○本の住人
漫画
作者:kashmir,
出版社:芳文社,
掲載誌:まんがタイムきららMAX,
レーベル:まんがタイムKRコミックス,
発表期間:2004年,2015年,
巻数:全7巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『○本の住人』(まるほんのじゅうにん)は、kashmirの漫画作品。
女子小学生の「蓼科のり子」が童話作家の兄「蓼科いずみ」や友人たちに振り回される日常を描いた連作4コマ漫画。「まんがタイムきららMAX」(芳文社刊)で2004年11月号から2015年12月号まで毎回6頁で連載。最初期から11年に渡って、同誌においてもっとも長い期間(連載終了時点)連載された作品である。
主な登場人物
登場人物の姓のほとんどは山の名前から採られている。日本百名山に含まれるものも多い。
蓼科家
蓼科のり子
本作品の主人公の女の子(4年3組学級委員)。数年前に両親を亡くし、現在は兄の蓼科いずみと共に、祖父の所有経営するアパートで暮らし、管理人・西田老人がリタイア後は名目上の管理人になった兄の代わりに管理業務まで勤める。家事や家計の管理を行うしっかり者だが、生活費を断り無くホビーに注ぎ込む兄の浪費癖で、苦しい家計運営を強いられている。
丸いレンズの縁無し眼鏡をかけた小柄なショートカットの少女(目が悪くなったのは本を読むことが多かったためと本人は考えている)。表面上はオタク趣味を持ち浪費家である兄のことを嫌がっている様子であるが、ブラコンな一面を見せることもある。また、運動音痴であり、運動会や体育などが嫌い。
幼い頃(5歳前後)は無邪気に兄に懐いており、当時から童話を執筆していた兄に、幼児らしく特に深い考えもなくさまざまな要望を出していた。兄がリクエストに応えようとした結果、彼の「奇本作家」と言われる面妖な作風を作り出してしまった。小学生になってから、時折その当時のことをふっと思い出しては、取り返しのつかない事態を招いたことへの自己嫌悪に陥る。
名前の由来は蓼科山。
蓼科いずみ
のり子の兄。睡眠時に至るまで常にメガネを着用しており、素顔は不明。一応、プロの童話作家である。
自己管理能力皆無の、だらしないオタク青年。趣味はフィギュアや食玩、アニメ鑑賞などオタク系のインドアに偏っており、家計に喰い込むほど散財して、のり子に怒られることもしばしばである。また締め切りには基本的にルーズで、担当のようこさんに日頃から追い立てられている。もっとも珍しく締め切りを守った際には、出版社に送られた原稿が洪水による浸水で使い物にならなくなるという呪いが起きた。
作風としては強引過ぎる物語の流れや投げっぱなしオチや倫理的に危なっかしいネタが多いせいか、辛うじて生活できる程度には売れているもののあまりヒットせず、クレームをつけられるなどアンチも多い模様。翻訳作品が海外で発禁を喰らったこともある。雑誌掲載時のハシラのキャラクター紹介では「奇本作家」と紹介されている。
概してダメ人間としての側面が目立つが、のり子への愛情は非常に深く、のり子のためとなると普段とはガラリと変わったマトモな面を見せることも。
1巻冒頭ではのり子より9歳年上だったが、後に12歳差の22歳へと設定が変更された。
4年3組
榛名さなえ(さなえちゃん)
のり子のクラスの担任教師。24歳。非常におっとりとした天然ボケな性格で、生徒達からはちゃん付けで呼ばれる。気を抜くとすぐ眠り込んでしまう性質であり、「倒れ込んだ庭の落ち葉が気持ち良くてそのまま一晩眠ってしまった」ということも度々。その頼りないおっとり具合は恐るべきもので、春先には自身のみならず周囲の人間を悉く眠りに誘う「さなえ時空」を無意識展開、彼女が接近すれば普通のパソコンが自然にシャットダウンを起こすほど(このため職場である学校ではパソコンを触らせてもらえない)。余りの危なっかしさから、担任するクラスの小学生たちにフォローされている始末である。プライベートでは幼馴染であるようこと行動を共にすることが多く、その繋がりで蓼科家に訪れることもあったが、その後同じアパートに引っ越してきた。アパートでも大家である蓼科兄妹をあぜんとさせる天然ボケぶりを連発している。
名前の由来は榛名山。
戸隠みか
霧島・ティルトウェイト・さくら
以前は海外で暮らしていたのり子の同級生のハーフの女の子。通常ちーちゃんと呼ばれているため、本名はあまり同級生に認知されていない。なおミドルネームの「ティルトウェイト」は、ウィザードリィシリーズに登場する、核爆発を起こす強力な攻撃呪文の名前である。本作で最も物騒なキャラクター。
