信長のシェフ
以下はWikipediaより引用
要約
『信長のシェフ』(のぶながのシェフ)は、西村ミツル・梶川卓郎による日本の漫画。およびそれを実写ドラマ化した作品。漫画は芳文社『週刊漫画TIMES』にて、2011年3月18日号から隔週で連載中。
現代の料理人が戦国時代にタイムスリップするというSF作品。単行本第10巻までは西村が原作、梶川が作画をそれぞれ担当していたが、第11巻以降は梶川がすべて担当する一方、西村は第11巻・第12巻のみ料理監修を担当してその後は手を退いている。第12巻からは主人公が作る料理として西洋料理が封印され、それ以降は諸外国の料理に限定されるなど、ストーリー的にも影響が見受けられる。
あらすじ
第一巻
自分自身については過去はおろか、本名すら思い出せないケンであったが、料理の技法や料理に関連する記憶だけは残っており、自身が未来から来た者であることを自覚する。この時代に存在しない調理法による料理を売り出し、京の都で評判になったケンを、織田信長は自分の料理頭に取り立てた。
第二巻
4月、ケンは越前の名物を料理として足利義昭に供する。それを義昭が食することは、朝倉攻めを義昭が承諾したことを意味した。かくして信長は、越前に出兵する。
第三巻
元亀元年(1570年)6月、信長は浅井氏の北近江攻略へと出兵する。ケンは間者・楓とともに小谷城へと潜入する。そこで信長の妹で浅井長政の妻・お市の方が、浅井氏に殉じる覚悟を確認するも、ケンは浅井方に捕らえられてしまう。
第四巻
6月28日の姉川の合戦において、戦況は浅井・朝倉連合優位で推移する。だが信長の命令により、ケンの「料理の匂いを嗅がせて、興奮した敵兵を正気に戻す」という作戦により、織田・徳川連合は逆転勝利する。
第五巻
さらに比叡山も、反信長の旗をかかげ挙兵する。
第六巻
料理勝負は菓子と決定。ケンは噂の本願寺の女性料理人と勝負する。信長の思惑通りに、帝は料理勝負に引き分けの判定を下し、期限付きで本願寺との和睦が成立する。
第七巻
信長の間者・楓は、ケンによる特訓で西洋菓子の基礎を身につけ、今井宗久の仲介で本願寺へと潜入。本願寺の西洋菓子の料理人・ようこの助手となる。
信長は比叡山の焼き討ちを決意。森可成という支柱を無くした家臣たちは、信長の心中をはかりかね、動揺する。だがケンを介して信長の心中を悟った家臣たちは信長に従い、焼き討ちが実行された。だが実際の比叡山は僧は誰ひとりおらず、無人の寺に放火しただけだったが、信長の行為は比叡山の僧を虐殺したかのごとく風評として広まる。
第八巻
松永久秀は三好と手を組み、信長に謀叛をおこす。それに呼応して武田信玄も西上を決意。信長の背後にいる料理人の存在を知った信玄は、秋山信友にケンの暗殺を命じる。だがケンの料理の才を知った信友は、ケンを甲斐に連れ帰る。そこでケンは、信玄の病を好転させるための料理を作る。
第九巻
ケンは徳川家康の陣中へと逃げのびる。三方ヶ原の戦いでの徳川の敗北を食い止められなかったケンだが、敗戦にうちひしがれる家康を料理で元気づける。
かくしてケンは信長の元に帰参するが、信玄との約束により、武田方の事情は一切信長には語らなかった。
第十巻
さらにはケンによる料理・菓子などの贅を尽くした歓待で権大納言・山科言継を籠絡し、信長は朝廷を動かして「元亀」から「天正」への改元をなしとげる。改元の流れを食い止められなかった本願寺は、間者の存在を疑う。
天正元年、ここに信長は、浅井・朝倉の殲滅を決意。一方で本願寺は朝倉への使者に、あえて楓を同行させる。
第十一巻
一方で信長はケンを遣わして、浅井長政に翻意を促すが、あくまで浅井は抵抗を選択。信長は浅井氏を滅ぼすも、ケンの進言と木下藤吉郎秀吉の活躍によって、お市と娘たちは救出される。
楓を捕らえた本願寺は、ケンを使者として申し開きをするように、信長に通達する。信長はあえてこの誘いに乗り、ケンと明智光秀を使者として派遣する。
第十二巻
天正2年(1574年)正月、信長は馬廻衆との内輪の宴席において薄濃(はくだみ、漆塗りに金粉を施すこと)にした義景・久政・長政の首級を御肴として白木の台に据え置き、酒宴を催したが、実際は本物の骸骨ではなく、ケンのアイディアにより菓子細工でできた偽物であり、長政の遺骨は極秘裏に市に渡された。
一度は謀叛をおこした松永久秀は、城を差し出すことを条件に信長に詫びを入れる。その久秀の陰には、ケンと同じく平成の時代からタイムスリップしてきた松田=果心居士の存在があった。ケンを「葛城」と呼び、信長への繋ぎを頼むがケンに以前の時代の記憶がないと知ると態度を豹変させて去る。細川藤孝の嫡男・忠興と光秀の娘・玉の婚姻の約束が決まるなど慶事もあったが、松が明けると越前で一向一揆が勃発。これを機に動く勢力を警戒する信長は甲斐の武田勝頼の元に使者としてケンを派遣する。
第十三巻
ケンの留守中に松田は織田信長に面会し、仕官を申し出るが、この時うかつにも「果心居士」を名乗ってしまう。そして史実通りに「果心居士」は仕官を拒否される。そして松田=果心居士は、織田の次、すなわち「本能寺の変」を起こす人間に取り入ることに目的を変更する。
ケンは羽柴秀吉につき従い、上杉謙信への使者の一員となる。ここでもケンの機転によって、京都での上杉宛の進物の入手、上杉謙信との同盟継続に成功する。
天正2年(1574年)3月28日、ケンの機転と山科言継の取りなしにより、信長は蘭奢待切り取りの勅許を得た。だが、それに先だって松田=果心居士にそのことを予言されていた明智光秀は、予言の的中に驚愕することとなる。松田はもうひとつ、光秀が信長を討つことをも予言していた。
第十四巻
天正3年4月、武田勝頼は再び三河に侵攻する。信長は岡部とケンに対して、徳川への兵糧米の輸送と、秘密裏の築城を命じる。ケンは地元農民を説得して味方につけるのが自分の任務と悟る。だが地元農民は兵糧米を奪わんと襲いかかり、ケンは捕われてしまう。その背景には松田の陰謀があった。
第十五巻
長篠の合戦における武田の敗北は、日本全土に激震を走らせることとなる。そんな中、信長は、嫡男・信忠への家督相続を決意する。
第十六巻
降伏し、岐阜へ連行された秋山は、何とか助命をとのケンの努力も虚しく、天正3年11月26日長良川で磔となる。
家督相続の準備が進む中、信長の三男・信孝は自分こそが家督を継ぐべきだと考え、相続披露の宴に介入する。信孝の配下によって監禁されたケンたちだが、脱出に成功し料理の不手際も挽回する。そして信忠に織田家の家督を譲り渡した信長は、自らは日の本の王になると宣言した。
第十七巻
顕如と松永久秀は果心居士の予言を利用して光秀が信長を裏切るように画策する。また、毛利と盟約を結び史実には存在しない毛利軍の出陣を画策した。天王寺合戦が始まる。
