あかね噺
漫画
原作・原案など:末永裕樹,
作画:馬上鷹将,
出版社:集英社,
掲載誌:週刊少年ジャンプ,
レーベル:ジャンプ コミックス,
発表期間:2022年2月14日 -,
巻数:既刊9巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『あかね噺』(あかねばなし)は、原作:末永裕樹、作画:馬上鷹将による日本の漫画作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて、2022年11号から連載中。落語家の父親を尊敬する少女が「真打」になるべく噺家として奮闘する女性落語家を描いた物語。
沿革
2022年2月14日発売の『週刊少年ジャンプ』11号より連載を開始。それを記念して、PVを公開。同年6月、単行本第1巻が発売されたことを記念して、YouTubeのジャンプチャンネルにて「親子の掛け合い」や山口勝平による「古典落語『芝浜』の一部」が登場するボイスコミックが公開されている。
落語監修は落語家の林家けい木(林家木久扇一門)が担当しており、2022年の時点で二つ目であるけい木に落語監修を依頼されたのは、けい木が自身のTwitterアカウントでONE PIECEの落語ネタを独自に考察していたところに週刊少年ジャンプ編集部から「ONE PIECE magazine」の落語解説の依頼が届き、そこからの縁で2020年11月頃に本作の落語監修も任されたことを明かしている。
あらすじ
プロローグ
見習い編
前座修行編
登場人物
声の項はボイスコミックの声優。
桜咲家
阿良川あかね / 桜咲 朱音(あらかわ あかね/おうさき あかね)
声 - 山口茜
本作の主人公。連載開始当初は落語家を目指す17歳の女子高生→3月27日生まれの18歳。(52席/入門1年目6月時点)。
落語家としての父親を尊敬していたが、真打昇段試験で突如破門にされたことや落語家からサラリーマンに転職したことについて、周囲から安堵するような言葉を掛けられたことから父親の無念を晴らし一生や周囲を見返す為、落語家を目指すようになった。
志ん太の一人稽古を間近で見続けまた、人情噺に定評がある父の師匠・志ぐまの下で6年もの間、水面下で噺を教わっていたことで人並以上の噺の技術を身に付けた。そのため自身の持ち味として表現力、演技力を武器としている。必要とあらば先輩諸氏に教えを請い、了見を身につける為に即行動に移すなど落語に対しては一切妥協しない。
志ぐまから稽古は受けたものの可楽杯で優勝するまでは正式な弟子ではなかったため、高座名は平仮名で「あかね」と名乗って活動、見習い期間を経て8か月後に高座名「阿良川あかね」として弥栄亭にて前座デビューを果たす。
前座選考会では『替わり目』を演じる。高座の前半では自身の原点である志ん太の芸に固執するあまり行き詰まっていたが、後半で弱さを受け入れ親離れをする。しかし、得点はひかるに一歩及ばず、92点に終わった。
志喜彩祭では、ぐりことともに焼きそばの屋台を出し、売り子の役割を担当した。
様々な逆境や試練を乗り越えて噺家として、人間として少しずつ成長していく。
阿良川 志ん太 / 桜咲 徹(あらかわ しんた/おうさき とおる)
声 - 山口勝平
朱音の父。職業は落語家で志ぐまの最初の弟子(元一番弟子)。
入門から13年経過しても落語家として目が出ず、街中の小さなライブハウスでの寄席に甘んじていた。落語家としては演技力に定評があり、噺の登場人物を丁寧に演じ分けることに長ける。真打昇進試験にて持ち前の演技力を活かした古典落語「芝浜」を披露し観客を沸かせたが、審査委員長であった一生の「受験者全員破門」の一言により阿良川一門を他4名と共に破門にされ落語家としての道を断たれてしまった。(他の一門から引き取りの話が来てもいたが、「志ぐまの弟子でいたい。」と拒否して廃業した。)その後はコンクリートを売買する流通業者へ就職する。朱音の志ぐま門下への弟子入りは「志ぐま師匠なら心配ない」と後押ししている。
