地獄楽
漫画
作者:賀来ゆうじ,
出版社:集英社,
掲載サイト:少年ジャンプ+,
レーベル:ジャンプコミックス,
発表期間:2018年1月22日 - 2021年1月25日,
巻数:全13巻,
話数:全127話,
漫画:じごくらく 〜最強の抜け忍 がまんの画眉丸〜
原作・原案など:賀来ゆうじ,
作画:おおはし,
出版社:集英社,
掲載誌:少年ジャンプ+,
レーベル:ジャンプ・コミックス,
巻数:全1巻,
アニメ
原作:賀来ゆうじ,
監督:牧田佳織,
シリーズ構成:金田一明,
キャラクターデザイン:久木晃嗣,
音楽:出羽良彰,
アニメーション制作:MAPPA,
製作:ツインエンジン,
放送局:テレビ東京系列,
話数:第一期:全13話,
以下はWikipediaより引用
要約
『地獄楽』(じごくらく)は、賀来ゆうじによる日本の漫画作品。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社、以下『J+』)2018年1月22日より2021年1月25日まで毎週月曜更新で連載された。
概要
賀来にとって2作目の連載作品。江戸時代後期、死罪人・画眉丸らが不老不死の仙薬を探しに向かう忍法浪漫。美麗かつ悲壮感あふれるタッチで、過酷な状況下の力強い人間ドラマを描き、『J+』の人気作品となった。
2018年11月、『地獄楽』原画展が開催された。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2018年36・37合併号と2019年28号に出張掲載された。2019年3月4日(49話)と2020年8月24日(番外編)ではキャラクター人気投票の第1回と第2回の結果がそれぞれ発表された。2019年9月、小説版が発売された。2020年には『J+』でおおはしによるスピンオフ『じごくらく 〜最強の抜け忍 がまんの画眉丸〜』が連載された。2020年8月 - 9月には、『地獄楽』大原画展が開催された。
連載終了後は、テレビアニメ化および舞台化がそれぞれ発表されている。
2023年4月8日、テレビアニメの放送開始を記念し、特別編の読み切り「勿怪の森」を『J+』に掲載。
あらすじ
江戸時代末期となる頃、かつて最強の忍として畏れられた画眉丸は、死罪人として囚われていた。そんな中、打ち首執行人・山田浅ェ門佐切に極楽浄土と噂される島から「不老不死の仙薬」を持ち帰れば無罪放免になり、誰からも二度と追われなくなると告げられる。画眉丸は「愛する妻にもう一度会うため」に、仙薬探しの道を選ぶ。無罪放免を求める他の死罪人達やそれに同行する山田一門と、一見美しいが恐ろしい化物の住む謎の島で仙薬を巡る戦いが行われる。
登場人物
声の項はテレビアニメ版における声優。
山田浅ェ門 | 死罪人 | 備考 | |||
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段位 | 名前 | 氣 | 名前 | 氣 | |
一 | 衛善 | 木 | 陸郎太 | 木 | |
二 | 殊現 | 水 | - | 追加組 | |
三 | 十禾 | 土 | 法流坊 | 土 | |
四 | 士遠 | 木 | あか絹 | 火 | |
五 | 仙汰 | 水 | 杠 | 土 | |
六 | 羅芋 | 火 | - | 留守番 | |
七 | 努々 | 木 | - | 留守番 | |
八 | 源嗣 | 水 | 茂籠牧耶 | 金 | |
九 | 付知 | 金 | 民谷厳鉄斎 | 火 | |
十 | 典坐 | 火 | ヌルガイ | 水 | |
十一 | 期聖 | 土 | いがみの慶雲 | 金 | |
十二 | 佐切 | 木 | 画眉丸 | 火 | 主人公コンビ |
未定 | 桐馬 | 土 | 亜左弔兵衛 | 金 | 実の兄弟 |
裏許し | 威鈴 | 水 | - | 追加組 | |
裏許し | 清丸 | 金 | - | 追加組 |
主要人物
画眉丸(がびまる)
声 - 小林千晃
本作の主人公の一人。「画眉丸」は石隠れの里の筆頭を示す屋号で、本名ではない。渾名はがらんの画眉丸で、血も涙もない「がらんどう」な人間という意。
