だぶるじぇい
以下はWikipediaより引用
要約
『だぶるじぇい』(double-J)は、原作:野中英次、漫画:亜桜まるによる日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)2009年34号から2011年48号まで連載された。
概要
野中英次と亜桜まるのコラボレーション漫画。キャッチ・コピーは「のほほんゆかいガールズ(+男子1名)マンガ」、「合体事故マンガ」。
内容は原作者野中の作風が強く出た脱力系ギャグ漫画だが、野中の漫画がほぼ男性キャラのみなのに対し、本作の登場人物は大半が女子高生で、亜桜の可愛らしい絵柄で描かれている。2人は直接は会わず(連載開始時にもまだ会ったことがなかった)、担当編集が間をとりなしている。登場人物の数人は明らかに画風が異なり、端役には野中風に描かれたキャラが登場することもある。
野中の作品にしては珍しくストーリーがきちんと完結している。
タイトル「だぶるじぇい」は、野中が好きなプロレス団体の「WJ」からとっているとされる。主人公の通うナガシマ高校の校名はWJプロレス専務取締役永島勝司に由来する。
サブタイトルは、名台詞・慣用句・商品名などをもじって「伝統」の言葉をいれたものになっている(たとえば第1話は「新連載おめでとう」から「新連載おめ伝統」)。話数カウントは「第×話」。ときたま1回分が2話構成となっており、「第×の①話」「第×の②話」(○の中に1・2)となる。
第4巻の帯にて告知され、2011年6月28日より「ユルアニ?」内でテレビアニメ化された。
あらすじ
主人公の宇佐美はじめは念願だったナガシマ高校に入学する。この高校では部活が必須だったために友達の有馬小夜と帰宅部を探していると、一際目を引く名前の部を見つける。その部の名は伝統芸継承部。何だか意味が分からなかったが、彼女達は吸い込まれるように入っていった。そして、ますます意味が分からなくなった。
登場人物
登場人物の名前は、歴史上の人物から取っていることが多い。
伝統芸継承部
主な登場人物
宇佐美 はじめ(うさみ はじめ)
声 - 大橋歩夕
本作の主人公。素直で前向きな性格をした少女で、髪は茶髪(テレビアニメは水色)のショートカット。15歳。
友達の小夜と帰宅部を探していたところ、伝統芸継承部の存在を知り、その後入部した。
越中師匠にカマボコ板の曲面を削り出す、一子相伝の伝統芸を伝承されることになる。
実は野球オタクで、特に80年代の選手に詳しい。
母子家庭で、母親は内職をしており、家は貧乏。
鳥羽部長と共に看板デザインのバイトを始めたが、今でも続けているのかは不明。後に引越し業者でもバイトをしている。地べたに座るとガニ股にしていることが多い。
有馬 小夜(ありま さよ)
声 - 加藤英美里
はじめの友達の少女。明るく活動的な性格で、言いたいことはハッキリと言うタイプ。髪はピンク色のロングヘアで、片側をリボンで纏めている。劇中では主にツッコミ担当。
はじめと一緒に帰宅部を探していたところ、同じく伝統芸継承部の存在を知る。
後述にあるようにナガシマ高校は部活が必須であるはずなのだが、なぜか無所属であり正式に入部はしていない。
入部はしていないが、いつも部室に入り浸っているので完全に馴染んでいる。
食いしん坊であり、何かを食べていることが多い。
プロレスが好き。
長宗我部 彩(ちょうそかべ あや)
声 - 佐藤奏美
副部長。優しくおしとやかな性格の少女で、緑がかった黒髪のロングヘアと大人っぽい容姿が特徴。首にほくろがある。
はじめ達に最初に声をかけた人物で、自己紹介のための名刺を持っている。
将来は漫画家を目指しているようで漫画好きであり、元々マンガ研究部に入部を希望していたが絵心が無く入部が認められなかった。
おみくじの運勢を書く伝統芸を継承している。
佐々 マリア(さっさ マリア)
北条 絵馬(ほうじょう えま)
声 - 竹達彩奈
眼鏡をかけた少女。髪型は黒髪のロングヘアで、ヘアバンドをつけておでこが見えるようになっている。生真面目で融通の利かない性格ゆえかやや手厳しいツッコミ役となっている。
彼女なりに部の維持と発展を考えており、部費の徴収に厳しい。
雨樋職人の娘で腕は確かだが、雨樋の存在価値が部員たちにもいまいち伝っていないことに悩む。
鳥羽 一郎(とば いちろう)
声 - 檜山修之
部長。男子生徒。
鳥羽僧正の子孫であり、鳥獣戯画を継承している。ただし現実の鳥獣戯画が絵巻4巻に渡る長編なのに対して彼が実際に継承しているのはカエルの絵のみで彼自身もそれで完結していると認識している。現代風にアレンジを加えた鳥獣戯画で「テヅカ賞」入選を目標としている。また、鳥獣戯画を描くときにはクラシックからヒップホップまで、わりと幅広いジャンルの音楽を聴いている。ラジオも好きなようだがインターネットは全くやっていない。
