奇異太郎少年の妖怪絵日記
漫画
作者:影山理一,
出版社:マイクロマガジン社,
レーベル:マイクロマガジン・コミックス,
発表期間:2008年10月24日 - 2022年3月1日,
巻数:全15巻,
アニメ
原作:影山理一,
総監督:ひらさわひさよし,
シリーズ構成:WORDS in STEREO,
キャラクターデザイン:今岡律之,
アニメーション制作:Creators in Pack,
製作:奇異太郎少年の妖怪絵日記製作委員会,
話数:全12話,
以下はWikipediaより引用
要約
『奇異太郎少年の妖怪絵日記』(きいたろうしょうねんのようかいえにっき)は、影山理一による日本の漫画作品。ウェブ連載を中心としていた影山の商業出版デビュー作。
2016年4月にテレビアニメ化が発表され、同年10月より5分枠の短編アニメとしてTOKYO MX、サンテレビにて放送。
概要
自称「霊感美少年」の奇異太郎が、とある事情で実家の離れに追放されたことから妖怪達と知り合い、騒々しくものんびりとした日々を送っていく。1話ごとにメインの妖怪を据え、その妖怪を紹介するような形で進行する1話完結型の作品。この本編の他にメインキャラや物語を深める閑話があり、本編5話に閑話1話を1つの章として進行する。
元々、携帯電話での閲覧専用として作者が模索した「携帯で読むための漫画」のため、原則コマ割りのない1ページに1つの絵で、吹き出しを廃したタイトルの通り絵日記のような独特の形態を取っている。作者のサイト「モルモル亭」で連載されていた『奇異太郎君の霊的な日常』の続編に当たるが、時系列としては前の話となる。「マンガごっちゃ」のみ、他の掲載サイトより2話先行して公開されている。
あらすじ
家の蔵に忍び込み、悪戯を働いた少年奇異太郎は、罰として本宅から離れに追放される。念願の一人暮らしと気分を変えようとした彼は、そこで一人の少女と出会った。彼女は自分を「離れの主」と名乗る。
登場人物
主要人物
奇異太郎
声 - 五十嵐裕美
本作の主人公。自称「霊感美少年」。右目を髪で隠し、アホ毛の立った髪型が特徴。年齢は作者曰く「中学生になったかならないかくらい」。両親とは既に死別している。
立ち入り禁止の蔵に入ったことから本宅を追い出され、離れに住むように命じられる。
基本的にポジティブで物事を余り深く考えない性格。自分で認める通り霊感が強く、幽霊を見慣れているため人外のものに対する抵抗感がない。神経がず太く、得体の知れないものを簡単に触るのは勿論、嘗めたり噛んだりすることも厭わない。また、宇宙が好きで、よく宇宙について思いを馳せたりそれ関連の発言をしたりする。河童の正体も宇宙人と考えていて、カッパと出会ったときは浮かれてしつこく問い詰めたため、カッパから「妖怪の正体を暴くことの危うさ」を説かれた。プラモデル検定一級の資格を持っている。
姿を消したすずを看破する・不動明王の化身に一撃を入れ膝をつかせるなど霊感(霊力)の強さは作中でもトップクラス。対象を粉々に粉砕し、宇宙の彼方へ葬るという「殺鬼終式」という技を持つが、現在のところ一之章(両手が大宇宙と同化)の展開までに留まっている。
前述のアホ毛は奇異太郎の感情の昂ぶり度合いにより紅く染まっていくことが確認されている。
時系列的には後の話である『奇異太郎君の霊的な日常』ではそれなりに女性に対して興味を持っているが、こちらではまだ幼いためかそういった話題を避ける傾向がある。ただ、その気はなしにセクハラとなる行動を取ることはある。また、酒に酔うとセクハラ癖が出るらしい。本人にその気はなくても女妖からは好かれることが多いハーレム体質で、すずや狐は奇異太郎の近辺を度々警戒している。
名前の由来は『鬼太郎』。
すず(座敷童子)
声 - 仲田ありさ
