龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
小説
著者:鳳乃一真,
レーベル:ファミ通文庫,
巻数:全12巻,
小説:壱級天災の極めて不本意な名推理
著者:鳳乃一真,
出版社:エンターブレイン→KADOKAWA,
レーベル:ファミ通文庫,
巻数:全2巻,
漫画:龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
原作・原案など:鳳乃一真,
作画:赤瓦もどむ,
出版社:白泉社,
掲載サイト:花とゆめ 文系少女,
レーベル:花とゆめコミックス,
発表期間:2013年12月20日 - 2015年7月10日,
巻数:全2巻,
話数:全10話,
漫画:龍ヶ嬢七々々の埋蔵金The Animation
原作・原案など:鳳乃一真,
作画:御影甲六,
出版社:KADOKAWA,
掲載誌:月刊コンプエース,
レーベル:カドカワコミックス・エース,
発表期間:2014年1月25日 - 6月26日,
巻数:全1巻,
アニメ
原作:鳳乃一真,
監督:亀井幹太,
シリーズ構成:倉田英之,
キャラクターデザイン:川上哲也,
アニメーション制作:A-1 Pictures,
製作:七重島総合警備保障,
放送局:フジテレビ,
話数:全11話,
以下はWikipediaより引用
要約
『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』(りゅうがじょうなななのまいぞうきん、Nanana's Buried Treasure)は、鳳乃一真による日本のライトノベル作品である。ファミ通文庫(エンターブレイン→KADOKAWA)より2012年1月から2016年12月まで刊行された。第13回エンターブレインえんため大賞小説部門大賞受賞作。
ファミ通文庫の公式サイト「FB Online」では、スピンオフ作品『壱級天災の極めて不本意な名推理』(いっきゅうてんさいのきわめてふほんいなめいすいり)も連載されている。
『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』『壱級天災の極めて不本意な名推理』ともにイラストは赤りんごだったが、前者の第7巻制作時に体調を崩したことから降板し、第8巻以降はのんへ交代する。
ストーリー
八真重護は、父親に勘当されて人工学園島《七重島》を訪れた。新しい住まいとなった安アパートには、そこで10年前に殺された少女の地縛霊・龍ヶ嬢七々々が住み着いていたが、すでに1年分の家賃を支払い済みだったため、重護は仕方なく地縛霊と同棲することになる。七々々は、かつて七重島を「誰でも夢を叶えられる島」に発展させるべく天才学生集団『GREAT7』を結成し、不思議な力を持っている古代のお宝を世界各地で収集したが、何者かに殺害されたために地縛霊と化したという。その後、七重島には七々々の残した埋蔵金七々々コレクションが隠されるようになった。
重護は犯人を見つけて七々々を成仏させるべく「冒険部」に入部し、七々々コレクションを集めるが、その行く手には多くの困難が待っていた。
登場人物
主要人物
八真 重護(やま じゅうご)
声 - 小野友樹(幼少期 - 木野双葉)
本作の主人公。高校2年生。先祖代々続く家業を継ぐことを拒否した結果、父に勘当されて、学生特区『七重島』に島流しにされ、『幸せ荘』の七々々が取り憑いた部屋で暮らし始める。そして、七々々が生前に収集した特殊な力を持つ秘宝「七々々コレクション」で彼女を殺害した犯人を見つけるため、七重島第三高等部の冒険部に入部する。時折スケベな一面を見せており、その度にしっぺ返しに合っている。
七々々コレクションが特別なものであることは理解しているが、あまり強い執着心を抱いておらず、自分の目的と合致しないコレクションであると判明している場合には平気で他人に渡したり、七々々との約束を優先して手に入れるチャンスを辞退するなど、必要があるのであれば手放すことも惜しまない。
実は怪盗団《祭》の首領の息子であり、次期後継者。それ故、家業に必要な様々な知識・技術を習得している他、頭の回転が速く、対峙する相手の一手先を行く行動し、必要とあらば仲間すら出し抜くことも厭わない。特に相手の意表を突くことに長けており、相手の弱みを利用したり、ハッタリを大いに用いて予想もしない方法で攻めるなど、敵対した相手には《祭》のなかで鍛えられたスキルを活かしたダーティな手段を存分に用いて戦い、自分が最も得をするような結末を迎えるようにする。また、分析能力も高く、咲希がレプラコーンの一員となった際には僅かな手掛かりから彼女と組織と繋がりの弱さを見抜き、『ゲーム』の時の咲希の行動から、背後で彼女に指示する者の狡猾さを悟っていた。
《祭》の活動を快く思っておらず、追放されたことについても一切の未練は持ち合わせていないが、勘当された後も度々家で教えられた格言を口にしてそれに合わせて行動するなど、価値観は《祭》の影響を大きく受けており、自身もその点は自覚している。嫌っているのは《祭》の行動であり、《祭》の仲間だった者たちのことは、多少のわだかまりはあるが嫌ってはおらず、参差が《祭》に近づこうとした際には、自分では平静を装いつつも敵意をむき出しにしていた。特に構成員の雪姫とは幼いころから仲が良く、同じ七重島に来たこともあって話す機会も多い。コレクションの争奪戦で対立しないときであれば普通に接しているが、彼女の戻って欲しいという懇願には断固拒否の姿勢を保っている。また、雪姫の回想から少なくとも幼少期は《祭》の活動を肯定的に考えていたことが窺える。
『ゲーム』では様々な勢力の介入がありながらも、晴れて優勝し《七々々の剣》を獲得した。その後、《七々々の剣》の能力である「斬りつけた対象の過去を視る」能力を使い七々々の過去を視るが、結局七々々を殺害した犯人を特定することはできなかった。『ゲーム』の翌日に、プリンを買いに行った足で緋夜と遭遇し、彼との会話を経てそのまま七重島から本土に戻ってしまう。しばらくは自分の「七々々を殺害した犯人を見つける」ことが七々々のためでなく自分のためにやっていたことについて悩んでいたが、父・総護や妹・空音や結婚騒動の相手であったユリシーズの言葉、そして今生霞との邂逅から、「七々々を殺害した犯人を見つける」ことを改めて決意。七重島に帰島した。そして、事件の解明に有効な七々々コレクションを見つける為に、七々々コレクションを管理する会社《楽市楽座》を設立し、統括理事会に承認させた。最終巻で、天災と事件について話し合ったことがきっかけで事件の真相が明かされ、自由の身になった幽霊の七々々に対して、幽霊の七々々が偽物だと判っても自分にとって七々々は七々々だと伝える。そして、今生霞と再会した後、統括理事会の会議場で幽霊の七々々に「七々々が好きだ」と公開告白した。
