おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!
小説
著者:村上凛,
レーベル:富士見ファンタジア文庫,
巻数:全16巻,
漫画
作画:葵季むつみ,
出版社:メディアファクトリー,
掲載誌:月刊コミックアライブ,
レーベル:MFコミックス アライブシリーズ,
発表期間:2012年4月27日 - 2015年7月27日,
巻数:全7巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!』(おまえをオタクにしてやるから おれをリアじゅうにしてくれ)は、村上凛による日本のライトノベル。イラストはあなぽんが担当している。略称は「オタリア」。第2回ネクスト ファンタジア大賞金賞受賞作(受賞時のタイトルは「スイーツガールはご機嫌ななめ。」)。富士見ファンタジア文庫(富士見書房→KADOKAWA)より2011年7月から2016年8月まで刊行された。コミカライズやドラマCD化などのメディアミックス展開もされている。
月刊コミックアライブ(メディアファクトリー→KADOKAWA)にて葵季むつみによるコミカライズが2012年6月号から2015年9月号まで連載された。2013年10月と2014年10月にそれぞれドラマCDが発売された。
本作は、著者の村上凛が会社員時代に執筆したもので、友人に「ライトノベルを書いてみたらどう?」と勧められたのがきっかけだったと、第10巻のあとがきで明かしている。
あらすじ
柏田直輝は高校生活の初日、登校中の路上で偶然見かけた、幼児に優しく接する名も知らぬ美少女に心を奪われた。直後、彼は、その美少女が同級生の長谷川翠だと知る。幸福な巡り合わせを噛みしめる一方、実は「隠れオタク」であり、同時に女子との交際経験も皆無の直輝は、長谷川への切ない片思いの念を抱き続けるだけだった。
そんな中、直輝はクラス内のもう一人の超絶美少女・恋ヶ崎桃から声をかけられる。校内ではビッチのギャルと噂され、化粧にもマメな桃を自然と敬遠していた直輝は、実はその桃が片思いのオタク美少年・鈴木爽太に接近するために、彼女自身もオタクになりたがっているという意外な事実を知る!
強気で横暴な桃に振り回されながらも、その桃と互いの恋愛を実らせるために協力しあう「協定」を結んだ直輝。彼はまったくオタク気のない桃をその筋に教育する一方、自分自身が長谷川と両想いのリア充になれるよう、今風のモテ男としての指南を桃から受けることになる。だがそんな二人の前には、いくつもの難関と思いもよらぬ事態が待ち受けていた……。
登場人物
声はドラマCDのキャスト。
主要人物
柏田 直輝(かしわだ なおき)
声 - 島﨑信長
本作の主人公。藤見高校1年A組。アニメやゲームが好きなオタクにして、リア充を目指す少年である。顔は決して悪くはないものの、身だしなみの知識やファッションセンスに乏しい地味系の男子。
中学時代に好きな女子・及川に優しげにされるものの、実は自分をからかっていただけだという当人の発言をたまたま耳にして、ショックを受ける。同時にその及川から、オタクだからキモイという主旨の陰口を言われたため、積極的にオタク関連の話をしなくなった。この出来事がトラウマとなり、高校に入ってからは「隠れオタク」を心がけるようになっている。
高校入学初日に、子供に優しく接していた長谷川に一目惚れして以来、いつかその長谷川と付き合ってリア充になることを目標に掲げる。
軽い面もあるが、根はかなり真面目な性格。特に何かに打ち込んでいる人の情熱が不当に蔑まれることに対しては、強い反感を抱く。また恋愛に関しては、好きな相手に対しての心配りを学び、相手のことを考えて同時に自分も幸福になろうと志す、とてもまともな若者。だが経験則があまりに少ないため、しょっちゅう失敗を繰り返している。
同じクラスの恋ヶ崎桃のことは、いろいろな経緯を経て大事な異性の友人となる。そして積極的に彼女から男女交際のノウハウやファッションについてのアドバイスを受ける一方、彼女の恋を本気で応援している。なお、桃とはお互いに苗字で呼び合っている。
オタク活動のコスプレ費用やデートの予算などを稼ぐため、カラオケルームでバイトもしている。学校には電車通学。
恋ヶ崎 桃(こいがさき もも)
声 - 山本希望
本作のメインヒロイン。藤見高校1年A組。実家はかなりの金持ちらしく、豪邸に住むお嬢様。茶髪の巻髪で、ネイルなどの化粧にも気を使うギャル風の美少女。雑誌のトップモデル然とした、女子高校生としては最高級の容姿を誇る。そのため男性と活発に遊んでいるという噂を流されたりしてしまっているが、実は男子が苦手(直輝を除く)で上手く話せない、恋愛にも不器用な性格。
とあるきっかけから鈴木を異性として慕うようになったが、彼が真性のオタクだと知って困惑する。だが自分のなかに芽生えた気持ちに忠実であろうとして、オタクというものを理解しようと決意。それゆえ、隠れオタクという正体を偶然に認めた直輝に協力を求める。
