おれたちの頂
以下はWikipediaより引用
要約
『おれたちの頂』(おれたちのいただき)は、塀内夏子による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて、1983年30号から41号にかけて連載された。最終2話(第18話、第19話)はそれぞれ『週刊少年マガジン』51号および『少年マガジンスペシャル』1984年第7号に掲載された。単行本は少年マガジンコミックスから全2巻が刊行されている。
作者の塀内夏子にとっては商業誌における初の連載作品である。自分の作品ジャンルを見いだせなかったこと、作品に対する自信のなさにより、連載開始時は精神的に追い詰められていたことが、雑誌等のインタビューで語られている(後述)。
作品中にはヒマラヤの高所登山で帽子等をかぶらないシーンが描かれていることに対して塀内は、「極寒のヒマラヤで帽子をかぶらないで登るのはありえない(はず)。だけど、キャラの区別がつかなくなると困るし、髪の毛の動きがほしかったので、あえて帽子はかぶらせなかった」と記している。
主人公の邦彦と恭介の実家は横須賀市にあり、市内の高校に通っているが、物語の舞台は日本および世界の山であり岸壁となっている。
2019年に兵庫県立六甲山ビジターセンターの「登山マンガを読もう!」企画展では12本の山を題材とする漫画に選ばれている。
作品の背景
作者の塀内夏子は少女漫画家として1979年年にデビューするものの、自分は少女漫画の表現に不向きだと分かる。1982年に「背負子と足音」が少年マガジン新人漫画賞に入選し、少年漫画で再デビューを果たす。
1982年、1983年の少年マガジンには、「釣りキチ三平」「1・2の三四郎」「胸さわぎの放課後」「あした天気になあれ」「光の小次郎」「The・かぼちゃワイン」「あいつとララバイ」「コータローまかりとおる!」「バリバリ伝説」「バツ&テリー」などいくつかのジャンルの作品がバランスよく配置されていた。
塀内は自分の作品ジャンルが見出せず苦悩する。ラブコメディはもう二度と描きたくない。バイクマンガはどうしても理解できない。不良マンガは『マガジン』にコンテまで出していたんですけど、やっぱりわからないと消去していくうちに、スポーツマンガが残されたと語っている。また、編集担当者が山の漫画を描きなさいと助言してくれたのにも後押しされて「おれたちの頂」を執筆することになる。
しかし、連載当時の塀内の心理はかなり切迫したものであった。連載の7年後の雑誌のインタビューで「当時はただただ苦しかった。窒息しそうだった。スケジュールがではなく、精神的に辛かった。 自信が全然なかったから。その頃はラブコメの全盛期で、『軽薄短小』という言葉が流行った時代に、何故私はこんな暗い、ダサいものを描かなければならないんだろう、と思っていた」と語っている。
それに対して、2021年の塀内夏子オフィシャル・ウエブ・サイトでは「我が生涯で初めての単行本。なつかしい、いとおしい思いで一杯。たとえ絵がヘタクソでストーリーに多少難があっても...」と記している。
あらすじ
一ノ倉沢衝立岩
恭介の事故
喬戈里峰(チョゴリ、K2)
烏帽子岩大氷柱
エベレスト南西壁
ローツェ南壁
エベレスト厳冬期
登場人物
書誌情報
- 塀内夏子『おれたちの頂』講談社〈少年マガジンコミックス〉、全2巻
- 1984年3月18日第1刷発行、ISBN 4-06-172956-X
- 1984年3月18日第1刷発行、ISBN 4-06-172957-8
- 塀内夏子『おれたちの頂』講談社〈講談社コミックスグランドコレクション〉、全1巻
- 1990年11月発行、ISBN 4-06-313410-5
- 1990年11月発行、ISBN 4-06-313410-5
- 塀内夏子『おれたちの頂』山と渓谷社〈ヤマケイ文庫〉、全1巻
- 2014年4月18日発売、ISBN 9784635047760
- 2014年4月18日発売、ISBN 9784635047760