第十八巻
本願寺軍に包囲された砦に立て篭もる光秀を救うために、信長は救援に出たが、突如のことで兵の集まりは悪い。しかし、信長は砦までの単騎駆けで、包囲網を突破し、光秀軍との合流に成功。本願寺軍を退ける。
そんな折り、顕如に従って前線近くまで来ていたようこは信長軍に捕らえられ、そしてケンは流れ弾を頭に受けて意識を無くしてしまう。
第十九巻
第二十巻
松田の去り際の一言によって本来の歴史では天王寺合戦で信長が受けるはずだった銃弾を自身が受けてしまっていた事にケンは気がつく。現代人が複数関わったため歴史が変わったのでは無いか、また自分は歴史を変えうる存在だということを推察しこれに葛藤する。天正四年7月14日に織田方と毛利方の「第一次木津川口」の海戦が始まり織田水軍は大敗する。織田の家臣達の命により場を和ます物として敗走した九鬼嘉隆に阿部橘を使ったオレンジピールのハーブティーを出し気分を落ち着かせ決意を新たにさせる。そしてケンも歴史を変えない為に信長の元を去るのか歴史を変える為に今の場所に留まるべきかを夏の励ましもあり考えだす。海戦に勝利した毛利輝元は対織田への措置として上杉謙信に織田討伐の書状を送る。信長の狙いは遷都にあると気がついた謙信は織田との同盟を破棄し七尾城へ進軍するも攻略できないまま天正五年になる。ケンは織田信忠の願いによって秘密裏にやり取りをしている武田の松姫への贈り物に橘の香りを封じ込めた文を提案し作成するなど安土には平穏な時がながれていたが天正五年七月に上杉が再び七尾城に攻撃態勢に入ると信長も滝川一益、丹羽長秀、羽柴秀吉といった武将を越前、北ノ庄の柴田勝家の元に集め織田信長と上杉謙信唯一の戦い「手取川の戦い」が幕を上げる。加賀の一向衆の妨害により柴田勝家の軍が進軍出来ていない事を知った信長は越前に出陣するがこれを見たケンは織田軍と上杉軍の戦はあった気がするが織田信長と上杉謙信の直接対決は無かった気がするという自身の曖昧な知識に気がつき歴史を変える変えない以前の問題だという事に気がつく。北ノ庄に着いた信長は柴田勝家を呼び寄せ上杉との一大決戦に及ぶ事を話すがその前にケンを呼び寄せ謙信と信長自身が似ている事をケンに伝えその上で信長は謙信と会ってみること、そのためにケンに武田勝頼に捕まってくるように命じた。
登場人物
主人公
ケン
主人公。現代(平成)から戦国時代にタイムスリップした西洋料理(フレンチ)の調理師。ようこ(後述)によれば名は「賢一郎」、松田(後述)によると姓は「葛城」で、京都のホテルで副料理長をしていた。27巻で近衛前久の猶子となり、便宜上公家の小田賢信と名乗ることとなる。
本名をはじめ自身についての記憶は失っているが、日本史の教養(大きな事件、合戦など)や山野草の知識、テーピングなどの応急処置の方法、有機農業など、幅広い知識を持つ。一番知識が深いのは料理分野であり、調味料の普及などから自分が過去の時代にきたことを認識した。
料理の技術と知識は現代人の中でも一流であり、戦国時代の人々にも受け入れやすいよう改良、現代料理の再現に、インスタント料理を開発するなどして信長から評価されてた。その功績で土地を貰い農作物を育ている。
歴史については一通りの知識はあるものの、金ヶ崎の退き口に直前になるまで気づかない、森可成が死去する年を知らない、天王寺合戦を知らないなど、あらゆることを把握しているわけではない。
当時の日本人と比べるとかなり大柄で、鴨居や梁に頭をぶつけている様子がたびたび描かれている。現代日本の男性としてはかなりの長髪を紐で一纏めに括っているが、松田の言によるとおしゃれやポリシーではなく、ただの無精らしい。3巻17話において命令に反論した際に信長から切り付けられ、以降、左の眉尻に傷が残っている。
作中積極的に口にするわけではないが、アルコールを摂取することに対しては相当耐性が強い様子が描かれた。
出世欲や物欲は乏しく、また人殺しを厭う性格で、信長と顕如の対面で出た料理に毒物が入っているのでは警戒した顕如に対して信長から「あれは腕一本切り落としても毒なぞ盛らん」と言われている。顕如の命令とはいえ、信長に害を与えるために多量のナツメグを菓子に盛ったようこには怒りを表した。また信義にも篤く、一時期武田家に拉致され、後に解放された時、信長に武田家の内情を問いただされても、解放された時の約束からきっぱり拒絶している。その一方で時折、相手の心理を徹底的につく戦略的な思考と行動は普段のケンを知る秀吉からも「恐ろしく攻撃的になる」と言われている。
ようこからも「誰にでも優しくて、優しすぎて、本当は誰にも興味がないんじゃないかと思うくらい」と、言われるほどの朴念仁。また楓からも頭が良すぎて過程をすっ飛ばして結論から口にするところがあると言われている。
以前は歴史を変えることに抵抗があったものの、信長と家臣達を守るため、本能寺の変を止めるために奔放する。
織田信長
本作におけるもう一人の主人公。通説通り、冷酷で残虐だが、同時に革新性を備えており合理的な人物。一度信頼した人物には疑念を抱くことは無いが、裏切られたと知ると激高する。また、寂しがりやであるとお市がケンに語っている。何でも自分で決めないと気が済まない人物であるとのことだが、一方で配下に指示を出す時は全ての事情を明かさず、自分の内心を察して行動するように命じる傾向にある(もっとも間者への対策というやむを得ない事情もある)。ケンに対しては特にその傾向が強く、またケンを信頼すると同時に無理難題をふっかけ、一介の料理人のケンを間者や使者として送り込むこともある。
先進的な考えを持っており、話しても誰も理解されない為、家臣に半ば諦めて話さないことが多い。
複数の軍団を支配する大大名となって以降も武芸の鍛錬や運動を欠かすことはなく代謝も盛んなためか、料理は濃い味付けが好みで、甘党である。気忙しない性格であり、食事をあまり味わうことなくかきこんで食べるが、味覚自体はケンに「グローバル」と称されるよう性格同様鋭敏かつ柔軟であり、ケンの料理の価値を真っ先に認め評価している。その証拠にケンに料理番として格別な特権を与えていることが、徳川家のいる時に判明した。
ケンを召しかかえてからは西洋料理を好物としていたようで、顕如との一件以降ケンが西洋料理を封印してからはそれ以外の料理で我慢していたものの、少なくないフラストレーション溜めていた。
『唐入り』の構想を考えており、実際には武力でなく料理での外交や戦争を行うとしている。しかし、余りに先進的な考えから光秀に誤解され、本能寺の変へと進んでいく。
平成からタイムスリップした人物
ようこ(瑤子)
ケンと同様に現代社会から戦国時代にタイムスリップした、京都のホテルでパティシエールをしていた女性。ケン同様、この時代の女性と比べると大柄な部類で、楓曰く「ケンと並ぶとちょうど良い」。5巻より登場。
