金曜17:30 - 18:00)にて放送され、歴代のシリーズ作品の紹介と併せて本作品の紹介・PRも行われた。
物語前半はレミとヴィタリスとの芸人としての旅が描かれる。後半はヴィタリスの死後にガスパールという男の家に行き、最終的にはガスパールの家で出会ったマチアとの恋愛物語が展開される。原作との相違点として、原作では男子だった主人公が女子へと変更されている他、物語終盤につれ物語の展開も原作小説のそれを離れ、前述の恋愛劇が主体となっていった。
前作に引き続き未放送話数が存在するが、本作品では編成上の都合などにより、当初より放送回数は全23回と決められていた。しかし日本アニメーションが海外へ番組を輸出する際の制約として、話数が1クール単位(13話単位)と決められていたことから、実費で3本追加し全26話となったという経緯がある。未放送話数が、本筋とは直接関係ない内容として制作されているのは前作と同様である。
あらすじ
レミ・バルブランは貧しいながらも母親アンヌと妹ナナとともに幸福に暮らしていた。しかしパリまで出稼ぎに行っていた父親が大怪我をしてレミたち家族の元へ帰ってくると、レミは自分が捨て子だったという出生の秘密を知らされる。そして愛する者、親しんだ土地から離れなければならなくなった。
登場人物
キャラクターデザインの面では、『名犬ラッシー』で低めの頭身(デフォルメ)で丸顔になった絵柄を『ロミオの青い空』以前の絵柄に戻している。
レミ・バルブラン
声 - 堀江美都子
本作品の主人公。赤ん坊のときにパリの道端に捨てられていたところをジェロームに拾われ、以後バルブラン家の長女として育てられた。母と妹と共に幸せに暮らしていたが、10歳になった年にジェロームから自分の出生を知らされ、厄介者として人買いに売られそうになるが、ヴィタリス一座に救われる。そして拾われたときに持っていたネックレスを手がかりに、一座の仲間と共に旅をしながら本当の母親を探すことを決意する。歌が得意で、歌唱力は大人にも負けていない。
物語中盤でヴィタリスが死んでしまい、彼を埋葬した後死ぬ直前に行くように諭されていたパリのガスパールの家を目指す。そこで孤児たちのリーダー格でまとめ役であるマチアと出会い、物語を通していく内に互いに惹かれていき最終的に恋仲となる。
実は、名門貴族、ミリガン家の長女であることが判明する。しかし、このことからガスパールら悪人たちに拉致・監禁されてしまうが、最後はマチアを始めとする仲間たちやプレルの活躍により救われ、遂に実の母親であるミリガン夫人との涙の再会を果たして抱き合う。その後、「私一人だけ幸せにはなれない、みんな一緒」、「みんながいなければ、私はとっくの昔にくじけてた」と母と共に孤児の仲間たちを迎えに来る。イギリスに行く前にシャバノン村に戻って自分の育ての母親であるアンヌと妹ナナと再会する決意をする。そして、「一流のヴァイオリニストになってレミを迎えに行く」と言うマチアの告白を受け入れる。
テーマ曲は「LIKE MOTHER〜大好きなお母さん〜」。
ヴィタリス
声 - 山野史人
ヴィタリス一座の団長。あらゆる楽器を演奏でき、特にヴァイオリンが上手い。若い頃は凄腕の音楽家だった。人買いに売られそうになったレミを助け、団員として一座に加える。レミに旅を通じて世の中の厳しさと、それに負けずに前向きに生きていく強さを教える。物語中盤で非業の死を遂げる。
ジョリクール
声 - 佐藤智恵
ヴィタリス一座のスターの小猿。いつも飾りのついた帽子と上着を身に着けている。体は小さいがとても賢く好奇心旺盛な性格で、作中では人の言葉を理解して動いているような演出が取られている。南国の生まれのため寒さに弱い。身軽な動きと表情豊かな感じを活かして、興行では曲芸をやったり“ジョリクール閣下”として召使い役のレミたちと小芝居をする。
作中の主な動物たち
カピ
ゼルビーノ
サンドラ
レミの育ての親と妹
アンヌ・バルブラン
声 - 弘中くみ子
レミの育ての母。生まれたばかりの子供を亡くし、悲しみに暮れていたところをレミとの出会いにより救われ、彼女を実の子同然に愛している。第1話で自身とレミの誕生日(同じ日)を迎えているが、これは赤ん坊のレミの誕生日が分からず、表向き“自身の誕生日とレミの誕生日はたまたま同じ日”ということにしたため。
ナナ・バルブラン