先祖代々受け継がれてきた画風を大切にしており、流行に阿らないこだわりを持つ。ゆえに入学当初は長宗我部と共にマンガ研究部に入部しようとしていたが、「漫画の決められた書き方」を押し付ける態度に怒りを感じたため断念した。一方でやや神経質な面もあり、原稿を提出しに会社訪問した時に逃げ出したことがある。
人間的包容力は大きく、来るものは拒まずの姿勢である。それゆえか女子には結構モテる。また、鳥にも好かれすぎるのか嫌われているのか、やたら寄りつかれてしまう。
異常にサッカーが上手く将来を嘱望されるほどの実力をもつ反面、野球に関する知識はない。
周囲とは異なり、『横山光輝三国志』の劉備玄徳を思わせるタッチで描かれている(キャラ紹介によると苦労性のせいらしい)。
自宅は、外観は部屋が一つしかない小屋に見えるが、複数部屋があることが確認できる。
家の経済を支えており、かつては運送会社で働いていたがリストラされ、看板屋に採用される。その後班長になる。
真田 静馬(さなだ しずま)
声 - 広橋涼
どこかミステリアスな雰囲気の少女で、一房だけを伸ばしたショートヘアと鋭い目つきが特徴。
「ヤマガラおみくじ」という動物芸を継承している(実在した芸だが実際にはほぼ断絶している)。鳥を扱う伝統芸の継承者としてもって生まれた才能なのか、訓練されていない野鳥でも従えることができるという特殊能力を持つ。
6巻によれば、「副部長とは同級生で仲良しらしい。」とあり、3年生であることが判明するが、最終話の最後のコマにも部室で姿を見せて活動をしている。
K子(ケーこ)
徳川 蛍(とくがわ ほたる)
津軽 あいり(つがる あいり)
平賀 素子(ひらが もとこ)
小早川 さくら(こばやかわ さくら)
宮本 極(みやもと きわめ)
甲斐 (かい )
百武 誉(ひゃくたけ ほまれ)
カウンセリング職人を名乗る。(厳密にはカウンセラーや相談員などの表現がされるが、多分野で用いられるため、セラピストやコンサルタントというように称することは業種や職種に関係なく可能である。)劇中で、70件以上同ケースの相談内容の結論のうち、わずか30パーセントが「気のせい」という根拠で、「気のせい」と断定するなど、他の職人と同じく押し切ってしまう。キャラクター紹介ではカウンセリングキャンセラーとまで書かれているが、スプーン曲げを万有引力を引き合いに出し、「科学や文明の進歩を阻害するだけなので、役に立つかどうかより認めるべき」と講釈して認めさせる面も見せる。祖母は百武誉の父である息子ヤスオと他人の区別がつかず、公園で待ち伏せしている。
第94話(6巻)から登場。
西園寺 まりく(さいおんじ まりく)
部によく現れる者
マンガ研究部
漫才研究会
フランソワーズ 坂井(フランソワーズ さかい)
声 - 小林ゆう
部長。ハーフの少女。そばかすがある。ただし、初掲載時の2009年50号では、髪はパーマがかかっていないストレートヘアで、そばかすが存在せず、瞳にはトーンが貼ってあり、制服はセーラーカラーの上着に大きなボタンで前を止めるブラウスといった風貌で、修正前とは随分異なっている。妥協を許さずネタの質を重視し、厳しく古風な姿勢で笑いに臨んでいるが、そのセンスはかなり微妙。ネタの間は相方の隈部と同じ触覚風のカチューシャをつけている。ピンの時のとっておきのネタは「石灯籠」。鳥羽部長に惚れている。
ハガキ職人でもあり、部活以外でも地道に活動している。
伝統芸継承部には度々顔を出しているが、2011年10号のキャラクター紹介によれば「元・漫才研究会部長だが、何だかんだと伝統部に。」とあり漫才研究会は辞めてしまった模様。
部員の家族
宇佐美はじめの母親
鳥羽一郎の父親
声 - 銀河万丈
本名は不明。周りのタッチとは違う本宮ひろ志調の画風で描かれている。
豊かな鬚髯と体躯が古代中国の武将関羽(というか『天地を喰らう』)を想起させる風貌の人物で、常にベレー帽を被っている。
一族の伝統を背負う厳格な師父として、息子の画業を真摯に見守り続ける一方で、実は現代風の絵も描ける。
見かけによらず天然ボケな性格。
フランソワーズら一部の漫才研究会部員には、テレビプロデューサーのスガちゃんだと思われている。
鳥羽 豊(とば ゆたか)
声 - 石原夏織
鳥羽一郎の妹。小学生。髪をピンで留めている。家事もこなすしっかり者で、ある意味一家の大黒柱。
頼まれたらイヤとは言えない性格。頼んだらイヤとは言わせない性格。