ケンと異なり、未来人しか知らない歴史知識を顕如に提供しており、予言者として重宝されている。ただ、松田から「天王寺合戦で毛利を動かす」と聞いても、その毛利が何のことなのか分からないなど、ケンや松田と比較すると、それほど歴史に関する知識は無いようである。
戦国時代にタイムスリップしてきた後に乱暴されたため、心的外傷を抱えている。そのため、本願寺や顕如を依存の対象としてみていたが、天王寺合戦で織田方に囚われた際に自身とケンの縁は既に切れていたこと、返還された際に顕如から自由にするよう言われたことで自身の拠り所として本願寺に残ることを選ぶ。その際に常に身に着けていたピアスを捨てている。
松田(後述)のみ、漢字表記の「瑤子」で名前を呼んでいる。
【ドラマ版での設定】
ケンの記憶の断片に現れ、彼が小谷城に捕らわれ牢屋に入れられたときに名前を思い出す。本願寺顕如に明智光秀が信長を討つことを話し、石山本願寺で二条城で砂糖を手に入れるために足利義昭と交渉していた明智光秀に、自らが製作した洋菓子「ペ・ド・ノンヌ」(邦訳すると「尼さんの屁」という意味)を出す。ケンのことを知った後、本能寺に向かったが一足違いで宇佐山城にケンが向かったことを明智光秀に教えられて追いかけていった。ケンと再会するが、彼の記憶がおぼろげなのに愕然とする。宇佐山城を包囲している比叡山の僧兵から注意を挽きつけてケン達を逃がす。料理勝負の後で顕如に見捨てられてしまう。夏の計らいで平成の時代に帰ろうとしたケンと一緒に黄泉の祠に同行するが、帰っていなかった。
Part2の撮影期間中、演じている香椎由宇は産休していたため、顕如の命令で料理に多量のナツメグを盛る役回りは、逃亡している間に弟子となったオリジナルキャラクター・香蓮が担っていた。
果心居士/松田(かしんこじ/まつだ)
本作中では、ケンやようこといっしょに平成から戦国時代にタイムスリップした男、「松田」が、果心居士を名乗っている。史実の(伝説上の)人物と同様の運命を辿っていることが暗示されている。
平成ではケンやようこと同じ京都のホテルで給仕長(支配人/メートル・ド・テル)を務めていた。タイムスリップする前には総支配人待遇での引き抜きの話もあった。ケンたちのホテルでは、専属のソムリエがいなかったようで、松田がその役目を果たしていた。ハモの「骨切り」の技法を知っているなど料理の基本もマスターしており、酒類の知識も豊富。
元の時代では、ようこの頼みでケンと引き合わせ、如才ない持て成しに客からも感謝されるなど、その職に相応しい人格と教養を備えていた。しかし、タイムスリップして以降は、飢えや迫害に苦しんだ結果、性格が一変してしまっている。ただし、中身は平成の人間であり、生き死にを奪う覚悟はなかった。
乞食同然で暮らして居たところ、オイルライターを使って暖を取っていたところ農民が妖術使いと勘違いして『果心居士』になりすました。
支配人として身につけた人の心中を察する能力と、平成の時代から持込んだ道具を使ったトリックで、伝説上の果心居士の幻術を演出している。その他、自分が知っている歴史の知識を駆使して、身を寄せている松永久秀や顕如に進言するなど陰謀を企てている。しかし、松永からはその野望を見抜かれており、顕如からは「早く殺してしまった方が良い」と言われるなど、全く信用されていないことには気づいていない。
歴史の知識については、かなり豊富であり、ケンやようこが知らなかった「史実における天王寺合戦」の詳細な流れまで知っている。
過去の世界に流されたという理不尽から自身の安泰と栄達を望んでいて、信長に引見するが伝承の果心居士同様に仕官を拒否される。そのため、信長の次、すなわち本能寺の変を起こす人物に取り入って栄達することに、目的を変更する。また、自分の目的の妨げになることから、ケンの抹殺を画策するようになる。
天王寺合戦の際に、光秀の娘・玉を誘拐していたが、ケンによって捕らえられる。ケンの助命嘆願と秀吉、竹中半兵衛の策、および信長の判断から生かしておいたほうが松永久秀への抑えとなると、処刑の体はとったものの、処刑の場から妖術で果心居士が鼠に姿を変えて脱したということになっている。松田は国外永久追放となり、宋花琳の船で海外へと逃れた。
初老の料理人(ドラマ版では三原)
戦国時代の架空の人物
夏
楓(かえで)
信長軍のくノ一。3巻より登場。敵対する浅井長政、お市の方の元へとケンが信長の命で朝倉方の料理人になり代わって小谷城に潜入した際に監視兼護衛役となる。以後、ケンと行動を共にすることも多い。
信長の命を絶対とし、任務や情報収集のためには体を売ることも厭わないが、実はケンには密かな思いを抱いている。ケンに洋菓子の作り方を教わり、石山本願寺に潜入し、ようこと出会い、料理助手として信頼を得て行く。
本願寺から織田に帰参してからしばらくは濃姫付きの菓子職人をしていたが、諜報役に復帰後は毛利方に潜入し情報を織田方に通達している。ケンからの報せで秀吉が撤退を決めた際にケンの手伝いに呼び戻されるが、ケンからは信長への追加の警告役を任される。ケンの朴念仁ぶりに呆れながら、自らの想いを吹っ切る意味で「ケンのことが嫌い」だと言って別れる。
井上 恭之介(いのうえ きょうのすけ)
太一・金三・与助(たいち、きんぞう、よすけ)
宋花琳(ソン・ファリン)
実在の人物
織田家
濃姫
織田信忠
織田信孝
織田家三男。作中で登場した時期は次男の信雄(茶筅丸)が北畠家養子となっていたように伊勢の神戸家養子という形で別家の当主に据えられていた。
井上は信長によく似ていると評したが、ケンは外見こそ面影があると感じながらも、性質は異なると感じている。信長自身も「息子の中では最も武に秀でている」と認めているが、信長の観ている将来的な展望には合わなかった。信忠の家督相続の際には妨害に走るも、ケンによって策が失敗に終わり、更にその後の信長の天下統一すると宣言された時には、家督相続の場ですら政略に使う父である信長圧倒的な格の差を実感し、同じく格の差を実感した信忠から父である信長の存命中は余計なことはするなと言う言葉を了承した。
森可成
作中においては、家臣の中でも特に信長と強い絆を持つ人物として描かれている。槍の名手。記憶を失っているケンに優しい気遣いを見せる父親的存在。ケンと夏の仲に対して気を揉んでいることがある。
歴史の知識に詳しいケンだが、森可成に関してはいつ死ぬかの知識を持ち合わせておらず、その死に愕然とすることになる。
配下に全てを明かさない傾向にある信長の下で、大らかな態度で信長の判断に全てを委ねており、それによって家中の不安・不満を抑える役目を担っており、織田家の精神的支柱でもあった可成の死は織田家中において大きな打撃であった。
