おれは男だ! くにおくん
漫画:おれは男だ! くにおくん
作者:穴久保幸作,
出版社:小学館,
掲載誌:月刊コロコロコミック,別冊コロコロコミック,
レーベル:てんとう虫コミックス,
巻数:全11巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『おれは男だ! くにおくん』(おれはおとこだ! くにおくん)は、穴久保幸作による日本の漫画作品。『熱血硬派くにおくん』を原案としている。1991年から1996年まで『月刊コロコロコミック』(小学館)で連載されていた。単行本は全11巻。
概要
テクノスジャパンから発売されたゲーム作品『熱血硬派くにおくん』を原案としたギャグ漫画。初期は原作ゲームと同様に様々な不良ライバル達とケンカやスポーツで戦っていたが、中〜後期はくにお達が様々な職業や金儲けに走る、低年齢向けの下ネタギャグを交えたオリジナル作品となった。テクノスジャパンの倒産や、ポケモンの人気により作者の別作品『ポケットモンスター』の開始により終了となる。
ゲーム版の登場人物は殆ど『ダウンタウンシリーズ』からの出演である。女性キャラはモブキャラクターのみで、ゲーム版からは一人も登場していない。これ以外にも各キャラ設定などは原作本来の設定とあからさまな相違や矛盾が多い。
単行本の登場人物紹介では、主要キャラ以外に一話限りのキャラ(江口洋助ノ助など)も解説していた。
2013年に『熱血硬派くにおくん』が実写ドラマ化され、DVD第1巻の特典として新作描き下ろし漫画が発表された。
コロコロアニキ2019年冬号にも新作描き下ろし漫画が掲載された。
登場人物
主要人物
くにお
熱血高校3年生。熱血高校の最強の男にしか許されない白ランを着ており髪型はアイパー。ケンカに強く、ダブルドラゴンを波止場から上野動物園まで投げ飛ばす、あらゆる物(ピアノ、パイプ、バスケットゴール、神社の狛犬)を破壊する、重さが200kgの巨大なフォークをマウンドからキャッチャーまで放り投げる等、超人的な力を持っている。巻末付録の4コマ漫画では、りきがタイムマシンに乗って赤ちゃんだった過去やヨボヨボになった未来で戦っても、マッハパンチで一蹴された。得意技は原作のマッハキックに加えてりきの必殺技であるマッハパンチも会得しており、寝込みで襲われても相手を返り討ちにする。情にも篤く、弱い者いじめは嫌い。成績は飛び抜けて悪いのにもかかわらず、ひろしの代わりにインチキ家庭教師をしていた。
性格は猿並みにバカでマヌケでスケベであり、助っ人で頼まれる際は現金や一ヶ月食べ放題よりもエッチ本を出しただけで素直に引き受ける。ドッジボール部主将。身長は当初周りのキャラと同じくらいだったが、何故か次第にくにお以外の身長が伸びており、明らかに一人だけ縮んで低くなってしまった。
注射が嫌いでわざと風邪を引こうとしたことがある。また、交通事故で一度死んだときは「試験や注射をしなくて済む」と大喜びし、生き返った後ももう一度死のうとしたため、こうじやひろし達に呆れられた。下戸で酒癖がとても悪く、花見をした時、誤って飲んでしまったコップ一杯の日本酒で思いきり酔ってしまい、町のシンボルである天然記念物の桜の大木の枝を思い切り折ったり鉋で削って駄目にした挙句、全裸になるほどだった。