コレクションは、敵味方問わず周囲の人間の目を欺きながら《ユーグトスの隻眼》を入手している。他にもいくつかコレクションを入手する機会はあったが、いずれも天災などの親しい女性に渡している。また『ゲーム』の優勝商品である《七々々の剣》を所有しているが、本来《七々々の剣》は鞘とセットで一つの七々々コレクションであり、参差によって鞘を騙し取られたため、本来使える七つの能力の内、三つを失っている。
本書は主に彼の一人称で進行するが、劇中で度々ブラフやひっかけを用いるため、読者たちにとっては信頼できない語り手に相当する。
龍ヶ嬢 七々々(りゅうがじょう ななな)
声 - 田辺留依
本作のヒロイン。重護が引っ越してきた安アパート『幸せ荘』202号室の地縛霊。享年18。誕生日:7月7日。
七重島を「誰でも夢を叶えられる島」に発展させる中心となった天才学生集団『GREAT7』のかつての中心人物。島の建設が資金面で実現が不可能とされた際に、世界中を飛び回り、各地の秘宝を根こそぎ手に入れて、それらを元に島の設立を実現させるが、10年前に龍の痣を持つ何者かに殺害され、霊となって留まり続けている。精神年齢は殺害された当時と変わらず、明るく好奇心旺盛だが、根は寂しがり屋。地縛霊であるため部屋から出られないが、物には触れ、食物も食べられる。特にオンラインゲームとプリンが大好き。入手した秘宝や魔獣に正式名称とは別の名前を付けているが、周囲からはネーミングセンスを酷評されている。
コレクションを収集する学生たちには中立の立場を取っており、「コレクションの現物を見せれば必ず鑑定する」「現物がその場に無いコレクションについては黙秘する」など、独自のルールを自分に定めている。そのため、実質全てのコレクションの詳細について知っているが、親しい人間であっても完全に協力するとは限らない。
地縛霊であるため部屋から出られないとされていたが、7巻で参差のゲームへの干渉を見かねてネガカナと契約し、他者に憑依する形で部屋から出ることに成功する。そして、それまで「部屋の外に出ることができない」という常識を覆し、関係者に衝撃を与えた。
実は幽霊の龍ヶ嬢七々々は、9年前に《真実》遺跡の最深部でネガカナから事件の真相を聞いた真幌肆季が、ネガカナに願って生み出された龍ヶ嬢七々々の人格と記憶と天運を持った精巧な偽物だということが最終巻で判明した上に、人間の龍ヶ嬢七々々が《遺跡》を含む七重島の学生たちにチャンスを与えたいという願いをネガカナに叶えてもらう為に、自分の天運を代償としてネガカナに支払う為に自室で自分の体に刃を突き立てて死亡したという真実も明かされた。
全ての真実が明かされる最中に、真幌肆季の契約違反によってネガカナに存在を消されそうになるが、事前に神獣の友人ケテケテを通して揚羽から借り受けてきた《ハンプティ・ダンプティ》でネガカナとの関係性を握り潰したことで難を逃れ、同時に自由の身となった事で涙ながらに202号室を後にした。そして、自分が龍ヶ嬢七々々の偽物であることに落ち込むが、数時間後には立ち直り、それまで出来なかった《遺跡》探検を行って、様々な七々々コレクションを入手する。そして、吉野咲希を通してネガカナと接触し、今後自分に干渉しないという条件を取り付けた後で、自分の存在があと二、三ヶ月しか維持できないことを聞きだした。
そして、人間の龍ヶ嬢七々々がやり残したことをやり終えるために、統轄理事会の会議場でGREAT7に向かって「この七重島を統べるただ一人の王様を決めよう」という提案を持ちかけ、GREAT7のわだかまりを解いた直後に会議場に現れた重護に好きだと告白され驚愕・狼狽し、赤面しながら逃げるようにその場を後にした。
壱級 天災(いっきゅう てんさい)
声 - 阿澄佳奈
「名探偵」を自称する人物で、推理力は高いが、説明が下手で何を言っているのか分からないことが多い。また、普段の不遜な言動がそれに拍車をかけており、重護から「性格破綻であり社会不適合者の素質満点」と言われている。重護が《祭》の関係者であることを見抜いた後、彼をライバルと認定している。やたら重護に悪役らしい行動を求めるため、彼からは鬱陶しがられているが、有事であれば互いに協力し合う。以前は島で最も格式が高い第一高等部に通っており、現在とは違う性格だった模様。
『ゲーム』では持ち前の頭脳でサードステージまで進むが、重護との勝負で敗退したため、サードステージで脱落した。その後、重護の目的を知った一鶴春秋により、七々々殺害事件の犯人の特定を任されている。
実は一鶴春秋の養子である4人の「アナザーチルドレン」の一人であり、GENERATION6の一ツ橋優也は義兄である。成り行きで七々々コレクション《魔除けのお守り》を入手している。
10巻の終盤で、一鶴春秋に喧嘩を売った重護と、春秋の代理として「どちらが先に龍ヶ嬢七々々殺人事件を解決するか」という勝負をすることになる。そして、最終巻の中盤で重護と事件について話し合ったことがきっかけで、真幌肆季が事件の真相を知っていることをつきとめて、統轄理事会の会議場で重護と共に暴露した。その後、《真実》遺跡の最深部でネガカナに質問という形で全ての謎を明らかにした。そして、春秋に事の顛末を報告した後、長年望んでいた「大切な人に名探偵として認められたい」という願いを叶えることが出来た。しかし、その後でダルクがメイド服だけ残して目の前で消えたのを目撃した事で、星埜ダルクがどういう存在であったかに気付いた。
スピンオフ『壱級天災の極めて不本意な名推理』では主人公を務める。「イゾルデの封印書」に触れたことでバアルとの推理勝負をすることになるが、架空世界のなかで事件を解決する形式であり、推理を誰にも知られることがないため本人は快く思っていない。『惨劇の未来』の内部ではナイスバディな大人の姿(本人曰く来年の自分)になる。
星埜 ダルク(ほしの ダルク)
声 - 花澤香菜
天災の付き人。可憐な少女のような見た目と格好をしているが性別は男。天災と共に幸せ荘203号室に住んでいる。趣味は服作りで、料理も得意。他のメンバーと比較してコレクションの収集に貢献できる能力は無いが、その女性的な外見を活かして、周りのメンバーから男性の篭絡や潜入などに半ば本人の意思を無視して利用されている。
その正体は、七々々コレクションの一つである《魔法のランプ》に宿る魔人である魔人アルドラ。呼び出した召喚者の願いを叶える役割を与えられているが、おとぎ話と違って魔法を使うことはできず、ただ召喚者を手助けするだけの存在である。また、容姿はアルドラ自身の特徴を残しつつも召喚者が安心するイメージの姿となる。
