あんどーなつ
漫画
原作・原案など:西ゆうじ,
作画:テリー山本,
掲載誌:ビッグコミックオリジナル,
レーベル:ビッグコミックス,
巻数:全20巻,
話数:176話,
ドラマ:あんどーなつ
監督:酒井聖博堀英樹竹村健太郎,
制作:TBSテレビ,ドリマックス・テレビジョン,
放送局:TBS,
話数:全12話,
以下はWikipediaより引用
要約
『あんどーなつ-江戸和菓子職人物語-』(あんどーなつ えどわがししょくにんものがたり)は、原作:西ゆうじ、作画:テリー山本による日本の漫画。和菓子を題材にした作品である。
小学館『ビッグコミックオリジナル』で2005年18号から連載を開始し、2013年第2号への掲載を最後に原作者の西が死去して未完のまま終了した。単行本は小学館(ビッグコミックス)から全20巻で刊行されている。2013年6月に最終2巻が同時刊行されたが、第20巻には「特別付録」として、西が病床で語ったその後のストーリーの構想を編集部がまとめ、テリーのイラストを付けた「『あんどーなつ』幻の第177話」が収録されている(このストーリーが西の意向で漫画として描かれなかったという経緯についても記述されている)。また、第19巻には第1話の原作原稿が「特別付録」として収録されている。
2008年にテレビドラマ化され、TBS系列で放送された。
作品概要
パティシエを目指していた安藤奈津(あんどう なつ)は、銀座の菓子店「獅子屋」の採用面接を受けに行ったが不採用となり、帰る途中ふとしたことで老舗和菓子店「満月堂」の和菓子職人の梅吉たちと出会い、それをきっかけに和菓子の世界に魅せられ、一人前の和菓子職人を目指すことになる。奈津が満月堂で働き始めた時期は明らかにされていないが、3話で梅吉が「夏過ぎの今の時期は~」と語っている事、7話でクリスマスケーキを作るゆりえと再会する事、たみが亡くなった時には満月堂に来てまだ一年経っていない事から6~7月頃と推測できる。しかしその後、奈津が満月堂に来る2か月前に亡くなった周平の命日が10月19日である事が明らかになっており、それに従うと奈津が来たのは12月になる。
本作品では和菓子のことや奈津と彼女を取り巻く人々のドラマ、作品の舞台となる浅草、奈津の出身地である福井の風情だけでなく、職人として姿勢についても語られている。また、和菓子だけでなく着物や仏教などの日本文化、和菓子の意匠になる植物の解説もたびたび出てくる。
2008年に姫路で開催された全国菓子大博覧会に行ったり、東日本大震災の後に「もう二度と人々を悲しませる津波が来ないように」と喜八郎とあやめが波除稲荷にお参りに行くなど、現実の出来事とリンクしている話がある。その一方で登場人物たちの時間経過は曖昧になっており、あやめは1960年12月25日に出産していて喜八郎にそのことを告白したのは2006年のため「46年前に出産した」と語っているが、2008年に奈津から「母親は生きていれば今年47歳になる」と聞いて奈津の母親が自分の娘だと確信、2011年には46年前に出産したと清太郎に語っている。奈津についても専門学校を卒業したのが20歳と仮定すると橋蔵が登場する話では27から28歳のはずだが、光子が「まだ20歳を出たばかりの子」と語るシーンがある。しかし健太は初登場が小学6年生の冬ですぐ中学校に進学、橋蔵との話では中学3年生になって進路について悩むシーンもあり、現実と同じ時間経過で成長している。
登場人物
(「」がついている登場人物は、ドラマの登場人物でもある) 奈津の両親など故人ながら回想シーンに登場し、物語の進行上重要な役目を果たしている人物については※をつけている。
満月堂
本作品の主人公。年齢は20歳。
福井県出身である。ロイヤル専門学校洋菓子科を卒業し、パティシエを目指していたが、ひょんなことから「満月堂」にて和菓子職人を目指すことになる。当初はパティシエの仕事が見つかるまでのアルバイトという約束で働き始める。しかし和菓子の素晴らしさや満月堂を愛する常連客の気持ちに触れ、和菓子職人になる事を決め正式採用してもらう(4話)。