後期あたりになると周囲の人物たちからはくにおのことを要注意人物扱いされたり、くにおがいるだけでイメージが悪くなるといわれるくらいの扱いにされる。金儲けや消防団、アシスタント、運転免許取得など様々な事柄にチャレンジし才能を発揮するが、あくどくドジでせこい行動が多い(特に終盤辺り。但し、相手側《特に運転免許や画伯の助手等》も無茶な要求をくにおに押し付けている部分がある為、見方によっては相手側に天罰が下った印象もある)。絶対に倒れない自転車を製造して販売した際は補助輪の経費をケチって木製にしたり(しかもすぐに補助輪の部分が折れた為に購入者の子供が大怪我を負ってしまい、大きなクレームが付いている)、書道の先生の掛け軸を駄目にした上、自慢の筆を箒と間違えて部屋中を掃いたりする等、最終的には失敗して悲惨な結末となる展開が多かった。この頃になると「喧嘩が強い熱血高校の総番」と言う設定はほぼ形骸化し、ツッコミとしてこうじを始めとする他のキャラに一方的な暴力を受ける事が殆どになっていた。そのキャラクター性は作者の次回作『ポケットモンスター』の主人公ピッピに受け継がれていく。
最終回でダブルドラゴンの誘いでアメリカのヤンキー達と戦うために渡米した。
こうじ
くにおのクラスメートであり友人。パーマ頭が特徴。初期はくにおを慕っていたが、徐々にくにおとつるみだしバカにする素振りも増えていった。初めは谷花高校のヤンキーを軽く倒すこともあったが、話が進むにつれ(相手が実力者とはいえ)竜一や浜岡に一撃で簡単に吹っ飛ばされる噛ませ犬になる。ひろし程ではないがくにおから財布を取られ勝手に一万円札をポケットに入れられたり、大浴場の水道管を破裂される被害を受けている。
ツッコミ役として日頃からくにおのボケに暴力的に突っ込んでおり、その立ち位置は作者の次回作『ポケットモンスター』のレッドに受け継がれていく。後期はひろしに代わり多少出番が減っていたが、生徒からはくにおよりもこうじの方が信頼され慕っていくようになる(その反面くにおからは全く信頼されなくなる)。
原作と同じく名前は「こうじ」だが、キャラクター紹介で「こーじ」と表記されている。また、誰かが彼の名を呼ぶときも「こーじ」である。
ひろし
原作ではくにおと同級生のはずだが、本作においてはくにおの後輩という設定となっている。ドッジボール部員。結構モテるらしく、バレンタインデーには多くのチョコを貰っている。初期は殆ど出番がなかったが、後期はこうじに代わるツッコミ役として登場するようになる(連載後期の多くがくにおとひろしの2人の話である)が、こうじのように暴力を振るう事は無い。くにおを慕っているが、くにおのマヌケで下衆な行動に巻き込まれる事が多く、くにおから財布やプールのチケットを勝手に取られたり、買ったばかりの自転車を壊されたりしたことが多々あったが、それでもくにおを嫌ったりはしなかった。たまにくにおと共にボケる事がある。
くにおやこうじがひろしの家庭環境を知らなかったために、自分の生活態度が災いして体重が増えてダイエットを決意した時は様々な要因が重なり、一方的に苦学生に間違えられてしまう。実際のひろしの家はかなり(庭にプールを備え付けられるくらい)裕福である。
鮫島力(さめじま りき)
花園高校の3年生でくにおのライバル。マジメで熱血漢だが調子に乗る事もある。当初はよく熱血高校に勝手に出入りすることが多く「ここに来ると落ち着く」と語るシーンもしばしば描かれた。リーゼント頭が特徴。学ランの下にはさらしを巻いている。何故か高校サッカー(のみならずだが)のインターハイに出場した過去があり、くにおの出場する大会やイベントなどに名前を変えて出場する事がある。ウサギが好きで、学ランにウサギのアップリケをしており、これが原因でくにおに弱みを握られてしまった上、最後にばらされてしまった。連載後半(6巻以降)では出番が急激に減った。
原作では留年しており彼女(島田真美)もいるが、作中ではそれらの設定はほとんど出てこない。住所は不明だが、くにおの家の隣に引っ越してくるエピソードがある。
