えとせとら
以下はWikipediaより引用
要約
『えとせとら』(ET CETERA) は、なかざき冬による日本の漫画作品。
1997年9月号から2000年12月号まで『月刊少年マガジン』(講談社)にて連載されていた。単行本は全9巻。
概要
十二支の動物の成分(エキス)を使うことで様々な弾丸を発射できる奇銃・エトガンと、その銃をめぐる様々な人間模様を描いた西部劇。序盤はコミカルなシーンが多いが、終盤はシリアスな場面が増えてくる。
あらすじ
殺人も日常茶飯事の西部にたった一人で暮らすミンチャオの夢は、ハリウッドに行き人気スターになること。鍛冶屋だった亡き祖父が託した不思議な銃を持つ彼女はある日、行き倒れの牧師を助けたことをきっかけに、牧師の旅に同行することになる。しかし、神の教えを広めるため旅をしているという牧師・バスカービルの真の狙いとは。そして、奇銃・エトガンに隠された秘密とは……。
登場人物
ほとんどの登場人物の名前は書体に由来している。
ミンチャオ一行
ミンチャオ
主人公である中国人の少女。漢字表記では「明朝」と書く。『Who is 風生!?』の第19話に登場した際の発言から、年齢は13歳のようである。祖父が作った鍋を常に背中に背負っており、トレードマークとなっている。右手には幼少期に完成したての熱されたエトガンを触った際にできた焼印があるが、人に見せたくないとの理由から、常に手袋を着用している。なお、普通の銃の扱いは下手で、ポーカーに関してもあまり詳しくない。
自分の美しさに自信があるらしく、ハリウッドでミュージカルスターになる夢を度々口にしている。しかしひどい音痴であり、その事実を知った時はひどく落ち込んだ。
鶏や兎など、食べるための動物は遠慮なく殺すが、人殺しは極度に嫌う。そのため、道中で仲間たちが敵を殺そうとすると、必ず制止している。
バスカービル(レイジー・ボーン)
金髪で目の細い、世界を旅する牧師。ミンチャオからは「牧師様」と呼ばれている。使用する武器は主にナイフのみで、銃は一話でライフルを使用していた以外は使っていない。また、ポーカーにおいては袖の中に隠したアームを用いて引いたカードを予め持っていたカードとすり替えるイカサマを行い、相手にイカサマをなすり付けるといった技術を駆使していた。行き倒れとなっている所をミンチャオに拾われ、それ以後行動を共にする。
丁寧な言葉遣いでただの優男に見えるが、実は組織の人間であり、本名は「レイジー・ボーン」という。かつては組織の命令による奇銃集めのために、多くの人々を惨殺してきた過去をもつ。しかしそれは、病気の妹チゼルの薬を組織からもらうためであり、妹のためなら何でもするという強い信念から起こした行動である。だが組織からもらっていた薬は実は麻薬であり、その副作用もありチゼルは命を落とす。それを機に、組織のボスを自らの手で倒すため、エトガン捜索の任務を願い出る。
ゴーディとの戦いでミンチャオたちとはぐれてしまい、生還を果たすも記憶を失いブラッシュに利用される。
組織の人間の証である花嫁衣装のレリーフは、チゼルにもらった十字架の裏に刻まれている。
ベンケイト
長身の女性で、奇銃収集家。左頬に傷がある。変わった物、珍しい物が好きで、一度欲しいと思った物は何が何でも手に入れなければ気が済まない。加えて、豪快ながら疑り深い性格をしている。かつてゴナから奪った折り畳み式の全長7フィートもの長さを誇る超ロングライフルを主装備としており、薙刀のように振り回して使うことも。この他、猫を模した銃や靴に仕込まれた銃といった奇銃、そして素早い身のこなしを駆使して戦う。バスカービルとは旧知の中で、時に対立し、時に共闘していた。
すでに盗賊団から奪った99挺の奇銃を手に入れ、100挺目の銃としてエトガンを手に入れようと、孫に会うために一人旅をする老婆に変装してミンチャオと牧師に近づく。
しかしゴナ一味との交戦の際、人を疑うことを知らない純粋なミンチャオを見たことで「変わったヤツ」だと興味が湧いたため、変装を解いて(ミンチャオは変装時の彼女と同じ香りがすることから、ベンケイトを老婆の孫と認識。ベンケイト自身も変装していた老婆のことはミンチャオが二人とはぐれていた際に殺されたと説明している)ミンチャオたちの旅に同行する。
オルタネート
