ご主人様は山猫姫
ジャンル:ファンタジー,
小説
著者:鷹見一幸,
出版社:アスキー・メディアワークス,KADOKAWA,
レーベル:電撃文庫,
巻数:全13巻,
以下はWikipediaより引用
要約
『ご主人様は山猫姫』(ごしゅじんさまはやまねこひめ)は、鷹見一幸による日本のライトノベル。イラストは春日歩。電撃文庫(アスキー・メディアワークス→KADOKAWA)より2009年4月から2014年4月まで刊行された。
当初12巻完結を予定しており、11巻あとがきにも12巻完結の記述がある。しかし、外伝として予定されていた話が描き切れなかったため、2巻程度続刊する計画がある。なお、11巻あとがきには、別途、新シリーズとして同じ世界の50年後を舞台とした海洋冒険ものを企画している旨の記述もある。この企画の冒頭部分は一部がカクヨムで公開されている。
8世紀から12世紀頃の中国をモデルにした架空の国延喜帝国の若者とその北方に暮らす遊牧民シムールの姫の物語。
あらすじ
登場人物
侘瑠徒「北域維新軍」
後に北域十二都市の内、九都市を治める「北域国」となる。今までの帝国になかったシムールとの同盟関係を持ち、その騎馬兵力は北域国の強大な力となっている。今やその勢力は飛ぶ鳥を落とす勢いがある。
泉野 晴凛(せんや せいりん)
主人公。初登場時は19歳。泉野家の三男だが兄二人とは母が違う異母兄弟である。後妻である母親は辺境の王族の血を引いている。エリート一家の生まれだが、優しい性格のため、武人には向ないと判断され、暗記も苦手なために科挙に連続して落第し、落ちこぼれと呼ばれていた。幼いころから市場で遊んでさまざまな言語に精通しており、シムールの言葉を話せるのを月原弦斉に買われ、ミーネ姫の教育係となる。やや気弱なところがあるが心優しく誠実な性格であり、わがままだったミーネも心を許している。
侘瑠徒の総督だった月原弦斉が苑山燕鵬との確執から解任された後、シャン族の居留地でしばらく生活をすることになる。その折、弓聖と名高い老人ルデルに弓の扱いを教わり、鍛試(試験)を経て、龍射(帝国における百騎長)の称号を受ける。その弓の実力はシムール・帝国双方でも並ぶ者無き腕前となる。ひょんなことから侘瑠徒の町を守る総大将となり、第一次侘瑠徒防衛戦ではシムールのタッケイ族・ユルム族の連合軍3万人に対し、皇伏龍の立てた霜弊経の像を使った策略と自身の弓技にて勝利する。だが月原弦斉と、弦斉を憎む苑山燕鵬の確執から中央に疑われて謀反人に仕立て上げられてしまう。そのためになりゆきから「侘瑠徒」の王を名乗り、「尊王討奸」の旗を掲げて世直し軍を立ち上げることとなる。
帝国との不利を少しでも覆すためにシムールの首都エルソムへと赴いた際は、ミーネ姫の提案とシャール姫の要望を叶えたタッケイ族長スンタタの懇願からシムール初の妻を決める料理勝負へと発展する。結果は紆余曲折を経て、3年後に改めて決めることとなっている。そのような出来事と性格も気に入られ、シムール族王エオルとは友好な関係を築いている。帰国後、謀反鎮圧のために送り込まれた帝国緑軍三万との第二次侘瑠徒防衛戦では苦境に陥るも、思いがけない援軍もあり、結果的に大勝利する。延声攻略戦の後、犂山綾世の推挙で「北域王」を名乗ることになる。
帝都に潜入していた伏龍から長嶺帝暗殺計画を知らされて、それを防ぐために伏龍の策で世間には内密で出陣し、長嶺帝の救出に成功する。
長嶺帝を保護した後、エオル王から叱咤を受けた長嶺帝の意を受け、帝国の崩壊を食い止めるために出陣し、帝都近くの征古原で帝国軍と合流する。
とある事情から一時期眼帯を付けていたため、(メンミにドツかれただけだが)隻眼であると言う噂が広まり「北域の独眼竜」とも呼ばれる。その弓の腕前から、70年前の「北擾の役」に英雄と称えられた霜弊経の生まれ変わりとも評されている。
シャン・クム・ミーネ
シルム・カンカ・ミリン
皇伏龍 (こう ふせたつ)
初登場時は21歳。酒場で出会った帝都出身の男。本名は神流千斗(しんりゅう せんと)といい、帝都でも有名なエリート養成塾錬涯塾(れんがいじゅく)の出身だが、酒の旨さを知って落ちぶれたという。シムールとの戦いでは、晴凛や仲間達と共に霜弊経の像を使った策略で撃退に成功する。帝国緑軍との戦いでは、延声の補給担当官を篭絡し緑軍を兵糧攻めにしたり、小細工を繰り返して軍の士気を低下させる等その智謀の冴えを見せつけた。
かなり(悪い意味で)イイ性格をしており、ミーネ姫が見習ってはいけない人間だと晴凛に注意する程。昔、実家の神流想易学の学問を女性心理に適用しようとして、手酷くフラれた経験を持つ。そのためにアイリーンからのアプローチにも踏み込めない模様だったが、ある事情で傷付いていた彼女を受け容れることでアイリーンとの関係にも決着をつけた。
現在の正確な情報を得るために帝都に潜入し、錬涯塾の恩師やかつての仲間達を組織して長嶺帝暗殺計画という情報を得、北域国へと帰還し、晴凛達と共にその計画を防ぎ、長嶺帝の保護に成功する。
征古原の戦いにおいても帝国・北域連合軍の軍師となり、策を献策する。
博識で政治の情勢にも詳しく、北域国のみならず、帝国内にもその名を轟かせる比類なき名軍師。
アンギュトヌス・アイリーン
伏龍を追って侘留徒にきた謎の美女。知の教団と呼ばれる秘密結社の一員で、教団からの使命は有能な人物の子供を授かること。言葉や行動の端々にその思想が現れていて、普通を望む伏龍にそのゆえんでつれなくされているが、そんなことお構いなしにアプローチしている。ただし、伏龍に対する感情は、使命感だけでは無い模様。
