ゴクウ
以下はWikipediaより引用
要約
『ゴクウ』(MIDNIGHT EYE ゴクウ)は、寺沢武一の漫画作品。バーガーSCから全4巻(デラックス版は全3巻)が出版された。
概要
1987年からスコラの漫画雑誌『コミックバーガー』にて連載された。2014年の東京を舞台に、ふとしたことがきっかけで左目に「神の目」と言われる全てのコンピューターにアクセス可能な端末を埋め込まれた探偵・風林寺悟空の活躍を描いた、SFハードボイルドアクションである。青年誌の連載ということもあり、寺沢がこれまで集英社の『週刊少年ジャンプ』で執筆していた作品よりもエロティックかつバイオレンス描写が多い。また、敵キャラクターのデザインなどには、同時期に『フレッシュジャンプ』(集英社)で連載していた『鴉天狗カブト』と同様、あるいは類似のものが登場している。
1987年当時から見た「すべてのものがコンピューターにリンクされた近未来」を描いた作品であり、今でいうIoT化が進んだ社会を先取りした世界観となっている。一方で、連載当時はまだソ連が国家として存在していたため、劇中にも国名などの情勢は現在からみると過去の設定が描かれている。
ストーリー
時は2014年、所は大震災後の東京シティ。
元刑事の私立探偵・風林寺悟空は、警察時代の同僚が次々に自殺する事件を追跡中、上層部からストップを掛けられる。忠告を蹴って調査を続けるが、敵に捕まり同僚の刑事たちと同じように自殺に見せかけて殺されそうになる。自殺の原因は、敵の刺客による強制催眠術だった。悟空は咄嗟の判断で自ら左眼を刺しその罠から逃れる。
その経緯を観察していた謎の存在は、可視光線はもとより赤外線・紫外線・エックス線まで感知可能なセンサーを持ち、ファイアーウォールさえ突破して全世界のネットワークにアクセス可能な超高性能コンピューターの小型端末機が組み込まれた義眼、そしてその義眼で制御する伸縮自在の金属棒“如意棒”を悟空に与えた。コンピュータに支配された現代世界では、その気になれば世界を破滅に導くことも可能な“神の目”を手に入れた悟空は、その力を使い様々な事件の調査解決に乗り出す。
登場人物
主要人物
※OVAに登場したキャラクターは、声優も併せて記載している。
風林寺悟空
声:松田重治
本作の主人公。33歳独身。通称ゴクウ。メガロポリス東京都警きっての腕きき刑事だった。現在は世田谷のビルに探偵事務所を開いている。刑事時代には新宿を根城にしていたマフィアの1つ、ドン・レオファミリーを一人で壊滅させた過去もある。武器商人・白竜幻二の刺客・孔雀の強制催眠によって自殺させられかけたが、催眠効果の発生源を孔雀の羽根と見抜き、「あの羽根を見てはいけない」と自らの左目をナイフで刺して潰し、視力を失うことで催眠から逃れた。この時、その行為を“面白い男だ”と評した謎の存在(声:家弓家正)率いるグループによって救われ、失った左目に全世界のあらゆるコンピュータをハッキング可能で、かつ各種の高性能センサーも組み込まれた神の目(眼球型の小型端末)と、無限に伸縮自在で制御可能なエネルギー衝撃波を射出できる携帯武器如意棒を与えられる。 如意棒はその無限伸縮機能を利用してしばしば移動手段として使われる。
クールでウィットに飛んだジョークが得意。ゆえに女性にはもてるが、スリルの中に生きがいを見出すタイプで、一夜のアバンチュールで終わることが多い。宝蔵院裏流の使い手。裏流の中の棒術なのか、裏流が棒術のみなのかは不明だが、敵方の裏流使いも棒術使いであるため、裏流は棒術であると思われる(表が槍術、裏が穂先が折れた槍での棒術とすると整合性は付く)。作中に登場する技は、宝蔵院裏秘流五行風林のみ。常人には計り知れないタフネスさと運動神経を誇る。
作中でゴクウが使用しているような義眼型端末はまだ実現していないが、コンタクトレンズ型端末は、2014年6月にGoogleが開発中であることを明らかにしている。
