闇の末裔
以下はWikipediaより引用
要約
『闇の末裔』(やみのまつえい)は、『花とゆめ』(白泉社)で連載された、松下容子による少女漫画。およびそれを原作としたアニメ作品。
概要
花とゆめ2006年6号に別冊付録として描かれたのを最後に連載は中断されて9年近く休載中だったが、『ザ花とゆめ』2011年10月1日号より連載を再開。ザ・花とゆめ2011年8月1日号に同作品の特別編が掲載されている。2017年7月時点で累計発行部数は400万部を突破している。
本編は幻想界編と鎌倉編の同時進行の途中で連載休止となっているが、壬生織也と櫻井寺右京の短編が2話、付録本として発行されている。2冊目の付録本にて、京都編で行方不明になった邑輝が織也の元へと返されている。
アニメ化以前にドラマCD化されている。第1弾は「花とゆめ」読者への応募者全員サービス企画、第2弾は一般発売されている。
あらすじ
冥府にある死者の生前の罪業を裁く機関「十王庁」。その中で閻魔大王自ら指揮をしている閻魔庁の召喚課は、死者に関するトラブルを専門に扱う機関である。そこに所属する職員は「死神」と呼ばれている。召喚課に所属する昼行灯・都筑麻斗は、新パートナーである黒崎密と九州地区を担当していた。都筑を付け狙う外科医・邑輝一貴の起こす数々の事件で、次々と都筑や密の生前のことが明らかになるにつれ、事件の被害者も増えていく。
登場人物
声の記述はドラマCD / アニメ版の順
死神
都筑麻斗(つづき あさと)
声 - 岡野浩介 / 三木眞一郎
主人公。九州地区担当の死神。性格は楽天家でお人好し、トリ頭で方向音痴。最高位の十二体の式神=十二神将を使役する、十王庁トップの能力者。少々天然、以前仕事で書庫を破壊してしまった事から300年8か月タダ働きの予定。甘いものが大好き。紫水晶を思わせる紫色の瞳の持ち主だが、その色は本来人間には無いものである。1900年2月24日生まれ。血液型はB型。左利き。享年26。生前、琉架(るか)という姉がいたらしい。料理は出来上がるものは見た目はいいのに、味は反比例して死ぬほど不味い。社交ダンスも踊れる(姉仕込み)。他人にはずかずかと踏み込むが、自身のことは隠して見せようとしない。
衰弱に近い身体環境にありながら数年も生き続けていたり、複数の人間に生命を狙われていたなど生前から人ならざる能力を所持していたらしき描写が随所にある。
黒崎密(くろさき ひそか)
巽征一郎(たつみ せいいちろう)
声 - 森川智之
召喚課課長秘書。人間としての没年齢は29歳。12月27日生まれ。血液型はA型。過去に都筑と3か月だけパートナーを組んでいた。母親が公家の生まれ。妹が2人いる。生前は両親の駆け落ち婚による貧窮のせいで苦労人だった。節約することが趣味で、召喚課の経理についての決定権を所有している。都筑に母の面影を重ねているらしく、心の底では彼を大事に思っている。召喚課の影の主人。彼の節約好きは召喚課がいつも都筑の破壊行動の影響で赤字であることに頭を悩ませたことが原因である。
亘理温(わたり ゆたか)
声 - 関俊彦
近畿地区担当の死神。人間としての没年齢は24歳。1953年4月18日生まれ。血液型はO型。京都生まれの大阪育ちで関西弁を話す。気さくで陽気。科学的分野に秀でている、マッド・サイエンティスト。よく怪しげな薬を作っては都筑に飲ませている。プールの水で脱色した金髪の長髪。鎌倉編で、無いはずもなかった心の暗部が垣間見えた。また、閻魔王からは「金烏」と呼ばれている模様。絵が下手で、巽曰く「美術2」である。
寺杣始(てらずま はじめ)
閂若葉(かんぬき わかば)
声 - 白鳥由里
寺杣のパートナーの少女で、彼より先輩。人間としての没年齢は17歳。寺杣の事が好き。天然パーマのふわふわした髪に、赤いリボンを巻きつかせるように結んでおり、常にセーラー服を着ている。寺杣を術で元に戻せる唯一の人。
代々巫女の家系に生まれ、友人である双児の鴉天狗・虎太郎(こたろう)&狐次郎(こじろう)兄弟からは「巫女殿」と呼ばれている。幻想界への扉を開ける4人のうちの1人で、目の色が左右違っている。
人間
邑輝一貴(むらき かずたか)
声 - 速水奨
東京の勤務医。1964年12月4日生まれ。血液型はA型。紫園(しおん)大学医学部卒。代々続く医者の家系でお金持ち。数々の事件の黒幕で、殺人現場を目撃した密を呪殺した犯人。祖父・邑輝雪貴(むらき ゆきたか)が生前の都筑の主治医であり、雪貴の残した資料により都筑の存在とその特異な体質を知る。そして、都筑の生命力を利用し、亡き異母兄・咲貴(さき)を復活させて自らが殺す計画のため、都筑を狙っていた。櫻井寺右京とは恋仲。付録本では、京都の事件の数年後に友人・壬生織也の元へと戻される様子が描かれている。