一人称は「ワシ」。小柄な体と白髪が特徴。虚無的な性格だが、不満を根に持つ粘着気質な面もある。湯船が苦手。妻は石隠れ衆忍の長の娘・結(ゆい)。愛妻家で結を侮辱されると激怒し、他の女性には照れることも無い。氣は「火」で、火を扱う忍術に長ける。得意忍術は「火法師(ひぼうし)」。
幼少期に石隠れの里長に両親を殺され、忍者として育てられた。結と共に里を抜ける条件として請け負った任務で、仲間に裏切られ捕縛。死罪になるも、斬首しようとしても刀が折れ、火刑に科しても燃えないなど、強靭な生命力で処刑できない。派遣された佐切から、死を受容しているようで、愛する妻のために抵抗していることを指摘される。結と再会するため佐切の提案を受け入れ、仙薬探しに参加する。
山田浅ェ門 佐切(やまだあさえもん さぎり)
声 - 花守ゆみり
本作の主人公の一人。山田浅ェ門家現当主の実娘で、打ち首執行人。試一刀流十二位。一人称は「私」。
人の死を生業とする山田家に生まれた業を見極めるため、女性ながら御様御用(おためしごよう)の道を選んだ。だが女性という理由だけで一部から冷遇されてしまう。段位が低いのもそのため。様々な想いが太刀筋を鈍らせるが、迷いが消えたときの実力は他の浅ェ門達も高く評価する。彼女の気迫には画眉丸も死のイメージを見る。
当初は無表情且つ無愛想で融通が効かないが、島で画眉丸達と戦い抜くなかで自分の強さも弱さも受け入れて成長する。初恋相手は同じ山田家一門の殊現。彼のことは剣術などを含め今でも好意らしきものがあるように描かれる。氣は「木」。
死罪人
杠(ゆずりは)
声 - 高橋李依
自称甲斐忍者のくのいち。「傾主の杠」の異名を持つ美女。氣は「土」。
任務で潜入した鷺羽城で家臣全員を打ち倒した手練れ。身体中に傷跡があるが、自身の忍術で隠す。奔放で自己中心的な言動が多い。茂籠を実験台に使う冷酷さもあるが、生死を共にする仲間たちへの情を持ち合わせる。夭折した妹・小夜の分まで生きるという思いが、何としても生き抜く姿勢に繋がる。
監視役は仙汰。
亜左 弔兵衛(あざ ちょうべえ)
声 - 木村良平
若くして大盗賊団を作り上げた伊予の賊王。氣は「金」。
赤稿藩の武家出身。藩の改易、母の死、藩主仇討ちに参加した父の刑死など不幸が重なり盗賊へ落ちぶれた。法流坊を返り討ちにするなど死罪人でも高い戦闘能力を持ち、分析力・対応力・人心掌握に優れる。唯一の身内である弟の桐馬を何より大切に思い、監視役も桐馬が務める。
作中で花化が最も進む。
民谷 巌鉄斎(たみや がんてつさい)
声 - 稲田徹
「剣龍」「八州無双」と讃えられる剣豪。氣は「火」。
藩主に気に入られたが、「龍は切れまい」との軽口に反発し、藩主邸の門を竜の扁額ごと一刀両断して死罪となる。不老不死に興味がないが、伝説の剣豪として後世に名を遺す野望がある。島上陸直後、毒虫に左手を刺され、危険を感じ左手首を即座に切り落とす(切り落とされた手首は花に寄生される)。以後は監視役の付知に鉤状の義手を付けてもらう。
ヌルガイ
声 - 小市眞琴
まつろわぬ民・サンカ(山の民)の末裔。鍛えられた体と言動から少年に見えるが実は少女。氣は「水」。
侍を助けたことで集落の存在が発覚し、仲間は虐殺され、死罪人にされた。自分が村を滅ぼしたという自責から自棄になるが、監視役の典坐に生き抜くよう説得される。
陸郎太(ろくろうた)
いがみの慶雲(いがみのけいうん)
声 - 真木駿一
武器の収集癖を持つ僧兵崩れ。異名は「百本狩り」。氣は「金」。
修行中に武具の魅力に憑りつかれ、多くの寺社仏閣を破壊、武芸人から武器を強奪し死罪となる。
顔に面を付け、体のあらゆる部分に活鎧(いきよろい)と言う鎧を縫い付けている。かなり頑丈。
上陸後にライバルを減らそうと手縄をした画眉丸を襲い、返り討ちに遭い死亡する。監視役は期聖。
あか絹(ぎぬ)
茂籠 牧耶(もろ まきや)
法流坊(ほうるぼう)
安達 又五郎(あだち またごろう)
山田浅ェ門
士遠(しおん)
声 - 小林親弘
試一刀流四位。生まれつき盲目。氣は「木」。
幼い頃から物質が放つ氣を読み、母と旅芸人をしていた。芸に箔をつけるため、母により両目に大きな傷をつけられた。
