ハイガクラ
以下はWikipediaより引用
要約
『ハイガクラ』は、高山しのぶによる日本の漫画作品。2015年5月16日まで『コミックZERO-SUM増刊WARD』(一迅社)で連載。その後、同誌の休刊に伴い、2015年9月18日より『ゼロサムオンライン』(同社)に移籍して連載中。
2023年12月時点で、電子版を含むシリーズの累計部数は130万部を突破している。
あらすじ
竜王が人々のために作った五神山。その国には、四匹の凶神『四凶』と八百万の神が存在していたが、四凶が二山を沈め、四凶と八百万の神は他国へと逃げ出した。逃げた神々を連れ戻すため「歌士官」が作られた。歌士官である一葉は、育ての親であり、四凶の代わりの人柱となっている白豪を自由の身にするために、四凶を連れ戻そうとする。
登場人物
声の項はドラマCD版の声優。
主要人物
一葉(いちよう)
声 - 浪川大輔
本作の主人公。19歳。首に赤い布を巻いている。「歌士官」と呼ばれる役職に就いており、「自国から追い出され、よその国へと逃げ出した神を連れ戻す」ことを仕事としてはいるが、今まで上手くいった例がない。そのために常に無一文状態だが、親友の羅漢に奢らせている。また、本人は泳ぐことが出来ないため、滇紅に引っ張らせる形で水の中を通って国へと帰ってきている。泳げない他に、ありえないほどの音痴という欠点も持っている。しかし、螺春が焚いた香の効果により場を清め一帯を神域化することで「歌えない歌子ではない」という可能性も出てきている。
同じ歌士官達からは「史上最も出来そこないの歌士」として有名で、歌士になって以降、未だに連れて来ることの出来た地霊はゼロである。また、中級神を2匹ほど連れているが、調教士に頼まず己で面倒を見ている。しかし言うことを聞いてもらえず、そのことが一葉のヘタレ振りに一層拍車を掛けている。
仕事に対しては熱意を持って取り組んでいる訳ではなく、報告書簡を催促されても「上手く行ってないので書くことはない」とサボったり、西王母である白珠龍に対しても着ている官服を見て「馬子にも衣装」と言ったり、「西王父」と馬鹿にしたような態度を取ったりしている。
伝説の歌士官、藍采和の弟子であり、学舎には行っていない。藍采和は、弟子を取らないことで有名であったために、周囲の者からは「藍に取り入った」と思われている。
滇紅と花果を扱えることから、一般の歌士とは一線を画すらしいが、今のところ詳細は描かれていない。首に小さな翼が付いており、熱で滇紅の封印を溶かしたり、人の身でありながら、炎を操るなど、尋常でない力を持っている。
滇紅(てんこう)
声 - 宮野真守
一葉に使役されている中級神。種族は不明。赤い長髪で紫の瞳をしている。一葉のことを「師父」と呼んでいる。
よく食べ、よく笑い、よく泣き、よくヘマをするために一葉からは鬱陶しがられており、拳骨で殴られると「師父がグーで殴ったー!!」と大泣きすることもしばしばである。
戦う際は一葉に「踏々歌・解式」を唱えてもらい、それによって髪の色が白く変わり、別人と言えるほどの好戦的な態度に変わる。その状態の時は非常に傲慢で、一葉に対しても馬鹿にしたような態度で接する。
ミクロネシア地方の悪神ムレッテムーの遺跡の奥深くに、何者かによって封印されていた。1995年、太陰暦の9月に一葉が初仕事の際に、その封印を解き潔斎した。調教は峰龍井が行っており、その結果、とぼけた性格になった。
手首についている枷は一葉が滇紅の封印を解いた時でさえ破壊されなかったという。
竜宮にて、比企に、妖力が相柳にそっくりだと言われている。
花果(かか)
声 - 谷井あすか
滇紅同様に、一葉に使役されている中級神。小さな子供の姿をしている。
竦斯(しょうし)と呼ばれる希少価値の高い種族。調教次第では象戯の相手もこなせる話し上手になるため、愛玩用として人気のある種族だが、一葉の場合はそのような調教をしている様子はない。ゆえに花果の場合は幼児のような行動をすることが多い。また、一葉以外の人にはあまり懐いておらず、「おっちね」と罵声を浴びせることも多い。