特徴的なヘアスタイルと丸眼鏡を掛けており、末永によると外見のモデルは三代目 柳亭小痴楽。
桜咲 真幸(おうさき まさき)
声 - 風間万裕子
朱音の母。落語家として目の出ない夫を応援しており、美容師として働きながら金銭面、精神面で支える。はっきりとした性格をしている。
夫の破門騒動の件もあり、あかねが落語家を目指していることは本心では疑問に思っているが、同時にあかねが一度決めたことは曲げない性格であることも理解しており、志ぐま一門に弟子入りする娘を送り出した。
阿良川流
独自の昇進規定を始め、伝統の革新を推し進める落語界の革新派。
一生一門
阿良川 一生(あらかわ いっしょう)
声 - 玉井勇輝
阿良川一門のトップで当代一の呼び声高い落語家。6年前の真打昇進試験で志ん太を含む受験者全員を破門にしたため、朱音の母・真幸からは破門ジジイと呼ばれている。破門騒動後は世間から批判が巻き起こるが、自身の高座において圧倒的な実力を見せつけることで批判を称賛に変えてしまうほどの力を持つ。
世間の落語離れや年功重視など旧時代然とした現在の落語界を憂いており、業界内に革命を起こそうと考えている。その為、彼の一門は年功度外視で実力主義の方針をとっている。志ん太破門についても「高座で客に弱さを気取られ応援されるような者は真打足りえない」「大衆を振り向かせる強靭な芸こそ阿良川の真打に求められるもの」として前述の実力主義を徹底した結果である。しかし自身の苛烈な振る舞いや独自の昇進規定により他の一門からは一生を異端視する声も多い。志ぐまからは「頑固で我儘、自分勝手だが落語にだけは正直な男」と評されている。
主催した可楽杯で優勝したあかねと対談し、前述の 志ん太破門の理由と自身の信念を語った。
作者の末永によるとモデルは三遊亭圓生。
阿良川 魁生(あらかわ かいせい)
一生の弟子。すれ違う女性が振り返るほどの美男子。2月1日生まれの21歳(芸歴4年目)(52席/あかね入門1年目6月時点)。6年前の真打昇進試験以降で一生が二ツ目に昇段させた唯一の弟子。「色気」を武器とし、「稽古屋」では艶のある女役を難なく演じ、また正反対の間抜けな役を演じることで落差による笑いを生み出す。一方で怪談噺である「豊志賀の死」では嫉妬に狂う女役で鬼気迫る演技を見せる。
前座錬成会には一回の出演で推薦を得、その翌年に昇進した。
交通渋滞により遅刻した自身の独演会で時間稼ぎの前座代演をした朱音の初高座を観て以来彼女の実力を買っており、一生一門に勧誘するが断られている。初対面であかねにハグをした為彼女からは警戒心を抱かれており、可楽杯で再会したときはファインティングポーズを取られている。また、前座錬成会にて敗退したあかねに「高座は自分探しをする場所じゃないよ」と苦言を呈する。
母子家庭かつ困窮した幼少期を過ごし、母親が倒れた際に一生に金銭面で助けられたことから一生一門に弟子入りした過去がある。そのため表には見せずとも一生の弟子として、また落語家として高いプライドと野心を持つ。
阿良川 嘉一(あらかわ かいち)
一生の弟子で魁生の弟弟子。第56席時点で入門からわずか2ヶ月目の前座。30代で妻子持ち。眼鏡をかけた小太りの元営業職 。阿良川一門の前座練成会に出場する。
自身の利益よりも客を笑顔にさせることを何より幸福とするサービス精神旺盛な性格。前座錬成会では審査員にネタ(金明竹)のアレンジに否定的な学問がいることを承知の上で自身のスタイルを貫き通し、その奉仕の精神を買われ高得点を出すなど浅い芸歴ながらも確かな実力を持つ。
「"めでたき"こと事を第"一"とす」とする由来で一生より名付けられており、この名に反した振る舞いをすれば破門と言い渡されている。
