レイン (小説)
以下はWikipediaより引用
要約
『レイン』は、吉野匠による日本のライトノベル。オンライン小説として始まり、書籍版はアルファポリスより2005年10月から2017年6月まで刊行された。2018年6月時点でシリーズ累計部数は130万部を突破している。
『月刊コミックブレイド(現・月刊コミックガーデン)』(マッグガーデン)にて住川惠による漫画版が2009年1月号から連載されている。2010年5月29日にキャラアニより、ドラマCDが発売された。
2019年2月20日にアルファポリスが公式サイトで、吉野の訃報を公表。2005年当時では珍しかった単行本サイズのライトノベルとして刊行され、現在興隆を極めるWeb発ライトノベル系小説の先駆者というべき存在だったと、著者の死を悼む言葉と共にコメントした。
あらすじ
ミュールゲニア大陸全土を巻き込んだ大戦から長い時が流れ、危ういバランスを保っていた平和が終焉を迎えようとしていた。5年前にザーマインの先王を倒して王位についたレイグル王、彼は世界制覇の野望に燃えていた。彼が指揮するザーマイン軍は近隣諸国をつぎつぎと攻めていった。その中には小国サンクワールもあった。国力はザーマインの一割にも満たず、士気も振るわない。さらには、サンクワールの現王ダグラス王は貴族のみを優遇して人心を失っている。サンクワールの滅亡はもはや避けられない運命のように見えた。
登場人物
※キャストはドラマCD版のもの。
サンクワール
レイン
声 - 森田成一
本作の主人公。平民。傭兵上がりのサンクワールの上将軍。年齢は25歳だが見た目も肉体も18歳のまま停止している。コートクレアス城城主。自称「神童」「疾風のレイン」「世界最強の男」「怪盗ブラック仮面」。二つ名は「知られざる天才剣士」、「知られざる天才」、または「ドラゴンスレイヤー」。なお、「ドラゴンスレイヤー」の名はレインが本編で明かすまでほとんど知られていなかったので「知られざる天才剣士」のほうが有名で、明かされた後でも本人の実力を見たことがなく、その噂を聞いただけの(もしくは「もしかしたら」と忠告された)者はほとんど皆信じない。
いつも黒ずくめの格好をしており、戦いのときでも鎧など防具の類は一切着用しない。ホークによると、「年齢問わず女性をひきつけるタイプ」、ラルファスは「なんと女性と縁ができやすい男か」と感心している。現在は悪名高い魔剣“傾国の剣”を持つ。豪放磊落に見えるが実はかなりの策士で、優しい一面も持つ。
本編上では寝るのは数日に一度という生活を送っており、夜は比較的早いうちから周りの人間にバレないように夜通し修練を積んでいる。ドラゴンスレイヤーの体質がそんな無茶を可能にしているようだ。それらを知るのはシェルファをはじめ城内でも数人だけ。一種の自己暗示により一瞬で寝たり起きたりすることができ、起きた直後も寝ぼけない。
15歳で旅に出始め、盗賊団などを潰しつつ(少年時代のレインは盗賊団やゴロツキなどは基本的に皆殺しにしている)名だたる傭兵や騎士などに戦いを挑んでいった。ホークと戦った時は剣を握り始めて半年未満(一応寝る間も惜しんで修練を積んでいたらしい)で勝利し、その後同年に劣勢に追い込まれながらもシルヴィアに勝利し、彼女から魔法を教わった。その実力は彼女がレインの攻撃魔法を取り入れるほど。
18歳のときに瀕死の重傷を負いながらもドラゴン(古龍)を倒し、ドラゴンの持つ不死性、体力、筋力、魔力、特殊能力(アンチ・マジック・フィールドなど)を受け継いだが、肉体年齢は18歳で永遠に停止することになった。古龍をしてその実力から人間の例外だと言わしめた。他にも魔界より迷い出た鬼神、ソウルイーター、バーサーカーなどの数々の魔物とも戦い、勝利しているらしい。ひどい音痴なのだが本人はうまいと思っているらしく、人目を気にせずよく歌っている。ファヌージュ産の紅茶が好み。リトルドラゴンでさえも飲むと死ぬと言われている、バライソの死酒を通常の殺人に使われる量の(1杯当たり)30倍混ぜた物を飲んでも平気(何杯か飲んでも特に体調を崩す訳でもなく、いつも通りの体調のまま)。どうやら、暗い過去を持っているらしい。
シェルファ・アイラス・サンクワール
声 - 水橋かおり
