あきない世傳 金と銀
以下はWikipediaより引用
要約
『あきない世傳 金と銀』(あきないせいでん きんとぎん)は高田郁の時代小説のシリーズである。2016年2月に「あきない世傳 金と銀 源流篇」がハルキ文庫(角川春樹事務所)から刊行され、2022年8月に完結となる「あきない世傳 金と銀(十三) 大海篇」が刊行された。
2023年8月、登場人物のうちの4人を主人公とした短編集 特別巻が刊行された。同年12月にNHKBS時代劇でテレビドラマ化された。
江戸中期、父と兄を亡くし大坂天満の呉服商に奉公に出た学者の娘・幸(さち)が商才を発揮し商人へと成長する物語。
あらすじ
摂津国武庫郡津門村で、私塾を開いている頑固な父と、女に学問は不要と考える母、優しい兄と幼い妹と暮らしている幸(さち)は、学問が大好きだった。兄は、女も学問をするべきと考えて幸に様々なことを教えてくれたが、病に伏して亡くなり、そして父までも流行りの風邪で死去してしまう。母と妹は、豪農・彦太夫の屋敷の住み込み下女になることになり、幸は9歳で大坂天満の呉服商「五鈴屋」に奉公に行くことになった。
五鈴屋でも女衆(おなごし)は奥の仕事だけで、店に出てはいけないと決まっていたが、丁稚の手習いの様子が気になってしかたがない幸は、三代目の三男・智蔵の口利きによって番頭の治兵衛からこっそり「商売往来」を教えてもらえることになる。やがて治兵衛は、そんな幸に商才を見出すのだった。
14歳で四代目徳兵衛の後妻となりご寮さんとなった幸は、商いの面白さに目覚めていく。
シリーズ一覧
登場人物
五鈴屋(いすずや)
当主は代々「徳兵衛」(とくべえ)を名乗る。
古手の行商から始めて大坂天満の裏店に暖簾を挙げたのが始まりで、二代目が絹も扱う呉服商の店を構えた。二代目の息子が三代目を継いだが、息子3人を残して夫婦共に早死する。二代目のご寮さん・富久が孫3人を育て、三代目の長男が四代目を継いだ。
津門村(つとむら)
テレビドラマ
あきない世傳 金と銀 | |
---|---|
ジャンル | 時代劇 |
原作 | 高田郁 |
脚本 | 山本むつみ |
演出 |
田中健二 船谷純矢 岡野宏信 中野亮平(NHKエンタープライズ) |
出演者 |
小芝風花 加藤シゲアキ 渡辺大 松本怜生 いしのようこ 八嶋智人 萬田久子 高島礼子 舘ひろし |
ナレーター | 森田美由紀 |
音楽 | 未知瑠 |
製作 | |
製作総指揮 |
山本敏彦(NHKエンタープライズ) 柳川強(NHK) |
放送 | |
放送チャンネル | NHK BSプレミアム4K NHK BS |
放送期間 | 2023年12月8日 − 2024年2月2日 |
放送時間 | 毎週金曜日19時30分 - 20時13分 |
放送枠 | BS時代劇 |
放送分 | 43分 |
回数 | 8 |
公式サイト |
2023年7月19日にBS再編成後初の時代劇として小芝風花・主演、山本むつみ・脚本で制作発表後、同年12月8日から2024年2月2日まで放送された。
幸が智蔵(六代目徳兵衛)と夫婦になるまでが描かれた。
キャスト
五鈴屋(いずずや)
幸(さち)
父と兄が急死し、大坂天満の呉服屋「五鈴屋」に奉公に出て女中となった後、三代目徳兵衛の長男(四代目)の後妻となる。
四代目に先立たれた後に五代目のご寮さんとなるが、商売上の揉め事が元で隠居した際に離縁される。
五鈴屋を守り継ぐためと六代目徳兵衛に請われ、ご寮さんとなる。
女中時代からの店の仲間や商売仲間、商売相手の事も考えて商いを行い、江州・波村の庄屋の仁左衛門から「店主の器」と言われる。