実情のわからない帝都に伏龍と共に侵入し情報収集をする。その際、教団に足を運んだが、その際に教義に疑問をぶつけたために破門となる。だが、そのことで逆に伏龍に決断させる切っ掛けとなり、伏龍と結ばれることとなった。その後、伏龍と共に帝都を脱出し、長嶺帝暗殺計画を止めるため、一人運例に残って情報収集を行う。
ミーネ姫が色々と余計な知恵をつけている原因でもある。
タッケイ・ラム・シャール
メンミ
正剛龍飛 (せいごう りゅうひ)
諒奏 (りょうそう)
泉野 光凛(せんや こうりん)
孟旗 (もうき)
燎原(りょうげん)
延喜帝国
およそ二百年の歴史を持つ大帝国。現在の皇帝は第5代長嶺帝。だが、皇帝はまだ幼く、その内情は汚職と苑山燕鵬の専横、摂政である菰野盛元の情実人事によって腐敗しきっている。軍は歩兵が中心で、数に頼る戦法を得意としている。
苑山燕鵬(そのやま えんほう)
菰野盛元(こもの せいげん)
菰野将阮(こもの しょうげん)
劫陸 (ごうりく)
沢樹延銘(さわぎ えんめい)
伏龍の錬涯塾の後輩で、異例の処置で侘留徒攻略軍の司令官になった男。練涯塾時代よほど伏龍にやり込められたらしく伏龍に強い敵愾心を持っている。
科挙の最年少合格記録保持者であり、孟旗に作戦立案能力だけなら信頼できると判断されたり、伏龍に自分よりよっぽど頭が回ると評されるなど高い能力がある。実際、第二次侘留徒攻防戦では、伏龍の作戦を幾度も見破り、あわやのところまで侘留徒を追い詰めている。しかし人間性に致命的な欠陥があり、それ故に第二次侘留徒攻防戦、延声攻防戦と立て続けに晴凛達に敗れた。戦後処理で命は助けられたものの自分の失策を帝国全土に知らされ、大変不本意な形で「帝国の歴史に名が残る男」となる。後に名誉回復を狙い、正体を隠して南の反乱軍に協力し、その勝利に貢献することになる。
自尊心が満足すると得意気に鼻の穴が膨らむ癖がある。
榎耶(えのきや)
泉野 聡凛(せんや そうりん)
月原弦斉 (つきはら げんざい)
晴凛の雇い主。元北緯庁総督。官民に信頼厚い優秀な宰相だったが、それを苑山燕鵬に妬まれ宰相を解任された上、辺境(侘留徒)に左遷される。元々本人に野心など無く、真に帝国のことを想ってシムールのシャン族との友好関係を築くことに成功するが、自身を基準にした苑山の疑心から南域の承安に送られ軟禁される。その後の承安軍の決起で開放されたが、長い軟禁生活から体調を崩していたことを理由に承安軍から再び軟禁され、名声のみを利用されることとなった。
帝国(苑山)からは南北の反乱首謀者と断定されているが、すでに開き直っており、時折面会に来る承安軍の司令官・面涼を指導しながらこの反乱を利用して帝国の刷新を行おうとしていたが、南域軍の想像を超えた勢いに帝国の最後を感じ始めており、絶望し始めている。
長嶺帝(ちょうれいてい)
シムール
エオル王
ハグロラ
承安軍
北域の噂を聞いて南域の豪商たちが連合し、左遷されてきた役人「面涼」を神輿にかついで立ち上げた反乱軍。基本的に喰いつめ者や盗賊をかき集めた烏合の衆。補給や政治等には興味の無い略奪者の集団だったが、仮面の軍師、崇鳳が参加してからは、それなりに軍隊としての体裁を整えつつある。
面涼(めんりょう)
崇鳳(すうほう)
既刊一覧
- 鷹見一幸(著) / 春日歩(イラスト) 『ご主人様は山猫姫』 アスキー・メディアワークス→KADOKAWA〈電撃文庫〉、全13巻
- 「辺境見習い英雄編」2009年4月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-867770-7
- 「辺境駆け出し英雄編」2009年7月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-867908-4
- 「辺境新米英雄編」2009年11月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-868148-3
- 「辺境若輩英雄編」2010年3月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-868401-9
- 「辺境中堅英雄編」2010年7月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-868646-4
- 「辺境双璧英雄編」2010年11月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870094-8
- 「北域見習い英雄編」2011年4月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870422-9
- 「北域覇王編」2011年8月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-870741-1
- 「帝国崩壊編」2012年3月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886547-0
- 「北域王雄飛編」 2012年8月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-886709-2
- 「南北雌雄決戦編」2012年12月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-891165-8
- 「帝都再興編」2013年5月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-891664-6
- 「大団円終劇編」2014年4月10日初版発行(同日発売)、ISBN 978-4-04-866224-6