最終回ではくにおの渡米に納得できず彼を殴り飛ばし、空港に見送りに来た仲間達の中にもただ一人姿を見せなかったが、最後はくにおの乗る飛行機を追いかけ、「アメリカに行っても№1になれよ!!」と餞別の言葉を送り、涙ながらに見送った。
園川薫(そのかわ かおる)
千里台高校の生徒。学ランでは無くてブレザーの制服を着ており、ぐるぐるメガネをかけていてナスのヘタの様な髪型と、容姿は原作とは異なる。手作りのくにおの人形を肌身離さず持っていたり、くにおの寝姿をビデオカメラでこっそりと撮影する等、異様な程までにくにおを一方的に慕っている。そのためにはた迷惑な行為に走ってしまう。原作通りケンカは弱いが本気で怒ると手がつけられなくなるほど見境無く暴れ出す。この時の強さはダブルドラゴンや近くにいたりきを気絶させたほど。一度くにおの追っかけをやめてりきのファンになったことがあったが、くにおの気を引くためであり、本当に寝返ったわけではなかった。
原作ではくにおのことを基本的に「アニキ」と呼ぶが、本作では一貫して「くにおさん」と呼んでいる。
山田大樹(やまだ たいき)
冷峰学園の3年生。くにおの中学時代の同級生でありライバル。何故か作中では後輩のダブルドラゴンを子分として利用しているが、大抵はうまくいかない。原作では後に明暗高校へ転校するが、今作では最後まで冷峰に在学し、藤堂とつるむことも殆どないなど異なる点が目立つ。また原作とは異なり、子分のダブルドラゴン兄弟(原作では子分でも何でもない)がくにおに敗れたことを知って敵討ちにくるなど、硬派な初登場を見せ、原作ほどの陰湿さは無い。原作同様、基本的にくにおに対抗しているが、大阪でくにおやりきが三羽がらす(後述)にやられかけた際はダブルドラゴンと共にくにお達に手を貸しており、義に篤い一面も覗かせている。カナヅチでもある。探偵・刑事のエピソードでは何らかの事件や事故で死亡した被害者として登場するも、最後で実はただ眠っていただけだったというオチがお約束になっている。初登場から一度もくにおと殴り合いの喧嘩で決着をつけたことはない。
服部竜一・服部竜二(はっとり りゅういち・はっとり りゅうじ)
準レギュラー
ゲームにも登場するキャラ
しんいち
五代奨(ごだい すすむ)
谷花高校の3年生。原作とは違って性格は好戦的であるものの、「何を考えているのか分からず、また一度キレたら殆ど手に負えない」程でもない上に喧嘩は弱く、何故かただのデブキャラとなっている。くにおとの初対面の際に「こだいこ(小太鼓)」と間違われた。原作では棒術スペシャルを使う最強クラスのキャラであるのに対して、この漫画では初登場こそくにおを苦しめたが(もっとも、その時くにおは空腹で力が出せなかったとのこと)、後にどんどんヘタレ化されていき『ケンカは弱い雑魚キャラ』設定へと変更され、くにおの強さを引き立てるだけのやられ役へとシフトしている。但し、コミックの最終巻(11巻)の表紙に登場している為、人気キャラの一人である事が窺える。
豪田剛(ごうだ つよし)
鬼塚崇(おにづか たかし)
鬼塚に従う名も無き子分達。冷峰学園に所属する四人組だが、それぞれ原作とは違って出番は少ない上に性格もセコく喧嘩も弱い。くにおを強く見せる為だけの引き立てモブ役。
西村成孝(にしむら なりたか)
この作品における最強の人物。白鷹工業高校の生徒で、第4巻に登場。原作通り太っているが、動きが俊敏で肥満体型が相手の攻撃の威力を吸収する。また独特の口癖も一切無く、相手を翻弄する俊敏さや打撃を受けても一切受け付けない打たれ強さを誇るなど、原作とまるっきり異なる点が多いが、子分の沢口らしき人物は登場している。学生だが何故か荒れた喫茶店のマスターをしている。また、この漫画ではなぜか五代や豪田、そして冷峰学園そのものをも制圧してしまうほどの強さを誇るという最強の人物という設定になっている。