フィノ
組織の人間
ボカッシィ
情報屋を営む小柄な男で、語尾に「~ね」を付ける。帽子を脱いだ頭はスキンヘッドで、常に巨漢とリーゼントヘアの男の手下を連れて行動している。情報屋として大成するまでは人の話を盗み聞きするだけの三下だったらしく、その当時を知っているバスカービルとベンケイトを前にした時は、泣きながら命乞いをした。バスカービルとベンケイトに変装した部下たちを使って宿屋に泊まったミンチャオたちの抹殺とエトガンの強奪を画策し、さらに手柄を独り占めするべくダイナマイトで手下たちも宿屋ごと爆殺しようとする。しかし、バスカービルとベンケイトに手下たちを倒された上ダイナマイトの導火線もバスカービルの投げたナイフで先端ごと切断されて失敗し、自身も星座銃に関する噂を吐かされた上で二人にボコボコにされた。その後は、オルタネートの手下になった模様。列車を暴走させた折にミンチャオたちと交戦する部下たちを列車から落とされ、自身も最後尾の客車を切り離すべくオルタネートに渡したダイナマイトの爆発によって列車の屋根から転落する。
ゴーディ
オルタネートの父。息子とは違い大柄な筋肉質の男で、金や財宝に対する執着が強い。組織の人間の証として、花嫁衣装のレリーフが刻まれたコインを持っている。
組織からエトガン捜索の命を受けていたが、数年前から鉱山にこもって一人で金を掘り続けていた。その間に、エトガンの指令書と花嫁衣装のコインをオルタネートに持って行かれる。戻って来たオルタネートから事情を聞き、エトガン奪取のためにミンチャオたちを罠にかける。
その強靭な肉体とツルハシを投擲武器に使う戦法、そして服の下に着込んだ黄金製の鎧による高い防御力でミンチャオたちを苦しめるが、フィノが解放した星座銃から放たれた魚座弾を股間に喰らい気絶。フィノに殺害されそうになるが、間一髪でミンチャオに助けられる。だが、最終的には星座銃を狙うブラッシュに殺される。
ブラッシュ
キャバナー・P・スクリプト
フーツラ
その他
ミンチャオの祖父
スーボ
フランクリン
ボドニー
踊り子。正統派ギャンブラーでもあり、その腕前はかなりのもの。ある理由から、イカサマを非常に毛嫌いしている。ファニーという妙な風貌の犬を飼っており、虎の毛皮のパンツを穿いている。ひょんなことからミンチャオがイカサマ師とのポーカーに負けたことで手放したエトガンをギャンブルに勝って入手し(彼女はエトガンをクレオパトラが自殺した際に使った伝説の銃と思い込んでいた)、エトガンを奪還しようとするバスカービルにポーカー対決を挑まれる。
しかし、勝負の途中に乱入したカフマンによってミンチャオが攫われ、その際にカフマンの銃弾からファニーを庇い負傷したバスカービルのことを信用し、ミンチャオ救出のためにカフマン宅に乗り込む。しかし、カフマンに襲われるも、ミンチャオが咄嗟に彼女のパンツを使って発射した虎弾でカフマンが倒されたことにより助かる。その後はミンチャオたちにエトガンを返すと共に、カフマンを放っておけず和解。負傷した彼の手当てをすることになる。
カフマン
酔っ払いのイカサマギャンブラー。元々は真面目な青年でボドニーとは恋人同士だったが、ある日イカサマ師に全財産を巻き上げられてからは酒浸りとなり、自分もイカサマ師になってしまった。ボドニーとヨリを戻そうと何度も迫るが、その度に断られている。ボドニーに酷評されて激昂し、彼女を殴ろうとしたところをミンチャオに阻まれ、さらにバスカービルが自分たちの全財産とカフマンがボドニーから手を引くことを賭けたポーカー対決でイカサマを駆使した彼に敗北。その場は引き下がるが、後にポーカーを行うバスカービルとボドニーを強襲。
騒動に巻き込まれたミンチャオを人質に取ってボドニーに身代金として1000ドルを自宅に持ってくるよう要求する。家にある酒を飲んで酔っ払ったミンチャオと意気投合するも、ボドニーがやって来たことでミンチャオを奪還した彼女に襲い掛かる。しかし、酔いが覚めたミンチャオが放った虎弾を喉に受けて倒れる。その際の傷が原因でしばらくまともに食事ができなくなり、ボドニーに世話されることとなる。
ゴナ