芸歴(香盤順)ではあかねの方が僅かに先輩ではあるが年齢差が一回り離れていると言う理由から敬語や姉さん呼びしない様に指示され、以降はちゃん付けで呼ぶなどタメ口になっている。
志ぐま一門
阿良川 志ぐま(あらかわ しぐま)
声 - 斉藤拓哉
阿良川一門のナンバー2で一生の弟弟子に当たる。志ん太、朱音らの師匠。"泣きの志ぐま"と呼ばれる人情噺の名手。二ツ名は天神町であり、町内の宇坂天満宮では一門とコラボした志喜彩祭が行われる。
一生のした事とはいえ、突如として破門になってしまった志ん太やその家族の朱音たちに負い目を感じており、父親の無念を晴らすため落語家になりたいと懇願する朱音に対して6年間個人的に稽古をつけていた。
志喜彩祭では法被にふんどしの出で立ちで、あかねに芸人の心の有り様を説いた。
多趣味なようで落語界の仕組みを説明する際に漫画家の世界で説明するなどした。作者の末永によるとモデルは三遊亭圓楽(5代目)と立川志の輔。
阿良川 ぐりこ(あらかわ ぐりこ)
声 - 鈴木将之
志ぐまの弟子。あかねのすぐ上の兄弟子。身分は二ツ目。あかねの入門時におけるこぐま曰く芸歴は6〜7年。(あかねが志ぐまに入門を直訴した前年の4月入門。)10月11日生まれの前座錬成会時点で24歳。登場当初は芸人仲間からの噂で志ぐまが女子高生とカラオケ店で密会をしていると聞き、探りを入れていた。朱音の入門前は一門の末弟であり、二ツ目ながら朱音の入門時の挨拶の対応など志ぐまの家の雑用は彼が主に行っている。普通自動二輪の免許を所持しており、落語喫茶に朱音を向かわせた際には彼女を乗せて同行した。享二曰く、まだ昇進して日が浅く、朱音の世話役は事実上免除されている。志ん太と接した期間は破門になるまでの僅か5ヶ月であったが、彼が教育係であったこともあり、昇段試験後の志ん太破門の報せを受け、ボイスコミックでは驚きの声を彼に寄せている。
前座選考会におけるあかねの高座を見て、二つ目であるにもかかわらず、自分の芸は前座のあかねよりも下であると確信し、その心情を兄弟子のまいけるに志喜彩祭後に吐露しており、以降はまいけるの紹介で上方で武者修行をしている。志喜彩祭では屋台では焼きそばの調理を担当し、高座では『粗忽の釘』を演じた。
兄弟子のまいけるからは「ぐりりん」、落語喫茶の女主人吉乃からは「ぐりちゃん」と呼ばれている。
監修の林家けい木等若手落語家からはビジュアルや妹弟子が出来た点から古今亭始がモデルとされていたが作者の末永が彼の存在を知らなかったために否定されている。
阿良川 享二/享一(あらかわ きょうじ/きょういち)
志ぐまの弟子でぐりこ、あかねの兄弟子。身分は二ツ目。可楽杯時点で芸歴9年目の28歳→前座錬成会時点で29歳。4月20日生まれ。
面倒見が良く、志ん太破門後残った弟子たちをまとめ上げた。生真面目で礼儀作法や基本を重んじる堅物な性格をしており、ぐりこからは「志ぐま一門のお奉行様」と呼ばれている。居酒屋でも専らオレンジジュースを飲み、下戸とされていたが実は酒乱であった。 高座では自身の性格を活かし、笑い話である落語をひたすら愚直に演じることで噺と演者との温度差による笑いを生み出す。
志ぐまの弟子入りを許された朱音の世話役を買って出る。
志喜彩祭では居酒屋「海」の二人とともに焼き鳥の屋台を出すが、そこで性格と更にアルコールっぽいものでも酔ってしまう体質が災いし、あかねによって医務室に運ばれてしまった。
兄弟子のまいけるからは「享ちん」と呼ばれている。柏家三禄からは"享一"と呼ばれているが詳細は現在のところ不明。坊主頭などモデルは春風亭一之輔。
阿良川 こぐま(あらかわ こぐま)
志ぐまの弟子でぐりこ、あかねの兄弟子。身分は二ツ目。2月17日生まれ。
他の門弟と比べ陰気でネガティブな性格に描かれており対面恐怖症である。高座では着用している眼鏡を外し、髪を上げているため別人である(本人曰く高座モード)。高校生でも通用するほど若く見えるが、実は享二より年上(可楽杯時点で芸歴11年目の29歳→ 前座錬成会時点で30歳)で、なおかつ彼の2年前に入門している兄弟子である。