健常者以上の動きが可能。冷静怜悧だが、「目」「見える」に絡めた冗談が趣味で、他人が上手いことを言うと悔しがる。弟子の典坐を可愛がる。早くからヌルガイの性別も感知する。
元は「悪・即・斬」な設定であったが、話の展開上今の性格となった。その苛烈さは本編の殊現に受け継がれる。
付知(ふち)
声 - 市川蒼
試一刀流九位。巌鉄斎の担当。腰にはいつも解剖道具を下げ、島の生物も解剖して大喜びするマッドサイエンティスト。氣は「金」。
処刑された遺体の解剖が得意。解剖学に通じ、新薬開発も担当する。小柄な体を活かし、俊敏な動きで剣を振るう。背に背負う二振りの愛刀は、先が大きく反り返ったものとノコギリのようなもので解剖に向いた形。
当初は感情が乏しくサイコパスのようにふるまうが、仲間の死や死罪人との触れ合いで全員の生還を願うようになるなど、人間らしい面も見せる。
タオを感じることはできないが、桐馬と共に戦い、鬼尸解した菊花と桃花に勝利する。巌鉄斎と共に殊現に斬られ、巌鉄斎を治療し自身は命を落とす。
桐馬(とうま)
声 - 小野賢章
弔兵衛の実弟。入門1ヶ月で代行免許を与えられた天才。位は未所持。氣は「土」。
女性と見紛う美しい容貌。暴走した兄に顔を傷付けられ、鼻のあたりに傷跡がある。通常は見えないが、感情が昂ると傷跡が浮かぶ。全幅の信頼を置く兄を助けるため山田家に入門した。
巌鉄斎に剣技が付け焼き刃であること、兄に頼り過ぎであることを指摘され、頭を下げて教えを請う。その際に髪を自ら切り、「身の証明」とする。以降は兄と似た髪型になる。
仙汰(せんた)
声 - 山下大輝
試一刀流五位。杠の担当。人が良さそうな小肥りの眼鏡の男。氣は「水」。
絵を描くことが好きだったが、実家のしきたりで山田家に入門し、救いを求めて様々な宗教を研究した。蘭学・植物学などにも明るい学者肌。浅ェ門達では珍しく、フェンシングのような突きを多用した剣技で戦う。しきたりに縛られていたため、杠の奔放な言動に憧れる。ムーダンの弱点を見破り、勝利に貢献したが致命傷を負わされ、杠の腕の中で息絶える。
典坐(てんざ)
声 - 小林裕介
試一刀流十位。ヌルガイの担当。語尾に「〜っす」とつけるのが口癖の体育会系青年。氣は「火」。
街で無頼の日々を過ごし、士遠に拾われ浅ェ門門弟になった。物事を深く考えるのは苦手だが、自分に正直で明るく前向きな性格は士遠やヌルガイの癒しとなる。サンカゆえ死罪とされたヌルガイに生き抜くことを説く。彼女には「婿に来い」とプロポーズされる。士遠にヌルガイを託し、ヂュジンに殺される。初期に死亡したが、人気投票では上位に入る。
衛善(えいぜん)
源嗣(げんじ)
声 - ボルケーノ太田
試一刀流八位。牧耶の担当。浅黒い肌の巨漢。氣は「水」。
厳格な佇まいの反面、女性に弱く、杠に籠絡される。佐切が浅ェ門の道を進むことをよく思わず、厳しい態度をとる。
暴走した陸郎太から佐切を庇って致命傷を負う。佐切に刀を渡し、陸郎太を斬るよう言い残し、力尽きる。
期聖(きしょう)
追加組
殊現(しゅげん)
天仙
メイ以外の天仙は全て蓮の分身体であり、同一の容姿・声をしている。テレビアニメ版では女性体を甲斐田裕子、男性体を諏訪部順一が全て共通で担当している。
メイ
声 - 小原好美
徐福によって作り出された天仙の一人。氣は「水」。
木人達を犠牲にして仙薬(丹)を製造した蓮を諫め、制裁によって力の大半を失う。さらに、道士達の房中術相手にされたため、逃げ出し木人に拾われた。普段は幼女の姿だが、タオを消費すると元の大人の体に近づき、やがて体が樹化する。髪色はピンク。
画眉丸達の様子を見に来て捕らえられ、和解後は島や氣の事を教える。
蓮(リエン) / 普賢上帝(ふげんじょうてい)
菊花(ジュファ) / ア閦大帝(あしゅくたいてい)
桃花(タオファ) / ラトナ大聖(らとなたいせい)
牡丹(ムーダン) / 不空就君(ふくうじゅくん)
朱槿(ヂュジン) / 如イ元君(にょいげんくん)
蘭(ラン) / 准胝帝君(じゅんでいていくん)
石隠れ衆の里
里長
結(ゆい)
声 - 能登麻美子