ヒロイン。設定当時はシエルという名前だった。サンクワールの王族。16歳。金髪に碧眼で欠点をあげつらうことのできないくらいの美貌を持つ。
亡き母親・エレノア王妃は魔法使いであり、父親のダグラス王には嫌われ、ほぼ軟禁状態にされていた。シェルファが13歳の時にレインと出会い電撃的に恋に落ちた。その際、「ミシェール」と偽名を名乗ったため、レインは彼女を見付けることが出来なかった。本人は記憶を消されていて、自身は覚えていないものの幼少時代に幾度もレインの夢を見ていた。これは魔人が持っているビジョンと呼ばれている能力に近い。後にサンクワールの姫王になる。主城のガルフォート城には東西南北にシェルファの気配を外部に漏らさないよう特別な魔法陣が埋められており、彼女自身にも消えかかっているが封印が施されている。後にこの結界が王妃によって築かれたことが判明する。
時折人格が豹変する時があり、普段の彼女からは考えられない言動や行動を見せるほか、気配を読む能力や一時的にレインに匹敵するほどの力の波動を出すこともあり、同時に身体能力も爆発的に向上する。シルヴィアがシェルファの記憶を探ろうとした際に豹変したときは、ドレス姿にも関わらずレインから貰った魔法剣(銘はレイン)でシルヴィアに切りかかり、スピード、剣技のキレともにシルヴィアと互角に渡りあっていた。
ラルファス・ジュリアード・サンクワール(ラルファス・ジュリアード・ジェルヴェール)
声 - 浪川大輔
サンクワールの上将軍および筆頭貴族。長年の戦功で特別にサンクワール性で名乗ることを許されている。25歳。金髪に碧眼。かつての聖戦の英雄ジョウ・ランベルク(ジョウ・ジェルヴェール)の子孫。レインからレイグルが置き去りにした魔剣“ジャスティス”を譲り受けた。レインの親友で、シェルファほどではないが、レインのことを理解している。
誠実で高潔な性格のため平民、貴族問わず人望があるが自分では自覚していない。シャンドリス戦では元々二千程度だった自身の部隊を、一般市民に偽兵の募集を呼びかけることで九千にまで増加させるほどの求心力を見せた。サンクワール貴族としては珍しく有能な指揮官である。普段は兵士一人一人にも気配りを忘れない。戦闘の際には戦士としてなかなかの実力を見せる。レインが上将軍として初めて軍議に参加した時から、彼の言動に怒る王から何度もかばっている。これにより王から次第に見限られ、ザーマイン戦の直前彼の部隊のみ野営地に置き去りにされることとなる。
レインからルナン遠征時に注意と助言(積極的に攻撃に参加するな・殿を志願するな)を受けたが、元々の性格が災いし撤退時に殿を志願してしまう。しかしそれすらも見越したレインが助太刀し、危機を救う。それ以降、一生の恩人として、また、親友として接するようになる。レインに辛い過去があるらしいのを薄々ではあるが気付いている。
ギュンター・ヴァロア
声 - 中尾みち雄
元々はレインと敵対していたらしいが、対決で敗れ後に臣従。以降「股肱の臣」として尽くしている。年齢不詳だが、見た目は20歳そこそこ。サンクワールの中で唯一貴族以外で姓を名乗っている。無愛想で、黒ずくめ。いつも慇懃かつ渋い顔をしている(しかし、シェルファに対しては稀に一瞬だけ笑顔を見せることがある)。サンドイッチが好物。
自らの主人であるレイン以外には一々頭を下げたりせず、シェルファとレインに対する態度はラルファスと正反対であるが、口調は誰に対しても敬語である。レインの命令は絶対服従のようで、長にもかかわらず自ら間諜として行動したり、看板を立てたりするなどの命令もこなしている。レインとは過去に、お互い隠し事はしないと約束をしている。黒い刀身に赤いオーラの魔剣を持っている。レニよりも剣技は上。工作や諜報に関わる部隊の長。レインが付近に居ない時シェルファを影で護衛している。セイル達が捕虜としてコートクレアス城に捕えられている間は、彼らの見張り兼護衛役として城に留まった。またアリサがガルフォート城に乗り込んできた際には、城警護の『影の』総責任者であると発言している。
レインの命なのかは不明だが、人を殺めることに抵抗が出来てしまったセルフィーをさり気無く諭したり、自身の正体が明らかになることでレインに嫌われるのではないかと悩むシェルファの相談を聞いたりと、登場人物の悩みを多々解決している。
