チャウダー (アニメ)
アニメ
原作:CH・グリーンブラット,
監督:Horseman Cao,上海禾圣实业有限公司,中国,
シリーズディレクター:エディ・ホウチンス,
キャラクターデザイン:セラピオ・カーム,フィル・リンダマーク・バックハンド,
アニメーション制作:カートゥーン ネットワーク・スタジオ,上海禾圣实业有限公司,中国,
製作:カートゥーン・ネットワーク,
放送局: カートゥーン・ネットワーク,
話数:全49話,
以下はWikipediaより引用
要約
チャウダー(Chowder)は、アメリカ合衆国のテレビアニメ。アメリカ合衆国では現地のカートゥーン ネットワークで2007年11月2日から、日本では2010年1月24日から放送開始。
プライムタイム・エミー賞にノミネートされたこのアニメは、『スポンジボブ』や『ビリー&マンディ』に参加した脚本家CH・グリーンブラットがこの番組を制作している。この作品はセル・ストップモーション・あやつり人形の組み合わせとなっている。
製作
『スポンジボブ』製作の傍ら、グリーンブラットは、自分のアニメシリーズのコンセプトを練るため、様々なキャラクターのスケッチを行っていた。グリーンブラットが最初に練っていたアイデアは、"王様の剣"といった作品にみられるような、魔法使いとその弟子の周りを描いた話だった。このアイデアは、偉大なシェフが若い弟子に料理のイロハを教えていくというチャウダーのストーリーに結び付いた。チャウダー自身は子供用の柔らかいおもちゃからヒントを得てできたキャラクターである。
インスピレーションはリチャード・スカーリーの絵本からだけでなく、アメリカ合衆国で土曜朝に放送されていたテレビアニメからも得られている。シュニッツェルは1990年代後半から行ってきた、こうしたキャラクターデザインの練習から生まれたものである。
グリーンブラットがカートゥーン ネットワークにアイデアを持ってきて採用されるのに2年かかり、パイロット版制作から放送までにまた1年かかっている。グリーンブラット本人は『チャウダー』という番組自体を作ってから放送に持ち込むまで7年かかったと話している。
1シーズンあたりにつき30分のエピソードが20できる。いずれのエピソードの導入部には、30秒ほどの人形劇が入り、その人形劇はエンディングクレジットへつながっていく。本放送時、アメリカ合衆国のカートゥーン ネットワークは人形劇のシーンを放送しなかったが、2008年6月5日から始まった再放送では、人形劇のパートも放送した。アメリカ合衆国のiTunes store や米カートゥーン ネットワークのVODサイトでは、エピソードの購入ができる。この番組で使用されているユニークな技法のひとつに、キャラクターの服や皮膚の模様に関するものがある。これらの模様は、フルスクリーンの画像として作られ、プロダクション・ハウスに送られた後、キャラクターの模様を上からかぶせるための修正が行われる。この技法を用いることにより、キャラクターが動いてもその模様が動かず固定された背景のように見える。この技法は『さよなら絶望先生』や『巌窟王』といった日本のアニメでも用いられている。
2009年、カートゥーン ネットワークはスタント番組などの放送開始に伴い、『チャウダー』の打ち切りを発表した。グリーンブラットは自身のブログで「自分の番組がテレビ局によって打ち切りになるのは非常につらいが、長々と続くよりは良いと思っている。ポスト・プロダクションの段階、私のスケジュールは一段落を迎えた。こういったゆっくりする時間は今まで得たことがない。チャウダーは私に多大なる可能性を教えてくれた上に、私に今まで以上のひらめきを与えてくれた」 と記述した。
後にグリーンブラットは他の多くのスタッフとともにディズニーと契約を結び、彼自身も『スイチュー! フレンズ』のある回で監督を務めることとなった。
なお、『チャウダー』自体は2012年4月20日からCartoon Planetという再放送枠で放送されている。
設定