壬生織也(みぶ おりや)
声 - 井上和彦
邑輝の高校時代からの友人で武芸の達人。紫園大学薬学部卒。京都・祇園にある昼間は高級料亭、夜間は隠し女郎屋の「鼓鶴楼(こかくろう)」の若主人。長い黒髪に着物、キセルパイプを愛用。霊力が高く、霊体になった死神も見える。父親とは不仲。右京が好きらしいが、邑輝も彼女も大事なために手出しはできない性格。
式神
幻想界の住人で、契約をした「主」の呼び出しに応じて力を貸している神仙達。
十二神将
契約者は都筑麻斗。十二天将も参照。
東方守護獣蒼龍(とうほうしゅごじゅう そうりゅう)
南方守護獣朱雀(なんぽうしゅごじゅう すざく)
西方守護獣白虎(せいほうしゅごじゅう びゃっこ)
北方守護獣玄武(ほっぽうしゅごじゅう げんぶ)
騰蛇(とうだ)
雷帝貴人(らいてい きじん)
占星術師六合(せんせいじゅつし りくごう)
その他(式神)
伯爵(はくしゃく)
リコ
倶梨伽羅(くりから)
その他の登場人物
『闇の末裔 第1話〜吸血鬼事件編』(コミックス1巻)
マリア・ウォン
声 - 今井由香
香港出身の歌手。長崎で起きた吸血鬼事件の実行犯だが、実際は邑輝に操られた遺体。嫁ぎ先の母親の態度に耐え切れずに自殺するが、マリアの稼いでいた金のために母親が邑輝に蘇生を依頼。体を保つために生き血をすする吸血鬼として生き返った。
『悪魔のトリル』(コミックス2巻)
水無瀬聖(みなせ ひじり)
声 - 高山みなみ
密とそっくりの顔の少年。白鷺音楽学校のバイオリン科所属。上総からは「ひーちゃん」と呼ばれる。バイオリンの腕は最高で、発表会でもソロ演奏を任されるほど。両親は他界し、学校の寮で生活している。悪魔と契約した音楽家・音無達也(おとなしたつや)の角膜を右目に移植されたため、音無の1人娘・上総の命と引き換えに、バイオリンで名声を得るという契約を、聖が引き継ぐ。
実は「黒崎密」のプロトタイプとして作ったキャラクターだったが、アニメの作画担当者が思いのほか気に入ってしまったためゲストキャラとして登場した。
音無上総(おとなし かずさ)
声 - 川上とも子
音楽家・音無達也の一人娘。悪魔の正体を見破る能力を持っていたため、悪魔に命を狙われた。父親の角膜が移植された聖と出会うが、父親が悪魔と契約をしていて、その契約書は聖に移植された角膜だったために再度契約が執行される。悪魔に狙われた聖と自分は冥府に保護されるが、最後は落ちてきた柱から聖をかばって死亡。現在は召喚課の第2秘書として図書館で倶生神達と働いている。没年齢10歳。
サーガタナス
声 - 沢木郁也
音無達也と契約をした悪魔。精霊旅団の指揮官で、魔界の大公爵・竜騎公(りゅうきこう)アシタロテの直属の部下。人の心を覗き、その本心や弱みにつけこむ。契約を無理矢理執行させるため、都筑に乗り移って聖を殺そうとした。
水無瀬聖(みなせ ひじり)
声 - 高山みなみ
密とそっくりの顔の少年。白鷺音楽学校のバイオリン科所属。上総からは「ひーちゃん」と呼ばれる。バイオリンの腕は最高で、発表会でもソロ演奏を任されるほど。両親は他界し、学校の寮で生活している。悪魔と契約した音楽家・音無達也(おとなしたつや)の角膜を右目に移植されたため、音無の1人娘・上総の命と引き換えに、バイオリンで名声を得るという契約を、聖が引き継ぐ。
実は「黒崎密」のプロトタイプとして作ったキャラクターだったが、アニメの作画担当者が思いのほか気に入ってしまったためゲストキャラとして登場した。
音無上総(おとなし かずさ)
声 - 川上とも子
音楽家・音無達也の一人娘。悪魔の正体を見破る能力を持っていたため、悪魔に命を狙われた。父親の角膜が移植された聖と出会うが、父親が悪魔と契約をしていて、その契約書は聖に移植された角膜だったために再度契約が執行される。悪魔に狙われた聖と自分は冥府に保護されるが、最後は落ちてきた柱から聖をかばって死亡。現在は召喚課の第2秘書として図書館で倶生神達と働いている。没年齢10歳。
サーガタナス
声 - 沢木郁也
音無達也と契約をした悪魔。精霊旅団の指揮官で、魔界の大公爵・竜騎公(りゅうきこう)アシタロテの直属の部下。人の心を覗き、その本心や弱みにつけこむ。契約を無理矢理執行させるため、都筑に乗り移って聖を殺そうとした。
『スォードのK』(コミックス3巻)
華京院椿(かきょういん つばき)
声 - 豊嶋真千子