石隠れ衆の里長の娘。画眉丸の愛妻。心優しく朗らかな女性。画眉丸にとって生きる意味そのものの存在。
美しくうねりのある金髪が特徴的。父親により顔の右半面に火傷を負わされた。冷酷な父親とは対照的に、画眉丸に人としての温かい心と暮らしを教え、彼が里を抜けるきっかけとなる。
杠は術による幻想ではないかと疑うが、画眉丸は彼女の存在を感じる。後の描写で夫婦の仲むつまじい生活が明かされ、実在が確定する。
シジャ(次代画眉丸)
雲霧(くもきり)
その他の登場人物
徳川 斉慶(とくがわ なりよし)
木人(ほうこ)
声 - チョー
一般島民最後の生き残り。木でできた化物のような姿だが、元は人間の姿をしていた。
穏やかな人柄。画眉丸一行には敵意も好意もないが、天仙に殺されるだろうと憐み、メイに危害を加えないことを条件に食事・休憩場所・情報を提供する。幼くして樹化した娘と同じ年頃の姿をしていたメイを保護し、彼女も父親として慕う。
青木(あおき)
用語
山田浅ェ門(やまだあさえもん)
位は実力のほか、次代当主としての適性で決まり、非世襲制。幕府から浪人扱いされ、公職でないので決まった俸禄はない。副業として刀剣鑑定、死体売買、死体を材料とした製薬なども行い、大きな収入を得る。
石隠れ衆(いわがくれしゅう)
里長は不死とされる。男は幼い頃から忍術を叩き込まれ、その過程で多くの者が死んでいく。生き残り忍者となった者は、「群体」として里のために命を尽くすよう仕向けられる。女はひたすら子どもを産まされる。
御免状(ごめんじょう)
氣(タオ)
生物は勿論、建物や大気のような無機物にも存在する。天仙たちは千年間タオを操る修行を続けていた。タオには五つの属性があり、五行相克に沿った相性がある。
生まれつき盲目の士遠はタオを波動として感知しており、画眉丸や杠の忍術はタオを利用していると示唆される。佐切も画眉丸や陸郎太の発するタオを多少感知する。
なお、杠の故郷では「氣(き)」と呼んでいたため、「タオ」にはこの字を当てている。
天仙(てんせん)
雌雄同体ゆえ一人で陰陽によりタオを増強できる。本来生物が生命活動や時間によって失うタオを1000年間鍛練し続ける。負傷してもすぐ回復し、老いずにいつまでも若々しく美しいが、丹によるタオの補給があってこそで、真の不老不死ではない。いつまで続くか分からない日々に内心飽いた者もいる。
人型の時はヘソの下(丹田)が弱点。「鬼尸解」すると植物と人が混ざったような化物になり、攻撃力も上がるが、タオを大量消費する。鬼尸解の姿では植物の胚殊にあたる部分が弱点で、ここを破壊され再生を止められると死に至る。
相克のタオなら一撃、相克でなくとも貫いたままにしておくなどすれば倒せる。
島(こたく)
様々な花が咲き乱れ、蝶が舞い、夢のように美しい神仙郷に見えるが、知識のある者からみれば人工的な不気味さを感じる。蝶は人の顔に似た頭部が付き、これに刺されると花に寄生され、燐粉には幻覚作用や毒がある。
幕府は調査団を5回送るも、戻ってきた者は花に寄生される病になるか、全身がバラバラにされて花の苗床のような状態になり、60人が消息不明となった。時の将軍・斉慶はこの不思議を見て「仙薬があるに違いない」と決めつけた。
島の形状は不明だが、同心円状の3エリアからなり、外側から門神や毒虫のいる瀛州(えいしゅう)木人や竈神がすまう方丈(ほうじょう)、天仙達が住まう蓬萊がある。1度島に上陸すると海流や海に潜む海神と呼ばれる化物に阻まれ脱出は難しい。
蓮によれば島は不死の命を作り出し観察するために徐福が作り上げた研究室・実験場であるという。
木人(ほうこ、種族としての木人)
人と同じ姿で再生力は高く、寿命も長い。次第に樹化して死ぬ。年齢に関係なく、幼くして樹化する場合もある。それぞれ個別名があるかは不明。
天仙を神と崇め、死後の魂は天仙のすまう蓬莱へ行くと考える。樹化が進むと蓬莱の手前に座して念仏を唱えながら死を待つ。この独特の信仰は天仙たちから植え付けられた。
蓮によって丹製造の犠牲にされたこともあり、修業開始から200年後には村が崩壊した。画眉丸らの上陸時点では、メイを保護した木人だけが生き残っていた。