かつて、天災が第一高等部に通っていた頃に解き明かした《移動型遺跡》の中に入っていた《魔法のランプ》に触ったことで呼び出されるが、すぐにランプに興味を亡くした天災が放り捨てた事で自分がランプから出現したことに気付かれず、更に全裸で天災と出くわしたことで変質者と勘違いされ、紆余曲折を経て天災のメイドとして仕えることになったという経緯である。そして、最終巻の終盤で自分を呼び出した時に天災が抱いていた願いが叶ったことで契約が完了し、天災に別れを告げてメイド服だけを残して《魔法のランプ》に戻った。しかし、すぐに華蝶揚羽によって呼び出され、容姿も背が高く目つきが鋭い姿になっている。そして、揚羽から妹の雛子の世話を命じられ、名前も以前の星埜ダルクの名を与えられ、揚羽を新たな主人として仕えることになった。最終巻のエピローグでは、雛子やカルマと共に幽霊の七々々に付き従う形で統轄理事会の会議場に現れた。
スピンオフ『壱級天災の極めて不本意な名推理』でも主要キャラクターとして登場している。『惨劇の未来』の内部では性別が女に変化する。
冒険部関係者
唯我 一心(ゆいが いっしん)
声 - 興津和幸
冒険部の三代目部長を務める高校3年生。コレクションの一つである『魔法使いの杖』を求めている。知的な印象を与える外見で、人当たりが良く多くの女性にモテている。だが、「誰も自分の前に立っていない世界がほしい」と発言するなど、時々傲慢な部分を覗かせる。隙さえあれば平気で人を欺くが、大抵の場合看破されたり出し抜かれる。コレクションは「ものまね眼鏡」を所有している。
本人が述べている通り特別な才能があるわけではなく、初代冒険部の時代には冒険部に所属していることで満足してしまっていた。このため、一心だけにしかできないことがないという一心の存在意義に関わる問題を霞に指摘されている。後に緋夜のやり方に反発しつつも制止はできず、想い人であった不破衣都奈を事故から救うこともできず、自分の無力さを思い知らされることになった。
咲希がレプラコーンの一員であることを見抜いて矛盾点を突き、重傷を負うのと引き換えに優勝者がレアなコレクションを入手できるレプラコーン主催の《ゲーム》を開催させるきっかけを作る。だが、それによって咲希はレプラコーンの契約に基づくペナルティを負い行方をくらまさざるを得なくなったため、咲希と鉄之進から恨みを買う。《ゲーム》の終盤で、「M」が所持していた全ての七々々コレクションが記された赤い手帳を入手し他の挑戦者たちの優位にたつ。
七々々コレクションが学生達だけの秘密ではなく大人たちにとっくに見抜かれた上で容認されていると理解した後は、いずれ到来するであろう七々々コレクションの高騰や接収に備えて密かに行動を開始していた。第七高等部コミュニティ主導による学生間での協力体制構築も意図的に阻害、自分が流れをつかんでいると確信していたが、重護が楽市楽座設立により学生が七々々コレクションを大人達に認めさせるという前人未到の偉業を成し遂げたことに衝撃を受けてしまう。尊敬すべき相手として追いつき乗り越えたいと感じていた重護や天災が自分よりも遥か遠くを見据えて行動していたことを理解し、器の違いを見せつけられてしまった。
重護達による改革が進む中、途方もないプレッシャーから精神的に限界に達してしまい、次第に自滅も覚悟な行動をとりはじめ楽市楽座による改革の成功を妨害することで主導権を握るという発想にたどり着いてしまう。赤い手帳を使ってレプラコーンの女性を通してネガカナを脅迫するという暴挙に出るが、この脅迫行為が龍ヶ嬢七々々の定めた《ルール》の禁止コードに抵触したことがネガカナの逆鱗に触れ意識操作されてしまう。これによりネガカナの木偶人形となってしまった。
意識を操作された後はネガカナの言われるままに《遺跡》挑戦に再度失敗した《挑戦者》の七々々コレクションを回収する日々を送っている。本人もネガカナに意識操作されたことに気づかず行動しており、自分こそが七重島の中心に立っていると(勘違いして)満足している。最後まで不破衣都奈の正体や戦場緋夜の優しさに気付かず物語から去った。
茨 夕(いばら ゆう)
徒然 影虎(つれづれ かげとら)
声 - 早志勇紀
冒険部部員の高校3年生、忍の一族でもある。寡黙でストイックな外見だが中身は思春期真っ盛り状態であり、色気のある女性を見つけては脳内で真剣に妄想を繰り広げている。重護とは先輩後輩の関係に加え喧嘩友達であるが、女性関係で節操のない一心の行動に対しては重護と強固な友情関係を築いている。
七々々が里から持ち去った『双天万華の秘伝書』を取り戻すことを目的にしているが、『双天万華の秘伝書』を悪用している現在の長老に対しては嫌悪感を抱いているため、あくまで里からの命令に形式的に従っているにすぎない。任務を達成すれば里へ帰還しなければならないため、大聖の手元にあると分かった後も形式的な返還交渉で体裁を整えた後、大聖に大切に使ってくれるよう託している
病気などで余命わずかとなった愛する人々を救うため『双天万華の秘伝書』という手段にたどり着いた祖先達は対しては素直に尊敬しており、同じように病気に苦しみ『双天万華の秘伝書』で鬼女となった母のことも大切に感じている。大聖の返還交渉においては久々に再会した母と親子の会話を楽しむことができた。
今生 霞(こんじょう かすみ)
声 - 川澄綾子
冒険部の創設者かつ初代部長。重護の住んでいる部屋を借りていたことがある人物の1人。夢は絵本作家。かつてレプラコーン主催の《ゲーム》に勝利したことがあり、挑戦者の間では有名だった。七々々を殺した犯人を捜していたが、入手した《人生先読みの鏡》で事件の真相を知る。しかし、事件の真相を幽霊の七々々に伝えようとすると全てを仕組んだ真幌肆季によって自分の命が失われる未来が見えたために断念し、高校卒業と共に断腸の思いで部屋を去った。その後、重護の父に七々々コレクションの存在を伝え彼が七重島に行くきっかけを作り、部屋に残したメッセージで重護に冒険部や七々々の情報を与えるなど、間接的ながら重護の後の行動の原因となった。
本土に戻ってからは《祭》のサポートをする《粋》な人として、絵本作家を目指しながら活動している。本土に戻ってきた重護に《人生先読みの鏡》で視たことと、自分の思いを打ち明け、重護に七々々のことを託した。最終巻の後半で、真幌肆季が拘束されたことを文香から知らされ、終盤で七重島へ戻り、冤罪で逮捕された重護の前に文香と共に現れて、重護と共に統轄理事会の会議場で幽霊の七々々と再会するが、重護が七々々に愛の告白をしたことで感動の再会シーンが台無しになって激怒し、重護や一鶴春秋と口喧嘩した。
《人生先読みの鏡》は七重島に置いてきたため今は所有していないが、いくつかの七々々コレクションを所有しており、重護の推測ではとんでもなくえげつないものらしい。
戦場 緋夜(いくさば ひいよ)
