みあげた玉三郎
以下はWikipediaより引用
要約
『みあげた玉三郎』(みあげたたまさぶろう)は、小島一将作画・林律雄原作による日本の漫画。『少年サンデー増刊』(小学館)にて連載された、女装をテーマにしたラブコメディである。増刊誌に掲載されたことでカラーページが多く、小島・林コンビの少年誌における代表作として物語の一部(13話のうち7話分)がネット配信されている。
あらすじ
女子高から共学になって間もない私立高校に、美人の九条和美が転校してきてクラスは大騒ぎになる。ところが実は彼女は、女の格好でこれまで生きてきた女装美少年であり、大の男嫌い。にもかかわらず何故か、隣の席に座るクールで無口な男子同級生・純のことが気になる。
体育の着替えのときは、体操服に着替え終わって出て行ったはずの女子が、また女子更衣室に戻ってきて、一人でこっそり着替えようとする和美の着替えを見ようとしたり、スリムな体やきれいな脚を称賛する。
和美が下駄箱を開けると男子からのラブレターが靴の上に乗っていたり、長靴で登校の日は、丈が長く靴箱に入らない長靴を、下駄箱の上においておくと、下校時には、左右両方の長靴の筒に女子からのラブレターが入れられていたりする。
純に野球のボールが当たり、保健室に運ばれた彼に付き添っているとき、男性にときめく自分に違和感を持つが、純が男装した女子生徒だと判明する。
番長やスケ番から喧嘩を挑まれたり、実は男であることが発覚しそうになったりしながら、和美と彼女に恋する男女とが海水浴や学園祭といったイベントを挿みつつ、和美の女子高生としての生活は続いていく。
内容
女装男子を扱った学園コメディーだが、スポーツ漫画を何点も描いてきた小島一将らしく、空手・バイク・新体操・野球などスポーツの描写が随所に見られる。連載されたのは小学館の少年誌だが、単行本は双葉社から発行されている。インターネットがなかった時代やウェブサイト黎明期には、女装・美少年愛好誌にたびたび取り上げられている。また、男装の女子が登場する漫画は、少女漫画で『不思議の国の千一夜』『パロスの剣』があるが、少年誌では珍しい。
主な登場人物
九条和美(くじょう・かずみ)
女形の名家の跡取り息子。新潟県で女の装いでずっと育てられ、女子高生として私立高校に転校してくる。すらりとした背の高い美人で脚がきれい。
男嫌いで、ナンパしてきた男たちを本気で叩きのめしたり、学校でも昼休みに、声をかけてくる男子たちから逃げるように姿を消す。ただし恋愛が絡まなければ、ショートパンツ姿の美脚を見せつける恰好で、男にまじって野球をしたり、男女複数のグループで海に行くなど一緒に遊ぶのは平気。
高級ブティックの高価な婦人服を欲しがったりするなど、思考や関心は完全に女なのだが、女のなりをしていても、更衣室で同級生の女子たちと一緒に居ると、どきどきしたりする。
女性の言葉使いで話し、仕草もとても女らしいのに、喧嘩にはめっぽう強く、番長やスケバンも簡単に倒してしまう。
作中で、女の恰好で少なくとも3回はキスをしているが、相手は全て女性(または男装女子)である。
景山純(かげやま・じゅん)
暴走族リーダー
集団でバイクで海岸に乗り入れ、和美に声をかけるが無視される。舎弟たちからは「兄貴」と呼ばれ、和美の級友たちからビーチボールを奪うなど嫌がらせをする。抗議した和美と得意の水泳で勝負したものの、ゴール直前に足がつって溺れかけ、彼女に助けられる。潔く負けを認め、舎弟ともども和美の子分になる。
ファッション
- 作者が「『特上のカワイ子ちゃん』を描きたかった」ということで、作中や各話扉絵、カラーページ、単行本カバーなどで、和美に色々な「お嬢様」らしい女の子のファッションをさせている。
- 和美の女子高生スタイルは、他の女子の制服と異なる洒落たデザインで、スカートも短い場合があり、しばしばパンチラを見せる(1話・4話・5話)。パンティーは清楚な白(6話)。
- 通学は白いソックスに女学生用ローファーのほか、Tストラップシューズ(3話)。雨や雪の日は、白や赤のピカピカの女性用長靴で登校(口絵・カラーページ)。上履きはバレーシューズで女子体育はブルマ(6話・7話)だが、野球の時は競技用ショートパンツだった(2話)。水泳はミニスカート付き水着(5話)
- 私服は太ももを露わにするミニスカートやスリットの入ったスカートに、白や青のエナメルのハイヒール(1話・単行本カバー表紙)。コートとロングブーツの間から脚がわずかに見える「大人の女」っぽい格好も披露(7話・口絵)。高級ブティックでブランドものの服を買う。
- 扉絵や口絵でもビキニ水着(6話)、日本舞踊の藤娘(5話)、男装の純との男女逆転デートや相合傘(3話・口絵)、スケバン竜子や理恵との一見女同士カップル(4話・6話)などが描かれ、少女誌での『紅のサウスポー』以来となる「『カワイ子ちゃん』の姿を読者にアピールしたかった」と作者も意欲的に描いた点を述べている。
書誌情報
- 『みあげた玉三郎』小島一将/林律雄 (1982年 双葉社 100てんランドコミックス)