丹(たん)
タオは通常の生命活動でも日々消費されるため、天仙たちはこれを飲んでタオを補う。普通の人間が口にすれば花化する。特に人間の持つタオからは上質な丹が得られる。
道士(どうし)
人間と別の生物を掛け合わせたような奇怪な姿だが、竈神達とは違い人間サイズで知性もある。天仙達にタオを学び、修行の手伝いや身の回りの世話、島の警備や雑事を行う。階級があり、上から神仙→上仙→地仙→道士となっている。
門神(もんしん)
二足歩行・四足走行ができる。錫杖のようなものが体に取り付けられている。「馬笛」という特殊な笛で操る。
竈神(そうしん)
仙汰は「できそこないの神様」と表現する。数珠・錫杖を持ち、「殺しは罪です」などの戒めを喋り続け、逆らった者を攻撃する。島の中域を徘徊する。
元は長寿ゆえ命の概念が薄い木人達への道徳教育用に作られた生物だった。
海神(かいしん)
十禾はこれを倒して江戸に帰還する。
スピンオフ
じごくらく 〜最強の抜け忍 がまんの画眉丸〜
本編の登場人物がスーパーデフォルメされて描かれる。
テーマ・作風
鎖国体制下の日本とその近海が舞台だが、英語などの外来語がセリフに使われることがある。これについて、賀来は「読者にとって漫画はラーメン待っている間の暇つぶし」という考えのもと、気軽に読めるようにするためだとしている。
エピソード全体の流れ→印象的なシーン→キャラクターに言ってほしいセリフ、の順でネームが作られていた。“気持ち良さ”に繋がるとして、フィクションの中にリアルな要素が「ほんのちょこっと」入れられている。賀来は、人間同士が出会うことで変わらざるをえない部分を描きたいとしていた。また、自分がまず楽しむことで、読者も感化されて楽しんでもらえるのではないかと述べていた。
読者から「残酷だ」と言われることもあった。賀来は『北斗の拳』・『覚悟のススメ』・『グラップラー刃牙』・『ベルセルク』・『寄生獣』などの影響で、「熱い話を描こうとすると血みどろになっちゃうというのは普通」と感じているという。また本作の連載準備中、親戚の殺陣師から殺陣のレクチャーを受け、「基本的に刀は、一度抜いたからにはどちらかが死なない限り絶対に納めることはない」ということを学んだ。そのとき、刀を扱うからには残酷な描写は避けられないと思ったという。
制作背景
初代担当編集の林士平によると、賀来は『ファイアパンチ』を連載していた藤本タツキの元アシスタントであり、『地獄楽』と『ファイアパンチ』のアシスタントは8割ほど被っていた。また、本作はおそらく『ファイアパンチ』の影響を受けており、賀来が藤本の職場に入らなければ『地獄楽』は生まれなかったのではないかと振り返っている。
賀来によると、過去作『FANTASMA』では他人に向けて描き続けていたが人気が出なかった。そこで自分の好きなほうに振ってみたらどうなるだろうと『地獄楽』を連載したという。
処刑人と死罪人が閉鎖空間にいるという所から物語が構想された。しかし、設定説明だけの漫画になりそうだったため、キャラクターを作ってから改めてストーリーとすり合わせられた。
本作連載前、編集者から絵に課題点があると指摘されたため、賀来は『首斬り朝』など小池一夫の劇画作品を研究し、特に連載初期は劇画タッチを意識して描いていた。また、他作品と差をつけるために、バンド・デシネ(フランスなどの漫画)を参考のひとつにした。
数多くの『J+』作品の中で埋没しないよう、強烈なシーンと登場人物によって求心力を付けた。そのために当初は無駄な間を削り、キャラクターに変化をもたらす展開を多用した。また、登場人物の言動は、賀来が彼らに問いかけてその答えを反映させるイメージで描いているという。
社会的評価
2021年12月時点でシリーズ累計発行部数は380万部を突破している。
2020年7月に『猫田びより』を抜いて以降、『J+』で最も総閲覧数の多い作品となった。
単行本は新刊が出るたびに即重版出来となり、2018年8月には『J+』人気No.1作品とされた。2019年には、「集英社PUSH3作品」に『週刊少年ジャンプ』作品の『呪術廻戦』・『アクタージュ act-age』と並び選出された。同年11月には『SPY×FAMILY』に人気No.1を譲ったものの、依然として『J+』の看板作品として扱われていた。