原作では秀吉を怒らせるような行動(雑兵に勝手に料理を振る舞う)も笑って許すなど、ケンに対して理解を示す描写が多いが、ドラマ版では金ヶ崎城で信長が浅井の使者を斬ったことにケンが抗議した時、彼を殴って戦の厳しさを説くなど、ケンに対して厳しく接する描写も加えられた。
森蘭丸
木下藤吉郎秀吉 → 羽柴藤吉郎秀吉
農民の出で、織田家中において森可成に次いでケンと関わることになる。当初はケンの料理に「南蛮の匂い」を嗅ぎ取り、南蛮からの間者ではないかと疑い監視していた。しかし監視の最中にその本音を大声でしゃべってしまい、あるいは徳川家康や明智光秀が瞬時に悟ったケンの料理に込めた意図を、ワンテンポ遅れてようやく悟るなど、間が抜けたところがあるコミカルな人物。一方で行動派で好戦的な性格の武将として描かれるが北畠を攻めた時に負傷したところをケンに助けられ、その後も窮地を助けられ親しくなる。直接相対した相手を殺すことはともかく、浅井久政が自刃した際には「人間、死んでは意味が無いのう」とこぼしていた。
信長が比叡山を焼き討ちにすると命じて家臣達が動揺した時は「ケンを通じて信長に聞きただしてみる」という柴田勝家の提案に賛同するが、即座に行動を起こす腰の軽さは他の家臣に呆れられていた。だが、それで信長から命じられた山菜取りで自らが語った「山の掟」が信長の真意に辿り着くヒントとなった。
浅井・朝倉との戦いでは、寝返り工作や小谷城攻略にかなりの活躍を見せる。その手柄から近江十二万石の国持大名となり、姓を「羽柴」と改める(改姓についてのいきさつは通説通りだが、作中では手柄を独占したことに対する柴田・丹羽両将への配慮という設定)。
なお織田家に対して忠誠を抱いている訳ではなく、信長個人に忠誠を抱いている様子であり、ケンも同様であろうと察している。
明智光秀
南蛮渡来の眼鏡を愛用する、初老の男。足利義昭との折衝役であり、義昭追放後も京都における差配を信長に任されている。信長からは「凡庸」と評価されつつも、その愚直さと覚悟の強さを高く評価されて絶大な信頼を置かれており、光秀もそんな信長に心酔し、絶対の忠誠心を寄せている。信長の常識外れな数々の行動に驚嘆するも忠臣然とした態度であり、本能寺で信長に叛く運命を知っているケンは慄然とする。
信長の家臣の中では特に秀でているものの、信長とケンの感覚にはついていけないと嘆息したこともあった。
松田=果心居士と面識を持ち、果心の予言に心を乱すことになる。
信長から『唐入り』の戦略を聞き、その計画の無謀さに反対するも受け入れられず、忠誠を誓う信長の名誉を守るために謀反を起こす決意をする。
【ドラマ版での設定】
原作と違い若く描かれている他、眼鏡を愛用している描写も無い。岐阜城の牢屋に囚われたケンから聞かされた未来の話に興味を持つが、一方で未来が分かってしまうとつまらないと感じている。また、個人的に調査をしてタイムスリップと思われる不思議な現象があることを確信する。二条城で砂糖を手に入れるために足利義昭と交渉していた時、顕如に接触する。石山本願寺に招かれて、瑤子が製作した洋菓子「ペ・ド・ノンヌ」を出され、手を組むようにそそのかれる。本能寺で信長を出迎えた時、ケンの態度ときりたんぽ鍋を食事に出されたことに疑問を感じて、食事の後に刀で脅かすなどして詰問する(この時、ケンはその質問に答えることが出来なかった)。その後、洋菓子「ペ・ド・ノンヌ」を出されたことや、それを製作した瑤子の存在をケンに話す。瑤子に宇佐山城にケンが向かったことを教える。ケンに平成の時代に帰れる可能性があることを教えるが、ケンがこの時代に留まったことを知ると、信長とケンが自分の野心に邪魔だと暗に示す。
佐久間信盛
玉
中川清秀
実在の人物・他の武家
足利義昭
作中では、謀略家だが人の上に立つ器量の無い人物として描かれる。
ケンが作った「うずらの葱焼き照り焼き」を食して感服。自分の料理人として迎え入れようとするも、拒否されると共に、その際に見せた傲慢な性格がケンを失望させる。
将軍である自分をないがしろにする信長に対して、浅井・朝倉を引きこんでの包囲網を展開した。信長の命令でケンがスッポン料理を供したことを切っ掛けに挙兵するが、大安宅船を使った電撃戦によってあっさりと敗北。茶壷櫓に立て篭もり、自身の価値と引き換えに譲歩を引き出そうとするも、ケンの用意した「スッポンのすき焼き」とケンからの説得を受けて降伏した。降伏後にケンにまた料理を作ってもらえるのなら照り焼きが良いと要望した。
信長と顕如(ケンとようこ)の料理勝負の際、「毒見役になっていれば双方の料理を試食できたのに」と悔しがるなど、コメディリリーフの要素も併せ持つ。
北畠具教
北畠家当主。朝廷から権中納言の位を授かったこともあり、自身や一族を将軍家にも影響をおよぼすほどの名門かつ文化人と自負しており、信長のことは「力だけの成り上がり」「粗暴な山猿」と見下していた。圧倒的な兵力差にも関わらず織田軍を相手に善戦し、信長から和睦を持ちかけられるも「何年でも持ちこたえてみせる」「そちらが退くのが筋」と強気な姿勢を崩さなかったが、初めて見るケンの作った品および調理方法に戸惑い、その中に含まれていた「炒める」という方法が明の技法であると突きつけられたことで「自分は文化面でも信長に負けている、秀でている部分が何もない」と心が折れ、信長の二男・茶筅丸(織田信雄)を養子に迎えた上で家督を継がせることを無条件で飲んだ(史実では信雄は具教の実子・具房の跡を継いで北畠家当主となる)。
松永久秀
信長と足利義昭双方に臣従している点では明智光秀と同じだが、裏で反織田勢力と繋がり、義昭の信長包囲網形成にも加担し、武田家への使者役も務めている(信長も察知しているが、本人はとぼけている)。ただし積極的ではなく、どちらに加担すれば良いのか天秤にかけている風である。信長もそれを承知で、あえて利用している。
情報収集も精力的に行っており、その情報を高く買うところに流す算段をしている。信長の比叡山焼き討ちの際に比叡山がもぬけの殻であり、女子供の死者がほとんどいない事実も、いち早くつかんだ。この時は信長の意図を察知し、自らも「信長の悪評を広める」ため行動した(動揺する義昭に対し、あえて前述の事実を伝えなかった)。後に久秀が信長の意図を見抜いたことを知って、光秀は驚愕することになる。
果心居士(松田)を配下にしているが、人物としては信頼していない。顕如ともつながりがある。
野心家で与力となった後も天下を狙い謀反を起こすが、信貴山城の戦いで敗北が決定的になると信長への嫌がらせのためにケンを道連れに自殺を図る。平蜘蛛に火薬を積め、果心のライターで爆発させる。それを合図に城に火を放ちケンを押さえ込んでいたが、ただの料理人であるケンを押さえ切れなかったことで自らの老いを悟り一人炎に包まれた。