武夷が一葉の斎から花果を追い出そうとした際、一時的に成長した姿になった。その姿では耳にあたる部位から大きな翼が生えており、空を飛ぶ、声で対象を操るといった力を見せる。立ち振る舞いや口調も年相応になるが、一葉に叱られると泣き喚くなど、精神年齢では普段と大差ない。
普段は一葉のことを「せんせ」と呼ぶが、姿が大きくなると「一葉」と普通に呼ぶ。
花果の種族は3000年生きて変化をするが、花果は生まれながらにして変化済みだった変わり種。そのため、普通の歌士では扱えないらしい。
親友・親交関係
羅漢(らかん)
声 - うえだゆうじ
一葉の親友かつ調教師。19歳。いつも無一文の一葉に食事を奢っているが、代金を返してもらったことはない。一葉曰く「俺の財布」。
普段は温厚だが、珍しい神を見ると暴走し、異様に饒舌になったり呼吸が荒くなったりと挙動不審になる。
武夷(ぶい)
声 - 鳥海浩輔
一葉と同じく歌士。22歳。賭け事が大好きで稼いだ金をすぐにつぎ込んでしまうため、常に金に余裕がなく、金を稼ぐために詐欺まがいのことまで働いていた。花果を手に入れようと目論むが、花果本人から痛い目に遭わされて以来、一葉とは仲が良くなった(しかし、当の一葉はそう思っていない)。
孫登(そんとう)
声 - 櫻井孝宏
歌士官長。外見年齢20歳(地仙のため、老化が遅い)。ポニーテールと太い眉毛が特徴的な男性。一葉から眉毛と呼ばれている。
非常に優秀だが一風変わった人物。極端な素直であり、また努力家である。上司である藍采和を「心の友」と呼ぶ。従神は天竜八部衆。
峰龍井(ほうりゅうせい)
声 - 石川英郎
歌士官長補佐。外見年齢30歳(地仙であったが、三年前に仙籍を返上しており、今は人間に戻っている)。お菓子作りがうまい。調教師として一流の腕を持つ。出世を望んでいないが、孫登を抑えることのできる人物として、歌士官長補佐官に任命された。従神は花仙十姫。
三皇
白珠龍(はくしゅりん)
声 - 清水香里
西王母。元は孤児だったが、先代・西王母の逝去後、先代の死ぬ日死ぬ時間に宿星の天体の並びの正反対の位置にいたため、西王母に抜擢される。その後、瑶池宮にて、忍び込んだ一葉と出会い、親友となる。16歳で天仙となり、成長が止まる。
幼い頃はある事情から男物の服ばかりを着ていて、武芸に興味を示す男勝りな子供だった。髪も短かったため、一葉から男と勘違いされていた期間もあったためか、一葉と会う時に「ヒラヒラした服」を着ることを嫌がる。
白珠龍とは親友でありながらも、同時に西王母を恨んでいた一葉は、白珠龍の正体が西王母であることを知って以来、西王母即位式典が行われる4年間、珠龍に会うことを止めており、今も微妙な関係が続いている。
蒼香茗(そうこうめい)
八仙
八仙は国の地盤四方を支える柱として、四凶の代わりに東西南北に2人ずつ人柱として縛り付けられる役目を負っている。また、国政に関与している。
藍采和(らんさいわ)
声 - 阿部敦
見た目は小学生にしか見えないほど背が低いが、一葉の師匠にあたり、一通りの礼儀作法や歌士としての役割を教えた。水官長。
龍王の師父であり、さらにその子供の龍生九子の師父でもある。
国のため、人柱として白豪を捕縛した。他の八仙から弟子の一葉のことを問われるも「知らない」との一点張り。
神
白豪(はくごう)
声 - 石塚運昇
種族は天狗(てんこう)。大きな猫の姿をしている。『月の卵』を守護すると伝えられている。本人曰く、自然の摂理を見守る目であり、帝江が何者かの支配や影響によりその存在を曲げぬよう守護するものである。
普段は西王母の側近で守護を務めているほか、人柱として国を支えている。本人は不満も述べずに黙々とこなしているが、一葉はそのことを快く思っていない。白豪も一葉の気持ちを知っており、応援をしている。
一葉からは「しろ」と呼ばれ、一葉の育て親でもある。龍王とは旧知の仲であるが、彼に対しては冷たくあたる。
帝江の意志を以て行動しなくてはいけない存在であるため、一葉を人として愛していたわけではなく護るために傍にいただけだった。そのため本来は何も愛さない生き物であり、国であっても死のうが滅びようがどうでもいいと思っていた。
比企(ひき)
声 - 関俊彦
龍生九子の一人。種族は饕餮。四凶の一人。足を切られ、崑崙山の青柱の人柱とされている。龍王の息子。