本作のヒロイン。裾の短い着物とおかっぱの髪型が特徴。古風な喋り方をする。「離れの主」を名乗っていたが、奇異太郎との勝負(かくれんぼ)に負けて掃除婦になった。しかし、割とサボっている。
本人曰く「この辺りでは顔」だそうで、実際周辺に住む殆どの妖怪達と交流があり、新しい妖怪が出てきた時の解説役となっている。里の妖怪らの間ではアイドルのような存在であるらしい。
奇異太郎のことを憎からず思っており、何かと世話を焼く幼馴染的ポジションのキャラ。ささいなことで喧嘩と仲直りを繰り返しており、奇異太郎に好意を抱く狐や雪娘でさえも「夫婦喧嘩」と例えている。
着物の裾を覗かれたり、着替えの最中を見られたりと、ハプニング的なお色気が多い。酒に酔うと甘え癖が出る。
自身曰く、全身髪の毛以外毛が生えずツルツルである。
狐面の女(妖狐)
声 - 喜多村英梨
3本の尾を持つ。人間の世界と妖怪の世界を調整する「狭間の管理人」と呼ばれる存在。普段は大体、狐面をかぶり着物を着た金髪ロングで巨乳の女性の姿に化けて過ごしている。他者からは専らそのまま「狐」と呼ばれ、雪娘は「お姉ちゃん」と呼ぶ。雪女の元ペットで、現在でも頭が上がらずよくこき使われている。
狐の妖怪らしく狐火らしきものを操れる。また、月下花宴では、古くから伝わる巫女神楽を披露した。
奇異太郎に好意を持っており、よく彼に抱きついたり押し倒そうとしたりする。日頃から痴女じみた行動や言動が多く、素っ裸の彼女に奇異太郎が跨っているという状況をすずと雪娘に目撃された際も、怒られたのは狐のほうであった。
奇異太郎を「キィ」と呼んでおり、この呼び方は以前奇異太郎とよく悪戯をした近所のお姉さん(故人)と同じもの。また、奇異太郎は前述の神楽に覚えがあり、舞う狐の姿を見て「かのじょ」を想起した。しかし、関連は不明。
雪母(雪女)
声 - 大原さやか
狐の元飼い主で、かつ後述の雪娘の母。狐の前の「狭間の管理人」。
冷たい雪女ゆえか凄まじい毒舌家で、会話の端々に卑語を入れてくる。非常に酒に強い。人間としての顔と戸籍を持っており、芸術家として名を馳せている。人間社会でも雪女であることを隠していないが、そういう芸風だと思われて信じてもらえないらしい。
雪女は本来雪から生まれる存在だが、彼女は人間とのハーフで、彼女自身も人間との間に娘を儲けている。かつては狐をペットとしており、狐からは「アネさん」と呼ばれる。
奇異太郎のことは当初はつっけんどんな態度で接していたが、次第に態度を軟化させ、養子になることを提案したり、寝付けない奇異太郎と添い寝して翌日に告白紛いの言葉も掛けている。
雪娘(雪ん子)
声 - 長縄まりあ
雪女の娘。すずの友人でもある。すずや狐からは「ユキ」という愛称で呼ばれる。母親とは違い素直で礼儀正しい良い子だが、時折彼女譲りの一面を覗かせることがある。
まだ幼いためか暑さに弱く、暖かい季節には防熱用の蓑が必須となる。そのため病弱なイメージがあるが、寒い季節にはそれなりに元気に動き回り、精神的にもタフな所を見せている。
奇異太郎に好意を持っており、見た目によらず大胆なアプローチを度々仕掛けている。
作中唯一、実年齢が奇異太郎より下の所謂妹ポジションキャラ。奇異太郎のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。
カッパ(河童)
本作のマスコット。前任の河童に代わり山向こうの沼にやってきた沼の管理人。河童を宇宙人だと考えている奇異太郎からは無条件に好意を寄せられており意気投合する。言葉は片言だが知能は高い。水質を一瞬で浄化する光線銃のようなものをはじめとした不思議な道具を所持しているほか、家も高いテクノロジーを用いた秘密基地のようなものになっている。本人は宇宙人であることを否定しているが、宇宙人であるかのようなことを漏らしていることも多く、前任者はアンドロメダに帰ったと口走っていた。甲羅の下にねじ巻きのようなものがあり、それを目撃して以後奇異太郎からは宇宙人のロボットだと思われている。