チャウダーの舞台となる架空の都市マジパンシティの建物はモロッコとインドの建築様式が元になっている。マジパンシティの住人には、人間のほかにも、擬人化された動物や妖精・ロボット・マンモス・フクロウといったシュールなものまでさまざまなものがいる。番組のユーモアには、言葉遊びやメタ・リファレンスが用いられている。たとえば、人物名・地名は実際の食べ物の名からとられているのに対し、劇中で登場する食べ物は"grubble gum", "thrice cream"、 "blutter"といったようにもじられている。 第四の壁がよく破られるのもこの番組のユーモアの一つである。たとえば、『ガスパチョのお笑いライブデビュー!』(原題:"Gazpacho Stands Up")という回においてチャウダーが字を習う場面があり、画面上にいろいろ書きだす。それをガスパッチョは消すが、画面右上に出ているカートゥーンネットワークのロゴだけを残す。チャウダーがたずねると、ガスパッチョは消そうとしたができなかったことを伝える。
評価
本放送後、新聞やインターネット上のアニメ評価サイトでは、この番組について様々な感想が飛び交った。好意的な感想を寄せられた一方、「番組のユーモアがその場しのぎで下品である」「ネタを使いまわしている」といった意見も2つあった。
ハリウッド・レポーターのバリー・ギャリソンはエキゾチックなビジュアル、ユニークな設定、キャラクターの面白さで、子供も大人も楽しめると評した。Toon Zoneの Ed Liuは、ティーン向けになることなく子供が楽しめるユーモアを含んでいると評価し、内容と敵役のクレイジーさをほめたが、『チャウダー』はまだ発展途上でもう少し時間があれば彼にとっても面白くなるだろうと読者に念を押した。
Animation InsiderのAaron H. Bynumもこの番組について言及しており、設定やクレージーなキャラクターについても言及した後、『チャウダー』はカートゥーン ネットワークがここ数年で生み出してきた大ヒット作の一つであると締めくくった。
ニューヨーク・タイムズも作品のスタイリッシュさについては評していたが、Kimchi といった物理的なユーモアに関しては疑問を抱いており、マイク・ヘイルは脚本がつまらないと話している。The Daily Texan(英語版) のロバート・リッチも 『ビリー&マンディ』『スポンジ・ボブ』といったグリーンブラットのヒット作と似たり寄ったりだと述べている。また、チャウダーの食習慣には問題があり、子供の肥満を招くのではないかと心配する声も上がっていると述べている。リッチはこの番組は個性がなく陳腐で2000年代に放送されたほかのアニメと何ら変わりがないと批評した。
あらすじ
幻想的な街マジパンシティにあるケータリング料理店。ここに勤める小さな見習いシェフ・チャウダーは、いつか偉大なシェフを夢見て、一流シェフ・ムーング・ダールの元で料理を学ぶのだが、必ずトラブルを起こすのであった。
登場人物
いずれのキャラクターも食べ物から名前がとられている。
チャウダー(Chowder)
声:ニッキー・ジョーンズ/武田華
本作の主人公。料理人ムーング・ダールの弟子。クマとウサギを合わせたような生き物。作中でもしばしばこのことを指摘される。食欲旺盛で料理好き。一流のシェフを夢見るが、落ち着きが無くしょっちゅうトラブルを引き起こす(ムーングには「注意散漫」だと言われていた)。1人で料理を作った際、間違えて毒を入れてしまったり、ゴミの塊のようなものを作り上げムーングを困らせた。しかしビッグ・フードの身体等、頑張れば普通の料理も作れる様である。パニーニが苦手で、いつも彼女のアプローチに対し「僕は君の彼氏じゃない!(I'm not your boyfriend!)」と叫び逃げ回っている。ムーングから跡継ぎを任命された際には、自らが見習いであり続けたいことを20年間歌い続けた。自分が大人にならない事で、パニーニやゴルゴンゾーラに傷を負わせている事を自覚したチャウダーは遂に大人になる事を決心。ムーングから店を引継いでスクラップと言う弟子を取り、パニーニと結婚している。
なっとう(原語版:Kimchi)
ムーング・ダール(Mung Daal)
声:ドワイト・シュルツ/岩崎ひろし