レルバイニ・リヒテル・ムーア
セノア・アメリア・エスターハート
声 - 水城レナ
レインの副官。20歳。サンクワール五大貴族の出身だが、根は素直でやさしい。いつも何かにつけてレインに文句を言っているが、ひそかにレインに想いを寄せている。かなりの乙女趣味。
朋輩であるレニに対し臆病者と決めつけ、レニのことを理解せずにいたが、廃坑内で助けられたことで見直した。レイン曰く「セノアが使えるのは戦闘が始まる直前まで」。ただし、原作では戦闘力が皆無であり剣を全く扱えていないが、漫画版では戦場で剣を持って戦う姿が確認できる。
サフィールの登場で一旦ガルフォート城を去ることになった時には、ギュンターの「敵となるか味方となるか」という問いに、貴族である自分が祖国を裏切るような形をとっていいものかとして、ただ一人答えあぐねていた。しかし、最終的にはレインの臣下として付いて行くことを決心する。
ガサラム
セルフィー
ユーリ
声 - 井上麻里奈
レイン直属の騎士見習い。16歳。元はザーマインの間諜であったがレインの説得(買収、もしくは脅し)に応じて仲間に。セルフィーの親友。レインに対しよく文句を言う。レインに仕える経緯が他と異なることや、敬語が元々苦手であることが原因となり、何かの拍子に上司(主にレイン)に対してため口になることが多い。
ミラン
シルヴィア・ローゼンバーグ
ホークの親友。原始のヴァンパイアにして最強のヴァンパイア・マスターで、人間からは様々な二つ名で呼ばれている(史上最強のルーンマスター、ブラッディアイ、ナイトフライヤー、クリムゾンファング、ダークビューティーなど)。上位魔人のノエルから見ても、強大な力を持つ。年齢は3700歳以上。人族が使う魔法体系を確立し広めた、いわば現在のルーンマスターの始祖。少年時代のレインの過去を知る理解者(同時に本気でレインに惚れてしまった)であり、過去のシェルファを知っている。
本来ヴァンパイアは直射日光の下では外を歩けないが、シルヴィアのみ例外である。また、レインと同等かそれ以上の魔力に加えて二刀流も使いこなし、少年時代のレインを凌駕するほどの剣技を持っていたが、シルヴィア自身が気づかなかったわずかな隙をつかれることにより自ら負けを認める(ただし実際には決着が着かずじまい)。レインに負けるまで無敗。以前にも魔人と戦ったこともあるようだ。ミニスカートやショートパンツなど、肌の露出が多い服装を好む。
レインとの決闘後、彼に請われ(ホークの紹介状もあって)魔法の師匠となる。レインの噂を聞いてサンクワールを訪れた際に、ついでで参加した武闘会で全勝(大会はシェルファを暗殺しようとした騒ぎで本戦の途中で中止)を遂げてレインの臣下になる。レイグルの使った転移系の魔法も使えるが、レインには教えていない。
霧の国の長だったが、レインの部下になってからは国政を誰に任せているかなどは一切不明。
ノエル
ファルナ
アベル
フェルト
リエラ
グエン
エレナ・フェリシア・ハルトゥール
サフィール・ダルマナック・フォスティール
ルディック
サフィールの副官。42歳。元はサフィールの同僚貴族の部下でサフィールから見れば陪臣だったが、軍を統率するにあたりサフィールが直臣として引き抜いた。引き抜かれるまでは子爵で100人隊長だったが、直臣に取り立てられた際に1000人隊長の将軍職に抜擢された。サンクワール貴族にしては珍しく戦術眼に優れており、一流の将帥。軍を指揮するにあたり、爵位が低く軽く見られがちと不満を持っていたところ、サフィールによって伯爵位へ引き上げられた。抜擢当初は嬉しく思い家族にも喜ばれていた。サフィールや反王女派に対し失望し不満を抱いていたが、シャンドリスに敗れたサフィールが今までの傲慢な態度を改めたことにより、再び固い忠誠を誓う。グレートアーク城にて、サフィール一派がレインとラルファスの混成軍によってほぼ壊滅した時点で、レイン軍に突入し殉死した。
シャンドリス
フォルニーア・ルシーダ・シャンドリス
シャンドリスの皇帝。23歳。勝気な性格。妖艶な美貌を持つ。妾腹の子だが、政変の末に王位に着く。通称「フォル様」。ジョウに恋愛感情を持っていることをほのめかす発言を幾度かしている。