兄の描く鳥獣戯画に疑問を抱きつつ、目指すべき方向性を心配する健気な性格。
至って普通の美少女であり、家族で唯一画風に三国志縛りがない。
外見パロディはないが、劇画『実録WJ「地獄のど真ん中」』(原田久仁信著)の「カ……カテエ……!! まるで溶岩石のように凝り固まった長州のアタマ!」というセリフをパロディしたことがあるほか、『頭文字D』タッチの漫画を描く。
小学校
つまようじ職人
職人フェスタ出場者
その他
越中(こしなか)
占い師
南条 うらら(なんじょう うらら)
用語
ナガシマ高校
本作の登場キャラクター達は同じ高校でありながら、ほぼ全員が異なる制服を着用している。
伝統芸継承部
なお、第一話では能面職人や宮大工職人、畳職人、溶接機材を用いてなにかをしている人、などの部員が登場していたが、後に彼らはバイト(いる時といない時がある)であることが判明した。
マンガ研究部
漫才研究会
職人フェスタ
職人芸推進部
単行本
- 原作:野中英次、漫画:亜桜まる 『だぶるじぇい』 〈講談社・講談社コミックス〉 全6巻
- 第1巻(2010年01月15日発売) ISBN 978-4-06-384242-5 表紙:宇佐美はじめ
- 第2巻(2010年06月17日発売) ISBN 978-4-06-384317-0 表紙:佐々マリア
- 第3巻(2010年11月17日発売) ISBN 978-4-06-384402-3 表紙:真田静馬
- 第4巻(2011年05月17日発売) ISBN 978-4-06-384493-1 表紙:長宗我部彩(K子)
- 第5巻(2011年07月15日発売) ISBN 978-4-06-384523-5 表紙:鳥羽ゆたか
- 第6巻(2011年12月16日発売) ISBN 978-4-06-384604-1 表紙:有馬小夜
カバー下の表紙絵は、カバー表紙のキャラ(亜桜まるによる)と同じキャラを野中英次が描いている。
なお、2009年37号第4回の掲載時、前号と同じ第3話と表記ミスがあり、42・43合併号掲載の第9話に「もう話数間違えないぞ」のコメントが記載されていたが、コミックス第3巻で第52話「都伝統司ヶ谷駅」が目次では「都伝統司ヶ谷」と異なった表記があり、(マガジン掲載時は「都伝統司ヶ谷駅」であり目次側が脱字している。)第53話「伝統ハウス」は『第5話』とミスが見られる。
単行本追加ページ
特別寄稿 らぶのな
ムダ絵放出コーナー
テレビアニメ
2011年6月28日放送第12話より日本テレビ系「ユルアニ?」内にて放送。第7話は実写映像で放送。
スタッフ
- 原作 - 野中英次、亜桜まる
- 編集 - 三浦敏宏、冨士川哲也
- 音楽制作 - SLF!!
- キャラクターデザイン - 亜桜まる
- エンディング作画 - らっパル
- アニメーション協力 - 旭プロダクション
- 撮影協力 - 品川エトワール女子高等学校
- 監督 - 谷東
- ナレーション - 銀河万丈(第7話)
主題歌
「ワニとシャンプー」(第1-10話)
挿入歌「今日の日はさようなら」(最終話)
各話リスト
話数 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 作画 |
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第1話 | 伝統・オア・アライブ | 谷東 | - | 斉藤晃弘、佐藤光夫 森田飛助 |
第2話 | パーマ伝統・バケーション | 斉藤晃弘、佐藤光夫 森田飛助、宮本房枝 | ||
第3話 | 伝統デリバティブ | |||
第4話 | 株式伝統公開 | 佐藤光夫、大宮一仁 佐藤拳、大山裕之 中村勇介 | ||
第5話 | ア伝統 プリーズ! | 佐藤光夫、佐藤拳 大山裕之、中村勇介 | ||
第6話 | うっかり滑って伝統 | 増本庄一郎、谷東 | ||
第7話 | 暮らしの伝統芸 江戸より伝わるガラス工芸の技 | 増本庄一郎、藤森俊介 中野守、谷東 |
佐藤光夫 | |
第8話 | その件は伝統中です | 増本庄一郎、熊本浩武 中野守、谷東 |
佐藤光夫、佐藤拳 大山裕之、中村勇介 | |
第9話 | 伝統腺が腫れた | 中野守、大橋隆昭 井上勝哉、中村悠 篠原由佳里、荻利恵 谷東 |
博史池畠 | 佐藤光夫、佐藤拳 大山裕之、中村勇介 |
第10話 | 伝統英二 | 谷東 | 佐藤光夫、大宮一仁 国領恵実香 | |
最終話 | 首相伝統所感 | 中野守、谷東 | - | 佐藤光夫、大宮一仁 佐藤拳、大山裕之 中村勇介 |