偏差値70超えの元東大生(中退しての入門)であり、噺に関しても関連する時代背景、風俗、舞台になった場所なども事細かに研究して生かし説得力を持たせる理論派であり、ぐりこからは「志ぐま一門の寺子屋」と呼ばれている。
一生が審査委員長を務める学生の落語大会「可楽杯」に出場しようとする朱音に散々な評価をした。その一方で志ん太の破門以前良く面倒を見てもらっていた様でその事を恩に感じており、朱音に自分の演じる噺について深く知ろうとすることの大切さを教え、志ん太の敵討ちとばかりに協力する。
志喜彩祭では、リンゴ飴の屋台を出すが、極度の対人恐怖症に陥ってしまう。しかし、柏家白州の機転で高座モードで乗り切るが、志喜彩祭が終わった後は疲労困憊になってしまう。
兄弟子のまいけるからは「ベアちゃん」と呼ばれている。
一剣企画の次世代の阿良川一門を担う二ツ目四人会に出演をし、自身で掘り起こした噺である擬宝珠を披露して学問を驚かせた。
阿良川 まいける(あらかわ まいける)
志ぐまの弟子。身分は二ツ目。
志ん太破門後においての一番弟子。禄郎と肩を並べる二ツ目の筆頭格。 。8月20日生まれの前座錬成会時点で32歳。
軟派な性格で志ぐまから朱音の面倒を見るように指示されるも朱音を恋愛的な意味で落としてしまいそうという理由で断ってしまい志ぐまから怒りを買っている。志ん太のことはアニキと呼び、「人間にしてもらった」と並々ならぬ恩を感じている。尚、真幸が勤務する美容室の常連であり、彼女のことはアネゴと呼んでいる。あかねの可楽杯優勝が決まった際に祝勝会を弟・妹弟子を師匠が留守の志ぐま邸で主催する。
弟•妹弟子を特殊な呼び方で呼ぶ。
前座錬成会四人会への出場を果たしたあかねに『替わり目』を教えた。
志喜彩祭では見世物小屋マイケル亭を出す。
噺家の仁(芸の骨格)と噺の属性を示す「阿良川まいける式噺六性図」を独自に考案している。
一剣一門
阿良川 一剣(あらかわ いっけん)
阿良川 ひかる / 高良木 ひかる(あらかわ ひかる / こうらぎ ひかる)
可楽杯に一生の推薦を受け出場した役者・声優達の中で際立った人気と実力を持つ女性声優。
7月18日生まれの20歳(52席/あかね入門1年目6月時点)。学歴は短大卒業。
代表作「エデンスノヴァ」・サルエル役で話題を呼んだが、それは作品が評価されたのであって自分の評価ではないと判断し、演者として実力を積み上げるために可楽杯に出場。演目は『芝浜』を演じ、声優としての研鑽を活かした高い演技力を観客達に見せつけた。
可楽杯で初めてあかねと出会った際には、周りに落語家が多く成長の機会に恵まれているあかねに嫉妬から対抗心を燃やした。福岡県出身で家族と話す時には訛りが強くなる。二歳年上の兄がおり、兄の友達とよく遊んでいたため負けず嫌いな反抗精神のある性格である。容姿が整っているため、からしからは最近の声優は顔もかわいいのかと思われている。
可楽杯後、一剣からスカウトを受け声優業と兼業する形で阿良川ひかるとして活動している。可楽杯であかねに大きな実力差を見せ付けられたことで彼女へさらなる対抗心を燃やしている。
前座錬成会の高座では、『搗屋無間』を演じ、高評価を得た。四人会選考会で花見の仇討ちを一剣との稽古で身に付けた声優落語(八人座頭)で評価を得、93点を獲る。
全生一門
阿良川 全生(あらかわ ぜんしょう)
泰全一門
暄風亭
椿家
今昔亭
今昔亭 ちょう朝(こんじゃくてい ちょうちょう)
蘭彩歌
蘭彩歌 しゃ楽(らんさいか しゃらく)(三明亭円しゃ→蘭彩歌しゃ楽)
蘭彩歌 うらら(らんさいか うらら)
落語連盟の一員。妖艶な雰囲気を持つ年齢不詳の女性落語家。 以前はホステスとして働いていた描写があり、しゃ楽に才能を見出され落語家へ転身したとされる。