声 - 杉田智和
初代冒険部の副部長、二代目部長。重護の住んでいる部屋を借りていたことがある人物の1人で合気道系の古武術の使い手。コレクションは主に「影かき」と「死神の囁き」を愛用している。
一心からは目的のためならあらゆる非情な行為も惜しまないリアリストと軽蔑されており、かつて部員をコレクションを手に入れるために捨て駒にし冒険部を一度潰した存在として紹介されている。実際には他人の好悪や物事への関心の有無がはっきりしているだけで悪人ではなく、多少ひねくれてはいても自分から暴力は振るわず約束はきちんと守るなど、多少偽悪者ぶっていることを除けば善人の部類にはいる。かつて不破衣都奈を捨て駒にしたのは彼女がアルパメント・コーポレーションの息のかかったスパイであり、緋夜が看過できないほどの行為をしたためというのが真実であった。(大怪我による七重島退去という扱いも実は正体を公表せず七重島追放処分という彼なりの温情措置であったが、衣都奈が一心の想い人であったことから真実を知らない一心の恨みを買ってしまい冒険部崩壊の契機となった。)
地縛霊となった七々々に対しては嫌悪感を隠さないが、実際には幸せ荘そのものに存在する得体の知れない雰囲気や真幌肆季が仕組んだ一連の経緯に何かしら感づいていたらしく幸せ荘を避けていたという方が大きかった模様。こういった誤解を招く行動もあり、重護と出逢った当初から印象は最悪であり、現冒険部と対立することになった。現冒険部部員と秘宝争奪戦ではほぼ完封勝利で行い追い詰めるも、「影かき」の特性を看破され追い詰められた挙句、天災の交渉術により状況不利とみて逃走したところを《祭》に捕えられ、彼らの監視下に置かれる。
「M」によるレプラコーン主催のゲームでは同世代の参加者たちを圧倒、自分に有利なルールを駆使する「M」の行動すら看破し「M」でさえも苦戦させる。天災と組んだことで優勢に進んでいくが鉄に代わって登場した参差にはさすがに敵わず手玉に取られてしまう。緋夜らしい思考ができなくなったため一旦寝ることで普段の緋夜らしい思考を取り戻す。その後のサードステージにて隠し持っていた七々々コレクション《光の弓》を使い重護を追い詰めるが、最終的に敗れる。
9巻では天災の義理の姉である一条彼方と何か企んでいるようで、度々彼方のいる牢屋に会いに来ている。11巻の終盤で、高難度《遺跡》を最終的にクリアし、幻獣系七々々コレクションである《クロノス》を入手するが、その後で牢屋に訪問し彼方が神獣を取り込み神になるという実験に失敗、彼方の肉体がカルマに乗っ取られたことに気づいた。その後、事前の彼方との取り決めでカルマを監視していたが、最終巻の終盤で幽霊の七々々にぶん殴られて気絶しカルマを逃がしてしまった。そのまま物語は完結する。
真田 文香
初代冒険部の部員。今生霞の友人。七重島のありとあらゆる情報を持っていると豪語する情報屋。《人生先読みの鏡》を霞から譲り受けたことで、霞と同じく事件の真相を知っていたが、そのことで真幌肆季にマークされたことで、地下に潜った。
9巻にて、重護とイシュバルの妹である空音とユリシーズを、自分が入居していた幸せ壮201号室に入居させる便宜を図った。なお、201号室に残されたパソコンは重護たちによって《楽市楽座》の管理データが入力され活用されていたが、そのことで入力データが自動的に文香の元へダウンロードされるようになっていたために、文香の情報収集の助けとなった。最終巻の終盤で、霞と共に重護の前に現れて、重護に協力を要請した。
不破衣都奈
声 - 諏訪彩花
初代冒険部の部員。かつて戦場緋夜の指揮の下で《遺跡》挑戦に失敗し瀕死の重傷を負って、半身不随になったことで七重島から出て行った。彼女が追放される際に述べた冒険部入部への後悔の言葉は、一心に多大な影響を与えている。
9巻の終盤で、破綻寸前であったコルナール家に仕事を持ってきたクライアントの名がアルパメント・コーポレーションで、その時に電話に出たジュラスの口から「ミス不破」として再登場。その正体はアルパメント・コーポレーションの息のかかったスパイであり、七重島の王者である一鶴春秋の弱みを見つけるべく送り込まれ冒険部を利用していた悪女であった。学生時代の時点で霞と緋夜には正体を看破され故意に泳がすことで見逃されていたが、霞が卒業した後に緋夜の逆鱗に触れるほどの行為に及んだらしく事故を装った最後通告で七重島から追放されたというのが真実であった。
七重島追放後も車椅子生活となっているが、当時のアルパメント・コーポレーション主導者達が春秋達に再起不能なまでに壊滅させられた後も七重島へ逆恨みを抱いており、現在でもアルパメント・コーポレーションのスタッフと共に報復の機会を狙っている。霞にはもはや正体が看破されたことを理解したうえで接しており、厄介で面倒な後輩として苦笑されている。実は七重島を一致団結するための外敵としての役割を七々々から期待されていたことには最後まで自覚することがなく物語から去った。
七重島第三高等部関係者
怪盗団《祭》関係者
八真 総護(やま そうご)
声 - 小山力也
怪盗団《祭》の13代目頭目にして重護と空音の父親。重護を後継者としての更生と七々々コレクションの収集の目的のために七重島に島流しにした張本人。今生霞から情報を得て七々々コレクションの存在を知り、人が可能性を無くすことが無い世界を作るために「世界征服」を目的としてコレクションを収集させている。重護の用意したコレクションの偽物を一目で見破るなど、確かな眼力の持ち主。自分の行動に絶対的な自信を持つ豪快な人物だが、重護に浮気の濡れ衣を妻に伝えられそうになった途端焦りながら必死で制止するなど、息子同様情けない一面がある。「男は一度口にした約束は絶対に守るもの」という揺るぎない信念を持つが、娘のカッコいい姿を見てどうでもいいというなど、親バカな一面もある。
不義 雪姫(ふぎ ゆきひめ)
声 - 能登麻美子
怪盗団《祭》メンバーの女性、大学2年生。学生として七重島に潜入して活動している。仕事の際には、主に周りの注意を引く役割を担う。《祭》のなかでも重護とは特に親しい関係にあり、重護が《祭》と決別してなお彼が後を継ぐことを望んでいる。重護の「初恋の人」らしく、彼女も彼を異性として見ている描写が見られる。本人は否定しているものの、重護が女と仲良くしているところを見て不機嫌になるなど、彼の言動で精神が大きく左右される。そのため、島の外にいる仲間達からSNSを通して重護とのやり取りを好奇の目で見られている。重護から「どんな奴でも逃がさない鎖が飛び出す大きな釘」を貰い、所持している。
椴松 鷲(とどまつ しゅう)
声 - 鳥海浩輔