当初から登場は決まっていたものの、作中の季節が秋から始まり、秋冬は季節的に水辺の話は合わないということで、単行本7巻とかなり遅れた初登場となった。
「あやしや」関係者
妖怪を対象とした茶屋。店員は皆、最近妖怪になって里に来たばかりの女妖怪。開店には「狭間の管理人」として狐が関与しているようだが、詳細は明らかにされていない。
骨女
絡新婦
あやしやの給仕。ツンキャラ。吊目で、顔面に隈取のような化粧を施している。背中からクモの脚をはやし、糸を操ることができる。一人称は「わらわ」。骨女から奇異太郎に紹介されたときは「ジョロちゃん」と呼ばれていた。
メイン回では滝つぼで釣りをしていた奇異太郎に糸を伸ばし滝壺に引きずり込もうとしたが、その糸を別のものに付けられ失敗。その内の一つであった乾燥した糞が口に入ってしまう。後にあやしやで働き始め奇異太郎と再開、奇異太郎に対し敵意をむき出しにしていた。セクハラ耐性がなく、奇異太郎に怒って繰り出した攻撃に対しセクハラじみた対処をされた際には「嫁にいけない」と号泣してしまった。感情が高ぶると糸を吐き散らした後、力尽きて寝てしまう。
ろくろ首
あやしやの料理人。抜け首とは双子の姉妹で、「抜けちゃん」と呼ぶ。狐ほどではないが胸が大きい。関西弁を喋る。耳に羽のアクセサリーをつけている。「不幸を呼ぶ女」を自称する。伸びた首が敏感で弱点。元々は人間であったが、妖怪病のようなものにかかってしまい異形と化し、人間社会から追いやられて抜け首とともに里に来た。そのためか初登場時は学生の制服のような格好をしていた。やや能天気な性格。奇異太郎を「きーくん」と呼び好意的な態度をとる。奇異太郎からは「ろく子」と呼ばれる。
里への道中抜け首とはぐれ、その上怪我もしていたところを、奇異太郎に助けられ、奇異太郎に懐く。その後抜け首と無事に再会し、あやしやで働くようになった。
抜け首
あやしやの料理人。ろくろ首とは双子の姉妹で、「ろくちゃん」と呼ぶ。ろくろ首と同様、胸が大きく、関西弁を喋り、アクセサリーも揃いのものをつけている。ろくろ首と同様の経緯で、共に里にやってきた。ろくろ首と比べキツイ性格で奇異太郎を「ガキ」と呼び攻撃的な態度をとるが、嫌ってはいない。また、少々抜けた面もある。奇異太郎からは「抜け子」と呼ばれる。
首を抜いてはぐれたろくろ首を探していたところ、事情を知らない奇異太郎が胴体を離れに運んでしまう。朝までに胴体に戻らないと死んでしまうためパニックになっていたが、すずから説明を受けた奇異太郎に発見されて事なきを得た。ただし、首が抜けている間に胴体が受けた刺激は蓄積され、首が戻った時に一気に来るというクセがあり、奇異太郎にくすぐられた胴体に戻り悶絶し失禁してしまった。その後、ろくろ首とも再会、あやしやで働きはじめる。
その他のキャラクター
お手伝いさん
登場した妖怪
塗り壁
伸び上がり
垢嘗
天井嘗
経立
たんたんころりん
声 - うさみ航
渋いおっさんの顔をした柿で、更には食べる際に見つめてくるため、食べて処理していた奇異太郎らの精神力を凄まじく消耗させた。味だけは最高らしい。干し柿にすると凄いことになる。
実際の伝承は、柿が変じたおっさんに柿の味がする糞を食べさせられるというあまりに酷いもののため、おっさん顔の柿を食べるという話になったとのこと。
件
雲外鏡
大百足
小玉鼠
瀬戸大将
塵塚怪王
金霊
銭神
一本だたら
なまはげ
雪婆
手の目
天井下がり
鶯浄土
唐傘お化け
座敷坊主
斬一倍
山姥
砂かけ婆
芝天
ガラッパ
化け狸
九尾の狐
書誌情報
上述の独自の形態に伴い文字も横書きのため、通常の漫画とは逆開きになっている。
単行本では、絵や写植の細かい修正のほか、各巻一話ずつ番外編が書き下ろされている。また、モルモル亭にて掲載されている妖怪解説も、書下ろしイラストとともに簡易的に収録されている。
