この彼女はフィクションです。
以下はWikipediaより引用
要約
『この彼女はフィクションです。』は、渡辺静による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて、2011年11号から45号まで連載された。
概要
主人公・葉村裕里が想像し、実体化した架空のキャラクター「ミチル」と、一つ上の先輩・風子との恋愛を描くラブコメディ。
なお、本作が作者初の週刊連載作品となる。
あらすじ
葉村裕里は両親の転勤続きで住居を転々とし、いつもひとりぼっちだった。そんな彼が没頭したのが架空の恋人“ミチル”を10年にも渡ってノートに延々と描き続けるという秘密の趣味。
玉響西高校に入学し一人暮らしを始めた裕里は友人達に囲まれ、そして一つ年上の先輩・久住風子に恋した事でミチルとの決別を決意する。ノートを焼却して供養すべく、創作の神様を祀る神社へ赴いた彼が偶然出会ったのは憧れの風子だった。人知れずスランプに悩んでいた風子を励まそうと、彼女への想いと自らの趣味を明かすべく10年分のノートが詰まったバッグを開いた彼の前に、なぜか架空の存在であったはずのミチルが出現する。
登場人物
主要人物
葉村 裕里(はむら ゆうり)
本作の主人公。作中では主に「ユーリ」とされる。12月1日生まれ。身長167cm。体重53kg。B型。
高校入学まで、ミチル創作をライフワークとしていたが、一つ上の先輩・久住風子に恋をし、その趣味をやめたため、現在はほぼ無趣味。
幼少期から美術商である母親・愛理の仕事の都合で、全国を、時には外国をも転々としていた。高校入学をきっかけに、「もう大人だから」との理由で、一人暮らしを許され、玉響市に定住。愛理が立ち寄った際に泊まれるようにと、2LDKの部屋を借りたが、一度も宿泊に使われたことはなく、物置部屋となっている。
性格は心優しく、少々照れ屋な、どこにでもいる男子高生なのだが、この性格は”ミチル創作”をやめてから努力し、”矯正”したもので、それ以前の性格とは異なる。
画力は相当高いが、「ミチル」以外描いたことはほとんどない。
好きなものはオムライスとエビチリ。嫌いなものは揺れる乗り物(酔いやすいため)とピーマン。
蘭 未散(あららぎ みちる)
本作のヒロイン。作中での呼称は「ミチル」。12月1日生まれ。身長157cm。体重42kg。
ユーリが10年に亘りノートに描いてきた架空の恋人。だが、風子に恋をし、この趣味を捨て去ろうと決心し、今まで書いてきたノートやポスターを創作の神様が祀られているという玉響神社で焚き上げしようとするが、神社だけ嵐に飲み込まれるという事態に遭遇、実体化してしまう。
性格は天真爛漫で明るい。「ですます」口調でしゃべるため、おとなしい性格かと思いきや、一度決めたことは曲げない芯の強さも持つ。一途で非常に純愛。
少し天然であり、世間知らずなところもあるが、魅力の一つ。
好奇心は旺盛で、興味があることはとことん知りたがる。物覚えも早い。感受性も豊かであり、感動屋。感情表現の幅も広く、表情がコロコロ変わる。現在の日本女性が忘れている、可憐さ、清楚さをも兼ねそなえており、現実世界の女子とは全然違う。
好きなものはチョコレート。いやなことがあったら、チョコレートをドカ食いして忘れようとする。嫌いなものはクモ。姿を見るだけでパニックをおこす。
久住 風子(くずみ ふうこ)
もう一人のヒロイン。作中での呼称は「フーコ」。9月15日生まれ。身長164cm。体重41kg。
15歳で文芸誌の新人賞を受賞し、その容姿も相まって注目される天才文学美少女。
男子よりも女子からの人気が高く、現在の玉響西高文芸部の1年生は、彼女にあこがれて入部したものがほとんど。また、教師からも一目おかれており、校内において相当な発言力がある。成績も優秀。
デビュー作で得た印税は、半分両親にあげ、残りの額のさらに半分を定期預金にしたが、それでも高校生にしてはかなりのお金持ちである。
感情が高ぶると、発言が熟語のみになってしまう癖がある。
性格は冷静沈着と周囲から認識されていることを自覚し、それを多少意識的に演じているフシがあるが、実は明るくおどけた一面も持っている。思慮深く、頭も切れるが、こと色恋沙汰に関しては致命的にニブい。知識としては人並み以上に興味を持っているものの、典型的な「自分の経験を作品に生かす」タイプの作家であり、恋愛経験の乏しさに悩んでいる。
好きなものは紅茶、読書、紙の本。紙の手触りやにおいも含めて読書体験だと思っており、電子書籍に対しては、その便利さを認めながらも、寂しさを感じている。好きなジャンルは様々で、コメディからミステリーと幅広いが、実は一番好きなのは、ラブストーリー。嫌いなものは運動と悪口。
なお、当初登場予定はなかったが、連載としてタテすじが必要だったため、主人公とダブルヒロインの三角関係を作るべく、生み出されたキャラクターである。
単行本2巻の表紙で手にしている文庫本は作者がファンだという森博嗣の『Φは壊れたね』。
玉響西高校文芸部
水島 ナズナ(みずしま ナズナ)
中村 小牧(なかむら こまき)
佐伯 真子(さえき まこ)
姫咲 ゆきの(ひめさき ゆきの)
栄 奈津子(さかえ なつこ)
藤本 結奈(ふじもと ゆいな)
門倉 幸子(かどくら さちこ)
その他
アム
フーコのデビュー作『Q:シルエット』に登場する架空のキャラクター。しかし、玉響際で行われた、文芸部による『追憶のデルタ』を公演中、「ミチル」の自我がユーリに攻撃してしまったことで揺らぎ、消えかけたことで、「架空」と「現実」のはざまにある越えられない壁に唯一ある扉が開き、「架空」に戻るための通路が出来た。が、「ミチル」は自我を取り戻したため、結果、一人分の通路が開いたままとなり、玉響神社に捨てられていた、『Q:シルエット』の構想ノートに描かれていたために実現化。
気が強い性格で、「理性の糸」を切るという特殊能力を持つ。この糸を切ることにより、理性を失わせた相手を5分間だけ、シモベにすることができる(この設定は当時、恋愛経験の乏しさに悩んでいたフーコが、「分からないなら、作ればいい」と作った裏設定である)。
用語解説
玉響神社
なお、神社を壊してしまえば、神社の力は失われ、「ミチル」と「アム」は消える。
また、敷地のどこかにハート形の石が落ちており、それを手に入れた者は将来幸せな結婚ができるという伝説がある。という話をフーコが作り、「ミチル」達に話していたが、「ミチル」が本当に見つけたことから、実際にハート型の石は存在するようである。
Q・シルエット
後にこの作品に登場した、「アム」が実体化することとなる。
書誌情報
- 渡辺静『この彼女はフィクションです。』 講談社〈少年マガジンKC〉、全4巻
- 2011年6月17日発売、ISBN 978-4-06-384512-9
- 2011年8月17日発売、ISBN 978-4-06-384541-9
- 2011年10月17日発売、ISBN 978-4-06-384571-6
- 2011年11月17日発売、ISBN 978-4-06-384590-7