怪盗団《祭》メンバーの青年。変装を特技としており、性別・年齢問わず様々な人間に成り済ますことができる。そのため、仕事では主に雪姫を囮としながら、彼が盗みを実行する。普段は飄々としているが、重護のことは嫌っていないと言いつつ、根本的に考え方の異なる彼が《祭》に不必要と考えるなどドライな一面もある。なぜか雪姫からは正しく名前を呼んでもらえないことが多い。
八真 空音(やま くのん)
怪盗団《祭》メンバーであり、重護の実妹。重護同様目つきが悪く、そこを突かれた時の反応も重護と同様である。《銀色の弾丸》の異名を持ち、圧倒的な瞬発力による超短期決戦型だが、それと同時に圧倒的な体力のなさが欠点である。
重護との兄妹仲は良好であり、雪姫にも懐いている。また、盗賊貴族のコルナール家の娘、ユリシーズとはお互い本音を言い合える親友の間柄である。
重護のユリシーズとの結婚騒動ではユリシーズの本当の気持ちに気づき、式の途中で乱入しユリシーズを攫う。その後、逃がしてくれた重護に感謝しながら二人で逃亡した。その後、七重島に二人でやってきて幸せ荘201号室に入居し、重護が設立した《楽市楽座》にも二人で参加した。
GREAT7関係者
一鶴 春秋(いっかく しゅんじゅう)
双葉 才兎(ふたば さいと)
真幌 肆季(まぽろ しき)
声 - 内山夕実
『幸せ荘』の大家さん。酒が大好物で四六時中飲んでいる。GREAT7の1人であり、七重島総合警備保障・名誉顧問の肩書を持つ。反抗する相手には平然と職権乱用を厭わない。通常の人間を遥かに超える肉体強度、運動神経、反射速度を持ち、人類の変異体とされている。人体の構造に詳しく、若いころから格闘技や重火器の扱いをマスターし、個人の戦闘力はGREAT7最強と言われている。不摂生な生活のため、実力は全盛期より遥かに劣っているが、それでも幻獣を素手で倒すほどの実力を持つ。
実は龍ヶ嬢七々々殺人事件の真相を知っており、事件の半年後に《真実》遺跡の最深部に辿り着き、ネガカナから事件の真相を聞いたことで、今後一生《真実》遺跡の入口である幸せ荘102号室を守るという契約と引き換えに、龍ヶ嬢七々々の精巧な偽物をネガカナに作らせた。同時に、いつの日か全ての真相が明かされることも望んでおり、幽霊の七々々が現れた日から一転して鍛錬を止めて酒浸りの日々を送り、全ての真実が明かされる時に自分が敗北できるように、自分を弱体化し続けた。
最終巻の中盤で、GREAT7の会議の終盤で自分が事件の真相を知っていることを重護と天災によって暴露され、幸せ荘へと逃亡し《真実》遺跡の入り口を守る為に参差たちと交戦し圧倒するが、双葉と参差の策略によって超強力な毒を飲まされて動きが鈍ったところで野々宮姫子によって気絶させられ拘束された。その後、《真実》遺跡の最深部で謎が全て解明された際には、参差の本音の独白を聞いて涙を流した。
華鏡 伍月(かきょう うづき)
睦巳 狛(むつみ こま)
神流 瑠璃(かんな るり)
一ツ橋 悠也(ひとつばし ゆうや)
一条 彼方(いちじょう かなた)
独呂 弥七 (どくろ やひち)
春秋の養子である「アナザーチルドレン」の一人であり、天災の義兄。天災のことを「欠陥品」と侮蔑しており、そのことから悠也と彼方からは嫌悪されている。かつて第五高等部の生徒会長選挙で、卑劣な手段で仁志亜澄を罠にかけて落選させたことで生徒会長に当選し、後に事の真相を知った鉄之進の刀で斬りつけられて頬に傷を負った。
去年の学園祭で華蝶揚羽に完敗したことを根に持っており、今年度の学園祭で優勝した上で揚羽に屈辱を与えようと部下に雛子を誘拐させるなどの様々な手段を弄するが、七々々コレクションの存在を知らなかったことで敗北した上に、亜澄の七々々コレクションによって重傷を負った。そして、学園祭後に雛子の一件で華の四家から弥七の身柄引き渡しの要請があったことを悠也から聞かされると、春秋を脅迫して保身を図ろうとしたが逆に春秋たちに見限られて、養子縁組を解消された上に外国の全寮制の大学に強制的に留学させられるという事実上の国外追放となった。
野々宮 姫子(ののみや ひめこ)
穂波 清海(ほなみ きよみ)
スリー・スカル関係者
黒須 参差(くろす さんさ)
声 - 櫻井浩美
ツクヨミ街の頭領。重護からは最初に使った「ばた子」という仮名で呼ばれていたが、7巻において正体を明かした。GREAT7の一角だが、劇中より5年前に島を乗っ取ろうとしたところを一鶴に感づかれ、中立であった狛以外のGREAT7に袋叩きにされた挙句、ツクヨミ街に拘束される。その際街から出ることを禁じられるが、本人は気にすることなく、よく街を抜け出しては狛の家に押しかけている。時折ふざけた言動を取るが、裏の業界のトップに相応しい戦略眼の持ち主。極めて洞察力が高く、その人心把握能力は七々々をして「本人以上にその人間について見抜く」と言わしめている。また、コレクション「クローツの魔眼」を、半径500メートル以内の人間の複数の視界を盗めるほどに使いこなし、さらに読唇術によって盗んだ視界から見た言動を把握することで、高い情報収集能力を持つ。だが、その代償に左目は隻眼となり、クローツの魔眼無しではほとんど見ることができない。
『ゲーム』2回戦の際にコレクションを使用した鉄之進の手引きで乱入して彼に入れ替わり参戦する。他の参加者に格の差を見せつけて圧倒し続けるが、彼女を止めるべく咲希に憑依して参戦した七々々の妨害でペースが崩れ、さらにチームメイトの重護から「七々々は参差が撤退するまで帰らない」ことと「七々々と参差の存在が自分の計画に邪魔」と主張されたことで、その場を撤退した。
声 - 細谷佳正
通称「鉄」。武器は刀。スリー・スカルの一員であり、参差への忠誠心は高い。
かつては第五高等部に所属する学生で、「正義のために、正しいことを成すために」という理想を持ち、阿澄達と親しい関係だったが、生徒会長戦で彼女にかけられた事実無根の罪を信じて彼女から離れた。後に事実を知り、彼女を陥れて生徒会長になった人物に暴力事件を起こして退学した。以降は「正しさという肩書は無意味であり、正義など存在しない」という考えを持つようになった。本人は高校に戻るつもりは無かったが、3巻で参差の命令を受けて咲希の護衛のために七重島第三高等部に復学し、重護と同じクラスになる。咲希と会い、面倒を見るうちに彼女に惹かれ始めていた。咲希が行方不明になった際には彼女を探すために奔走し、彼女を取り戻すためにレプラコーン主催の『ゲーム』に参加する。
基本的に参差やスリー・スカルの方針を優先するスタンスをとっており、それ以外の人間には必要がない限り無愛想に接する。ただし、重護とは度々接する機会を持っていたため、多少は気を許せる関係を築いている。『ゲーム』では、重護の家柄について聞いたうえで、咲希を連れ戻すために限定的ながら協力関係を結んだ。
吉野 咲希(よしの さき)
声 - 久野美咲