盗賊団のボス。自慢の超ロングライフルであちこちを荒らし回っていたが、ベンケイトに右腕を吹き飛ばされ、銃を奪われる。それ以来、血眼になってベンケイトを探している。失った右腕に小型機銃を装備しており、普段は包帯で隠している。ミンチャオのエトガンを見たことで彼女をベンケイトと勘違いした男(結果、銃の形が違ったことでゴナに射殺された)の密告で、老婆に変装したベンケイトをそうとは知らずにミンチャオやバスカービル共々襲撃する。
しかし、正体を現したベンケイトに部下を全滅させられる。吊り橋の上に追い詰められ命乞いをするも、バスカービルらと合流したミンチャオがベンケイトを静止したことで生まれた隙を突き、彼女を銃撃する。しかし、吊り橋の支柱に鼠弾が当たっており、吊り橋のロープが切れたことで谷底の激流に消える(ミンチャオとベンケイトは咄嗟に吊り橋に掴まり、ミンチャオの撃った猪弾が山頂にあるゴナ一味の落とそうとした大岩を川に落とし、水柱で吊り橋ごと跳ね上がったことで生還)。
ルリール
とある街の町長
ルリールの一座が毎月公演を行っている街の町長で、鍛冶屋を営んでいる。気難しそうな老人だが、ルリールが歩けるようになったことを喜ぶなど優しい人物。一座の公演の度に工場の隣の小屋を会場として貸している。十年ほど前に鍛冶の腕を磨くべく旅をしていたところにミンチャオを連れた彼女の祖父と出会い、エトガンに関する話を聞いている。その際にまた会えることを願ったミンチャオの祖父からエトガンの焼き印と同じ紋章の刻まれた鉄片を貰っている。エトガンを狙ってミンチャオに夜襲をかけたオルタネートに向かって先述の鉄片を熱して見せ、「エトガンを使いたいならこれを握れ」と勧めたことで彼を動揺させ、バスカービルとベンケイトの救援が間に合ったことで撃退した。ミンチャオたちとの別れ際、ミンチャオとの思わぬ再開に運命を感じていた。
長(おさ)
友好部族の長
ヨシール
干支銃と星座銃
この物語の軸となる2つの奇銃、干支銃(エトガン)と星座銃(ゾディアック)。両方の銃に共通する特徴は以下の通りである。
- 撃つためには必要な成分(エキス)と、右手にグリップの焼印が必要。
- 右手に焼印を持つ者に向けてエトガンや星座銃を撃っても、弾丸は当たる直前に消えてしまう。
- それぞれの銃には魂が宿っており、悪意を持って撃ち続けると、引き金が動かなくなってしまう。
また、干支銃と星座銃、それぞれが使用できる弾丸を以下に説明する。
干支銃
十二支の成分を弾丸に込めて撃つことができる。また、右手に焼印のある人物が焼印と同じ形状の紋章部分に焼印を重ねると、組織が隠した麻薬の在り処がその人物の頭に流れ込む。
鼠弾(ネズミだん)
作中で何度か使われたが、至近距離で直撃したブラッシュがすぐに目を覚ましたことから、威力は低いと思われる。
牛弾(ウシだん)
物語の舞台が西部時代だけに、牛革製品が様々なところで使われているため、作中での使用回数が最も多い。
また、乳牛のミルクを成分に使うこともできるが、威力はゼロに等しい。
虎弾(トラだん)
兎弾(ウサギだん)
龍弾(リュウだん)
通常は右手に焼印を持つ者にエトガンを撃っても効果は無いが、龍弾だけは例外。
巳弾(ヘビだん)
馬弾(ウマだん)
羊弾(ヒツジだん)
エトガンの12種類の弾丸の中で唯一、原作中で使われなかったが、『Who is 風生!?』第19話にてお披露目された。
猿弾(サルだん)
鳥弾(トリだん)
犬弾(イヌだん)
亥弾(イノシシだん)
星座銃
十二宮の成分を弾丸に込めて撃つことができる。ミンチャオの祖父に救われたフィノの一族が聖なる山の地下に隠していたが、ゴーディとの対決の過程でフィノの手に渡る。
牡羊座弾(アリエス)
牡牛座弾(タウラス)
また、エトガンの牛弾と同時に発射することで、威力を倍増させることができる。
双子座弾(ジェミニ)
蟹座弾(キャンサー)
獅子座弾(レオ)
乙女座弾(ヴァーゴ)
成分としては一番手近だと思われるが、作中では一度も使われることはなかった。
天秤座弾(ライブラ)
蠍座弾(スコーピオン)
射手座弾(サジタリウス)
その威力は釣鐘を落としてしまうほど。
山羊座弾(カプリコーン)
水瓶座弾(アクエリアス)
魚座弾(ピスケス)
陸上で発射した場合は威力は皆無に近いが、トビウオを成分に使った場合は十分な破壊力がある。
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