“PEPPER”
ジャンル:西部劇,
以下はWikipediaより引用
要約
『“PEPPER”』(ぺっぱー)は、たがみよしひさによる日本の漫画作品。秋田書店より全1巻の描き下ろし単行本として刊行された。
概要
大西部を舞台に、スピーディな銃撃戦と、財宝探し、復讐劇、ミステリー仕立てのストーリーを展開する。 ともに正体不明の男たちの奇妙な友情と追跡行を描いたバディムービー的な要素も持ち合わせている。
たがみよしひさの作品としては、全編シリアス調の「8頭身作品」に分類できる作品(同作者は、2 -3頭身と8頭身のキャラを描き分ける、または混在させる作風を得意としている)。 特徴としては、極力スクリーントーンを使わず、ベタ塗りとカケアミ処理で陰影を表現している他、擬音はすべてアルファベットで書かれる(英語・日本語のローマ字表記・英語風の造語などが混在)など、意欲的な画面構成が挙げられる。
あらすじ
記憶を失った男ペッパーと、決して過去を語らない風来坊のゴールド。凄腕のガンマンである賞金稼ぎの2人が、名工の残した13丁の彫刻銃(エングレーブド・モデル)に隠された謎を追い、10数年前に解散した凶悪な犯罪者一味の追跡を開始する。
街から街へと旅する一行を、待ち構えるかのように現れるキャシディ一味の残党たち。壮絶な銃撃戦で次々と敵を打ち倒していき、その渦中でアーシュラ、エミリーなども仲間に加わり、秘められた謎と過去が次第に明きらかにされていく。
すべての銃が揃った時、物語は意外な結末を迎える。
登場人物
主人公の一行
ペッパー
ゴールド
主人公の相棒となる伊達男。ハンガー・タウンにやって来た凄腕の賞金稼ぎだが素性は不明。
ペッパーにキャシディ一味と彫刻銃の関係を教え、記憶を取り戻す旅に出るきっかけを作った。自身の目的は彫刻銃の蒐集という事にしているが、ペッパーが追い詰めたキャシディの残党を、偶然を装って次々と抹殺していく。
エンフィールド・リボルバーを愛用。上着の肩章と下襟、帽子のリボンは飾り模様のある物で、襞胸のYシャツにベストを着用と、洒落者ぶりを見せる。ペッパー曰く「ヤケに金ピカの服着てる奴」。酒が飲めずミルクを愛飲する。
彫刻銃「コルト・ウォーカー(英語版)」を所持。
正体はキャシディ一味のクラウン。
その経歴は、20年前のエル・エラミス襲撃事件で生き残った事から始まる(当時7歳)。復讐のために襲撃者「DEBIL」の面々を探しつづけ、11歳の時にキャシディを発見して、その仲間に潜り込む。以後の通称は「クラウン」。15年前(当時12歳)のレスリー一家虐殺に関しては、見張り役程度での参加であり、キングの存在はほとんど覚えていないとの事。
エル・エラミスの経緯から財宝の件を知っており、復讐のためビル・キャシディを暗殺し、キャシディの持つ彫刻銃「コルトM1877」を密かに所持している。
アーシュラ・シモンズ。
「ダオバブ」の町長の娘。故郷を捨てて、ペッパーたちに同行する。
13年前に「ドラゴンズ・ウェル」の街を襲撃した事件の犯人である「キャシディ一味」に復讐を誓う。そもそもダオバブの街自体が、キャシディ一味をおびき寄せる為にドラゴンズ・ウェルの跡地に再建された、一種の壮大な罠である。
マッド・ドクとビッグ・ラストンの抹殺に成功し、その賞金を山分けして街の住人が解散した後も、キャシディ一味の壊滅のために復讐行を続ける。
ダオバブの前身であるドラゴンズ・ウェルの街だが、実は更に過去にさかのぼれば「エル・エラミス」の街であった。
強盗団「DEBIL」の一員だったレスリーは、奪った財宝をその跡地に隠している。ゴールドおよびエミリーの探している財宝(の一部である宝石)は、幼少期に見つけたアーシュラが、そうとは知らずガラス玉という認識で常に所持していた。
キャシディ一味