マジパン・シティでケータリング業を営むシェフ。料理の腕は超一流で、自分がとてもモテると思いこんでいる。チャウダーに翻弄されているが、実際は彼の事を可愛がっており、恋愛についてアドバイスもしている。ミス・エンダイブとは犬猿の仲で、顔を合わせる度にしかめっ面で「エンダーイブ…!」と呟くのがお決まりとなっている。はっきりとした年齢は不明だが、 386年間シェフをやってきたという発言をしている場面もある。 また、マジパンシティのフードフェスティバルには411回参加しているらしく、トリュフと結婚して450年経っている。トリュフを心から愛しているが、一方で女好きのような一面も見られ、ナンパをしてはトリュフに制裁を受けている。20年後の未来では、料理人を引退し、トリュフとフロリダへ旅立った。
名前のネタ元はインド料理であるリョクトウ(ムーング)のダールで、話し言葉もインドなまりになるはずだった。
シュニッツェル(Schnitzel)
声:ケビン・マイケル・リチャードソン("The Froggy Apple Crumple Thumpkin"のみ)、ジョン・ディマジオ/間宮康弘
ムーング・ダールの店で使用人として働く、大きな岩のモンスター。『ラダ』("Radda")の連発か、簡単な言葉しか話せない。が、他の登場人物達はシュニッツェルの言葉をしっかりと理解出来ている(トリュフ以外)。またエピソードによっては、普通に話した事もある。
ムーングの雑用やチャウダーの起こしたトラブルの後始末を担う。また、怪力を誇る為、荷物運びを任されることもある。
興奮しやすい人物に突っ込みを入れる役回り(straight man)になることが多いが、本人も怒りやすい性格である。チャウダーの悪ふざけに腹を立てることが多いが、チャウダーに弱く、永遠に消えたと思いこんだ時は泣いたこともあった。もう大人であると思われるが、クニシュマスの時期には子供の様に人一倍はしゃいでいる。20年後の未来では、ミス・エンダイブと結婚している。
シュニッツェルの初登場回である『チャウダーのシェフ修行』(原題:"The Froggy Apple Crumple Thumpkin")では、ケビン・マイケル・リチャードソンが声を当てたが、リチャードソンは多忙でこの番組を降板したため、ジョン・ディマジオが代役を務めた。
なお、シュニッツェルはパートタイムでコメディアンの仕事も行っている。
名前の由来はヨーロッパの肉料理・シュニッツェル。
トリュフ(Truffles)
ガスパチョ(Gazpacho)
パニーニ(Panini)
声:リリアナ・マミー/新井里美
ミス・エンダイブの弟子であるウサギとネコの少女。かなり積極的な性格。チャウダーに一目惚れして以来、一方的なアプローチを仕掛けているが、彼に迷惑がられている。料理の腕はチャウダーより上な様で、エンダイブから許可を得て露店を開いた事もある。耳がかなり柔軟に動き、物を掴んで投げたり、プロペラの様に回して飛行する事も可能。本気で怒ると黒猫の様な姿になる事もある。20年後は、アンブロシアという弟子を取りマフィンの店を開く。チャウダーが大人にならなかった為精神を病み、アンブロシアを赤ちゃん扱いしていたが、遂に大人になったチャウダーと結婚。50人もの子供をもうけた。
ミス・エンダイブ(Ms. Endive)
声:ミンディ・スターリング/よのひかり
パニーニの上司。ムーングとは犬猿の仲。『やめないで! シュニッツェル』でムーングたちにこき使われて腹を立てたシュニッツェルが自分の店で働いて以来、シュニッツェルを気に入っているようである。20年後の未来では、シュニッツェルと結婚している。
製作者たちは、ウンパ・ルンパカラーのマーサ・スチュワートとして描いている。また、グリーンブラットは 彼女の名前のキャラクター造形は、エンダイブが独特の苦みを持つのにベルジアン・エンダイブ(Belgian endive)は高級品とされていることから、無情だが上品な人物にしたと話している。
ゴルゴンゾーラ(Gorgonzola)
スティルトン(Stilton)
セビーチェ(Ceviche)
ゲストキャラクター
ミスター・フグ
声 - ボブ・ジョウルズ/浦山迅