シェルファの戴冠式当日にジョウ・シングと共に同盟締結の意図でサンクワールを訪れ、主城を追われるシェルファ、王を自称するサフィールと対面してすぐサンクワールへの侵攻を決意する。この時点ではシェルファやサフィールには良い印象を抱けず、逆にレインは好印象だったようである。その後シェルファ軍・サフィール軍両方から抵抗される中侵攻過程でジョウからレインの本当の目的を聞き、最終的には自分が提示した試練にシェルファが耐え抜いたことで彼女の器を認め、同盟を組むこととなった。
ジョウ・ランベルク
セイル
ジュンナ
セイルの妹(義妹)。17歳。敵味方入り乱れる戦場で味方の損害を考えずに攻撃魔法を使用する、自分の魔法が敗れると防御も忘れて攻撃を食らいそうになるなど経験不足が目立つ。だがその力は過去最高の魔法使いの一人といえ、本編中で初めてレインのアンチ・マジック・フィールド(未強化)をぶち抜いている。故にその気になれば古龍に手傷を負わすことくらいは出来るらしい。また初歩の魔法なら詠唱無しで行使できる。セイルによると「キレるといつも以上の魔力を持つ」ので実力は未知数。言葉の語尾に「…じゃないよぅ」、「はあぃ」等やたらに「ぃ」とか「ぅ」をつけて話す。
枯れ谷の戦いでレインに魔法で奇襲をかけて敗北し捕虜になるも、両国間で同盟が締結されたことにより解放される。
ザーマイン
レイグル
声 - 置鮎龍太郎
5年前に先王アラミスを倒し、実力で玉座についたザーマインの王。銀色の髪の魔人。トップフォー(魔人の中で指導的立場にいる4人の魔人たち)に匹敵するほどの実力を持っている、アウトサイダーの魔人たちの中心的人物。
魔剣“ジャスティス”を持っていたが、レインに心臓を貫かれて逃げた際に置き去りにした。その後、血に似た赤い魔剣を作り使用している。魔法を使う者は種族を問わず、人間がマナと呼ぶ力の源を多用しすぎた際の副作用の一種により段々と髪が銀色に変色していくことが多く、レイグルの髪が銀色なのはこのためである。
レインとは互いに自分の道を進むが故に互いに譲歩できない存在として認め合っており、宿敵として認めており敵の中心としている。
デューイ
サラ
クラレンス
ガルブレイク
レイファン
サーヤ・サフィーネ・レイファン
アーク
旧ルナン
アムル
ファヌージュ
フェルナンド
ベルトラン
スティーブ
マリア
謎の結社
魔族撲滅を目指す暗殺集団。どうやら1000年以上前からあったようだ。
クレア
タルマの妹。シェルファ王女暗殺をもくろむ一団の長。青白いオーラの魔剣「ブランディーヌ」を持つ。仲間内からは「宗主様」と呼ばれている。真っ白な髪をしていて瞳が紅色。盲目だが別の方法で見ることができる。実は魔族の血が混じっている
見かけとは裏腹に馬鹿力の持ち主で、ロイの腕を握っただけで彼の腕に青あざを作った。彼曰く、常人では一撃で手首が砕けるほどの力。レイン7のエピローグで、ガルフォート城に逃げ込んだシェルファの前に現れ、「汝を滅ぼす」と宣言した。
多様な「能力」を持っており、一般人と比べると圧倒的な戦闘力に加え、相手の記憶から「一番強い」と思っているものとまったく同じ存在を作り出す(メモリーズ)等、特殊な能力も幾つか所有している。レイン8にてレインと死闘を繰り広げ、レインに重傷を負わすも、自身も瀕死の状態になり、かろうじてその場から脱出した。なお、彼女はレイグル王をも敵として視野に入れている。
タルマ
ロイ
傭兵。二つ名は「不死身のロイ」。バジルたちと同じくクレアたちの仲間だがタルマと同じくみそっかす。不死身だと噂されている。レインは少年時代、彼を探していたこともあった。レインに敗れた。
レインが旧ルナンの軍勢と戦っている最中にシェルファを誘拐するため現れた。武器は長剣だが、シェルファを誘拐しに現れた時はダガー(短剣)を使っていた。かなりの魔力を持ち、呪文を詠唱なしに魔法を使え、転移系の魔法も使える。また、透明になることも出来る。マスカレードという能力を持っており、自分の結界内で呪縛した他人の体を完全に支配して傀儡のように自由に動かすことができ、また自分の精神を他人の体に入り込ませ、完全に自分のものにすることができる。だが手並みはレインに及ばず、星祭りの夜、シェルファを連れたレインに勝負を挑み、マスカレードを駆使して深手を負わせるが、最後は次元の外に放り出され傾国の剣の遠隔攻撃で体を真っ二つに切り裂かれ、レインに裂け目の向こうへと蹴り飛ばされた。