各編の人物
洋子編
矢吹洋子
白竜幻二
孔雀 / ピーコック
声:寺瀬めぐみ
白竜の部下。孔雀に似た羽を身に纏っており、その先に付いた目に視線を合わせた者を強制催眠状態にし、意のままに操る能力がある。洋子の同僚である特捜班のメンバーを自殺に見せかけ殺害したほか、悟空も同様の手口で殺害しようとした。洋子を救出しに来た悟空と再び対決するが、“神の目”までは欺けずあっさり倒される。
張
Dr.山崎
局長
田宮
松下
作間
検視官
ジェーン
良子編
門間良子
リュウ
門間善蔵
声:小林清志
国防局・特殊工作部部長であり、VIP 護衛用の特殊サイボーグ開発に関わる。リュウを人体実験の被験者にした上で自らにパワーバリアを備えた。リュウと対峙した際、リュウが良子の母胎を使用し善蔵の細胞から作られたクローンであることを告げる。悟空によってリュウ用に開発した最新兵器「次元移動ミサイル」を体内に転送され、爆死した。
磯崎
ナオミ
工作員
監視員
族
女の子
レイラ編
ゆう子編
九鬼洋助
九鬼礼子
右陣鬼、左陣鬼
岩鬼
ボンバー八神
ボニー編
天空魔楼編
李麗珍
四賢人
鉄鬼人
チョウ
声:青野武
エピソード「天空魔楼編」冒頭で登場する中国人。元歌手や歌手志望の若い女性を甘い言葉で騙しては、人身売買で売り飛ばしていた。
車椅子に座っていて一見足が不自由なように見えるが、機械化しておりふくらはぎにある車輪を足の下にセットすることで高速移動が可能。自分を逮捕しにやって来た悟空から、シンガポールに売り飛ばそうとしていた若い女を人質にとって逃走を図るも如意棒で頭を貫かれて死亡。OVA第2巻冒頭でも登場しているが、ここでの名前は「ウォン」であった。
妖女カサンドラ編
キャシー・レイン
カサンドラ
ビデオアニメ
OVAとして、1989年に『ゴクウ』(以下『I』と表記)、『ゴクウII』(以下『II』と表記)が全2巻のVHS、LDで東映ビデオからリリースされている。『I』は原作の第1話からのエピソード「洋子」を、『II』はエピソード「良子」をそれぞれ映像化している。2008年4月21日には「MIDNIGHT EYE ゴクウ コンプリートDVD」としてDVDも発売され、パッケージには東映VANIMEのレーベル表記が付記された。
2023年10月には北米版ブルーレイも発売された。ちなみに日本版ブルーレイは未発売。
スタッフ
- 原作、脚本:寺沢武一
- 監督:川尻善昭
- 脚本:中西隆三(『I』)
- キャラクターデザイン、作画監督:浜崎博嗣
- メカニックデザイン、メカ作画監督:岡村豊(『I』)、佐野浩敏(『II』)
- 原画:森本晃司、岡村豊、小池健、竹井正樹、黄瀬和哉 ほか
- 美術監督:山川晃(『I』)、小関睦夫(『II』)
- 背景:男鹿和雄、山本二三 ほか
- 音楽:タケカワユキヒデ・KAZZ TOYAMA
- 音響監督:三間雅文
- アニメーション製作:マッドハウス
- 製作:スコラ・寺沢プロダクション・東映ビデオ
エンディングテーマ
- 「Fighting In The Danger」
歌:葛城ユキ/作詞:岡本おさみ/作曲:鈴木キサブロー/編曲:椎名和夫
エンディングの映像は夜の道路を疾走するようなものとなっており、コンピューターの端末で文字表示を行ったようにスタッフが表示されていく。『II』はフルコーラスとなっている。
実写映画
2006年5月23日の第59回カンヌ国際映画祭での、日本のプロデューサー・監督が企画を海外に売り込む経済産業省主催の「J-Pitch」の席で実写化が発表された(2006年5月23日 スポーツ報知)。
寺沢は「世界観が壊れる」という理由で映像化をずっと断っていたものの寺沢と親交のある林海象が15年間アプローチしてOKをもらい林が監督を務めるとのことであるが、製作開始時期は未定であり寺沢没後の2023年10月現在も状況が不明のままとなっている。
パチンコ
CRゴクウ