日本出版販売によると、読者層は男女に偏りなく高い人気を集めた。また、『呪術廻戦』・『鬼滅の刃』・『約束のネバーランド』など、「ダークな世界観の作品」と併読されていたという。
受賞歴
受賞年 | セレモニー | 部門・賞 | 受賞対象 | 備考・出典 |
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2018年 | 次にくるマンガ大賞2018 | ウェブマンガ部門・11位 | 地獄楽 | 16,510ポイント |
第2回マンガ新聞大賞 | ノミネート・3位 | 地獄楽 | ||
2019年 | 第14回全国書店員が選んだおすすめコミック | 4位 | 地獄楽 |
書誌情報
漫画
- 賀来ゆうじ 『地獄楽』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、全13巻
- 2018年4月4日発売、ISBN 978-4-08-881471-1
- 2018年6月4日発売、ISBN 978-4-08-881502-2
- 2018年8月3日発売、ISBN 978-4-08-881546-6
- 2018年11月2日発売、ISBN 978-4-08-881601-2
- 2019年3月4日発売、ISBN 978-4-08-881697-5
- 2019年6月4日発売、ISBN 978-4-08-881803-0
- 2019年9月4日発売、ISBN 978-4-08-882056-9
- 2019年12月4日発売、ISBN 978-4-08-882148-1
- 2020年3月4日発売、ISBN 978-4-08-882230-3
- 2020年6月4日発売、ISBN 978-4-08-882338-6
- 2020年9月4日発売、ISBN 978-4-08-882407-9
- 2020年12月4日発売、ISBN 978-4-08-882523-6
- 2021年4月30日発売、ISBN 978-4-08-882583-0
- 賀来ゆうじ(原作) / おおはし(作画) 『じごくらく 〜最強の抜け忍 がまんの画眉丸〜』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2020年9月4日発売、ISBN 978-4-08-882408-6
小説
- 賀来ゆうじ(原作) / 菱川さかく(著者) 『地獄楽 うたかたの夢』集英社〈ジャンプ ジェイ ブックス〉、2019年9月4日発売、ISBN 978-4-08-703484-4
ファンブック
- 賀来ゆうじ 『地獄楽 解体新書』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2021年4月30日発売、ISBN 978-4-08-882680-6
テレビアニメ
2023年4月から7月までテレビ東京系列ほかにて第一期が放送された。ナレーションは乃村健次。
第一期放送終了後に第二期の制作が発表された。
スタッフ
- 原作 - 賀来ゆうじ
- 監督 - 牧田佳織
- シリーズ構成・脚本 - 金田一明
- キャラクターデザイン - 久木晃嗣
- プロップデザイン - 池田智志、合田麻美
- クリーチャーデザイン - 新妻大輔
- キーアニメーター - 𠮷田正幸
- エフェクト作監 - 高野徹
- アクション作監 - 岩瀧智
- 美術チーム - e-カエサル
- 色彩設計 - 末永絢子
- CGIプロデューサー - 淡輪雄介
- 3DCGディレクター - 福西未来
- 撮影監督 - 朴孝圭
- 編集 - 武宮むつみ
- 音楽 - 出羽良彰
- 音響監督 - えびなやすのり
- 音楽プロデューサー - 舩橋宗寛
- 音楽制作 - フジパシフィックミュージック
- プロデューサー - 石井希
- アニメーションプロデューサー - 川越恒
- 制作 - MAPPA
- 製作 - ツインエンジン
