てんで性悪キューピッド
漫画
作者:冨樫義博,
出版社:集英社,
掲載誌:週刊少年ジャンプ,
レーベル:ジャンプ・コミックス,集英社文庫,
発表期間:1989年,1990年,
巻数:4巻 3巻2巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『てんで性悪キューピッド』(てんでしょうわるキューピッド)は、冨樫義博による日本の漫画作品。
概要
『週刊少年ジャンプ (WJ) 』(集英社)誌上において1989年32号から1990年13号まで連載された冨樫の連載デビュー作。単行本はジャンプ・コミックスより全4巻。1994年にはワイド版が全3巻、2002年には文庫版が全2巻で発売されている。
現実の女性には全く興味のない中学生・鯉昇竜次と、彼を一人前のスケベに育て上げるべくやってきた悪魔・聖まりあを中心としたラブコメディ。
同時期に連載されていた『電影少女』(桂正和)と並び、サービスカットとしての女性の裸の描写が非常に多かった。
それなりのヒット作ではあったのだが、本人としては非常に不本意な連載であったようで、連載終了20年後の『ヘタッピマンガ研究所R』Step16(WJ2010年11号)では冨樫が本作について「ウ冠の富樫さんの作品(≒自分の作品と思っていない)」などと語るシーンがあり、さらにスタッフの言葉として「(冨樫)先生の中であの作品なかった事になってはるみたいなんですよ」などと書かれていた。
あらすじ
鯉昇竜次は極道一家の跡取り息子だが、現実の女の子に全く興味がない純情少年。劣悪な実家に耐えかねて家出をしたある日、水浴びをしている女の子を見かける。だがその女の子は、角と羽根があり、お尻には尻尾が生えている悪魔だった。
主な登場人物
鯉昇 竜次(こいのぼり りゅうじ)
本作品の主人公。関東大獄系鯉昇組の跡取りで、極楽中学3年生。極道一家の跡を継ぐ立場だが、本人にその意思と気概は無く(後述の竜蔵曰く、「母親に育児を任せきりだったから」らしい)、ピュアで妖精やメルヘンに憧れる性格。鯉昇家に産まれた、唯一と言っていいほど「悪の魂」を持たない、イレギュラーな存在。自分を見下す上にデリカシーが無さすぎる姉妹を見てきているせいで、現実の女性に興味を失っている。家出癖があり、しょっちゅう家出をしているがすぐ戻ってきてしまう。
自身の更生の為に家にやってきたまりあによって、これまでの生活をかき乱されながら、少しずつ彼女に惹かれていく。
美術部に所属しており、自身の理想の妖精さんの絵を多数描き上げており、自分の部屋にも飾っている。普段はうだつの上がらない少年だが、一度キレる(飲酒あるいは現実逃避する)とスケベで暴力的な本性を表す。この状態の竜次はまりあでさえも手に負えなくなる。
聖 まりあ(ひじり まりあ)
本作品のヒロイン。現実の女性にまるで興味のない竜次を、一人前のスケベにするために、鯉昇家に居候することとなる。その正体は、人間の魂を売買する下級悪魔。尻尾、翼、角が生えており、呪文を使役することも可能。人間界で暮らすにあたり、それらは秘薬と呪文によって隠してあるが、入浴・睡眠中には出している。
性格は無邪気というより小悪魔といったところ。他人を誑かすことなどお手の物(主な被害者は竜次)。下着姿はおろか、裸を晒すことまでも抵抗が無い。初対面で堂々と全裸を見せ付けている。しかし怖がりな一面もあり、悪魔のくせにお化けが大の苦手。肝試しでは失神してしまうほど。またくすぐりにも決して強くはないようであり、後述の金倉健太からの拘束くすぐり責めに笑い転げていた。
竜次と同じ極楽中学校に編入し、彼の学園生活もかき乱す。ただ、生徒としては優秀で、中間テストでは学年第1位。その美貌と才能から、校内でも指折りの人気を得る。それが故にトラブルを巻き起こす&巻き込まれる。
後述のジヴァによると「下級悪魔ゆえに、人間に近く、人間の情に影響を受けやすい」面がある上、元々「悪魔にしては妙に邪気が感じられない時があった」らしく、かなり人間に近い存在と言える。
スリーサイズはB85、W58、H85。乳頭の色はピンク(本人談)。最大MPは45。所構わず呪文を使う癖があり、度々魔力切れを起こしている。使役可能な呪文は後述。
鯉昇組
姉弟全員、母親が異なる。姉妹間の仲は良好である一方、姉妹と竜次の関係はかなり良くない(全員が大なり小なり竜次を見下しているため)。
鯉昇 竜蔵(こいのぼり たつぞう)