性格は強気で横暴でややマイペース(ただし一般の男子は苦手)。しかし友情に厚く、恋愛に対しては非常に真面目な考え方をする少女。
いわゆるオタク属性はほぼ皆無。だが、一般層にも大人気の恋愛少女漫画「君に届いたら」を愛読しており、そこで得た感動を自分の今後の鈴木との関係の理想にと考えている。直輝はそういう面から、桃のこともある種のオタク(少女漫画オタク)だと見ている。
直輝にとって最も近いところにいる異性の友人。また桃にとっても直輝は思う事を遠慮なく話し合える唯一の男子であり、こまめに彼と長谷川とのデートプランなどに力添えしてやっている。ただし悪意はないままにあまりにも正直な言葉(ヘタレとかダサイとか、など)を投げかけることも多いので、直輝はしばしばへこまされている。
同性の友人は多く、一時期は別のクラスの友人・桜井小豆とともに、メイド喫茶でバイトもしていた(とはいえ客の大半を占める男子が苦手なため、桃の接客態度への店側の評価はあまり芳しくない模様だった)。体つきは華奢で小柄(身長は150㎝弱)で貧乳。成績は総じて優秀だが、英語は少し苦手。
長谷川 翠(はせがわ みどり)
声 - 斎藤千和
本作のヒロイン。藤見高校1年生で、直輝と桃と同じクラス。子供に優しく、成績優秀(学年トップ)。自ら志願してやり手のないクラス委員を務める一方、どこか孤高な雰囲気の美少女。その理由の一端は、中学時代に体験したある哀しい記憶に関係している。それでも直輝、それに彼を応援する桃との関わりのなかで彼らに対して次第に心を開いていくが、物語が進むまで本心はなかなか見せなかった。また直輝をある面でぎょっとさせるなど、彼女自身の興味の対象のなかで、何か秘密がある模様であった。普段の髪型は、黒いロングヘアー。お笑いを観るのが趣味。
鈴木 爽太(すずき そうた)
声 - 岸尾だいすけ
藤見高校1年生。コスプレ愛好家で超オタクの美少年。同人活動にも積極的に参加している。クラスは直輝や桃とは別のB組。学内サークルは軽音部に所属し、音楽室で人気アニメ「けいおん部!!」のエンディングテーマをギターで弾いていたのを直輝が認めて話しかけたのがきっかけとなり、お互いに友達になる。
マイペースで飾らない気立てのいい男子で、見栄えのよいルックスもあって多くの女子から慕われている。ただし当人は周囲の女子にはほとんど無関心のようで、恋愛よりオタク趣味の方を優先している。桃のことは存在すらあまり意識していない。直輝のことは、数少ない自分の大事なオタク友達と考えており、「カッシー」と自らがつけた愛称で呼ぶ。直輝の方も鈴木に相応の好感と友情を抱いており、秋葉原や同人即売会、コスプレ会場などに共によく出かける。自らの私服に対しては特に気を使っているわけではなく、実姉が勝手に買って来るものを着用しているとの本人談。
桜井 小豆(さくらい あずき)
声 - 福圓美里
2巻より登場するサブヒロイン。直輝と桃の学友の藤見高校1年生で、コスプレ愛好家。クラスはD組。漫画研究部所属。可愛いが普段はやや地味めな印象だが、コスプレをすると目を瞠るような美少女に変貌する。オタク女子の友人を求めて漫研を訪れた桃の愛らしさを認めて、これはコスプレ栄えすると評価。すぐに互いの気心も理解しあって、桃とは互いに下の名前で呼び合う友人同士になった。
一方、中学時代のとある出来事を契機にオタクの男性が苦手であり、それゆえ直輝のことも当初は敬遠していた。だがある時、異性の友人・桃の窮地を救うために必死になり、同時にそんな自分(小豆)を信頼して応援を求めてきた直輝の姿に打たれて、彼に心を開く。なお直輝との初対面の時にはコスプレしており、弾みから水玉模様のパンツも見られてしまっている。
コスプレに関しては、独自の信念と哲学を持つ少女。メイド喫茶も興味の範疇であり、一時期は桃とともにバイトしていた。胸はかなり大きい。
8巻にて直輝に想いを打ち明け、彼の返事を得て晴れて恋人の関係になる。だが小豆は何か思うところがあるらしくクリスマスデートの最中に直輝の前から去ってしまい、物語は本筋の終盤部に雪崩れ込む。
なお本筋から離れたIFストーリーの『小豆エンド』では、桃、直輝、学友の優里亜とともにエンタメ部を創設した。(部長は小豆、副部長は直輝)。その部活動を通して、直輝に特別な想いを抱くようになる。そして初詣の折、直輝から想いを打ち明けられる。
その他
直輝と桃の家族
柏田 あかり(かしわだ あかり)
声 - 丹下桜
直輝の妹で中学1年生。ゲーム好きの腐女子。愛らしい容姿のポニーテール少女だが口が悪く、直輝に対してはすぐ手や足が出る。ただしその一方で、校内の女子(桃や長谷川たち)と付き合いだしたらしい兄の様子を認めて、何やら複雑な思いを抱いている模様。