ジェローム・バルブラン
声 - 田中正彦
アンヌの夫。普段はパリへ出稼ぎに行っており、長い間家に帰っていなかったが、仕事中の事故で大怪我を負い足が不自由になってしまったため帰省した。10年前にレミを拾ってきた張本人だが、そのときレミが高そうな産着を身に着けていたことから「きっと大金持ちの子供に違いない」と思い、親からの礼金目当てで引き取ったにすぎなかった。ゆえにレミに対して愛情はなく、生活苦からレミを疎み人買いに売り払おうとした。
ミリガン夫人とその関係者
ミリガン夫人
声 - 山田栄子
イギリスの名門貴族、ミリガン家の未亡人。美しく心優しい女性で、警官に乱暴に追い払われたレミを助け、とても親切に接してくれた。長女(アーサーの姉)がいたが、赤ん坊の頃に連れ去られてしまったという。レミのカメオのペンダントから彼女が自分の娘だと確信し、プレル弁護士に捜索を依頼する。最終話で遂に実の娘であるレミと再会し、涙ながらに抱き合い喜ぶ。懐も広く、レミを助けてくれた孤児たちを自分の家族として受け入れた。
アーサー
声 - 冬馬由美
ミリガン夫人の息子。年は日本で言う小学生ぐらい(レミより2つ年下とのこと)。大病を患っている上、両足も動かず車椅子での生活を強いられている。一生歩くことはできないと医者に宣告され自暴自棄になり心を閉ざしていたが、レミの説得で生きる気力を取り戻した。
ネリー
プレル弁護士
ガスパールの家の人たち
ガスパール
声 - 福田信昭
パリのルールシーヌ通りの集合住宅で暮らす。身寄りのない子供を買い取り、時には盗みなどの犯罪を強要してでもお金を稼がせる極悪人。ノルマの額(一日に20スー)を稼げなかった者には、容赦なく鞭で叩いて折檻する。ヴィタリスの知人だったガスパールの甥にあたり、伯父の死後家業を引き継いだ。ネリー達からレミの素性を知り、ミリガン家から身代金をせしめて大金持ちになる事を企みレミを拉致監禁する。しかし、監禁の知らせを聞いたプレルが警官と共に現れたため、襲い掛かろうとするが彼にあっさり一本背負いで投げ飛ばされ、ミリガン家に対するゆすりとレミ誘拐の罪で2人の悪友共々警察に逮捕された。
少年少女たち
マチア
声 - 安達忍
孤児になりガスパールの元に売られた少年。12歳で最年長者として他の子供達のまとめ役をしている。ガスパールの命令で盗みを強要されていたが、レミに影響され真っ当な仕事でお金を稼ぐようになる。ぶっきらぼうだが根は誠実で優しい性格。音楽家だった父親の影響で、ヴァイオリンが得意。物語が進むにつれ、次第にレミと惹かれあうようになる。最終回で音楽家になることを決意し、立派な人間になってレミを迎えにいくと約束を交わす。
リカルド
アルベール
マリア
マルセル
ピエール
リーズ
その他の主な人たち
シャバノン村
ユセルの街
本屋がある街
孤児院がある街
ピエール
ニーナ
ジェラール
声 - 稲葉実
裕福な家の主人。自宅の酒の貯蔵庫の床に子供の足跡が見つかったことから、ピエールが盗みに入ったと疑う。しかし、ネズミに驚きうっかり自分の屋敷を燃やしてしまいレミとピエールに助けられる。そして、最後には真実を知りマリア像をプレゼントした。
焼き物工房がある街
ボルドーの街
トゥールーズの街
レミがパリで出会う人たち
田舎町の人たち
レミたちが秋にブドウ園の仕事を手伝う町。
ジャンヌ
ジャンヌの父
ベルグヌー
アルベルト
スタッフ
- 製作 - 本橋浩一
- 企画 - 清水賢治(フジテレビ)、佐藤昭司
- 製作管理 - 本橋寿一
- キャラクターデザイン - 大城勝
- 美術設定 - 伊藤主計
- 美術監督 - 川口正明
- 色彩設計 - 小山明子
- 撮影監督 - 熊谷幌史
- 音楽 - 服部克久
- 音響監督 - 藤野貞義
- プロデューサー - 瀧山麻土香(フジテレビ)、佐藤賢一
- 監督 - 楠葉宏三
- 企画・製作 - 日本アニメーション株式会社
- 制作 - フジテレビ・日本アニメーション
主題歌
オープニングテーマ
「愛について」
エンディングテーマ
「しあわせの予感」 | |||||||||||
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Youca の シングル | |||||||||||
初出アルバム『オリジナル原盤による 名作アニメ主題歌大全集』 | |||||||||||