主題歌
「W●RK」
「紙一重」
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 | 初放送日 | ||||||||||||||||||
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第一期 | ||||||||||||||||||||||||
第1話 | 死罪人と執行人 | 牧田佳織 |
| 久木晃嗣 | 2023年 4月1日 |
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第2話 | 選別と選択 | 赤根和樹 | 下司泰弘 |
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| 4月8日 | ||||||||||||||||||
第3話 | 弱さと強さ | 二宮壮史 | 山田加余仲 |
| 4月15日 | |||||||||||||||||||
第4話 | 地獄と極楽 | 若野哲也 |
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| 4月22日 | |||||||||||||||||||
第5話 | 侍と女 | 宮繁之 | 渡部周 |
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| 4月29日 | ||||||||||||||||||
第6話 | 心と理 | 下司泰弘 |
| 5月6日 | ||||||||||||||||||||
第7話 | 花と贄 | 吉田りさこ | 新谷研人 |
| 5月13日 | |||||||||||||||||||
第8話 | 弟子と師 | 牧田佳織 | 山田史人 |
| 5月20日 | |||||||||||||||||||
第9話 | 神と人 | 宍戸淳 | 山本隆太 |
| 6月3日 | |||||||||||||||||||
第10話 | 陰と陽 | 若野哲也 |
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| 6月10日 | |||||||||||||||||||
第11話 | 弱イと強イ | 宮繁之 | 下司泰弘 |
| 6月17日 | |||||||||||||||||||
第12話 | 傘と墨 | 宍戸淳 | 大峰輝之 |
| 6月24日 | |||||||||||||||||||
第13話 | 夢と |
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| 7月1日 |
放送局
放送期間 | 放送時間 | 放送局 | 対象地域・備考 |
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2023年4月1日 - 7月1日 | 土曜 23:00 - 23:30 | テレビ東京(番組担当・番組宣伝) ほか系列全6局 | 北海道・関東広域圏・愛知県・ 大阪府・岡山県・香川県・福岡県 |
2023年4月4日 - 7月4日 | 火曜 21:00 - 21:30 | AT-X | CS放送 / リピート放送あり |
2023年4月14日 - | 金曜 0:05 - 0:35(木曜深夜) | テレビ和歌山 | 和歌山県 |
2023年4月19日 - 7月12日 | 水曜 1:00 - 1:30(火曜深夜) | 東北放送 | 宮城県 / 『寝られなアニメ』枠 初回は1:15 - 1:45に放送 |
2023年4月21日 - 7月14日 | 金曜 1:28 - 1:58(木曜深夜) | テレビユー福島 | 福島県 |
2023年6月3日 - | 土曜 19:30 - 20:00 | アニマックス | BS/CS放送 |
2023年6月19日 - | 月曜 1:30 - 2:00(日曜深夜) | びわ湖放送 | 滋賀県 |
2023年6月27日 - | 火曜 1:35 - 2:05(月曜深夜) | 青森テレビ | 青森県 |