徳兵衛(とくべえ)
三代目徳兵衛の長男で、四代目惣領となり幸を娶るも、本人は商才に乏しい。
その事を自覚しており、自暴自棄な行動が多く、何度も売上を持ち出すために周りからは見放され、ついには暴言が元で長年勤めた店員が店から離れてしまう事態になる。
五鈴屋の商いを惣次に任せ、酒や廓通いで日々放蕩に明け暮れた後、事故死する。
惣次(そうじ)
三代目徳兵衛の二男で商才に長け、「五鈴屋を大阪一の店にする」と意気込む稼ぎ頭。働かない兄や商いをやる気のない末弟と反目する。
幸を認めており、折々に知識を授けて商才の成長を手助けする。
五代目の襲名後は幸と仲良く順調に商いをしていたが、己の目標達成に拘るあまりに自分本位の考えに囚われてしまい、商売拡大の助言をした幸すらも疎むようになり、商い相手を陥れる策まで行ってしまう。この時、相手に「店主の器ではない」と断言される。
最終話では五鈴屋が潰れる寸前に陥ってしまい、隠居して智蔵に店主の座を譲り幸とも離縁する。
智蔵(ともぞう)
三代目徳兵衛の三男で、子供の頃に五鈴屋に来た幸と気が合い、将来夫婦になることを考える。
戯作を書きたいと公言して商いに身が入らず、惣次に追い出される。
惣次が隠居する際、これまで守ってきた五鈴屋を絶やさぬよう諭され、六代目徳兵衛を継いで幸と夫婦になる。
富久(ふく)
二代目徳兵衛の妻。孫に商売を譲ってからも店を支える。
幸の才能を高く評価して、己の次代のご寮さんとして五鈴屋の将来を任せており、店が断絶の危機に陥った際は幸を養子にして継がせようとまで考えていた。
幸と智蔵の祝言を見届けたのち亡くなる。
治兵衛
二代目から長年勤めた番頭。幸に商いの才を見出す。
卒中風で倒れ、五鈴屋を去ったあとも幸に助言する。
鉄七 → 鉄助
手代頭として治兵衛等と共に五鈴屋を支えて来た。治兵衛が店を去った後に番頭となる。
お竹
一番年長の女衆(おなごし)。
お梅
お杉
五鈴屋は惣次が継ぐべきだと考えていて、彼が隠居し行方不明になったのち、失踪する。
留七
佐七
伝七
末七
その他
菊栄
船場の小間物屋・紅屋の末娘。四代目徳兵衛の嫁になるが離縁になる。
後に、彼女の新商品の話を聞いた幸は、雨傘に五鈴屋の名を入れる事を思いつき、大阪中に名を広めることに成功する。
お勢
五鈴屋と同じ菅原町の乾物屋主人。
お染
治兵衛の妻。
桔梗屋孫六
伏見屋為右衛門
柳井道善
備前屋番頭 宗助
お房
結
彦太夫
亀三
人形浄瑠璃の人形遣い。
仁左衛門
幸の発想を元に、惣次が羽二重の生産を持ちかけた江州・波村の庄屋。
亮介
江州・波村の織屋の中庄。
スタッフ
- 原作 - 髙田郁
- 脚本 - 山本むつみ
- 語り - 森田美由紀アナウンサー
- 演出 - 田中健二、船谷純矢、岡野宏信、中野亮平(NHKエンタープライズ)
- 音楽 - 未知瑠
- 制作統括 - 山本敏彦(NHKエンタープライズ)、柳川強(NHK)
放送日程
話数 | 放送日 | サブタイトル | 演出 |
---|---|---|---|
1 | 2023年12月 | 8日幸、商いと出会う | 田中健二 |
2 | 12月15日 | それぞれの道 | |
3 | 12月22日 | ご寮さん誕生 | |
4 | 2024年 | 1月 5日試されるご寮さん | 船谷純矢 |
5 | 1月12日 | 二番目の夫 | |
6 | 1月19日 | 五鈴屋の大改革 | 岡野宏信 |
7 | 1月26日 | 夫婦の亀裂 | 中野亮平 |
8 | 2月 | 2日店主の器 |