本作では友人のひろしを誘拐した犯人としてくにおに疑われて成敗されるが、実際ひろしは単にカレーを食べに行っていただけで全くの無実である。
ウィリアム(うぃりあむ)
アメリカンハイスクールのドッジボール部キャプテン。原作ではマイク・タイソンに酷似しているゴツい容姿だが、この作品では美男子。普段は真面目かつ紳士に見えるが本性はヤンキー(原作ではヤンキーではない)。くにおを始めとする日本の不良を下に見ており、くにおと握手した際にくにおの右手に噛んでいたガムを付ける嫌がらせをしたり、ドッジボール部のメンバーを連れて商店街のゲームセンターで不良達に喧嘩を吹っ掛けている。
只、ドッジボール選手としての実力は凄まじく、前述のゲームセンターで偶然居合わせて喧嘩に臨んだりきを剛速球一撃で仕留めて病院送りにしたり、熱血高校との親善試合ではスケートリンクの様な氷上のコートという特殊なフィールドを活かし、その剛速球の風圧で氷を剥がし、その破片まで相手に飛ばすという特殊なシュートを繰り出してくにお達を大いに苦しめている。
しかし、試合中に噛んでいたガムを熱血高校側のコートに吐き捨てたのが仇となり、そのガムをくにおに滑り止めとして利用されて放った必殺ナッツシュートでウィリアム以下メンバー全員吹っ飛ばされてしまい、逆転敗北。最後はくにおに再びドッジボールでのリベンジを誓い、帰国の途に付いた。
漫画オリジナルのキャラ
若村(わかむら)
貴林(たかばやし)
重光(しげみつ)
浜岡(はまおか)
カレーの城のおやじ
ライト博士
悪井(わるい)
山本(やまもと)
りきの母
熱血高校関係
真似亜(まにあ)
江口洋助ノ助(えぐちようすけのすけ)
頭異々増(あたまいいぞう)
藤堂の弟
熱血高校に入学してきた藤堂の弟(原作では藤堂が末弟の為、存在しない)。くにおに挨拶代わりとしてエッチ本をプレゼントする。くにおは、当初はいい奴だと思っていたが、実はくにおを狙っていた。同じくくにおを倒して熱血高校のトップの座を狙っていた同級生の小林を軽く倒し、くにおに挑戦する。藤堂に似て本性は卑怯な性格で、くにおのパンチを防ぐために学ランの中に強固な鉄板を仕込んでいた。ひろしの学ランのボタンを全て寸分の狂いも無い蹴りで外すほどの空手使いで、ひろし曰く「お調子者のりきより強い」。
前述の鉄板で痛めた右手が使えなくなり不利に陥ったくにおであったが、今度は左手で殴ろうと駆けだした際、喧嘩の見物に訪れていたりきが食べて投げ捨てたバナナの皮に滑ってしまい、身体が勢いよくスクリュー回転。そのまま左手でマッハパンチを藤堂の弟にまともに見舞って吹っ飛ばし、弟を兄の藤堂護が乗っている長いリムジンの屋根にめり込ませた。
学食のおやじ
その他
モハメド・ポロチンコ
エンマ大王
ヘヘヘの金太郎
江口
有名人のパロディ
鼻久保不幸作(はなくぼふこうさく)
ナガシマ(長嶋茂雄)
マツイ(松井秀喜)
ラモーズ(ラモス瑠偉)
読み切り版との相違点
連載開始前に別冊コロコロコミック1991年10月号に掲載された読み切り版が存在し、単行本では1巻の巻末に収録されている。本編との違いは以下の通り。
- くにおは母子家庭で、ケンカに明け暮れた事で熱血に転入し、ケンカをしないと不在の父親(理由は不明)と約束していた。
- くにおが以前に通っていた学校については描かれていないが、熱血の不良達にもくにおの噂が知られていた。
- ひろしはいじめられっ子だが、本人は自分が弱いと思っていない。また、くにおとひろしは連載版よりも大きく描かれており、ひろしの顔も異なる。