もともと彼はミュールゲニアの住人ではなく、別の世界から精神だけミュールゲニアに飛ばされた。ゆえに本当の彼の体はミュールゲニアではなくその世界にある。不慮の事故で意識を失い、病院で昏睡状態にあると本人は述べていた。
アヴェルーン
ミュールゲニア大陸で唯一選挙による施政者が選ばれる民主共和制を布いている国家。元々は王政だったが、レインが協力した革命により共和国家となった。革命評議会最高指導部の評議会メンバー14名がアヴェルーンの中心人物となっており、そのうちレインを含む2名が永久欠番のため、実質は12名によって評議がなされている。レインの親書により、サンクワールとの同盟を締結し、ザーマインとの戦いに挑むことを決めた。
マルティン
シルヴィーナ(霧の国)
その他
フィーネ
ミシェール
ホーク・ウォルトン
ハンナ
ヴィンター・フォン・ブルームハルト
メルキュール
アリサ
フィーネ(謎の少女)
前述のフィーネとの関係は定かではない。黒髪黒眼で、可憐な顔立ちをもつ、不思議な雰囲気の少女。フィーネという名前は“おじさん”なる人物からつけられた仮の名前だという。“おにいちゃん”と呼ぶ人物を想っており、デューイを倒した後のアリサに「おにいちゃんとは戦っちゃだめです。」と真摯に訴える。登場自体に謎が多く、デューイを倒した現場は村から子供の足ですぐ走って来られるような距離ではないのに加え、アリサに前述の訴えをした後、アリサが考え事をしている間に突如として姿を消した。その上アリサがエクシードを使って本気で探しても見当たらなかった。レインがガルドシュタインで会った少女は彼のことを“おにいちゃん”と言っており、突如として姿を消すなど特徴が似ているが、同一人物かは不明。
用語
ミュールゲニア大陸
大陸中央部には聖域と呼ばれる古龍や魔物が住む森があり、南西の方には魔物の森と呼ばれる文字通り魔物が住む森がある(こちらには古龍は住んでいない)。
サンクワール
ザーマイン
魔剣
例外としてノエルの魔力による光刃の魔剣があるが、元々柄しかなく、剣そのものがすべて魔力でできているので魔法が使えない一般人はもちろんのこと、並のルーンマスターでは使えない。
傾国の剣
ドラゴンスレイヤーの伝説
エクシード
魔族
ルーン
制作背景
2000年後半ごろには既に本作のネット掲載が行われていた。当時作者は公募に落ち続ける日々を送っており、次第に自身の欠点を把握することができた反面、楽しんで書くという気持ちを押し殺してしまうことがあった。本作では楽しんで書くということを大切にしており、起承転結をあえて設けずに続けたいところまで書けばいいという気持ちがあったと作者は振り返っている。
その後、作者はオンライン上の知り合いから「アルファポリスに登録すると本になる道がある」と言われ、丁度自身が勤めていた会社が危ない状態だったこともあり、人生を賭ける時が今だと感じたことでアルファポリスの「ドリームブッククラブ」に本作を応募することとなった。「ドリームブッククラブ」は読者の投資によって書籍を出版するというシステムとなっており、本作は応募から数カ月後に書籍化されることとなった。
既刊一覧
小説(単行本)
- 吉野匠(著者) / MID(イラスト) 『レイン』 アルファポリス〈アルファポリス〉、全16巻
- 本編
- 「雨の日に生まれた戦士」2005年10月15日初版発行、ISBN 4-434-06820-2
- 「招かれざる帰還」2006年4月15日初版発行、ISBN 4-434-07723-6
- 「シャンドリス、侵攻す」2006年7月20日初版発行、ISBN 4-434-08182-9
- 「世界を君に」2006年11月15日初版発行、ISBN 4-434-08574-3
- 「武闘会、開幕」2007年8月1日初版発行、ISBN 978-4-434-10872-3
- 「大戦勃発!」2008年3月20日初版発行、ISBN 978-4-434-11703-9
- 「星祭りの夜」2009年2月10日初版発行、ISBN 978-4-434-12803-5
- 「孤高の戦士」2010年6月15日初版発行、ISBN 978-4-434-14576-6