テレビ東京系列・AT-Xでは字幕放送を実施。 |
配信開始日 | 配信時間 | 配信サイト |
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2023年4月2日 | 日曜 0:00(土曜深夜) 更新 |
テレビ東京系列 土曜 23:00 - 23:30 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
地獄楽
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BD / DVD
Webラジオ
WEBラジオ『TVアニメ地獄楽「神仙郷放送局」』が音泉にて、2023年4月21日から6月30日まで毎週金曜に配信された。パーソナリティは画眉丸役の小林千晃と山田浅ェ門佐切役の花守ゆみりが毎回交代制で担当した。
舞台
地獄楽(2023年)
舞台『地獄楽』が、2023年2月16日から26日までヒューリックホール東京にて上演された。
キャスト(舞台)
- 画眉丸 - 木津つばさ
- 山田浅ェ門 佐切 - 白本彩奈
- 亜左 弔兵衛 - 松島勇之介
- 山田浅ェ門 桐馬 - 田淵累生
- 杠 - 太田夢莉
- 山田浅ェ門 士遠 - 中村太郎
- 山田浅ェ門 典坐 - 飯山裕太
- ヌルガイ - 吉浜あずさ
- 民谷 巌鉄斎 - 郷本直也
- 山田浅ェ門 付知 - 宮崎湧
- 山田浅ェ門 仙汰 - 森さとる
- メイ(Wキャスト) - 澤田理央、高乘蒼葉
- 天仙 - 高橋健介
アンサンブル
- 小林聖尚
- 片伯部浩正
- 兵藤結也
- 湊竜也
- 藤原儀輝
- 保野優奈
- 渡部加奈
- 柳原華奈
- 市川絵美
スタッフ(舞台)
- 原作 - 『地獄楽』賀来ゆうじ(集英社 ジャンプ コミックス刊)
- 演出 - 加古臨王
- 脚本 - Spacenoid Writers’ Room(月森葵、野ノ栖千晶、会沢青)
- 制作 - Office ENDLESS
- 主催 - エイベックス・ピクチャーズ
終の章(2024年)
舞台『地獄楽-終の章-』が、2024年2月15日から18日までシアター1010、2月23日から25日までCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで上演。
キャスト(2024年)
- 画眉丸 - 木津つばさ
- 山田浅ェ門佐切 - 白本彩奈
- 亜左 弔兵衛 - 佐奈宏紀
- 山田浅ェ門桐馬 - 田淵累生
- 杠 - 太田夢莉
- 山田浅ェ門士遠 - 中村太郎
- ヌルガイ - 吉浜あずさ
- 民谷 巌鉄斎 - 郷本直也
- 山田浅ェ門付知 - 宮崎湧
- 山田浅ェ門殊現 - 小南光司
- 山田浅ェ門十禾 - 松田岳
- シジャ - 櫻井圭登
- メイ(Wキャスト) - 澤田理央、高乘蒼葉
- 天仙 - 佐々木喜英、立道梨緒奈
アンサンブル
- 片伯部浩正、藤原儀輝、小林聖尚、福島悠介、小川丈瑠、柳原華奈、市川絵美、岡本真友、山田美貴、中込萌、中野紗耶可
スタッフ(2024年)
- 原作 - 『地獄楽』賀来ゆうじ(集英社 ジャンプ コミックス刊)
- 演出 - 加古臨王
- 脚本 - Spacenoid Writers’ Room(月森葵、野ノ栖千晶、会沢青)
- 音楽 - 佐々木久夫(SeanNorth)
- 美術 - 乘峯雅寛
- 技術監督 - 寅川英司
- 舞台監督 - 田中翼、佐光望
- 照明 - 大波多秀起
- 音響 - 前田規寛
- 映像 - O-beron inc.
- 衣裳 - 雲出三緒
- ヘアメイク - 木村美和子(do:t)
- 小道具 - 黒瀬有美、翁長聖菜
- アクション - 船木政秀
- 演出助手 - 野田麻衣、齋藤有里
- 振付 - 富田彩
- 宣伝美術 - 五島英一
- 制作 - Office ENDLESS
- 主催 - エイベックス・ピクチャーズ
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