リリース | |||||||||||
規格 | シングル(8cmCD) | ||||||||||
ジャンル | アニメソング | ||||||||||
レーベル | ダブリューイーエー・ジャパン(WPD6-9109) | ||||||||||
作詞・作曲 |
岡田冨美子(作詞) 服部克久(作曲) | ||||||||||
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Youca(うちやえゆか) 年表 | |||||
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バラードの肌ざわり (2007年) |
しあわせの予感 (1996年) |
まかせて★スプラッシュ☆スター★ (2006年) |
「しあわせの予感」
本作品では、本編の末尾にかかる形でエンディングテーマが流れ、そのままエンディング映像に入る形式が取られており、それに伴って次回予告も従来とは異なり、エンディングの後に配されている。エンディング後に次回予告というフォーマットは、『レ・ミゼラブル 少女コゼット』など後年のシリーズ作品にも踏襲されている。
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
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1 | 1996年 9月1日 |
悲しい誕生日 | 島田満 | 楠葉宏三 | 大城勝 | |
2 | 9月8日 | さよなら お母さん | 高木淳 | 井上鋭 森川聡子 | ||
3 | 9月15日 | ヴィタリス 一座 | 楠葉宏三 | 大城勝 | ||
4 | 9月22日 | 素敵な贈り物 | 寺東克己 | 高木淳 | 井上鋭 | |
5 | 10月27日 | 奇跡のマリア像 | 飯島正勝 | 西田健一 | 大城勝 | |
6 | 11月3日 | 幻のおかあさん | 高木淳 | 井上鋭 | ||
7 | 11月10日 | もうひとつの家族 | 小山眞弓 | 寺東克己 | 楠葉宏三 | 大城勝 |
8 | 11月17日 | さよなら私たちの家 | 鈴木孝義 | 高木淳 | 井上鋭 | |
9 | 11月24日 | 運命の出会い | 楠葉宏三 | 丸山宏一 | ||
10 | 12月1日 | ひとりぼっちのアーサー | 鈴木孝義 | 高木淳 | 大城勝 | |
11 | 12月8日 | ペンダントの秘密 | 寺東克己 | 藤本次朗 西田健一 |
井上鋭 | |
12 | 12月15日 | 悲しみの雪山 | 高木淳 | 丸山宏一 | ||
13 | 1997年 1月12日 |
雪の日の別れ | 楠葉宏三 | 井上鋭 | ||
14 | 1月19日 | 新しい旅の始まり | 楠葉宏三 | 高木淳 | 大城勝 | |
15 | 1月26日 | 新しい仲間 | 寺東克己 | 西田健一 | 井上鋭 | |
16 | (未放送) | 雨の日の子猫 | 飯島正勝 | |||
17 | 2月2日 | 地下迷路での誓い | 楠葉宏三 | 高木淳 | 丸山宏一 | |
18 | 2月9日 | すれちがう母と子 | 杉島邦久 | 楠葉宏三 | 井上鋭 | |
19 | (未放送) | 旅の一家 | 高木淳 | 平川達也 | 丸山宏一 | |
20 | 心の友達 | 楠葉宏三 | 西田健一 | 大城勝 | ||
21 | 2月16日 | 思い出のバイオリン | 高木淳 | |||
22 | 2月23日 | 地下からの生還 | 飯島正勝 | 西田健一 | 井上鋭 | |
23 | 3月2日 | ふたりの願い | 寺東克己 | 高木淳 | 丸山宏一 | |
24 | 3月9日 | 引き裂かれた愛 | 杉島邦久 | 楠葉宏三 | 井上鋭 | |
25 | 3月16日 | 脱出! | 高木淳 | 大城勝 丸山宏一 | ||
26 | 3月23日 | 私のお母さん | 楠葉宏三 | 大城勝 |
1996年9月29日、10月6,13,20日、12月22,29日、1997年1月5日は休止。
放送局
※放送日時・系列は本番組終了時(1997年3月)のもの。