真面目で明るい性格の持ち主。洋菓子専門学校での成績も優秀である。母親は奈津を産んですぐに亡くなり、福井に住む父親の祖父母に育てられる。祖父は5歳の時に亡くなったため、ほとんど祖母と二人暮らしだった。パティシエを目指したきっかけは、幼い頃に海外出張でなかなか会えなかった父が誕生日には大きなケーキを買ってきてくれて美味しそうに食べている姿を見て、いつかケーキ屋になって自分の作ったケーキを父に食べさせようと誓ったため。奈津が専門学校を卒業する直前に事故死したため願いは叶わなかった。その後一年も経たずに祖母のたみも逝去し、身内は父の妹の美都里だけである。
初めての餡の拵えに失敗したときには失敗した餡を詫びながら食べるほど、食材に対する愛情を持っている。住み込みを税込の類似語と思ったり、糯米の品種「黄金餅」を小金持ちと勘違いするなどそそっかしいが、初めて茶道の先生に会ったときに茶道の心得がないにもかかわらず先生を感心させるほどの気配りが出来ているなど、しっかりしたところもある。
大切なお茶会で気合の入りすぎが仇になり大失敗をしてしまった際には、満月堂と一ツ橋流の体面を守るために自ら解雇を申し出て失踪、美都里の元に身を寄せる。
老舗「満月堂」の職人で通称「梅さん」。職人歴は50年以上。東京大空襲により戦災孤児となり、終戦後「満月堂」の先々代の旦那に拾われて和菓子職人として働くことになった。年齢は60歳代後半と推定される。
安藤奈津とふとしたことで知り合い、はじめは奈津に和菓子の魅力を伝えるために「満月堂」に連れて行き、アルバイトとして雇うが、奈津が正式な従業員になった後は和菓子作りを伝授していくことになる。また、当初は奈津の事を「なっちゃん」と呼んでいたが、松宮の叱責以降、「奈津」と呼んでいる。
仕事では職人らしく厳しいが、普段は優しく話しやすい人柄の持ち主。
「満月堂」の職人で通称「竹さん」。お調子者だが腕はある。職人歴は30年以上で年齢は40歳代後半と推定される。前橋出身。
もとは実家の和菓子屋を継ぐため、修行で「満月堂」に来ていたが、妹の都合で実家の和菓子屋がコンビニになってしまい、実家に戻れず「満月堂」でそのまま働くことになった。
田能久の若旦那とは飲み仲間である。長い間独身だったが、見合いの末に源月堂の娘・藤井美鈴と婚約した。
「満月堂」の女将。書道の腕がある。深川育ちで実家は「鈴々軒」という和菓子屋である。
いつも和服姿で落ち着いた雰囲気を持つ女性。第一話で梅吉が「先々月、若旦那(夫)が交通事故で他界してから泣いてばかり」と言っており、奈津が来るまでは笑うことがなかったようである。
普段はおとなしい性格で、「蚊を叩くことさえ出来ない」と言われたこともあるぐらいだが、奈津を平手打ちしたことがある。また、書道を教えるときになると人が変わったように厳しくなる。
ボビー・カープ
満月堂のお得意様
大住喜八郎(おおすみ きはちろう)
吉田
奈津が初めてお菓子を届けにあがったときに奈津の細かな気配りに感心し、奈津を弟子に取った。かつて喜八郎とは恋仲だったが、お互いの家の事情により別れた。その時身ごもっており娘を出産。あやめの父が出生後すぐに里子に出したため、二度と会う事はできなかった。里子に出した際に一ツ橋流が家宝としている井戸茶碗をもたせたが、その茶碗を奈津が持っている事から奈津が自分の孫だと知る。その事実を知るのは喜八郎とあやめだけである。
浅草の人々
田沼信太郎(たぬま しんたろう)
松宮伝四郎(まつみや でんしろう)
大林健太(おおばやし けんた)
満月堂の人々の親戚
安藤達彦(あんどう たつひこ)※
安藤小夜子(あんどう さよこ)※
藤井一光(ふじい かずみつ)
安藤たみ(あんどう たみ)
奥田美都里(おくだ みどり)
菓子店関係者
外崎浩一郎(とざき こういちろう)
外崎冬実(とざき ふゆみ)
秋山伊兵衛(あきやま いへえ)
人形町・鶴亀堂
赤坂・弁慶堂
大園珠子(おおぞの たまこ)
福井・あまのや
その他
佐嶋百合江(さじま ゆりえ)
東出志織(ひがしで しおり)
中嶋香里(なかじま かおり)
中村清太郎
書誌情報
テレビドラマ