通称「ゆん」(見た目だけで参差が命名)。駿河へのプレゼントを買う資金を得るために、戦場の依頼を受け《遺跡》の調査をするが、途中でトラップよって致命傷を負う。しかし、謎の存在ネガカナと契約しレプラコーンの一員となったことで一命を取り留め、それらに関わる記憶を無くしていた所をスリー・スカルに拾われる。当初は状況を理解できず錯乱していたが、スリー・スカルの面々と接して落ち着きを取り戻して復学する。以降は参差の言動に大分感化されつつも、普通に学生生活を送っていた。だが、一心にレプラコーンの一員であることを見抜かれて一連の記憶を取り戻し、彼を刺して行方をくらました。この出来事が契約違反とみなされ、契約で与えた恩恵を取りあげられないための最後の救済措置として、レプラコーンの『ゲーム』の主催者【M】を名乗ってゲームを仕切りながら自身も参加者として参戦し、優勝することを課せられ、役割を果たすために行動していた。しかし、次第に自分の力量では優勝は不可能だとネガカナに判断されたことで、ネガカナに幽霊の七々々を憑依された末に、ネガカナに見限られて契約を解除されかけ、致命傷が再び開いて命の危機に陥るが、幽霊の七々々がネガカナを説得したことで契約を結び直され、そのことで咲希は一鶴春秋の《魔法使いの杖》で一命を取り留めた。その後、意識を取り戻すがレプラコーンとして活動していた間の記憶を失っていた。その後、冒険部を引退した唯我一心の跡を継いで、四代目の冒険部部長に就任した。
七々々コレクションコミュニティ関係者
仁志 亜澄(にし あすみ)
天城 大聖(あまぎ たいせい)
ナイトハルト・D・ポルナレフ
レプラコーン関係者
ネガカナ
絹のような布をかぶっている女性。願いを叶える力を持つが、その際は契約の名のもとに願いと同等の対価を要求する。現在も七々々とは何らかの契約をしているらしく、自分と契約して願いを叶えた人間に指令を与え、レプラコーンの一員として動かしている。実は、七々々コレクションの中でも最も重要な《天地陰陽の風水盤》の執行人にして番人でもある存在で、人間の龍ヶ嬢七々々の最後の願いと支払った代償によって、《遺跡》を含めた七重島の学生たちに夢を叶えるチャンスを与え続けている。当然として全ての真相が明かされることを望んでおらず、人間の龍ヶ嬢七々々から受け取った天運によって真相が十年間明かされることはなかったが、最終巻で本体である《天地陰陽の風水盤》が収められた《真実》遺跡の最深部にたどり着いた重護たちに本体を破壊されないために真相を語らざるを得ず、そのことを不思議がりながらも全ての真相を語った。そして、最終巻の終盤で自由を得た幽霊の龍ヶ嬢七々々と会話したことで、全ての真相が明かされた理由が幽霊の七々々が外に出たいという願いから連鎖して起こったことだと気づき、自分が作り出した幽霊の七々々が本物の龍ヶ嬢七々々に勝るとも劣らない存在だと実感した。
『ネガカナ』は正式な名前ではなく「願いを叶える」からという理由で七々々につけられたものだが、本人は好んでいない。
その他
桧野 由美
岬 かもめ
大輪田 太志(おおわだ ふとし)
ケテケテ
華蝶 揚羽(かちょう あげは)
優秀な学生が集まる第一高等部三年生にして日本の経済界・政界にも影響力を持つ富豪名家である華蝶家の長女。
普段から常に自信に満ちた態度とり、それに見合うカリスマ性や、必要とあらば手の内を晒す度胸を有しており、肩書きに違わぬ優秀さを持つ。重護のことも、彼の家が華蝶家にお世話になったという重護の発言などのヒントも踏まえつつ自分と同じ匂いを感じ、彼が特別な教育を受けていたことに勘づいていた。
先天性の身体異常を持ち、10歳までしか生きられないと言われてる5歳の妹・雛子を救うために中学生の時に島に来た。妹を道具としか見ていない父や身体異常のために汚点として嫌っている母への情は薄いが、妹には深い愛情を抱いており、体を作りかえるコレクションを探している。
レプラコーン主催の『ゲーム』に参加した際には、部下から必要なコインを徴収し、労せずして第一ステージを突破する。
第二ステージでは成り行きで重護、鉄之進とチームを組んで協力することになる。自分がリーダーをすると公言して2人を指揮するが、鉄之進と入れ替わりでチームに入った参差に終始振り回される。
乾(いぬい)・呂戸(ろと)・浜路(はまじ)
壱級天災の極めて不本意な名推理
バアル
石神 霧夜(いしがみ きりよ)
伏見 妃凜(ふしみ きりん)
柊 スイナ(ひいらぎ すいな)
用語
七重島(ななえじま)
「七夕祭り」
NNE
七々々コレクション
人生先読みの鏡/卑弥呼の鏡(ひみこのかがみ)
キラキラ嘘発見器 / ユーグトスの隻眼(ユーグトスのせきがん)
茶葉がいらない急須 / 仙茶沸(シエンチャフェイ)
冒険部の所有物であり、部室から出すことは禁じられている。
魔法使いの杖 / ドボルド・ヴァン・ザムスの杖(ドボルド・ヴァン・ザムスのつえ)
どんな奴でも逃がさない鎖が飛び出す大きな釘/太陽神の楔(たいようしんのくさび)
天命の矢(てんめいのや)
白帝(はくてい)
ザ・ハーレム / 双天万華の秘伝書、双天万華の封門(そうてんまんげのひでんしょ、そうてんまんげのふうもん)
影虎の里から七々々が持ち去った物。
隠匿
怒鬼(どき)
塞翁(かんう)
影かき / 影泳ぎの濡れ長靴(かげおよぎのぬれながぐつ)
ものまね眼鏡 / ギルバート・バラムの複写魔眼鏡(ギルバード・バラムのふくしゃまがんきょう)
死神の囁き(しにがみのささやき)
雨降りベル / 天雨の鈴(てんうのれい)
魔除けのお守り / 聖槍の欠片(せいそうのかけら)
お話トリップ / ドミニオンの号令(ドミニオンのごうれい)
今はなき協会派閥の一つが異端の魔女と共同で作ったとされている。
今日から君もバーサーカー / ヘカトンケイルの鉄枷(ヘカトンケイルのてつかせ)
鉄枷を装着した者が解放を望むことで姿を現し、使用者に怪物の力を与える。力を求めれば求めるほど枷は増え、その分使用者の身体能力は上がるが、その分使用者の理性は薄まる。
如意棒(にょいぼう)
式神(しきがみ)
一人会議 / 賢王の法冠(けんおうのほうかん)
大昔、とある王国を統治していた賢王が、己と対峙し、自らの求める答えを見つけるために作らせた。
今日からオイラは千人隊長、へいへいへい / 星屑軍の指揮外套(スターダスト・ジェネラル)
中世暗黒期にとある猛将が纏っていたマント。
クマ吾郎(クマごろう)
鏡(名称不明)
タナベさん / 蒼龍・イズラ (そうりゅう・イズラ)
伝われあの人に、私の想い♥ / アンボルサの霊木(アンボルサのれいぼく)
ルーシー / 音華の琴 (おんかのこと)
金閣銀閣が持っている瓢箪と同じヤツ
ミルツ・メールの懐中時計(ミルツ・メールのかいちゅうどけい)
夢幻枕(むげんまくら)