浅井長政
当初は信長に憧れ心酔するが、信長と言葉や書面を交わすうちに、信長の革新的思考が理解できないようになり、不安に陥ることとなる。さらに、浅井の盟友である朝倉に対し、信長が長政に断りなく攻め込んだことをきっかけとして、信長と敵対することになる。
姉川の合戦から3年後、再び開いた織田方との戦に敗れる。お市やケンからも降伏をすすめられたが、自身がお市の情に甘えていたことに気づき妻子を織田方へ帰す。自分は信長の「下」ではなく「隣」にいたかったと最後まで思っており、自分がもう少し強ければそれが出来たと思っていた。自刃する間際、ケンから自身が未来から来たことを聞かされ当初はそれを一蹴したが、ケンから「遠くない未来に戦の無い世の中が来ること」と「自分の娘たちが戦乱を終わらせる礎となる」と聞かされ、「それなら、ここで死んでおくのも悪くない」と納得した上で自害する。
お市
金ヶ崎城の兄の信長へ鮎を送り長政の行動をそれとなく知らせる(ケンがその真意を察する)。
ケンが信長の命で朝倉方の料理人になり代わって小谷城に潜入した際に鮎を使った料理を見て信長のメッセージを読み取るが、長政と一緒に行動するとケンたちに言ったために間者として送り込まれたことが露見する。捕らえられたケンと語り合うが、ケンの話(未来の料理・栄養学の知識)が半分も理解できず、上述の信長と長政のすれ違いについて思い至ることになる。結果、ケンに信長の面影を見て、自らを盾にするように芝居を打って逃がすことになる。
姉川の合戦から3年後、再び開いた織田方との戦に際してもケンから伝えられた料理によって降伏してでも生き延びることを長政にすすめるが、長政はそれを拒絶したことで自分も妻として長政と同じく、自害し一緒に死のうとする覚悟を持ったが、小谷城を包囲した際にケンから出された料理を食べた長政がその料理の真意を悟った長政から「浅井の血を守れ」と娘たちを守るためには自身が必要だと言われ、娘達と共に織田方に帰される。長政を殺した兄である信長のことは恨んでないと帰蝶に語っている。
茶々
遠藤直経
徳川家康
酒井忠次、榊原康政、本多忠勝
上杉謙信
信長とは盟約を結んでいたが、比叡山焼き討ち、将軍追放、改元とたて続いた信長の行動に激怒、討伐と京奪還を決意する。しかし信長の使者となったケンによって「京を渡す」と告げられ、大義を封じられた格好となり、しばし討伐を断念し、同盟を継続し、状況を観察することとする。
長年、対立してきた信玄の死には思うことがあったのか、自身が知りたかった信玄の最後に関しては、それなら話しても言いと思ったケンから伝えられた信玄との別れ際の言葉に感じ入っていた。
信長の家督委譲後に、遷都の意図を察し織田領へ進軍。七尾城攻略後にケンの手引きにより信長と大将同士の密談を行う。信長の目指す国の形を理解することはできなかったが、誰にも見えぬものを見据える信長を期待通りの男として軍を引く。その後春日山城内にて死去。享年49。謙信の死を知った信長とケンからは『もう自分の出番が無いと知り、この世に未練が無くなったので先に死んだ信玄と決着をつけに行った』と述べている。
実子がなく、また後継者を指名しなかったため、死後、上杉家は、謙信の養子である景勝と景虎の間で、内紛状態となる。
毛利輝元
武田家
武田信玄
義昭の内書(密書)で上洛を促されるが、慎重な態度を取っていた。実は既に病に冒されていた。
顕如からの手紙で信長の料理人(ケン)の噂を聞いて配下の秋山信友に暗殺を命じるも、秋山の独断で連行されたケンの料理を認め、手元に置く。
当初はケンの料理で体調が回復するが、西上作戦開始後からケンの料理を食べなくなり、再び体調を崩す。自分の命が長くないことを悟り、かつ死後を勝頼に任せることを決意しての、最後の夢としての上洛だった。
ケンが信長に心服していることを理解し、にもかかわらずケンが自軍に義理を立てていること、自分の健康を気遣っていることに感謝し、餞別の太刀を持たせてケンを逃がす(この太刀は岐阜まで持ち帰っている)。
三方ヶ原の戦いの後で亡くなったことが間接的に描写される。
武田勝頼
信玄の嫡子だが、父親の威光の陰に隠れてかすみがちな自身に劣等感を感じている。ケンと共に甲斐に連行されてきた夏を気に入る。
ケンに「自ら滝を登らぬただの鯉」と喩えられたことからケンを憎悪するが、同時にその命を賭けた言葉を認め、その時点(西上作戦前)での家督相続を辞退する。また、ケンの懇願を信玄が受け入れたことで夏が岐阜に帰されたことでもケンを憎悪し、三方ヶ原の戦いでは本多忠勝に八つ当たりに近い態度を取った。
生まれた時点で武田には不要と母の実家に養子に出され、必要と言って呼び戻し当主に据えたにも関わらず父・信玄に心酔するがゆえに自分を軽視する家臣たちに辟易するも「それが愉しい」と大器への片鱗をみせる。臣下からも「勇猛果敢にして強すぎる」と評されるが、それゆえに一武将としては優秀であっても、総大将としては貫目が足らぬ部分がある。ゆえに長篠の合戦においては、敗色濃厚になってからも最後まで戦い抜こうとするも、家臣たちに諫言され、あえて屈辱をかぶり撤退することとなる。
正室は夏に似ている。
秋山信友
信玄の命によりケンを拉致、暗殺しようとする。しかし、史実の信玄がその時期に病に冒されていることを知っていたケンが、食事で病人を治すとして自分の腕を売り込んだため、信友はあえて信玄の命に背き、ケンを丁重に甲斐に迎え入れることとなる。
信長の使者として滝川一益やケンらが来訪した際は、監禁されていた彼らを解放した。長篠の合戦以後は東美濃の岩村城の守りについていたが、半年近く守り通したにもかかわらず、突如、信忠軍に降伏。その背景には、弱体化した武田軍と信忠軍との決戦を回避し、勝頼の面目を守りつつ勝頼を救わんとする意図があった。信長との会食の後に、岐阜にて磔となる。享年49。信長との会食の時にケンが出した料理に自分には生きて欲しいと言う意図を実感した時に、ケンに自分は勝頼を救えた事に満足しており、死んで堂々と信玄達に会いに行けると語った。
本願寺
実在の人物・その他
千宗易
ルイス・フロイス
狩野永徳
坪内
料理人。「日の本一の料理人」と呼ばれる。かつて、三好氏に仕えていたが、ケンが信長に仕えるようになったのと前後して織田方に捕らえられる。井上が楽をしようと信長の料理人に推したが、京風の薄味料理を夕食に出したため信長に気に入られず切腹を申し付けられるが、翌朝に田舎風の濃い味付けを出したため赦される(ここまでのエピソードは井上が推したことを除き、史実)。織田方に三好氏が降伏してきた際に帰参を赦されている(これは本作オリジナルのエピソード)。