2008年7月7日から同年9月22日まで毎週月曜日20:00-20:54(以降、時間表記はすべてJST)にTBS系の『ナショナル劇場(その後は月曜ミステリーシアター)』枠で放送された(ABS・FBC・JRTは同年7月13日から9月28日まで毎週日曜日22:30-23:24に放送)。貫地谷しほりと國村隼のダブル主演で、全12話。
『水戸黄門』や『大岡越前』などの時代劇などを放送してきたナショナル劇場(→パナソニック ドラマシアター→月曜ミステリーシアター)枠で、女性主人公の作品は、由美かおる主演の『水戸黄門外伝 かげろう忍法帖』(1995年)以来13年ぶりで、現代劇に限れば酒井和歌子主演の『こんにちは!そよ風さん』(1969年)以来39年ぶりであった。なお、貫地谷にとっては『キミ犯人じゃないよね?』(テレビ朝日の金曜ナイトドラマ)から2クール連続での民放連続ドラマ主演(ゴールデン帯としては初主演)となった。
原作とはストーリーが異なるものの、重厚な作風は残されており、この雰囲気を重視しようと、ナショナル劇場(→パナソニック ドラマシアター→月曜ミステリーシアター)での現代劇としては初のナレーションを導入。ナレーションは春風亭小朝が担当した。
スポンサーである松下電器が2008年10月にパナソニックへ社名変更し、「ナショナル」ブランドを廃止することに伴い、当作がナショナル劇場の最終作品となり、次作の『水戸黄門 第39部』からは、番組枠名称がパナソニック ドラマシアターに改題された。
風吹ジュンと真瀬樹里の出演やキッチン「ミツヤ」とその主人の名が"勘助"といった、『風林火山』(貫地谷が山本勘助の恋人・ミツを演じた)を想起させる設定がある。また貫地谷が本作で演じた奈津は、原作の西ゆうじと同様に福井県の出身で、放送期間中に福井の視聴者との交流イベントも行われ、第8話では奈津の里帰りも描かれた。貫地谷は「ちりとてちん」でも福井県出身の落語家志望のヒロインを演じていたため、「不思議なご縁」があると発言している。また、福井を「第二の故郷だと思っています」と発言している。
登場人物(ドラマ)
("*"がついていない登場人物は、原作に登場しない)
- * 安藤奈津 - 貫地谷しほり 主人公。ふとしたきっかけで、「満月堂」の職人になる。
- * 安田梅吉 - 國村隼 「満月堂」のベテラン職人。
- * 丸岡竹蔵 - 尾美としのり 「満月堂」の中堅職人。
- * 月岡光子 - 風吹ジュン 「満月堂」の女将。未亡人。夫(故人)は「満月堂」の先代で、病気で帰らぬ人に。
- * 一ツ橋あやめ - 白川由美 茶道「一ツ橋流」の家元。
- 三津屋陽介 - 細田よしひこ 製菓学校での奈津の同級生。
- 三津屋勘助 - 山田明郷 ゆかり・龍太・陽介の父。食堂「キッチン・ミツヤ」を営む。
- 三津屋かづ江 - 柴田理恵 ゆかり・龍太・ 陽介の母。奈津が「満月堂」に勤めるきっかけを作る。
- 三津屋ゆかり - 黒沢かずこ(森三中) 龍太・陽介の姉。
- 三津屋龍太 - 金子昇 悦子の夫で陽介の兄。
- 三津屋悦子 - 田中律子 龍太の妻(三津屋家の嫁)。「満月堂」の近くで喫茶店「たんぽぽ」を営む。
- 三津屋文哉 - 渡邉奏人 龍太と悦子の子で勘助とかづ江の孫。
- 蔵田秀明 - 高川裕也 江戸小物「蔵田」を営む。
- 蔵田真美子 - 真瀬樹里 秀明の妻。
- 藤村弘道 - 林家正蔵 履物「江戸屋」を営む。
- 藤村今日子 - 金谷真由美 弘道の妻。
- 泰造 - なぎら健壱 古本「緑鱗堂」主人。
- まめ奴 - 牧村三枝子 居酒屋「まめ太」女将。
- 美代 - 渡辺夏菜 居酒屋「まめ太」の手伝い。
ゲスト
第1話
- 人事担当者 - 中谷彰宏 菓子店「獅子屋」人事部員。
第2話
- 鈴子 - 大森暁美
第4話
- 駒田勝 - 六平直政 浅草鰻屋「うな勝」の主人。
- 森田優人 - 鈴木裕樹 浅草鰻屋「うな勝」の職人見習い。
第5話
- 菊子 - 笛木優子
第6話
- 丸岡律子 - 有坂来瞳 竹蔵の妹。
- 丸岡秀夫 ‐ 小浜正寛 律子の夫。
第7話
- あや乃 - 遠山景織子 元芸者。
- 麻衣子 - 水橋貴己 半人前の芸者。
- 辰子 - 佐々木すみ江 たつ家の女将。