鯉昇組組長であり、竜次の父親。43歳。ボサボサの髪と髭、頬に大きな傷(猫につけられたもの)がある巨漢。15の時から「閻魔の竜蔵」としてワル共に恐れられていた存在で、しかも100人もの女性とこましていたほど。鯉昇家代々の「悪の魂」は魔界の価値観で言えば極上の宝石と同じで非常に価値が高いとされ、それは竜蔵にも当てはまっている。跡取りの竜次のふがいなさに頭を悩ませており、スケベの「家庭教師」としてまりあを雇い住まわせている。そのためか、並外れた好色でありながらまりあに一切手を出さない、作中唯一と言ってもいい男性。
その一方で娘たちには過保護であり、一切の虫を寄せ付けようとさせない。また、偏った考えの持ち主(日本語を話さない人間はアメリカ人、意思が通じないので猫嫌い、など)。
鯉昇 竜子(こいのぼり たつこ)
鯉昇 竜江(こいのぼり たつえ)
鯉昇 スレイヤー・竜美(こいのぼり すれいやー・たつみ)
極楽中学
東大 受
金倉 健太
竜次、まりあとは異なるクラスの生徒。竜次と同じ誕生日である。金倉グループ総裁の孫であり、1カ月の小遣いが3000万円程という、校内一の大金持ち。美形で、所持資格多数。
一方、誕生日ごとにその年一番の美少女に目をつけ、欲望を満たしてきた(本人曰く『童心に帰る』)危険人物。
作中におけるその年の誕生日では、校内でも評判の高いまりあに狙いをつけ、竜次へのプレゼントとして求めていた画集を餌にまりあをパーティーに招待する。まりあを睡眠薬で眠らせた後に、地下室の手術台に鎖でⅩ型に磔拘束してしまう。魔力不足で為す術の無いまりあに対してスケベなお医者さんごっこを一方的に興じ、メスで徐々にドレスを切り裂きつつ、まりあの柔肌をメスでなぞり嬲り感じさせながら裸に剥いて行き、パンティー1枚までの姿にしてしまう。弄ばれ怒りの表情を見せていたまりあに対し、一切臆することなく弄ぶかのように脇腹をくすぐり責めを敢行する。くすぐり責めを楽しんだ後は、ついにはそのパンティーの片側を切り裂き全裸まであと一歩のところまで追い詰めまりあを大いに辱める。しかし、あと一息のところで酔って豹変した竜次が乱入、一撃でのされてしまった。
極道関係者
桃尻大助
桃尻菊夫
悪魔
レヴィ
黒木 マヤ
ジヴァ
まりあの魔界での恋人。冷静な表情を崩さない美形で、自身曰く「悪そのもの」。胆力のある竜蔵さえも「こんなにビビったのは初めてだ、とんでもねぇ悪党だ」と震え上がらせるほど。能力も非常に高く、中級悪魔であるレヴィを跡形も無く消し去ったり、他人の記憶を抹消させることも可能。レヴィより悪魔としての格は上で、上級悪魔だと思われる。まりあを連れ戻す為に人間界に姿を現す。
しかし、まりあはすでに人間界の影響を受けすぎており、悪魔が本来持ってはいけない感情を植え付けられ、そのせいで魔界へ戻ることができない身体になっていた。
ジヴァはその力でまりあを完全な人間に変えてしまい、結果的に二人の「ひねたキューピッド(レヴィ談)」となる。
まりあのことは本気で愛していたらしく、特別篇「その後のてんで性悪キューピッド」によると、傷心のあまり旅に出て、行方不明となっているらしい。
呪文
悪魔達は、魔力(マジック・ポイント)を消費して、様々な現象を誘発できる。 名称の判明しているものもあれば、超能力的なものもあり、以下では判明しているものを示す。
脱衣(消費MP:3)
落雷(消費MP:6)
手に電撃を集中させ、放電させる。
スカート捲りをした竜次へのお仕置き
寝込みを襲おうとした大介(&竜次)への威嚇
金倉に捕まった際、枷の破壊(魔力不足により不発)
吸血鬼化した竜次への気付け(効果なし)
調味(消費MP:1)
入力(消費MP:3)
伝心(消費MP:2)
変化(消費MP:4)
読心(消費MP:?)
聖十字架(消費MP:?)
同時収録作品
コミックスのJC版とワイド版にはデビュー前に描かれたの読切作品が2本収録されている。
ジュラのミヅキ
センセーは年下!!
書誌情報
著者は全て冨樫義博。注記のない限り集英社からの発行。
- 〈ジャンプ・コミックス〉
- 1990年1月 ISBN 978-4088716718
- 1990年4月 ISBN 978-4088716725
- 1990年7月 ISBN 978-4088716732
- 1990年11月 ISBN 978-4088716749
- ワイド版〈ホームコミックス〉(ホーム社発行・集英社発売)
- 1994年3月 ISBN 978-4834231212
- 1994年4月 ISBN 978-4834231229
- 1994年5月 ISBN 978-4834231236
- 文庫版〈集英社文庫〉
- 2002年11月 ISBN 978-4086178730
- 2002年11月 ISBN 978-4086178747