りびんぐゲーム
漫画
作者:星里もちる,
出版社:小学館,
掲載誌:ビッグコミックスピリッツ,
レーベル:ビッグコミックス,小学館文庫,マイファースト・ビッグスペシャル,
発表期間:1990年10月 - 1993年4月,
巻数:単行本:全10巻文庫版:全7巻廉価版:全6巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『りびんぐゲーム』は、星里もちるによる日本の漫画。東京の住宅事情を描いたコメディ。1990年10月から1993年4月まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)にて連載された。
あらすじ
主人公の不破雷蔵は、手狭なアパートに嫌気がさし憧れの広い賃貸マンションに引越ししてきた独身サラリーマン。そして会社の事務所も手狭になり移転する当日、移転先のビルが手抜き工事により入居が出来なくなり、急遽会社が雷蔵の自宅に引越ししてきてしまったことでアパートの大部分を会社に占領されてしまう。さらに社長の親友の娘、氷山一角が入社の為に上京してくるが、なんと彼女は中卒の15歳の少女だった。手違いで一角が入居してしまったアパートは老朽化で取り壊し予定だったために、行き先を失い雷蔵が引き取ることに。そこに雷蔵の元恋人の兼森時子が夫婦喧嘩で家出してくる。かくして、自宅に同僚少女と元カノとさらに会社という極端な人口密度の奇妙な同居生活が始まった。
バブル景気期の住宅事情を背景に三角関係とラブコメを織り交ぜながら、理想的な住宅探しという物語が連載開始されたが、連載中にバブル崩壊が起こったため住宅事情は激変してしまい、内容も大幅に変更せざるを得なくなったと作者は語っている。
登場人物
主人公とヒロインの名前は四字熟語、ことわざをもじったものである。
ナミフクDMサービス
不破雷蔵(ふわ らいぞう)
本作の主人公。東京在住の中小企業に勤める会社員。静岡県出身。4人兄弟の次男で、下に妹が2人。祖母と両親と犬のセバスチャン。昭和40年2月22日生まれで物語開始時点の年齢は25歳。狭い自宅に嫌気が差し、東京都中野区(中野町あるいは中町という架空の地名)にある広いアパートに引っ越すが、自室に会社が居候してしまい、ついでに同僚の少女・いずみを引き取る羽目になり、奇妙な同居生活を始める。流されやすい性格だが責任感は強い。ただ毎日がダラダラと過ぎていく生活を送っていたが、物語中盤でバブル崩壊により会社が倒産し、人生のやり直しを余儀なくされることになる。同居人であるいずみには好意を抱くが、相手の15歳という年齢と、時々不破の家に転がり込む元恋人・時子の存在により自分の意思をなかなか示せなかった。陶芸家を目指していた過去がある。よく社長と肩を組み、デモ隊のようなのポーズをとることが多い。
氷山一角(ひやま いずみ)
本作のヒロイン。単身島根県から上京してきた少女。昭和50年3月30日生まれで物語開始時点の年齢は15歳。実家には医師をしている父と再婚した義母と異母弟がいる。バイオリンを習っていたが、4歳の時に実の母親と死別し、それによりバイオリンを止めざるを得なくなった。雷蔵が勤める会社「ナミフクDMサービス」に見習として入社。未成年だが酒好き。天真爛漫だが頑固。実家を避けている。自分の居場所が無くなることを極度に恐れる。手違いで取り壊し寸前のアパートに入居してしまったため行き場を失い、ナミフクの社長の発案で雷蔵の部屋に同居することになる。当初から雷蔵に恋心を抱き、雷蔵に女の噂が出るたびに激しく嫉妬し、衝突する。ある事情により地元の名門女子高を中退し、東京に逃げてきた過去があったが、雷蔵を含めたナミフク社員には「社長の親友の娘という縁故採用で中卒」とのみ説明されていた。後に雷蔵はその事情と真正面から向き合うこととなる。本文中では自己紹介時を除き、常にひらがなで名前表記される。物語序盤では、彼女の氏名から「ひょうざんいっかく」と読み間違えられることがよくあった。
ナミフクの社長
難波(なんば)
一石次男(いっせき つぎお)
雷蔵の周辺人物
兼森時子(かねもり ときこ)
兼森万夫(かねもり みつお)
田之倉康伸(たのくら やすのぶ)
