小説

うき世




以下はWikipediaより引用

要約

『うき世』(うきよ)は、柳川春葉の家庭小説であり、それを原作とした日本映画の題名である。1915年(大正4年)から翌1916年(大正5年)4月にかけて大阪毎日新聞に連載、順次、至誠堂書店「大正名著文庫」から単行本化、1916年3月には日活向島撮影所が映画化している。

略歴・概要

1912年(明治45年)、大阪毎日新聞、東京日日新聞(いずれも現在の毎日新聞)に連載、好評を博した『生さぬ仲』の流れを汲む家庭小説として大阪毎日新聞で連載された。柳川は1918年(大正7年)1月に死去しており、没後に刊行された全集以降、同作は出版された形跡がみられない。映画化も1度きりである。

新派の劇団「成美団」が、1923年(大正12年)5月、京都座で上演、連日にぎわったことが記録に残っている。出演は都築文男、小織桂一郎、河原市松、武村新、高橋義信ら。

日活向島撮影所が映画化した作品の上映用プリントは、いくつかのシーンを欠いた51分の不完全版であるが、早稲田大学が所蔵しており、2012年(平成24年)には、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館で行われた『日活向島と新派映画の時代展』で上映されている。同撮影所が製作した作品で現存するものは3作しが現存しておらず、本作は、夭折したスター俳優立花貞二郎の出演作としては唯一現存する作品である。

ビブリオグラフィ
  • 『うき世 1-3』、大正名著文庫、至誠堂書店、1915年 - 1916年
  • 『うき世 1』、大正名著文庫第21編、至誠堂書店、1915年
  • 『うき世 2』、大正名著文庫第23編、至誠堂書店、1916年
  • 『うき世 3』、大正名著文庫第25編、至誠堂書店、1916年
  • 『春葉全集 第四巻 うき世』、金尾文淵堂、1921年11月
  • 『うき世 1』、大正名著文庫第21編、至誠堂書店、1915年
  • 『うき世 2』、大正名著文庫第23編、至誠堂書店、1916年
  • 『うき世 3』、大正名著文庫第25編、至誠堂書店、1916年
映画

『うき世』(うきよ)は、1916年(大正5年)製作・公開、日活向島撮影所製作、日活配給による日本のサイレント映画、女性映画である。監督・脚本等は不明である。同作の上映用プリントは現存し、早稲田大学が所蔵している。当時の同撮影所では、女性の登場人物も女形俳優が演じており、現存する数少ない女形出演映画のひとつである。

スタッフ・作品データ
  • 監督・脚本 : 不明
  • 撮影 : 不明
  • 製作 : 日活向島撮影所
  • 上映時間(巻数 / メートル) : 約60分(3巻 / 3,630尺 / 1,100メートル)
  • フォーマット : 白黒映画 - スタンダードサイズ(1.37:1) - サイレント映画
  • 映倫番号 : なし
  • 公開日 : 日本 1916年3月
  • 配給 : 日活
  • 初回興行 : 浅草・オペラ館
キャスト
  • 立花貞二郎
  • 関根達発
  • 大村正雄
  • 横山運平
  • 五月操
  • 土方勝三郎
参考文献
  • 『近代歌舞伎年表 京都篇 第8巻 大正12年-昭和3年』、八木書店、2002年4月 ISBN 4840692300
  • 『映画史を読み直す』、「日本映画は生きている」シリーズ第2巻、黒沢清・吉見俊哉・四方田犬彦・李鳳宇、岩波書店、2010年8月28日 ISBN 4000283928