人に会う時などは、癖毛の青年の姿をしている。口調こそのんびりしているが、人を食ったような言動が多い。いつでもフラフラと出歩き、東王父の私室や庭園でご飯やおやつを漁っている。
生まれたときから、強烈な飢えと乾きを抱え続けている。
一葉とは偶然東王父の庭園のはずれで出会う(1巻参照)。その際に興味をもつ。行動を観察し、禺彊(ぐうきょう)と呼んでいるが意図は不明。地震があった際や正気を失った際には鎖に繋がれている。
現在は一葉の従神になっており、潔斎の影響で子供化している。神獣時はモフモフとした毛玉の塊である。一葉の力のおかげか飢えもなくなっているように見える。
何を考えているか分からないところもあったが死ぬのが怖い。など生き物らしいところもみられている(9巻参照)。
蒲牢(ほろう)
春睨(しゅんげい)
丙閑(へいかん)
天竜八部衆(てんりゅうはちぶしゅう)
相柳(そうりゅう)
その他
望(のぞむ)
おねえ
ウヘル
用語
四凶(しきょう)
仙人たちでさえ手に負えない上、存在するだけで周りに悪影響を与えてしまう。
渾沌
窮奇
饕餮
共工
歌士官(かしかん)
斎(さい)
天仙(てんせん)
地仙(ちせん)
有能な地仙は天仙として昇格する場合もある。
仙桃(せんとう)
書誌情報
- 高山しのぶ『ハイガクラ』 一迅社〈ZERO-SUMコミックス〉、既刊16巻(2023年8月24日現在)
- 2008年11月25日発売、ISBN 978-4-7580-5382-2
- 2009年10月24日発売、ISBN 978-4-7580-5449-2
- 2010年8月25日発売、ISBN 978-4-7580-5536-9
- 2011年5月25日発売、ISBN 978-4-7580-5593-2 / ISBN 978-4-7580-5594-9(限定版)
- 2012年3月24日発売、ISBN 978-4-7580-5693-9
- 2013年1月25日発売、ISBN 978-4-7580-5778-3 / ISBN 978-4-7580-5779-0(限定版)
- 2014年2月25日発売、ISBN 978-4-7580-5877-3 / ISBN 978-4-7580-5878-0(描き下ろし小冊子限定版)
- 2015年2月25日発売、ISBN 978-4-7580-5994-7 / ISBN 978-4-7580-5995-4(描き下ろし小冊子付き特装版)
- 2016年3月25日発売、ISBN 978-4-7580-3168-4 / ISBN 978-4-7580-3169-1(特別小冊子付き特装版)
- 2017年2月25日発売、ISBN 978-4-7580-3258-2 / ISBN 978-4-7580-3259-9(小冊子付き特装版)
- 2018年6月25日発売、ISBN 978-4-7580-3358-9 / ISBN 978-4-7580-3359-6(描き下ろし小冊子付き特装版)
- 2019年6月25日発売、ISBN 978-4-7580-3445-6 / ISBN 978-4-7580-3446-3(オール描き下ろし小冊子付特装版)
- 2020年7月27日発売、ISBN 978-4-7580-3532-3 / ISBN 978-4-7580-3533-0(描きおろしコミックス付き特装版)
- 2021年6月24日発売、ISBN 978-4-7580-3616-0 / ISBN 978-4-7580-3617-7(小冊子付き特装版)
- 2022年6月23日発売、ISBN 978-4-7580-3751-8 / ISBN 978-4-7580-3752-5(描きおろしコミックス付き特装版)
- 2023年8月24日発売、ISBN 978-4-7580-3916-1 / ISBN 978-4-7580-3917-8(オール描き下ろし小冊子付き特装版)
テレビアニメ
2024年に放送予定。
スタッフ
- 原作 - 高山しのぶ
- 監督 - 山元隼一
- シリーズ構成 - 村井雄
- キャラクラーデザイン - 佐藤正樹
- 音楽 - 栗原悠希
- アニメーション制作 - 颱風グラフィックス