- 「過去からの亡霊」2011年6月30日初版発行、ISBN 978-4-434-15714-1
- 「最後の希望」2013年8月31日初版発行、ISBN 978-4-434-18272-3
- 「シェラザード山脈を背にして」2014年10月31日初版発行、ISBN 978-4-434-19884-7
- 「光の当たる場所」2015年5月31日初版発行、ISBN 978-4-434-20665-8
- 「新天地へ」2015年10月30日初版発行、ISBN 978-4-434-21234-5
- 「暗黒が覆う」2016年6月30日初版発行、ISBN 978-4-434-22104-0
- 「攻勢に出る」2017年6月30日初版発行、ISBN 978-4-434-23508-5
- 外伝
- 「仄暗き廃坑の底で」2007年3月20日初版発行、ISBN 978-4-434-10412-1
本編
外伝
- 「仄暗き廃坑の底で」2007年3月20日初版発行、ISBN 978-4-434-10412-1
小説(文庫版)
- 吉野匠(著者) / MID(イラスト) 『レイン』 アルファポリス〈アルファライト文庫〉、全16巻
- 本編
- 「雨の日に生まれた戦士」2009年5月7日初版発行、ISBN 978-4-434-12975-9
- 「招かれざる帰還」2009年7月25日初版発行、ISBN 978-4-434-13314-5
- 「シャンドリス、侵攻す」2010年4月1日初版発行、ISBN 978-4-434-13610-8
- 「世界を君に」2010年6月30日初版発行、ISBN 978-4-434-14512-4
- 「武闘会、開幕」2010年12月24日初版発行、ISBN 978-4-434-15156-9
- 「大戦勃発!」2011年4月14日初版発行、ISBN 978-4-434-15378-5
- 「星祭りの夜」2013年6月1日初版発行、ISBN 978-4-434-17905-1
- 「孤高の戦士」2013年8月20日初版発行、ISBN 978-4-434-18204-4
- 「過去からの亡霊」2013年11月25日初版発行、ISBN 978-4-434-18455-0
- 「最後の希望」2014年11月30日初版発行、ISBN 978-4-434-19855-7
- 「シェラザード山脈を背にして」2015年11月30日初版発行、ISBN 978-4-434-21203-1
- 「光の当たる場所」2016年6月30日初版発行、ISBN 978-4-434-21992-4
- 「新天地へ」2016年11月30日初版発行、ISBN 978-4-434-22556-7
- 「暗黒が覆う」2017年7月15日初版発行、ISBN 978-4-434-23469-9
- 「攻勢に出る」2018年6月30日初版発行、ISBN 978-4-434-24675-3
- 外伝
- 「仄暗き廃坑の底で」2010年9月20日初版発行、ISBN 978-4-434-14793-7
本編
外伝
- 「仄暗き廃坑の底で」2010年9月20日初版発行、ISBN 978-4-434-14793-7
漫画版
- 吉野匠(原作) / 住川惠(作画) 『レイン』 マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉、既刊20巻(2022年9月9日現在)
- 本編
- 2009年5月24日初版発行(5月9日発売)、ISBN 978-4-86127-626-2
- 2009年10月25日初版発行(10月10日発売)、ISBN 978-4-86127-659-0
- 2010年5月25日初版発行(5月10日発売)、ISBN 978-4-86127-732-0
- 2010年11月25日初版発行(11月10日発売)、ISBN 978-4-86127-784-9
- 2011年7月23日初版発行(7月8日発売)、ISBN 978-4-86127-857-0
- 2012年12月25日初版発行(12月10日発売)、ISBN 978-4-86127-925-6
- 2013年6月23日初版発行(6月8日発売)、ISBN 978-4-8000-0010-1