ナミフクのダイレクトメールの宛名書きの内職の仲介をする老人。妻は死別し、息子と娘は独立している。頑固で昔気質の江戸っ子。人は良いのだが照れ屋で、それを隠すために口が悪い。癇癪を起こして誰にでもステッキを振り回すが、雷蔵とは喧嘩が絶えないものの馬が合う。若いころ15万円で購入した土地にその時に建てた建物に物語途中まで住んでいた。最寄り駅は京王線千歳烏山駅で、そこからバス。バブル期の弊害を浴びた者の一人で、物語当初は地価に捕らわれた不動産会社や身内との人間関係に嫌気が差し、一度は雷蔵に自らの土地権利書を譲ろうとまでしていたが、結局バブル崩壊後は地震で自宅が壊れ、跡地を駐車場として貸し出す羽目になり、その収入でアパートを借りて生活をしている。
島根県・いずみの関係者
氷山直樹(ひやま なおき)
氷山勇太(ひやま ゆうた)
その他
石橋幸子(いしばし ゆきこ)
雷蔵の住む最初のアパートの大家。話の分かる女性だが、相撲と男女間のことは厳しい。28歳時にはOLをしており、10歳年下の貧乏学生だった兼森万夫とは恋仲だったが、年齢差を理由に一緒になることを諦めた過去がある(男女間に厳しいのはそのため)。旧姓は不明。
雷蔵と万夫の相撲対決時には雷蔵が八百長をしたことを指摘した。自宅兼会社にしている雷蔵に対して「複数の女性を連れ込んでいる」と言い掛かりをつけた上、万夫との相撲対決で八百長したことから「八百長男」と呼び非難する。果てにはアパートを出ていくことを通告したが、いずみが「自分が出ていく」と告げたのを前後して、本人かどうかを確かめるために度々顔を近づけてきた万夫が自身の経歴を述べたことで初めて再会を果たし、その時の恋愛事情を思い出して周囲の空気に根負けして自身の非を認め折れた。その代わり、いずみが16歳になったら雷蔵と結婚することを後押しし、そのための新居を用意した(しかし、当時2人の仲は進展しておらず、その話は流れてしまう)。
玉井健吾(たまい けんご)
仁藤萌子(にとう もえこ)
倉本陶子(くらもと とうこ)
倉本大志(くらもと たいし)
杉田ひとし(すぎた ひとし)
友井日出子(ともい ひでこ)
七瀬(ななせ)
鈴木モモコ(すずき ももこ)
単行本
通常版:いずれも小学館ビッグコミックスで、全10巻。全巻、本体485円+消費税(3%)で500円。現在絶版。下記オンデマンド版のほか、電子書籍としても復刻されている。
オンデマンド版:いずれも発行所、初版発行日付は通常版に准ずる。コンテンツワークスによる販売で、全巻、本体900円+消費税(8%)で972円。通常版の簡易装丁復刻版。
文庫版:いずれも小学館文庫から発行されており、全7巻。全巻、本体581円+消費税(5%)で610円。現在絶版。
廉価版:いずれもマイファースト・ビッグスペシャルから発行されており、全6巻。全巻、本体476円+消費税(5%)で500円。現在絶版。
イメージアルバム
東芝EMI/ユーメックス
りびんぐゲーム オリジナルアルバム(TYCY-5275)
1993年に東芝EMIから本作のイメージアルバムが発売された。製作はユーメックス。本作をイメージしたインストゥルメンタル・ボーカル曲あわせて9曲を収録。アーティストはPROJECT MOONLIGHT CAFE、MOJO、宝野アリカなどが参加。
備考
- 劇中の日時では1990年10月もしくは11月(いずみが上京したのは11月)から1993年3月31日(いずみの18歳の誕生日の翌日)までで、連載の期間とほぼ一致する。
- 『わずかいっちょまえ』最終話に、不破雷蔵と氷山一角らしき二人が通行人として登場している。
- 「プライベートな空間である自室に他人が上がり込んでくる」という設定は後年の『ルナハイツ』『怪獣の家』にも共通している。
- 氷山一角の出身地を島根にした理由は、第1話での不破雷蔵の台詞にもあるように「具体的なイメージがない地域」であることが、ヒロインのミステリアスな過去を描くのに(先入観を抱かれず)都合が良かったという趣旨の発言を、山陰中央新報のインタビュー記事で作者がしている。
- 一角と雷蔵が初めて会った場所にある待ち合わせの目印として有名な「上野駅の大きなジャイアントパンダの像(巨大なぬいぐるみ)」は、連載当時には駅のコンコースに置かれていた。しかし、現在は「上野駅の改札の外」に置かれている。
- 単行本1巻の巻尾には、筆者の居住先の遍歴が間取りと値段とともに書かれていて、結果的に1970年代から1980年代の当時の暮らしの一端を知る参考になる貴重な資料となっている。
- ナミフクDMサービスの"ナミフク"は、作者が大ファンである中島みゆきのファンクラブの略である。