放送地域 | 放送局 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
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関東広域圏 | フジテレビ | 日曜 19:30 - 20:00 | フジテレビ系列 | 制作局 |
北海道 | 北海道文化放送 | |||
岩手県 | 岩手めんこいテレビ | |||
秋田県 | 秋田テレビ | |||
宮城県 | 仙台放送 | |||
福島県 | 福島テレビ | |||
新潟県 | 新潟総合テレビ | |||
長野県 | 長野放送 | |||
静岡県 | テレビ静岡 | |||
富山県 | 富山テレビ | |||
石川県 | 石川テレビ | |||
福井県 | 福井テレビ | |||
中京広域圏 | 東海テレビ | |||
近畿広域圏 | 関西テレビ | |||
島根県・鳥取県 | 山陰中央テレビ | |||
岡山県・香川県 | 岡山放送 | |||
広島県 | テレビ新広島 | |||
愛媛県 | 愛媛放送 | |||
福岡県 | テレビ西日本 | |||
佐賀県 | サガテレビ | |||
長崎県 | テレビ長崎 | |||
熊本県 | テレビ熊本 | |||
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | |||
沖縄県 | 沖縄テレビ | |||
山梨県 | 山梨放送 | 水曜 16:30 - 17:00 | 日本テレビ系列 | |
宮崎県 | テレビ宮崎 | 日曜 18:00 - 18:30 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
その他の放送状況
本作品の終了後に開局した、フジテレビ系列のさくらんぼテレビ(SAY。山形県・1997年4月1日開局)では、前述の調整用に作られた3話分を含めた放送を、再放送に準じる扱いで実施した。SAYではその後、かつて「世界名作劇場」をネットしていたYTSのネットチェンジ後から、SAY開局までの間に放送された『若草物語 ナンとジョー先生』『七つの海のティコ』『ロミオの青い空』『名犬ラッシー』も放送した。
海外では、フィリピン、クウェートや欧州で放映された他、近年ではイタリアでも放映された。スペインでは『七つの海のティコ』『ロミオの青い空』『名犬ラッシー』を除きテレビ放送された最後の作品でもある。
映像ソフト化
テレビシリーズのDVDは2002年9月25日 - 11月25日にかけて全6巻が発売、各月ごとに2巻ずつ同時発売という形式は前作までと同様である。シリーズ次作の『レ・ミゼラブル 少女コゼット』からはDVDのみの販売展開に移行したため、VHSビデオとしての映像ソフト化は本作品が最後となった。
世界名作劇場完結版
2001年頃にBSフジにて放送。本作品の監督である楠葉宏三が、テレビシリーズのうち第1 - 3話、および未放送分を除く20話分を前編・後編の2パートに分けて再構成し、各編約50分・計100分の映像として編集したものである。内容は前編がヴィタリスが死去するまでの旅編、後編はパリでの生活編を中心に構成されている。ナレーションは藤田淑子が担当。
完結版のEDは、前後編を通じて作品と完結版のスタッフが新規テロップで挿入されるが、歌詞テロップは表示されない。
スタッフ
- 企画 - 佐藤昭司
- 構成 - 楠葉宏三
- 音響監督 - 早瀬博雪
- プロデューサー - 中島仁(BSフジ)、田中信明
- 演出 - 楠葉宏三
- 制作 - BSフジ・日本アニメーション
- © BS FUJI・NIPPON ANIMATION CO.,LTD.2001
サウンドトラック
- 家なき子レミ オリジナルサウンドトラック Vol.1(BGM集)
絵本
ぎょうせい 絵本アニメ世界名作劇場
- 家なき子レミ ISBN 978-4-3240-6977-6
ポプラ社 テレビドラマシリーズ
- 家なき子レミ ISBN 978-4-5910-5165-8
テレビシリーズとはストーリーを異としている。
講談社 テレビ絵本 家なき子レミ
ノベライズ
- 「家なき子レミ」箱石桂子著、竹書房刊 ISBN 978-4-8124-1910-6