漫画

ルリドラゴン


漫画

作者:眞藤雅興,

出版社:集英社,

掲載誌:週刊少年ジャンプ,

レーベル:ジャンプ コミックス,

発表期間:2022年6月13日 -,

巻数:既刊1巻,



以下はWikipediaより引用

要約

『ルリドラゴン』は、眞藤雅興による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)2022年28号より連載中。

概要

人間とドラゴンの混血の女子高生を主人公とするファンタジー漫画・日常系漫画である。眞藤は2016年に「Twin Peach」が第109回JUMPトレジャー新人漫画賞佳作となったのち、読み切り「除冷師 煉太郎の約束」や読み切り「COUNT OVER」が『週刊少年ジャンプ』に掲載されているが、連載は本作が初となる。

2020年12月28日発売の『少年ジャンプGIGA』2021WINTERにて読み切りが掲載されたのち、2022年6月13日発売の『週刊少年ジャンプ』2022年28号にて連載が開始された。連載開始に先立って読み切り版をもとにしたボイスコミックが、単行本第1巻発売に先立って連載版第1〜3話をもとにしたボイスコミックが、それぞれ『週刊少年ジャンプ』の公式YouTubeチャンネルで公開されている。2022年7月25日、公式Twitterアカウントが開設され、併せてLINEスタンプの販売が開始された。

2022年8月1日、眞藤の体調不良のため『週刊少年ジャンプ』2022年35号より無期限休載することを発表した。『週刊少年ジャンプ』編集部は「一定期間休養し、万全な状態で連載が続けられるように、回復を図っていく方が良いと判断いたしました」と無期限休載の理由を説明し、再開時期は誌面上で発表すると述べた。

2023年2月2日、日本出版販売が発表した「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」において第1位を獲得した。

あらすじ

地元の学校に通う高校1年生の青木瑠璃(ルリ)は、ある朝起きると自分の頭にツノが生えていることに気付き、相談した母親の青木海から自分の父親がドラゴンで、自分が人間とドラゴンの混血であることを淡々と明かされる。戸惑いながらも学校に行くルリであったが、授業中、くしゃみの拍子で火を吐いてしまい、火で喉を焼いたため吐血し卒倒、保健室に運ばれてしまう。

その後、通学に対する拒否感と不安で引きこもるルリであったが、周囲の親族や、萩原裕香(ユカ)や神代などのクラスメイト達の理解もあり、再び学校に通うようになる。しかし、これまで通りの生活を続けようとするルリをよそに、身体から放電してしまうなど、その体質は徐々に人間からドラゴンのものになっていく。

登場人物

声は特記のない限り連載版ボイスコミックにおける声優。

青木家

青木 瑠璃(あおき るり)

声 - 小見川千明
通称「ルリ」。人間とドラゴンの混血の女子高生。最初に火を吐いた際には、火で喉を焼いたため吐血してしまうが、ドラゴンの遺伝の影響で早々に復調、吐血せずに火を吐けるようになる。人との交流が苦手な性格であり、通学に対する拒否感と不安で一時は引きこもっていたが、親族やクラスメイト達の理解を得てその悩みはある程度解消され、どれだけ自分がドラゴンになっても学校には通い続けるという意思を示す。
12月28日生まれの15歳、血液型O型、身長151センチメートル(ツノ除く)。寝相が悪く朝起きると布団の上下と裏表が逆になっていることが悩み。
青木 海(あおき うみ)

声 - 赤星真衣子(読み切り版ボイスコミック)/名塚佳織
仕事を務めながら育児をこなすルリの母親。大阪出身。ルリにツノが生えた際には、飄々とあしらったものの内心焦っており、急ぎルリの父親の住む山奥に向かい事態の究明に腐心する。また、ルリが通学に悩んだ際には、クラスメイト達に接触することで軋轢が生まれないよう尽力した。
読み切り版では、ルリのツノを放置して仕事に行ってしまう、ルリが保健室に運ばれても迎えに来ないなど、連載版に輪をかけて放任的な言動が目立つ。
ルリの父親

声 - 藤倉光
山奥に住むドラゴンでルリの父親。連載版では海による回想シーンのみの登場(第1巻時点)。ルリにドラゴンの遺伝が表れたという話を海から聞き、俺の子だと喜ぶといった人間的な感情を持つ。ルリが火で喉を焼いたため吐血したことについて、身体がまだ完全にドラゴンではないためであり、今後発現するであろう新たな遺伝を含め、必ず身体が適応していくはずだとの助言を海に託す。
読み切り版では、会いに来たルリに人間とドラゴンの子供の作り方を問いただされ、まるで人間の父親のように慌てふためくという一面を見せる。また、翼を使って空を飛ぶことができ、ルリを背中に乗せて空を飛ぶことが夢だったと語る。