以前からアウトローとして名を売ったビル・キャシディが、次々と仲間を集めて作った強盗団。 約15年前には、タウンズ・コディのレスリー家を襲撃し、一家6人中5人を殺害。黄金の彫刻銃13丁を奪い、当時の仲間全員に一丁ずつ分配した。
その後、首領であるキャシディが仲間割れで死亡。それ前後して2人の仲間が抜け、総勢10人に減少する(離脱したメンバーはキングとクラウン)。 約13年前に、マウンテン・デビーを首領としてドラゴンズ・ウェルを襲撃。以後、徐々に離散していき、最終的に自然消滅した。
ビル・キャシディ
レッド・ブル
マッド・ドク
ダスター・ブルー
ジム・パーソン
ブラッディ・ミン
キャシディ一味の仲間。東洋人。剥げ頭に丸眼鏡、ナマズ髭が特徴。
別名に「タイガー・ミン」、「タイガー・ソレンソン」など。「ブライト・ランド」にて前町長の娘と結婚、以後「タイガー・リングフィールド」となる。現在は「クリスタル・フォレスト」の郡議会議長を務めている。
かつての仲間であるハンターに、過去の所業をネタに金銭を強請られている。地位と生活を守る為、ハンターとの繋がりを断つ決意を固め、ハンターの抹殺を目的にペッパーとゴールドにキャシディ一味の残党をけしかけた実行犯(その背後には、「財宝の在り処が隠された模造銃」を手に入れんとするエミリ・キーンがいた)。自身の邸宅にて、味方の手勢とハンター側のグループとの銃撃戦の末、相打ちとなって全滅。ハンターとともに死亡。
彫刻銃は「S&W model 2(英語版)」もしくは「コルト・テキサス・パターソン(英語版)」のいずれかを所持(ミンとハンターの死後に回収された場面が本編では描かれていない為、どちらが所持していたかは不明)。
トーマス・ハンター
マウンテン・デビー
エミリー・キーン
その他の人物
ダニエル・E・レスリー
ウィリアム・E・レスリー
彫刻の入った模造銃
ダニエル・E・レスリーの作った一連の銃器。それぞれに繊細な彫刻(彫金)が施されている。鑑賞を目的とした既存銃器の模造銃であるが、レスリーによって独自の改良が施されている為、原型の欠点を補ってあまりある高性能を発揮する。キャシディ一味の襲撃によりレスリー家は皆殺しに遭い、そのすべてが強奪された(事になっている)。奪われた銃は全部で13丁あり、一味のメンバーにそれぞれ一丁ずつ配分された。
これらの銃は鍍金された上に彫刻されたおり、使用された金は、過去に「DEBIL」の一員であったレスリーが独占したエル・エラミスの財宝が使われている。 そもそも「キャシディ一味」自体が、レスリーから財宝を取り戻すために結成されたという性格を併せ持つ。銃を奪った目的は、銃の(彫刻の)中に隠された財宝への手がかりを掴むことにあったが、結局それは果たされず、戦利品として分配されてしまった。 「彫刻の入った模造銃」は実は全部で14丁である。その銃は、ウィリアム・E・レスリーが実家で発見し、事情を知らぬまま父ダニエルの墓に遺品として埋葬してしまった。この埋められたイーサン・アレンに財宝の在り処が隠されている。 なお、財宝がエル・エラミス跡地に隠された理由は不明ながら、財宝自体は後のドラゴンズ・ウェル住人によって発見され、埋めた地点には残っていない。
リード・ナックル・ダスター
コルト・ウォカー・モデル
ダブル・デリンジャー
ウィンチェスター・M1873
コルト・ドラグーン
クローバーリーフ
シャープス・ライフル
スペンサー・カービン
S&W model 2
コルト・テキサス・パターソン
「ライフル」(詳細不明)
「リボルバー」(詳細不明)
コルト・M1877
イーサン・アレン・モデル
単行本
たがみよしひさ 『“PEPPER”』 秋田書店、全1巻(B5判)
たがみよしひさ 『“PEPPER”』 ぶんか社<ぶんか社コミック文庫>、全1巻(文庫版)