ムーングダール・ケータリングサービスの上客にしてスポンサー。赤い風船の姿をした男性で、誰かが紐を持っていないと飛んでいってしまう。とてもグルメだが横暴で、チャウダーよりも食い意地が張っている。
フォアグラ
ガンボ
声 - リチャード・カインド
ムーングがチャウダーの前に弟子にしていた人物。チャウダーとムーングを足した様な顔をしている。非常にプライドが高く、ムーングにアドバイスされた事を「否定された」と思い込み弟子を辞めた。その為ムーングを逆恨みしており、チャウダーを「命懸けの迷路」に誘い込んで恨みを晴らそうとした。
ミス・ベラム(Ms. Sara Bellum)
バブルス(Bubbles)
ルーベン
豆腐
アルボル
神様
スタッフ
制作スタッフ
- 原作 / 監督 - CH・グリーンブラット
- スーパーバイジングディレクター - エディ・ホウチンス
- クリエイティブディレクター - ウィリアム・レイス
- キャラクターデザイン - セラピオ・カーム、フィル・リンダ、マーク・バックハンド
- 背景デザイン - ビル・フローレス、レベッカ・ラモス
- アートディレクター - ダン・クラール、リン・ネイラー
- キャスティング / 録音監督 - コレット・サンダーマン
- 音楽 - ダン・ボーア、ザック・パイク
- プロデューサー - ルイス・J・カック
- エグゼクティブプロデューサー - ブライアン・A・ミラー
- アニメーション制作 - カートゥーン ネットワーク・スタジオ
- 制作協力 - ホンイン・アニメーション、ハンホ興業(英語版)
- ストップ・モーション / 人形操演 - スクリーン・ノベルティーズ
- 製作 - カートゥーン・ネットワーク
日本語版スタッフ
- 演出 - 依田孝利
- 翻訳 - 小島さやか
- プロデューサー - 岡田由里子
- 制作 - 丸山晋
- 製作 - カートゥーン ネットワーク
エピソード
2009年9月3日現在、30分のエピソードが51話分放送されてきた。 第2シーズンは20話分作ってあり、2008年11月6日にアメリカ合衆国で放送されたシーズンスタート"Panini for President/Chowder's Babysitter"(邦題: 『パニーニの選挙戦!/ベビーシッター大騒動!』)は、番組史上初の長編エピソードとなっている。第3シーズンは2009年10月15日からアメリカ合衆国で放送がスタートされ、シーズンスタートエピソードは"Hands on a Big Mixer"(邦題: 『巨大ミキサーを手に入れろ!』)である。ファイナルシーズンまで製作されており、30分エピソードが9つある。オープニングのオーブンに入っているものは37種類(複数登場もあり)。
第1シーズン(2007年 - 2008年)
第2シーズン(2008年 - 2009年)
第3シーズン(2009年 - 2010年)
受賞歴
年 | 賞 | 部門 | ノミネートまたは受賞した回 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2008 | アニー賞 | 最優秀子供向けテレビアニメ部門 脚本賞TV部門 |
C・H・グリーンブラットと William Reiss("Burple Nurples"(邦題:『バープルナープルを奪え!』)担当) | ノミネート |
2008 | プライムタイム・エミー賞 | スペシャルクラス番組賞・短編形式アニメ番組部門 | "Burple Nurples"(邦題:『バープルナープルを奪え!』) | ノミネート |
2009 | アニー賞 | 最優秀子供向けテレビアニメ部門 | Dan Krall ("The Heavy Sleeper"(邦題:『眠れるムーングを追いかけろ!』)担当) | ノミネート |
2009 | アニー賞 | 声優賞TV部門 | ドワイト・シュルツ(ムーング・ダール) | ノミネート |
2009 | プライム・タイム・エミー賞 | アニメーション個人部門審査員賞 | ジョー・ビンゲーリ | 受賞 |
2010 | アニー賞 | 声優賞TV部門 | ドワイト・シュルツ、ニッキー・ジョーンズ | ノミネート |