学校の関係者

萩原 裕香(はぎわら ゆか)

声 - 春木めぐみ(読み切り版ボイスコミック)/立石みこ
通称「ユカ」。ルリの友人の女子生徒。人との交流が苦手なルリに対して、もっと人と話したほうがいいと友人作りを後押しする。異性にツノを触らせるといったルリの見境ない行動を注意するなど、学校におけるルリの保護者的な役割を担う。
10月21日生まれの15歳、血液型A型、身長148センチメートル。通学路にある自動販売機からドクターペッパーがなくなったことが悩み。
神代(かしろ)

声 - 青木真琳
ルリの右隣の席に座る女子生徒。黒髪を一部染色したツートンカラーのヘアスタイルで、ルリは神代に対して苦手意識を持っていた。神代もルリに対して苦手なものを感じていたが、苦手ではあるが嫌いではなく、仲良くできるならそうしたいと明かし、ルリの友人となる。成績優秀で、学校を休んでいたことで勉学に遅れが出ていたルリをサポートする。
吉岡(よしおか)

声 - 橋本愛仁
ルリの前の席に座る男子生徒。席が近いこともあり以前からルリによく話しかけていたが、ルリは異性が苦手だったため特に仲が良いわけではなかった。ルリが最初に火を吐いた際には、後頭部に直撃を受けるが幸い火傷もせず、髪を短く整える程度で済んだためルリの謝罪を受け入れる。
宮下(みやした)

声 - 赤星真衣子
神代の友人の女子生徒。神代とともにルリの勉学をサポートする。
三倉(みくら)

神代の友人の女子生徒。神代とともにルリの勉学をサポートする。
前田(まえだ)

神代の友人の女子生徒。ルリのことを怖がり距離を取る。
担任の先生

声 - 野澤晃太郎(読み切り版ボイスコミック)/猪股慧士
1年3組の担任を務める男性教師。ルリからはやる気のない人物と評されていたが、実は諸事情を入学前に海から知らされており、ルリが再び学校に通うようになった際には、普通とは違う特性を持つ人間が現れるのは社会ではよくあることだとクラスメイト達に語る。

反響・評価

連載開始に先立って公開された読み切り版ボイスコミックは、連載開始までに累計200万回再生、単行本第1巻発売までに累計370万回再生を突破するなどの反響があり、『週刊少年ジャンプ』の公式YouTubeチャンネルで最も視聴されたボイスコミックとなっている。

眞藤は以前の作品ではバトル描写などが評価されていたが、本作では打って変わり、『週刊少年ジャンプ』の連載作品としては珍しい、落ち着いた「ゆるい」作風が注目されている。Multiversity Comicsのブライアン・サルヴァトーレは、ありふれた高校や朝の描写と奇妙で不思議な出来事が見事に両立しており、不条理でありながら不条理すぎない微妙な塩梅が面白さを引き出していると評している。また、スクリーン・ラントのマイケル・グリーンは、日常系や青春ものの漫画が数多くある中、本作は主人公を人間とドラゴンの混血にしたことでこれらのジャンルの枠を飛び越え、異性を好きになったり自分の容姿を気にしたりといった、10代の女の子の平凡な側面さえも新鮮な体験として描くことに成功していると評した。その一方で、スクリーン・ラントのスティーヴン・ブラックバーンは、同様にドラゴンの女子高生を題材としていた杠憲太の『僕より目立つな竜学生』と本作を比較し、主人公の存在を友人達がいかに気軽に受け入れるかに焦点を当てるあまり、コメディに頼り過ぎで人間関係の掘り下げに欠けると評している。

主人公の存在を周囲の人々が受け入れていく展開を、社会における多様性の受容になぞらえた評もある。「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」において第1位を獲得した際には、投票した書店員から「多様性をするりと受け入れる暖かな物語。分かりあえなくとも、互いに理解し続ける描写が胸を打つ、新たな日常マンガのスタンダードです」「主人公の悩みを登場人物の優しさが包む、ゆるく優しい日常系漫画」という声が寄せられている。

書誌情報
  • 眞藤雅興 『ルリドラゴン』 集英社〈ジャンプ コミックス〉、既刊1巻
  • 「ドラゴンなんだって」 2022年10月4日発売、ISBN 978-4-08-883285-2