ハンプティ・ダンプティ / 握り潰す卵 (クラッシュ・エッグ)
身も心もばっちり以心伝心♥ / ラティーの二重輪(ラティーのダブルリング)
のぞき見眼帯 / クローツの魔眼(クローツのまがん)
七々々の剣(なななのつるぎ)
幽霊ハンド
悪魔と対決できる呪い本 / イゾルデの封印書(イゾルデのふういんしょ)
10年前、ある宗教団体の書庫で極秘に管理されていたが、七々々によって持ち出された。また、七々々はバアル曰く「戦う資格」がなく、彼と勝負をしなかったらしい。
遺跡(いせき)
組織・団体
冒険部(ぼうけんぶ)
GREAT7(グレートセブン)
怪盗団《祭》(かいとうだん《まつり》)
スリー・スカル
七々々コレクションコミュニティ
レプラコーン
多くのコレクション収集者からは七々々の意思を継承して活動していると推測されており、事実、組織の一員であるネガカナと七々々が水面下で接触するなど一定の繋がりがあるようだが、当の七々々本人はレプラコーンについてはほとんど知らないと公言している。
《ゲーム》
その実態はレプラコーンの構成員が犯した契約違反を帳消しにするための救済措置であると同時に、レプラコーンがコレクションを回収するためのものである。ゲームに応じていくつかルールが定められているが、暗黙の了解としてルールで禁止されていない行動は違反ではないという理論があり、ルールを守るのではなくいかにルールを利用して勝ち残るかを競う傾向が強い。
評価
本作は、第13回エンターブレインえんため大賞小説部門大賞を受賞しており、同賞における8年ぶりの大賞となった。
選考委員の一人であるエンターブレイン取締役の森好正は総評の中でスケールの大きさを評価し、タイトルのつけ方もうまかったと述べている。 また、もう一人の選考委員であるファミ通文庫編集長の河西恵子は「随所に散りばめられた伏線と謎、二転三転するドラマが『先を読みたい!』と思わせてくれる。主人公の"家業"、学生島の創設秘話、"七々々コレクション"など様々な不思議ネタを個性的なキャラクターが盛り上げている。」と評している。
本作の担当編集者である衣笠辰実は、これらに加え、一種の叙述トリックを駆使した筋書きが選考委員らを驚かせたとまんたんウェブとのインタビューの中で振り返っている。
既刊一覧
小説
本編
- 鳳乃一真(著) / 赤りんご(イラスト、7巻まで) / のん(イラスト、8巻以降) 『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』 エンターブレイン→KADOKAWA〈ファミ通文庫〉、全12巻
- 2012年1月30日発売、ISBN 978-4-04-727786-1
- 2012年3月30日発売、ISBN 978-4-04-727925-4
- 2012年7月30日発売、ISBN 978-4-04-728204-9
- 2012年11月30日発売、ISBN 978-4-04-728512-5
- 2013年4月30日発売、ISBN 978-4-04-728799-0
- 2013年12月26日発売、ISBN 978-4-04-729210-9
- 2014年3月29日発売、ISBN 978-4-04-729520-9
- 「特装版」同日発売、ISBN 978-4-04-729521-6
- 2014年12月26日発売、ISBN 978-4-04-730116-0
- 2015年6月29日発売、ISBN 978-4-04-730517-5
- 2015年10月30日発売、ISBN 978-4-04-730764-3
- 2016年9月30日発売、ISBN 978-4-04-734278-1
- 2016年12月28日発売、ISBN 978-4-04-734388-7
- 「特装版」同日発売、ISBN 978-4-04-729521-6
スピンオフ
- 鳳乃一真(著) / 赤りんご(イラスト) 『壱級天災の極めて不本意な名推理』 エンターブレイン→KADOKAWA〈ファミ通文庫〉、全2巻
- 2013年8月30日発売、ISBN 978-4-04-729097-6
- 2015年4月30日発売、ISBN 978-4-04-730382-9
漫画
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金
龍ヶ嬢七々々の埋蔵金 The Animation
プロモーションアニメ
第1巻発売に合わせて事前にA-1 Picturesによりプロモーションアニメが制作されており、主にYouTube内でエンターブレインの公開する「ebtvjp」チャンネルで無料で公開されたが(ちなみに声はついていない)現在削除されている。ただし通販サイトAmazonではアニメ化決定後もしばらく視聴できたが、こちらも現在は削除されている。
テレビアニメ
2014年4月より6月までフジテレビ系列『ノイタミナ』ほかにて放送された。
監督は『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』や『うさぎドロップ』の亀井幹太、シリーズ構成は『R.O.D』や『ガリレイドンナ』の倉田英之、キャラクターデザインは『ソードアート・オンライン』の川上哲也、音楽は『〈物語〉シリーズ』や『アイカツ!』の帆足圭吾、アニメーション制作はPVに引き続きA-1 Picturesがそれぞれ担当する。
ヒロインの七々々役に選ばれた田辺留依は演じるにあたり、重護たちと話すときの様子と、生前からの知人である肆季との様子を分けるよう意識したとファミ通とのインタビューの中で話している。また、主題歌を歌う私立恵比寿中学のメンバーである真山りかが第6話に登場する如月静香の役で声優デビューを果たした。
テレビアニメ化は2013年12月13日に発表され、それと同時に公式サイトや公式Twitterも開設された。 劇中で七々々たちがゲームをしている場面では、『ファンタシースターオンライン2』など実在のゲームの映像が使用されている。
スタッフ
- 原作 - 鳳乃一真(ファミ通文庫刊)
- キャラクター原案 - 赤りんご
- 監督 - 亀井幹太
- シリーズ構成 - 倉田英之
- キャラクターデザイン - 川上哲也
- プロップデザイン - 坂崎忠
- 設定考証・七重島コンセプトデザイン - 小倉信也
- 遺跡デザイン - 渡辺浩二
- 色彩設計 - ホカリカナコ
- 美術監督 - 山根左帆
- 美術設定 - 金平和茂
- CGI監督 - 雲藤隆太
- 撮影監督 - 廣岡岳
- 編集 - 坪根健太郎
- 音響監督 - 明田川仁
- 音楽 - 帆足圭吾、MONACA
- 音楽プロデューサー - 佐野弘明、千葉悦子
- チーフプロデューサー - 岩上敦宏、山本幸治