第8話
- 安藤たみ - 風見章子 奈津の祖母。
- 美都里 - 杉村暁 奈津の叔母。
- 河島茂男 - 金田明夫 魚屋「魚米」の店主。
- 河島由子 - 福井裕子 魚屋「魚米」のおかみ。
- 河島憲司 - 五十嵐隼士 茂男の息子。
- MONKEY MAJIK 満月堂に来店した客。
- 新山安奈 - 河合洋美 梅吉の従兄弟の娘。
第9話
- 都築正茂 - 立川三貴 光子の縁談相手。
- 審査委員長 ‐ 中村直太郎
第10話
- 里子 - 馬渕晴子 梅吉の実母。
第11話
- 白井優治 - 西岡徳馬 菓子屋「虎月庵」の職長。
- 松村俊子 - 仁科亜季子 菓子屋「虎月庵」の女将。
第12話
- 黒部幸英 菓子コンテスト会の司会者。
サブタイトル
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2008年7月7日 | お菓子な出逢い | 長川千佳子 | 竹村謙太郎 | 11.6% |
2 | 2008年7月14日 | 破門!? 最初の試練 | 10.5% | ||
3 | 2008年7月21日 | 花火大会の夜、涙と奇跡の和菓子が生まれる… | 酒井聖博 | 7.6% | |
4 | 2008年7月28日 | 土用丑の日ウナギ騒動! | 堀英樹 | 9.1% | |
5 | 2008年8月4日 | 出たあ! 浅草幽霊大騒ぎ | 竹村謙太郎 | 9.0% | |
6 | 2008年8月11日 | 実家を乗っ取られた兄! | 酒井聖博 | 8.9% | |
7 | 2008年8月18日 | 浅草芸者の心意気 | 東多江子 | 堀英樹 | 9.3% |
8 | 2008年8月25日 | しょっぱい帰郷 | 武藤久里 | 竹村謙太郎 | 10.6% |
9 | 2008年9月1日 | 女将さんがお見合いっ!? | 長川千佳子 | 酒井聖博 | 9.2% |
10 | 2008年9月8日 | 父と息子…涙のオムレツ | 丸山智子 | 堀英樹 | 9.6% |
11 | 2008年9月15日 | 京都から来た男 | 長川千佳子 | 竹村謙太郎 | 7.1% |
12 | 2008年9月22日 | 暖簾をかけた決勝戦 | 8.1% | ||
平均視聴率 9.2% (視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
主題歌
- MONKEY MAJIK「ただ、ありがとう」
スタッフ
- 脚本:長川千佳子、東多江子、武藤久里、丸山智子
- 音楽:遠藤浩二
- ナレーション:春風亭小朝(第2話の冒頭では落語を演じた)
- プロデューサー:橋本孝、遠藤正人
- 演出:竹村謙太郎、酒井聖博、堀英樹
- 製作:TBS、ドリマックス・テレビジョン
原作との相違点
奈津が「満月堂」の職人になる経緯
- パティシエを目指して製菓学校を卒業した安藤奈津は、憧れの店“Laura's Garden”に就職する。しかし、女主人のLauraが急逝したために1ヶ月で店は閉店となってしまう。再就職先を探していた奈津は、風に吹き飛ばされてしまった“おみくじ”(大吉)に導かれて、満月堂にたどり着く。
人物
- 竹蔵のキャラ設定が若干異っており、外見に関しても裸眼となっている。また、15年前、高校3年生の時に満月堂へ奉公に行った設定になっている。
- 梅吉のキャラ設定が異なっており、光子に気のあるような描写がある。また、職人歴が30年となっている。
その他、ドラマオリジナルキャラクターが多く登場している反面、外崎冬美のように、ドラマに登場しないキャラクターもいる。
コラボ商品
山崎製パンから当ドラマとのコラボレーション商品である「たっぷりつぶあんどーなつ」と「もっちこしあんどーなつ」の菓子パン2品目がテレビドラマ放送開始日と同日の2008年7月7日から日本全国で発売された。『華麗なる一族』の「華麗ぱん」、『佐々木夫妻の仁義なき戦い』の「佐々木夫妻の仁義'sパン」に続くTBS系ドラマと山崎製パンのコラボ企画第3弾として企画された。パッケージには2品目とも当ドラマ主演の貫地谷しほりの写真が出ている。