夕食の作り直しを命じられたケンが多量の塩を使っていたことを見て疑問を抱いていた。それは10年を経たのちに三好康長を訪ねてきたケンと再会したことで、ケンから信長が武を好み、他の武将とは違って日々の鍛錬を欠かさずにいたことで、肉体労働者のように発汗が多いため、塩分の強い味付けが好みだったとの答えを聞き得心。ケンを康長に引き合わせる手伝いをする。
書誌情報
- 西村ミツル(原作) ・ 梶川卓郎(作画) 『信長のシェフ』 芳文社〈芳文社コミックス〉、既刊36巻(2023年12月14日現在)
- 2011年8月9日発売、ISBN 978-4-8322-3261-7
- 2011年10月14日発売、ISBN 978-4-8322-3269-3
- 2012年2月16日発売、ISBN 978-4-8322-3283-9
- 2012年6月16日発売、ISBN 978-4-8322-3301-0
- 2012年10月16日発売、ISBN 978-4-8322-3325-6
- 2013年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3338-6
- 2013年6月15日発売、ISBN 978-4-8322-3358-4
- 2013年10月16日発売、ISBN 978-4-8322-3376-8
- 2014年2月15日発売、ISBN 978-4-8322-3392-8
- 2014年7月8日発売、ISBN 978-4-8322-3408-6
- 2014年10月16日発売、ISBN 978-4-8322-3421-5
- 2015年2月16日発売、ISBN 978-4-8322-3439-0
- 2015年7月16日発売、ISBN 978-4-8322-3458-1
- 2015年11月16日発売、ISBN 978-4-8322-3476-5
- 2016年4月16日発売、ISBN 978-4-8322-3494-9
- 2016年8月16日発売、ISBN 978-4-8322-3512-0
- 2016年12月16日発売、ISBN 978-4-8322-3527-4
- 2017年4月14日発売、ISBN 978-4-8322-3542-7
- 2017年8月16日発売、ISBN 978-4-8322-3559-5
- 2017年12月15日発売、ISBN 978-4-8322-3584-7
- 2018年5月16日発売、ISBN 978-4-8322-3609-7
- 2018年9月14日発売、ISBN 978-4-8322-3629-5
- 2019年1月16日発売、ISBN 978-4-8322-3653-0
- 2019年6月13日発売、ISBN 978-4-8322-3677-6
- 2019年10月16日発売、ISBN 978-4-8322-3696-7
- 2020年3月16日発売、ISBN 978-4-8322-3723-0
- 2020年7月16日発売、ISBN 978-4-8322-3754-4
- 2020年11月16日発売、ISBN 978-4-8322-3779-7
- 2021年4月15日発売、ISBN 978-4-8322-3817-6
- 2021年9月16日発売、ISBN 978-4-8322-3855-8
- 2022年2月16日発売、ISBN 978-4-8322-3892-3
- 2022年7月14日発売、ISBN 978-4-8322-3928-9
- 2022年11月16日発売、ISBN 978-4-8322-3952-4
- 2023年3月16日発売、ISBN 978-4-8322-3975-3
- 2023年7月13日発売、ISBN 978-4-8322-0309-9
- 2023年12月14日発売、ISBN 978-4-8322-0349-5
テレビドラマ
テレビ朝日系で2回にわたりテレビドラマ化。主演は玉森裕太。本項登場人物の節に記載された【ドラマ版での設定】および、この節の記述は特記無き場合第1シリーズおよび第2シリーズにおける解説。
第1シリーズ(Part1)
第2シリーズ(Part2)
企画・制作
玉森は本作が連続ドラマ単独初主演であり、“ 金曜ND ”枠では初めてとなる時代劇作品である。テレビ朝日系列でのレギュラーでの時代劇はABCとの共同制作『必殺仕事人2009』以来3年6か月ぶり。
2014年2月にドラマ第2シリーズの制作決定と同年7月の放送予定を発表。同年5月にはPart2から登場するレギュラー出演者と、放送枠が第1シリーズにおける深夜帯の「金曜ナイトドラマ」枠からゴールデンタイムに移動することを発表した。同時間帯は「木曜ミステリー」枠であったが、本作の放送により一旦休止となった。テレビ朝日木曜20時台の時代劇は、1998年10月から12月に放送された『新選組血風録』(渡哲也主演版)以来15年ぶりである。
放送・配信
第1シリーズ
最終話は当初2013年3月8日に放送予定であったが、同日19:00から放送されていた『2013 ワールドベースボールクラシック2次ラウンド 日本×チャイニーズタイペイ』中継が放送中に試合終了とならず、急遽後続のニュース番組『報道ステーション』でも中継を継続し、同番組が65分拡大(21:54 - 翌0:15)となったことから休止となり、翌週の3月15日に振替放送された。
複雑な戦国時代をカジュアルに描き、時代劇に馴染みのない若者層にも分かりやすい作りで人気を得て、深夜枠ながら平均視聴率10.8%と好調を記録した。
本放送終了後、テレビ朝日の有料動画配信サービス・テレ朝動画で配信されている。
第2シリーズ
テレビ朝日他一部系列局を除き、20:00飛び乗り。初回は2時間SP(19:58 - 21:48)で放送の上、テレビ朝日他一部地域にて、事前番組『このあと信長のシェフ 初回2時間スペシャル』(19:54 - 19:58)も別途放送。
2014年8月21日は『パンパシ水泳』中継のため休止。
ゴールデンタイムに進出したが、元々当該枠は第1シリーズのターゲットだった若者層の視聴率があまり良くないことや、同時間帯で『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ)や『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ)が安定した視聴率を獲得していることが災いし、初回から全話を通じて視聴率が一桁と伸び悩んだ。
キャスト
人物説明は原作項目を参照。
全シリーズ共通
- ケン - 玉森裕太(Kis-My-Ft2)
- 夏(なつ) - 志田未来
- 木下藤吉郎秀吉(きのした とうきちろう ひでよし) - ゴリ
- 楓(かえで) - 芦名星(幼少期:長島愛莉)
- 顕如(けんにょ) - 市川猿之助