名人たるしゃ楽を唸らせた話術とその場の客を男女問わず虜にしてしまう程の妖艶さを持つ。その妖艶さはしばしば麻薬に例えられ、聞き入る客を廓の世界にさらに没入させる。「地獄太夫」との異名を持つ。
りゑんとの騒動で孤立していたあかねに興味を持ち、値踏みとして「茶汲み」を敢て教え、自身の出演する録鳴会の開口一番に起用する。女性落語家初の名跡に成り、女に落語は出来ないと蔑んだ者を見返すことを目指している。
常に詰みから逆算して行動する。
紅茶やワインを愛飲している。
高座名のモデルは蝶花楼桃花。
三明亭
蘭彩歌と今昔亭の源流。明治より柏家と並び、江戸落語界を牽引してきた一門。
六代目三明亭 円相(さんめいてい えんそう)
三明亭 からし(さんめいてい からし)
可楽杯2連覇の実績を持つ学生落語の天才。6月18日生まれの23歳。(52席/入門1年目6月時点)最終学歴は四年制大学卒業。自由な発想と軽妙な語り口の落語が特徴の男性。ビジュアルは友保隼平(金属バット)に酷似している。
賢く見えるという動機で大学の落語研究会に入会し練磨屋 からし(ねりまや からし)の名で活動するが、専門用語の多い演目に辟易し、落語は伝統芸能である前に大衆演芸だとの信条を掲げ登場人物や用語を現代風に改変する改作落語を得意とする。
あかねの出場した可楽杯では、転失気を大学院生と教授の会話に改変した自作落語「BM」を披露した。
自信過剰気味なところがあり、優勝するのは自分だと思っていた。あかねのことを寿限無ちゃん(あかねの演じた題目が寿限無だったことから)と呼んでいた。
可楽杯であかねに敗れた後に円相一門に弟子入りし、彼女より一足先に落語家として前座デビューしている。但し、大学時代から披露していた改作落語は前座である理由も含めて円相の方針により封印している。
円相のことを煙突ジジイと呼んでいる。
住村商事の創立百周年を祝う催しでは、住村商事の歴史を講談に仕立て上げて演じる器用さを持ち合わせているが円相から「講談もどき」と手厳しい評価を下されている。
柏家
200年以上の歴史があり、東京の落語界の伝統と歴史を背負う。江戸落語界最大の一門。
柏家 禄郎(かわしや ろくろう)
その他の落語家
今昔庵 りゑん(こんじゃくあん りえん)
柏亭 良治(はくてい りょうじ)
その他の人物
吉乃 紗季(よしの さき)
御来屋 守(みくりや まもる)
岩清水 万智子(いわしみず まちこ)
尾崎(おざき)
樫尾 公久(かしお きみひさ)
古味 沙恵(こみ さえ)
円(まどか)
作風
オリコンニュースによると、「いきいきとしたキャラクターと臨場感溢れるコマ」が描かれている。
コラムニストの堀井憲一郎によると、本作の「阿良川流」は立川談志がその弟子と作った流派である立川流をモデルとしている。本作では「真打への試験が行われて」おり、あかねの父の阿良川志ん太をはじめ「試験を受けた全員が破門だと言い渡されて」いる場面が「『立川談志による前座全員破門』を連想」させると堀井も話している。ほかにも本作では「阿良川『流』」と呼ばれているが、「いま『流』と付けて呼ばれるのは『立川流』だけである」ことから、モデルとされる。阿良川志ん太が演じた『芝浜』では「芝の浜へ行くシーンをカット」したが、それは「古今亭一門のスタイル」が取り入れられている。堀井によると、作中に登場する阿良川一生は「談志を意識して描いている」ように見えるという。作品としては、「落語の細かい部分には深く触れないで、演者が醸し出す雰囲気を伝えようと」描かれている。
映画監督の庵野秀明によると、落語は「基本は『静』で、表情と言葉だけが『動』」である。本作は「その落語を感情の流れによる物語の構成力と、キャラと背景・吹き出しと擬音による漫画でしか出来ない表現力で、少年ジャンプの王道として面白く描」かれている作品となっている。
また、原作者の末永裕樹は「"スポ根"として書いた」と語っている。
評価・反響