- 2014年4月25日初版発行(4月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0283-9
- 2014年9月25日初版発行(9月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0360-7
- 2015年1月25日初版発行(1月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0399-7
- 2015年8月25日初版発行(8月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0487-1
- 2016年3月25日初版発行(3月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0544-1
- 2016年11月25日初版発行(11月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0630-1
- 2017年5月25日初版発行(5月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0685-1
- 2017年10月25日初版発行(10月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0722-3
- 2018年5月25日初版発行(5月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0773-5
- 2019年1月25日初版発行(1月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0822-0
- 2020年2月25日発売、ISBN 978-4-8000-0942-5
- 2022年9月9日発売、ISBN 978-4-8000-1243-2
- 外伝
- 『レイン外伝-ヴァンパイア・マスター-』 2013年4月25日初版発行(4月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0126-9
本編
外伝
- 『レイン外伝-ヴァンパイア・マスター-』 2013年4月25日初版発行(4月10日発売)、ISBN 978-4-8000-0126-9
公式本
- 『レイン オフィシャルガイドブック』2010年3月26日発売、ISBN 978-4-04-895300-9
- ドラマCD 「嵐に勝った息子 その名をレイン」付き。
- ドラマCD 「嵐に勝った息子 その名をレイン」付き。
ドラマCD
- レイン 雨の日に生まれた戦士 ドラマCD(2010年5月29日発売、キャラアニ CADC-0034)
- 脚本:渡辺麻実、音楽:七瀬光
- 脚本:渡辺麻実、音楽:七瀬光
パラレル作品
外伝 英雄にはなりたくない!
吉野匠のホームページに「英雄にはなりたくない!」という外伝小説が掲載されている。作者によると、本編とは何の関係もないらしい。キャラ設定も大きく違う所もあれば、あまり違わないところもある。主人公は、レイン本編でシャンドリスの将軍だったセイル。舞台もシャンドリス。
登場人物(外伝 英雄にはなりたくない!)
セイル
ジュンナ
ザルツ
フォルニーア・ルシーダ・シャンドリス
グロアム
ギール
ジュネイ
グランゼ
アーヴィン
デュラン
レイ☆
プリンセスに乾杯を
主人公はレインシリーズでレイファンの大将軍だったアーク、大将軍補佐のフェリス、軍師だったケイ。舞台はミュールゲニアではなく、質問したところによれば吉野曰く、「過去に超文明が栄えていて、世界大戦後の荒廃の結果、時代が逆行した」という設定らしい。しかしながら、レインシリーズとまったく関係ないわけではない。レインシリーズに登場するアークたちは、「プリンセスに乾杯を」に登場するアークたちとキャラ設定はほぼ同じだからである。
登場人物(プリンセスに乾杯を)
アーク
ケイ
フェリス
サーヤ・サフィーネ・レイファン
デュアン
リューナス
グリード
ギゼロバ
ザガン