おらおらでひとりいぐも
題材:配偶者と死別した人物,老人,
以下はWikipediaより引用
要約
『おらおらでひとりいぐも』は、若竹千佐子の小説。2017年11月17日に河出書房新社から刊行され、2020年6月25日に文庫化された。第54回文藝賞、第158回芥川龍之介賞受賞作。2018年2月時点で累計発行部数は50万部を突破している 。
一人称と三人称が混交され、一人称は東北方言(南部弁)、三人称は標準語で書かれている。タイトルは宮沢賢治の詩「永訣の朝」の一節。
2020年11月6日に映画版が公開。
あらすじ
75歳の老女桃子は、夫に先立たれ、娘とも疎遠の生活を送っている。その生活の中で、脳内で他者と会話をするようになる。桃子さんの心の声=寂しさたちと一緒に、郷里との別離、夫周造との出会い、必死だけど笑いの絶えない子育ての日々と、そしてひとりきりになった今を、行き来していく。孤独な桃子さんは、寂しさたちといつの間にかにぎやかな毎日に。そんな桃子さんの求めていたものは何か-
登場人物
書誌情報
単行本
- 若竹千佐子 『おらおらでひとりいぐも』 河出書房新社、2017年11月17日発売、ISBN 978-4-309-02637-4
文庫本
- 若竹千佐子 『おらおらでひとりいぐも』 河出文庫、2020年6月25日発売、ISBN 978-4-309-41754-7
映画
2020年11月6日に公開。監督は沖田修一、主演は田中裕子(7年ぶり)。
第33回東京国際映画祭では特別招待作品として、11月3日にワールドプレミア上映が行われた。
あらすじ
75歳の日高桃子は夫の周造に先立たれて一人暮らしをしている。病院と図書館通いの繰り返しで、借りた本から「地球46億年の記憶ノート」を作る趣味はあるものの、馴染の図書館職員からサークルに誘われても挑戦する気は起きない。 そんな桃子の前に、おばさんコスプレの三人の男が現れる。時に桃子の独り言に茶々を入れ、時に素直な気持ちを代弁する「寂しさ1~3」という“心の声”である。だから、妄想の世界では賑やかな毎日へと変わっていく。 時々若い頃を思い出す。1964年、田舎を逃げ出すように上京した桃子は、食堂で働くうち常連客の周造に出会い結婚する。言いなりにならない「新しい女」になると決心していたが、「愛は曲者で、古い生き方に絡めとられた」と今は思う。 あれから55年、子どもたちは巣立ち、夫との平穏な日々をと思っていた矢先の夫の死である。息子や娘は疎遠になり、それよりも時々訪れるお巡りさんや車の営業マンの方が近しい。 最初は独り言に茶々を入れる「寂しさ」たちを無視していた桃子だったが、やがて掛け合いのようになり、いつしか一緒に戯れるようになっている。 生きる意味を模索する桃子は、過去の幸せだった頃の家族との思い出をたどり、自分の心の声たちと対話し、好奇心に満ちた妄想に浸るうち、今の自分があるのは「周造の計らい」だったと思えてくる。 自分の人生を振り返ると、一番輝いていたのはここ数年である。娘時代の自分に戻り、一人で生きる自由を得て、今まで見えなかった世界に出会えたのだ。 夫の墓参りをして「おらひとりでいぐも」と誓い、それ以来、妄想はより過激になる。卓球サークルへの誘いにも応じることにし、そして「おらたち、おめだ」と合唱する“心の声”と一緒に踊り出した。
キャスト
- 現代の桃子:田中裕子
- 昭和の桃子:蒼井優
- 周造:東出昌大
- 寂しさ1:濱田岳
- 寂しさ2:青木崇高
- 寂しさ3:宮藤官九郎
- 桃子の娘:田畑智子
- 警官:黒田大輔
- 医師:山中崇
- 車メーカーの営業:岡山天音
- 桃子の同僚:三浦透子
- 桃子の心の声「どうせ」:六角精児
- 桃子のばっちゃ:大方斐紗子
- 図書館の司書:鷲尾真知子
スタッフ
- 原作:若竹千佐子『おらおらでひとりいぐも』(河出文庫)
- 監督・脚本:沖田修一
- 音楽:鈴木正人
- 主題歌:ハナレグミ『賑やかな日々』(スピードスターレコーズ)
- エグゼクティブ・プロデューサー:豊島雅郎、濱田健二
- プロデューサー:竹内文恵、西ヶ谷寿一、西宮由貴
- 共同プロデューサー:森重宏美
- ラインプロデューサー:吉崎秀一
- 撮影:近藤龍人
- 照明:藤井勇
- 美術:安宅紀史
- 録音:矢野正人
- 編集:佐藤崇
- 助監督:海野敦
- 装飾:山田智也
- 衣装:纐纈春樹
- ヘアメイク:田中マリ子、石田伸
- 音響効果:伊藤瑞樹
- スクリプター:押田智子
- VFXスーパーバイザー:オダイッセイ
- アニメーション:四宮義俊
- フードスタイリスト:飯島奈美
- 音楽プロデューサー:安井輝
- 宣伝プロデューサー:森朋子
- プロダクション統括:木次谷良助
- 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
- 特別協賛:大和ハウス工業
- 制作プロダクション:東映東京撮影所
- 制作協力:東京テアトル
- 企画・制作・配給:アスミック・エース
- 製作:『おらおらでひとりいぐも』製作委員会(アスミック・エース、バンダイナムコアーツ、DOKUSO映画館、朝日新聞社、JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント、日本映画専門チャンネル、河出書房新社、博報堂、岩手日報社、テレビ岩手、岩手朝日テレビ)