- 影山理一 『奇異太郎少年の妖怪絵日記』 マイクロマガジン社〈マイクロマガジン☆コミックス〉、全15巻
- 2011年5月26日発売、ISBN 978-4-89637-364-6
- 2011年12月18日発売、ISBN 978-4-89637-380-6
- 2012年6月24日発売、ISBN 978-4-89637-393-6
- 2012年12月21日発売、ISBN 978-4-89637-408-7
- 2013年7月26日発売、ISBN 978-4-89637-431-5
- 2013年12月26日発売、ISBN 978-4-89637-446-9
- 2015年1月30日発売、ISBN 978-4-89637-491-9
- 2016年9月30日発売、ISBN 978-4-89637-582-4
- 2016年12月22日発売、ISBN 978-4-89637-605-0
- ドラマCD付限定版 同日発売、ISBN 978-4-89637-606-7
- 2018年7月27日発売、ISBN 978-4-89637-804-7
- アクリルキーホルダー付限定版 同日発売、ISBN 978-4-89637-805-4
- 2019年7月26日発売、ISBN 978-4-89637-903-7
- 2020年7月20日発売、ISBN 978-4-86716-038-1
- 2020年12月18日発売、ISBN 978-4-86716-092-3
- 2022年3月10日発売、ISBN 978-4-86716-260-6
- 2022年3月10日発売、ISBN 978-4-86716-261-3
- ドラマCD付限定版 同日発売、ISBN 978-4-89637-606-7
- アクリルキーホルダー付限定版 同日発売、ISBN 978-4-89637-805-4
テレビアニメ
2016年10月から12月まで5分枠の短編アニメで放送された。第1話のみ、ナレーションを羽佐間道夫が担当する。
スタッフ
- 原作 - 影山理一「奇異太郎少年の妖怪絵日記」(マイクロマガジン社)
- 企画・プロデューサー - 遠藤哲也、関戸公人、はたなかたいち
- 総監督・音響監督 - ひらさわひさよし
- アニメーションディレクター - 佐々木純人
- シリーズ構成・脚本 - WORDS in STEREO(毛利のら、多加枝紙零)
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 今岡律之
- 音楽ディレクター - 丸山公詳
- 色彩設定 - 小山知子
- 美術監督 - 倉田憲一
- 撮影監督 - 林幸司
- 音楽制作 - project lights
- アニメーション制作 - Creators in Pack
- 製作 - 奇異太郎少年の妖怪絵日記製作委員会
主題歌
エンディングテーマ
「Misty」(第1、12話)
「茜色クロシェット」(第2話、SP)
「Every time〜きらいのはんたい。〜」(第3、8、10話)
「なんで?」(第4、7話)
「Ruler」(第5、11話)
「Reflection」(第6話)
「妖姫絢爛紅櫻白夜」(第9話)
各話リスト
放送局
映像ソフト
2017年1月27日にDMM.comよりDVD(DMKS-001)およびBlu-ray(DMKS-002)が発売。それぞれOVA1話を追加収録。
ラジオ
『C.P.United feat.奇異太郎少年の妖怪絵日記&バーナード嬢曰く。』のタイトルで2016年10月7日から12月30日まで毎週金曜日 23:30 - 24:00にラジオ関西『アニたまどっとコム』枠で放送された。出演は、ひらさわひさよし(アニメ総監督)と長縄まりあ(雪娘 役)と市来光弘(『バーナード嬢曰く。』遠藤 役)。