10巻にて直輝に対して「同世代で心を許せるのは直輝だけ」と宣言。「直輝が私のことを一番分かってくれる」男子なのだと心中を明かしている。
桃の父
恋ヶ崎 柚子(こいがさき ゆず)
藤見高校の関係者
桐谷 勇太(きりたに ゆうた)
笹川 美樹(ささがわ みき)
雨宮 瑞希(あめみや みずき)
直輝の元学友
直輝のバイト先の面々
同人界の関係者
ムラサキさん
声 - 原田ひとみ
本名は狭川紫(さがわゆかり)。3巻で初登場した、美人の同人作家。5巻での発言から、その時点で大学2年生らしい。
鈴木がお気に入りの大手サークルに所属し、その鈴木のために新刊同人誌を求め、さらにスケブを描いてもらいに来た桃のために便宜を図ってくれる。同時に、即売会のビギナー参加者である桃のことも気遣ってくれた優しい女性。
しかし直輝も半ば心を奪われるほどの小悪魔的な魅力を具えており、かなりきわどい内容の作品を手掛ける腐女子でもある(なお現実には異性関係は地味だが、あえて大人のスレッカラシぶっており、それゆえ志乃からは「エセビッチ」と陰で言われている)。
また物語後半、直輝の誕生日パーティーで、自身が書いた直輝と桃、小豆、紫がキャラクターとして登場している16禁の同人誌をプレゼントした。
同じ作者の『オレと彼女の萌えよペン』にも登場。主人公コンビのライバル格の、新世代漫画家の一人となる。
永瀬 志乃(ながせ しの)
既刊一覧
小説
- 村上凛(著) / あなぽん(イラスト) 『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!』 富士見書房→KADOKAWA〈富士見ファンタジア文庫〉、全15巻
- 2011年7月20日発売、ISBN 978-4-8291-3664-5
- 2011年11月19日発売、ISBN 978-4-8291-3707-9
- 2012年3月17日発売、ISBN 978-4-8291-3746-8
- 2012年6月20日発売、ISBN 978-4-8291-3775-8
- 2012年10月20日発売、ISBN 978-4-8291-3817-5
- 2013年2月20日発売、ISBN 978-4-8291-3864-9
- 2013年6月20日発売、ISBN 978-4-8291-3904-2
- 2013年10月19日発売、ISBN 978-4-0471-2922-1
- 2014年2月20日発売、ISBN 978-4-0407-0040-3
- 2014年10月18日発売、ISBN 978-4-0407-0152-3
- 2015年2月20日発売、ISBN 978-4-04-070476-0
- 2015年7月18日発売、ISBN 978-4-04-070477-7
- 2015年11月20日発売、ISBN 978-4-04-070738-9
- 2016年3月19日発売、ISBN 978-4-04-070739-6
- 2016年8月20日発売、ISBN 978-4-04-070999-4
- 村上凛(著) / あなぽん(イラスト) 『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ! 小豆エンド』 KADOKAWA〈富士見ファンタジア文庫〉、2014年7月19日発売、ISBN 978-4-04-070230-8
漫画
- 村上凛(原作) / あなぽん(キャラクター原案) / 葵季むつみ(作画) 『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!』 メディアファクトリー→KADOKAWA〈MFコミックス アライブシリーズ〉、全7巻
- 2012年10月23日発売、ISBN 978-4-8401-4738-5
- 2013年4月23日発売、ISBN 978-4-8401-5048-4
- 2013年10月23日発売、ISBN 978-4-8401-5337-9
- 2014年3月22日発売、ISBN 978-4-04-066501-6
- 2014年10月23日発売、ISBN 978-4-04-066873-4
- 2015年2月23日発売、ISBN 978-4-04-067262-5
- 2015年8月22日発売、ISBN 978-4-04-067573-2
ドラマCD
とらのあなとツクルノモリから、2013年10月18日と2014年10月18日に、2回にわたって発売(販売)。 内容は、ともに村上凛の書き下ろしエピソードを完全シナリオ化したもの。キャストは以下の通り。
- 柏田直輝:島﨑信長
- 恋ヶ崎桃:山本希望
- 長谷川翠:斎藤千和
- 桜井小豆:福圓美里
- ムラサキ:原田ひとみ
- 鈴木爽太:岸尾だいすけ
- 柏田あかり:丹下桜
イベント
2014年10月19日、秋葉原のとらのあなにおいてサイン会が開催された。 ゲストは、著者の村上凛とイラストのあなぽん。