- 井上恭之介(いのうえ きょうのすけ) - きたろう
- 徳川家康(とくがわ いえやす) - カンニング竹山(幼少期:池田凱清)
- お市(おいち) - 星野真里
- 浅井長政(あざい ながまさ) - 河相我聞
- 足利義昭(あしかが よしあき) - 正名僕蔵
- 明智光秀(あけち みつひで) - 稲垣吾郎(特別出演)
- 織田信長(おだ のぶなが) - 及川光博(少年期:中内天摩)
Part1レギュラー
- 謎の女 → 瑤子(ようこ) - 香椎由宇
- 森可成(もり よしなり) - 宇梶剛士
- 森蘭丸(もり らんまる) - 永瀬廉(当時:関西ジャニーズJr./ 現在:King & Prince)
Part2レギュラー
- 武田信玄(たけだ しんげん) - 高嶋政伸
- 濃姫(のうひめ) - 斉藤由貴
- 松永久秀(まつなが ひさひで) - 笹野高史
- 柴田勝家(しばた かついえ) - デビット伊東
- 秋山信友(あきやま のぶとも) - 風間トオル
- 武田勝頼(たけだ かつより) - 賀来賢人
ゲスト
Part1(2013年)
複数話・単話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。
第1話「平成のシェフが戦国時代にタイムスリップ!?」
第2話「平成のシェフが戦場に! 敵の台所に潜入」
第4話「家康の裏切り!? 信長の危機を天ぷらで救え!」
第5話「平成のシェフがスパイに!! 信長の妹を暗殺せよ!?」
第6話「姉川の戦いを焼肉で勝利せよ! 最凶の敵登場!!」
第7話「本能寺の変…明智光秀と平成の恋人の陰謀!?」
最終話「運命の料理対決! 平成に帰れるのか!?」
Part2(2014年)
複数話・単話登場の場合は演者名の横の括弧()内に表記。
第1話「平成のフレンチシェフが戦国へ!? 織田信長暗殺を阻止せよ!」
第2話「比叡山焼き討ちの真実…平成グルメが歴史を動かす!?」
第6話「家康 最大の危機! 平成のスープで救え」
第7話「最終章! 食わず嫌いグルメで室町幕府を倒せ!!」
最終話「さらば平成のシェフ! 思い出の料理でお市を救え!!」
スタッフ
- 原作 - 西村ミツル / 漫画 - 梶川卓郎『信長のシェフ』(週刊漫画TIMES / 芳文社)
- 脚本 - 深沢正樹 / 倉持裕(Part1)
- 音楽 - 池頼広
- 監督 - 兼崎涼介、田村直己 / 藤岡浩二郎、濱龍也(Part1) / 猪原達三(Part2)
- 主題歌 - Kis-My-Ft2(avex trax)
- Part1 - 「My Resistance -タシカナモノ-」
- Part2 - 「Another Future」
- ナレーター - 来宮良子(Part1) / 杉本るみ(Part2)
- 助監督 - 林稔充、平田博志、和田圭一、匂坂力祥
- 撮影 - 日下誠、津田宗幸、林健作
- VFX - キルアフィルム
- かつら - 山崎かつら
- 美粧・結髪 - 東和美粧
- 擬斗 - 清家三彦(東映剣会)
- 和楽 - 中本哲
- 舞踏振付 - 花柳双子
- 料理指導 - 伊藤雄大、毛利英二 / 山内茂、石田充(Part1) / 薬師神陸、木村栄至(Part2)
- 料理監修・協力 - 辻調理師専門学校
- ゼネラルプロデューサー - 横地郁英(テレビ朝日)
- プロデューサー - 大江達樹(テレビ朝日)、島田薫(東映)
- ラインプロデューサー - 清水圭太郎
- プロデューサー補 - 西原宗実(テレビ朝日)
- 制作 - テレビ朝日、東映
- Part1 - 「My Resistance -タシカナモノ-」
- Part2 - 「Another Future」
放送日程
Part1
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 視聴率 |
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第1話 | 2013年1月11日 | 平成のシェフが戦国時代にタイムスリップ!? | 深沢正樹 | 兼﨑涼介 | 11.6% |
第2話 | 1月18日 | 平成のシェフが戦場に! 敵の台所に潜入 | 9.9% | ||
第3話 | 1月25日 | テリヤキの乱!! 将軍VS平成のシェフ | 倉持裕 | 田村直己 | 10.1% |
第4話 | 2月 | 1日家康の裏切り!? 信長の危機を天ぷらで救え! | 11.3% | ||
第5話 | 2月 | 8日平成のシェフがスパイに!! 信長の妹を暗殺せよ!? | 深沢正樹 | 藤岡浩二郎 | 10.9% |
第6話 | 2月15日 | 姉川の戦いを焼肉で勝利せよ! 最凶の敵登場!! | 倉持裕 | 10.7% | |
第7話 | 2月22日 | 本能寺の変…明智光秀と平成の恋人の陰謀!? | 深沢正樹 | 兼﨑涼介 | 11.8% |
第8話 | 3月 | 1日最終章「最愛の人死す! 別れのディナーはチョコ料理」 | 倉持裕 | 濱龍也 | 10.3% |
最終話 | 3月15日 | 運命の料理対決! 平成に帰れるのか!? | 深沢正樹 | 兼﨑涼介 | 11.0% |
平均視聴率 10.8%(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯) |
Part2
各話 | 放送日 | サブタイトル | 監督 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
第1話 | 2014年7月10日 | 平成のフレンチシェフが戦国へ!? 織田信長暗殺を阻止せよ! | 田村直己 | 9.7% |
第2話 | 7月17日 | 比叡山焼き討ちの真実…平成グルメが歴史を動かす!? | 6.1% | |
第3話 | 7月24日 | 信長のシェフ誘拐される! 武田信玄が平成グルメに激怒!? | 猪原達三 | 6.9% |
第4話 | 7月31日 | 平成の料理人が武田信玄を毒殺!? | 7.1% | |
第5話 | 8月 | 7日さらば武田信玄…最後の晩餐!! | 5.6% | |
第6話 | 8月14日 | 家康 最大の危機! 平成のスープで救え | 田村直己 | 7.4% |
第7話 | 8月28日 | 最終章! 食わず嫌いグルメで室町幕府を倒せ!! | 兼﨑涼介 | 6.4% |
最終話 | 9月 | 4日さらば平成のシェフ! 思い出の料理でお市を救え!! | 6.8% | |
平均視聴率 7.3%(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯) |
原作との相違点