- 第1巻の単行本の帯にて尾田栄一郎が本作を「好き」だと推薦のコメントを寄せている。尾田の薦めで本作を読んだという山口も、「面白い」とコメントを寄せた。なお、山口の娘である山口茜も「何気ない親子のシーン」や登場人物について、「とても素敵」だと話している。勝平・茜親子は、今作のボイスコミックにて同じく親子役(勝平が阿良川 志ん太/桜咲 徹、茜が桜咲朱音)を演じている。
- 連載開始と同時に本業の落語家たちからも大きな注目を集め、笑福亭鉄瓶、三遊亭王楽、月亭八光らがそれぞれ本作の感想を語っており、極めつけは本作の監修担当のけい木が桂米助のYouTubeチャンネルにて本作で落語監修する経緯を語っている。講談師の神田伯山も、本作が週刊少年ジャンプで連載されると聞いて自身のラジオ番組『問わず語りの神田伯山』でエールを送っている。
- 監修のけい木は自らを「#あかね配りおじさん」と称し、出版社からまとめ買いをして周りの落語家や関係者に配布・宣伝をしている。一名だけ渡された先輩の落語家が、「読んだが、ああいうのは立場上漫画とはいえ容認できない」と電話をしてきた。
- 2022年8月の「次にくるマンガ大賞2022」コミックス部門にて第3位を獲得している。
- 2023年1月には、「マンガ大賞2023」にノミネートされている。
- 2023年2月、「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」にて第3位を獲得。
- 2023年4月、「第47回講談社漫画賞」の最終候補作品に選出。
作中披露された演目
- 大工調べ
- 芝浜
- まんじゅうこわい
- 稽古屋
- 子ほめ
- 三方一両損
- 今戸の狐
- 寿限無
- 転失気
- 山号寺号
- お茶汲み
- 平林
- 真景累ヶ淵
- 搗屋無間
- 替り目
- 強情灸
- 金明竹
- 花見の仇討ち
- 粗忽の釘
- 擬宝珠
- 反対俥
聖地
- 堀井憲一郎によると、第1話と第3話に登場する「落語喫茶」は、神保町に実在する「落語カフェ」。落語カフェの「下手の左に『本棚』がある寄席」や椅子が、本作でも描かれている。
- 前座修業編より登場した『弥栄亭』は新宿末廣亭がモデルとなっている。
書誌情報
- 末永裕樹(原作)・馬上鷹将(作画)『あかね噺』集英社〈ジャンプ コミックス〉、既刊9巻(2023年12月4日現在)
- 「あの日」2022年6月3日発売、ISBN 978-4-08-883150-3
- 「喜びの先」2022年8月4日発売、ISBN 978-4-08-883193-0
- 「寿限り無し」2022年10月4日発売、ISBN 978-4-08-883260-9
- 「来ていい場所」2022年12月2日発売、ISBN 978-4-08-883419-1
- 「開口一番」2023年3月3日発売、ISBN 978-4-08-883427-6
- 「お茶汲み」2023年6月2日発売、ISBN 978-4-08-883492-4
- 「前座錬成会」2023年8月4日発売、ISBN 978-4-08-883592-1
- 「強すぎる思い」2023年10月4日発売、ISBN 978-4-08-883691-1
- 「替り目」2023年12月4日発売、ISBN 978-4-08-883791-8
イベント
- 「あかね噺の会」(2023年2月5日、内幸町ホール)
連載1周年記念イベント。同年3月3日にはYouTubeのジャンプチャンネルにて当日の模様が公開された。
出演:春風亭一朝、柳亭小痴楽、林家けい木、林家つる子、林家楽一、柳沢きょう、柳家花ごめ、柳家小もん、鏡味仙成
連載1周年記念イベント。同年3月3日にはYouTubeのジャンプチャンネルにて当日の模様が公開された。
出演:春風亭一朝、柳亭小痴楽、林家けい木、林家つる子、林家楽一、柳沢きょう、柳家花ごめ、柳家小もん、鏡味仙成