- プロデューサー - 柏田真一郎、森彬俊、正木大督
- アニメーションプロデューサー - 五十嵐守
- アニメーション制作 - A-1 Pictures
- 制作 - 七重島総合警備保障(アニプレックス、フジテレビジョン、KADOKAWA、京楽産業ホールディングス、電通、ビッグローブ、ムービック)
主題歌
「バタフライエフェクト」
「微かな密かな確かなミライ」
なお、ノイタミナにてSME所属ではないアーティストが主題歌に起用された唯一の例である。
評価
アメリカのアニメ評価サイト「Anime Trending」が主催した「第1回 Anime Trending Awards」ではCOMEDY ANIME OF THE YEARで9位を獲得している。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1話 | 勘当されて島流し | 菅原雪絵 | 亀井幹太 | 山野雅明 | 川上哲也 | |
第2話 | 七重島第三高等部・冒険部 | 木澤行人 | 宮浦栗生 | 猪狩崇 | 竹田欣弘、北村友幸 | 坂崎忠 |
第3話 | 地上1000mの《遺跡》 | 中本宗応 | 加瀬充子 | 河合滋樹 | 伊集院いづろ | 川上哲也 |
第4話 | 夢とか野望とか否定とか憧れとか | 福田道生 | 小坂春女 | 神本兼利、鈴木豪 | 坂崎忠 | |
第5話 | ミッション・インポッシブル | 菅原雪絵 | 葛谷直行 | 安藤貴史 | 小倉典子、平馬浩司 | 川上哲也 |
第6話 | いざ、温泉街へ | 下田正美 | シノミン、伊集院いづろ 鈴木豪 |
坂崎忠 | ||
第7話 | 悪党のお悩み相談 | 大原実 | 柴田彰久 | 山野雅明 | 川上哲也 | |
第8話 | 奇妙な来訪者 | 亀井幹太 | 亀井幹太 福田道生 |
猪狩崇 | 小倉典子、北村友幸 平馬浩司 |
坂崎忠 |
第9話 | 戦場緋夜と吉野咲希についての考察 | 木澤行人 | 福田道生 | 小坂春女 | 相馬満、青野厚司 | 川上哲也 |
第10話 | 対決 | 渡辺了 | 岩月甚 | 伊集院いづろ、永野美春 平馬浩司、小野可奈子 小倉典子 |
坂崎忠 | |
第11話 | 八真重護が決める覚悟 | 亀井幹太 | 川上哲也、山野雅明 | 川上哲也 |
放送局
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送時間 | 放送系列 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ | 2014年4月11日 - 6月20日 | 金曜 1:20 - 1:50(木曜深夜) | フジテレビ系列 | 製作委員会参加 |
岩手県 | 岩手めんこいテレビ | 同時ネット | |||
山形県 | さくらんぼテレビ | ||||
愛媛県 | テレビ愛媛 | 金曜 1:40 - 2:10(木曜深夜) | |||
静岡県 | テレビ静岡 | 金曜 1:50 - 2:20(木曜深夜) | |||
秋田県 | 秋田テレビ | 金曜 2:00 - 2:30(木曜深夜) | |||
福島県 | 福島テレビ | 金曜 2:05 - 2:35(木曜深夜) | |||
新潟県 | 新潟総合テレビ | 金曜 2:10 - 2:40(木曜深夜) | |||
広島県 | テレビ新広島 | 金曜 2:15 - 2:45(木曜深夜) | |||
熊本県 | テレビくまもと | ||||
近畿広域圏 | 関西テレビ | 金曜 2:28 - 2:58(木曜深夜) | |||
宮城県 | 仙台放送 | 金曜 2:30 - 3:00(木曜深夜) | |||
福岡県 | テレビ西日本 | 金曜 2:35 - 3:05(木曜深夜) | |||
中京広域圏 | 東海テレビ | 金曜 2:40 - 3:10(木曜深夜) | |||
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | ||||
日本全域 | dアニメストア | 金曜 12:00 更新 | ネット配信 | ||
佐賀県 | サガテレビ | 2014年4月12日 - 6月21日 | 土曜 1:20 - 1:50(金曜深夜) | フジテレビ系列 |
BD / DVD
巻 | 発売日 | 収録話 | 規格品番 | ||
---|---|---|---|---|---|
BD限定版 | DVD限定版 | DVD通常版 | |||
1 | 2014年6月25日 | 第1話 | ANZX-11771/72 | ANZB-11771/72 | ANSB-11771 |
2 | 2014年7月23日 | 第2話 - 第3話 | ANZX-11773/74 | ANZB-11773/74 | ANSB-11773 |
3 | 2014年8月27日 | 第4話 - 第5話 | ANZX-11775/76 | ANZB-11775/76 | ANSB-11775 |
4 | 2014年9月24日 | 第6話 - 第7話 | ANZX-11777/78 | ANZB-11777/78 | ANSB-11777 |
5 | 2014年10月22日 | 第8話 - 第9話 | ANZX-11779/80 | ANZB-11779/80 | ANSB-11779 |
6 | 2014年11月26日 | 第10話 - 第11話 | ANZX-11781/82 | ANZB-11781/82 | ANSB-11781 |
映像特典
Webラジオ
『ラジオ七々々の部屋』のタイトルで2014年4月7日 から6月30日までHiBiKi Radio Stationにて配信された。毎週月曜更新。出演は田辺留依(龍ヶ嬢七々々 役)。
ゲスト
- 第1回 - 小野友樹(八真重護役)
- 第2回 - 阿澄佳奈(壱級天災役)
- 第3回 - 興津和幸(唯我一心役)
- 第4回 - 鈴木絵理(茨夕役)
- 第5回 - 早志勇紀(徒然影虎役)
- 第6回 - 内山夕実(真幌肆季役)
- 第7回 - 鳥海浩輔(椴松鷲役)
- 第8回 - 櫻井浩美(黒須参差役)
- 第9回 - 久野美咲(吉野咲希役)
- 第10回 - 細谷佳正(辻深鉄之進役)
- 第11回 - 伊藤かな恵(夢路百合香役)
- 第12回 - 杉田智和(戦場緋夜役)
- 第13回 - 鳳乃一真(原作者)
ゲーム
パズルゲーム
謎解きゲーム
この他に、HEROZ(2014年7月30日まではNECビッグローブ)のスマートフォン向けアプリのカードコレクションゲーム『嫁コレ』に参加している。
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