常に口を開けたまま、何らかの奇声を発するか、さもなくば後先考えない過激な行動に走っている。日本語はペラペラなものの、突如古いゲームやアニメのネタを飛ばしたり、突飛な台詞を発し、周囲を驚かせる。その奇行は広く知られており、本人の悪意がないままに周囲に危険を及ぼすことから、街に注意を促す張り紙が貼られたこともある(この貼り紙、隣に貼られた「ちかん注意」の貼り紙よりも大きかった)。
身体能力が異常に高く、サッカーの試合で連続でカーブをかけて敵陣のゴールへ向かうシュート『サイドワインダー』を放ち、雪合戦で氷柱を数本同時にダーツのように投げつけ、雪球を弾幕シューティングのボスのように数十個連続で投出するなど、人間離れした行動をとることができる。
常時ハイテンションで大声でしゃべることが多いが、希に発熱すると、いつもとは正反対のおとなしい性格になってしまう。ただし、おとなしくなっても感性の特異さは変わらない。
将来の夢はゴルファーになることと語るが、その未来想像図ではゴルフクラブで殴り倒された出血者の山が作られている(渋谷を血の海にする!と彼女は力説する)。どうもゴルファーというものを勘違いしているらしい。
名前の由来は霧島山。
乗鞍ひさこ(ひさちゃん)
その他の学校関係者
その他の登場人物
神室ようこ(ようこさん)
出版社『猫文社』の絵本雑誌『絵本の住人』編集者でいずみの担当。25歳。
入社直後からいずみを担当していたようで、いずみやのり子とは仕事上のつき合いを越えた信頼関係を築いており、蓼科家の事情にも通じている。また、さなえちゃんとは幼馴染であり非常に仲が良い。
仕事については有能。いずみの作品の翻訳までこなしているらしい。
やや強引で乱暴な性格ながら基本的には面倒見の良い常識人であり(怠け者のいずみを叱咤して働かせることのできる貴重な人材である)、周囲のどこかおかしな面々のフォロー役に回る一方で振り回されることも多い。ただ、自社の出版する珍妙な書籍・雑誌群に何の疑問も抱かない様子から察するに、彼女もまたどこかズレた感性を持っているようだ。
さくらからは髪型から「カニ頭」というあだ名を付けられる。後に髪型を微妙に変えた。
なお本作に登場する主要な成人女性の中でも、特に胸が大きく描写されることが多い。
名前の由来は神室山。
じいちゃん
せりな
葛城ゆうき
吉野兄妹
のり子兄の行きつけのホビーショップ「ベルトーイ美梨野市3号店」を経営する。兄妹とも名前は不明。
兄はのりこ兄の小学校時代からの悪友で、メガネに帽子(またはバンダナ)のやや太めで暑苦しい男であり、そのオタク度はのりこ兄にも比肩する。
妹は一見普通の若い女性だがやはりオタクであり、奇行や珍発言、発想の異常ぶりで兄をも圧倒する。対戦車ミサイルや唾液変色仕様リコーダーなど奇想天外な商品を仕入れて店を珍品ショップ化、地元商店街のさまざまな珍企画の仕掛け人でもある。商魂たくましい一方、自身のアイドル性を過大評価するなど、かなり自信過剰。外見や言動のトリックスターぶりは同じ作者の作品「百合星人ナオコサン」の主人公・ナオコサンに類似する。連載後期には登場頻度が増えた。
名前の由来は吉野山。
美梨野市
架空の都市、美梨野市(みなしのし)がこの漫画の舞台になっている。東京近郊に所在し、ここ数十年で都市化が進んだらしいが正確な位置は不明。特産物は梨、大根、船舶模型。
市のマスコットキャラクターとして、トンボのような四枚羽を背中に持つ幼女キャラ「市長たん」が制定されており、発話機能のある等身大ロボットやミニチュアロボットなどが市のイベント関係で時折登場するが、テーマソングの歌詞(税収が力、大企業歓迎、などなど生々しい)ともどもかなり世知辛い発言を連発し、子供たちからも微妙な扱いを受けている。
作中に登場する絵本など
本作中には多くの架空の著作物が登場する。特に表記がない場合はのり子兄の著作である。
何かでてる勇者(仮)
フジツボ未亡人の逆襲
粘土で桃太郎
のりこのなつやすみえにっき
岩んといもうと
月刊 絵本の住人
○本の住人(だきまくらの伝説)
しおり
ちー散歩
金のダフ屋と銀のダフ屋、スク水長者、世界のダフ屋、暴走ナース24時
のり子兄の作品か否かは不明だが、他にものりこ兄の著作を出しているようこさんの出版社『猫文社』(1953年創業、現社長は天城幹康)からは以下のような(得体の知れない)タイトルの書籍が出ている模様。
ぶるまがなくなった日
大好き生き物図鑑 ミスジコウガイビル
つんでれごしらかわほうおう
すぐわかるシリーズ 魚卵
白雪姫vs七人の眠りの森の美侍〜アルカトラズからの脱出そして伝説へII
ポリープ畑山と賢者のしみ
のり子の一生
にくどれいのうた
備考
- 本作の登場人物の「のりこ」と「ちーちゃん」は同じくkashmirの漫画作品『百合星人ナオコサン』の14話にゲスト出演している。
- 題名1字目の「○」はインターネット上の表記に反映されないことが多く、ネット検索の結果や通信販売サイトのテンプレートでもうまく表記されずに「本の住人」という表記になる事例がしばしば生じる。