通称「椿姫」。華京院グループ会長の1人娘。生まれつき心臓が弱く、母の主治医でもあった邑輝の患者。香港での友人・アイリーンの心臓を移植され、邑輝に「アイリーンは椿姫の中で生きている」と催眠術を掛けられて殺人を行っていた。都筑達に正体を明かし、事件の真相をも話したために邑輝に撃たれる。爆破され、沈み行く船の中で密に自分を殺してくれと頼んだ。
アイリーン
声 - 佐久間紅美
香港出身の少女で、椿の唯一の友人。椿が香港に住んでいた頃、椿の部屋の前の路上で花売り娘をしていたが、椿が日本へ帰国する時、椿の遊び相手兼船のカジノのディーラーとして雇われた。雇った本当の目的は内臓の密売のためで、椿に移植された心臓は彼女のものだった。
用語
死神
専門職なので地位は高いが、危険な任務に反して安月給である。普通の人間を装うために実体化したり、幽体化したり出来る。
九州地区
書誌情報
- 松下容子 『闇の末裔』 白泉社〈花とゆめコミックス〉、既刊13巻(2017年7月20日現在)
- 1997年9月19日発売、ISBN 4-592-12446-4
- 1997年12月12日発売、ISBN 4-592-17402-X
- 1998年3月19日発売、ISBN 4-592-17403-8
- 1998年7月17日発売、ISBN 4-592-17404-6
- 1998年10月19日発売、ISBN 4-592-17405-4
- 1999年2月19日発売、ISBN 4-592-17406-2
- 1999年5月19日発売、ISBN 4-592-17407-0
- 1999年12月14日発売、ISBN 4-592-17408-9
- 2000年7月19日発売、ISBN 4-592-17409-7
- 2000年12月14日発売、ISBN 4-592-17410-0
- 2001年12月14日発売、ISBN 4-592-17411-9
- 2010年1月19日発売、ISBN 978-4-592-17416-5
- 2017年7月20日発売、ISBN 978-4-592-19417-0
テレビアニメ
2000年10月2日から12月18日までWOWOWにて放送。全13話。その後、2001年より独立U局、作者の出身地の熊本やキッズステーションで再放送された。
スタッフ
- 監督 - ときたひろこ
- シリーズ構成 - あみやまさはる
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 中山由美
- 美術監督 - 東潤一
- 色彩設計 - 丸山美江子
- 撮影監督 - 中條豊光
- 編集 - 西山茂
- 音楽 - 斉藤恒芳
- 音響監督 - 田中英行
- プロデューサー - 森山敦、松倉友二
- アニメーション制作 - J.C.STAFF
- 製作 - 闇の末裔製作委員会(白泉社、ムービック、キングレコード)
主題歌
オープニングテーマ「EDEN」
エンディングテーマ「LOVE ME」
各話リスト
話 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 放送日 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 長崎編 (1) | あみやまさはる | ときたひろこ | 岡本英樹 | 中山由美 和田崇 |
2000年 10月2日 |
2 | 長崎編 (2) | ひいろゆきな | 坂井久太 | 10月9日 | ||
3 | 長崎編 (3) | 福田道生 | 岡本英樹 | 大木良一 | 10月16日 | |
4 | 悪魔のトリル編 (1) | 堀井明子 | やまざきかずお | 新田義方 | 山沢実 | 10月23日 |
5 | 悪魔のトリル編 (2) | 小滝礼 | 杉谷光一 | 丸山隆 | 10月30日 | |
6 | 悪魔のトリル編 (3) | やまざきかずお | 鈴木行 | 相澤昌弘 | 11月6日 | |
7 | スォードのK (1) | ひいろゆきな | 安田好孝 | 11月13日 | ||
8 | スォードのK (2) | やまざきかずお | 岡本英樹 | 大木良一 | 11月20日 | |
9 | スォードのK (3) | 小滝礼 | 新田義方 | 山沢実 | 11月27日 | |
10 | 京都編 (1) | あみやまさはる | 福田道生 | 石堂宏之 | 杉本功 | 12月4日 |
11 | 京都編 (2) | やまざきかずお | 鈴木行 | 相澤昌弘 | 12月11日 | |
12 | 京都編 (3) | ひいろゆきな | 安田好孝 | 12月18日 | ||
13 | 京都編 (4) | ひいろゆきな 岡本英樹 |
岡本英樹 | 中山由美 |