第1シリーズ(Part1)
第2シリーズ(Part2)
三方ヶ原の戦いで敗走中の家康と武田信玄が遭遇し、一騎打ちをする。
テレビ朝日系 金曜ナイトドラマ | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
匿名探偵
(2012.10.12 - 2012.12.7) |
信長のシェフ
(2013.1.11 - 2013.3.15) |
お天気お姉さん
(2013.4.12 - 2013.6.7) |
テレビ朝日 木曜19:58 - 20:54 | ||
信長のシェフ Part 2
(2014.7.10 - 2014.9.4) |
2000年 | |
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2001年 |
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2002年 | |
2003年 | |
2004年 |
2005年 | |
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2006年 | |
2007年 | |
2008年 | |
2009年 |
2010年 |
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2012年 | |
2013年 |
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2014年 |
2015年 | |
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2016年 |
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2017年 | |
2018年 | |
2019年 |
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2020年 |
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2021年 | |
2022年 |
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2023年 | |
2024年 |
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22時台 |
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20時台 |
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19時台 |
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関連項目 |
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1971年 | |
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1972年 |
1967年(NET・第1期) |
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1973年(NET・第2期) |
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1975年 - 1977年3月 (NET・第3期) |
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1977年4月 - 1985年 (テレビ朝日・第1期) |
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1987年 - 1998年 (テレビ朝日・第2期) |
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2014年(テレビ朝日・第6期) |
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1967年 |
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1973年 |
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1975年 |
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1977年 | |
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1978年 | |
1979年 | |
1982年 |
1987年 | |
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1988年 |
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1989年 |
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1990年 |
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1991年 |
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1992年 |
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1994年 |
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1995年 |
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1996年 | |
1997年 | |
1998年 |
2014年 |
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1999年 | |
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2000年 | |
2001年 |
暴れん坊将軍 | |
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その他 |