それゆけ、ジーヴス
以下はWikipediaより引用
要約
『それゆけ、ジーヴス』(原題:Carry On, Jeeves )は、イギリスの作家P・G・ウッドハウスによるユーモア小説の短編集。
1925年10月9日にイギリスのハーバート・ジェンキンス社から、1927年10月7日にアメリカ合衆国のジョージ・H・ドラン社から出版された。全10編が収録されており、そのうち8編が『サタデー・イブニング・ポスト』に掲載された。また、一部は1919年に出版された短編集"My Man Jeeves" の収録作品のリライトであるため、初出が『比類なきジーヴス』より先の作品もある。
1番目に収録されている「ジーヴス登場」(原題:Jeeves Takes Charge )は、ジーヴスがバーティーに雇われることになった経緯のほか、フローレンス・クレイ嬢、エムズワース卿とブランディングス城のことも述べられている。
収録作品の一部はニューヨークを舞台としているが、ビンゴ・リトル、ダリア叔母、アナトール、サー・ロデリック・グロソップなどシリーズおなじみのキャラクターも登場する。
収録作品
略称:SM - ストランド・マガジン()、SEP - サタデー・イブニング・ポスト()
あらすじ
ジーヴス登場
急いで屋敷に戻ったバーティーにフローレンスは、ウィルビー伯父が出版しようとしている伝記の原稿を盗んで処分するよう告げた。それが出版されれば、ウィルビー伯父と親しかった彼女の父親の若かりし頃の、目も当てられない悪行も漏れなく露見してしまうからだという。これを成し遂げられなければ婚約は解消すると言われ……。
フローレンス・クレイ - 横顔が非常に美しい、バーティーの婚約者。癇癪持ちで使用人には横柄な態度で接する。
ワープルスドン卿 - フローレンスの父親。変人で癇癪持ち。過去にジーヴスが仕えていたことがある。
オーブリー・フォザーギル - 服装に関して従者の強硬な反対にあい、意志を曲げざるを得なくなった、バーティーの友人。
ウィルビー - シュロップシャーに邸宅を構える、バーティーの伯父。青年時代のやんちゃ振りも交えた一族の歴史について執筆中。ワープルスドン卿とはオックスフォード大学以来の友人。
オークショット - イーズビー荘の執事。
エドウィン - フローレンスの弟。14歳。フェレットのような顔。ボーイスカウトに入団したばかりで、「一日一善」のネタを探し回っている。
コーキーの芸術家稼業
ある日、婚約者のミュリエル・シンガー嬢を伴ってバーティーのフラットを訪れたコーキーは、叔父を怒らせずに自分たちの結婚を認めさせるにはどうすればいいのか助言を求めてきた。全てジーヴスに任せようと、バーティーは事の顛末をジーヴスに話す。ジーヴスは、シンガー嬢が鳥に関する本を書いて、ウォープル氏と知己を得てはどうかと提案する。だが、バーティーが所用でニューヨークを数カ月離れている間に、事態は急変していた。ニューヨークに戻ったバーティーは、ウォープル夫人となっていたミュリエルと再会する。
コーキー(ブルース・コーコラン) - 自称・肖像画家。叔父からの援助と新聞のコミック欄の仕事で何とか生活を凌いでいる。
アレクサンダー・ウォープル - コーキーに経済的援助をしている叔父。ジュート(黄麻)を商っている。余暇は鳥類学者として活動する。
ミュリエル・シンガー - コーキーの婚約者。舞台でコーラスガールをしている。
ジーヴスと招かれざる客
早く出ていって欲しいと考えるバーティーだが、運悪くその日の朝、ジーヴスの反対を押し切って陽気なピンクのネクタイを付け、ジーヴスの機嫌を損ね、彼の知恵は借りられそうにない。ウィルモットとの生活に耐えられそうになく、田舎の友人の家に一週間ほど出かけて帰ると、ウィルモットはフラットにはいなかった。何と、警官に暴行を働いて刑務所送りになったという。
レディー・マルヴァーン - アガサ伯母の友人。息子をモッティーちゃんと呼び溺愛している。
ウィルモット(パーショア卿) - レディー・マルヴァーンの息子。23歳くらい。田舎での抑圧された生活に嫌気が指していた。
ロッキー・トッド - バーティーの友人。ロング・アイランドの未開の荒野に一人で暮らす変わり者。
ジーヴスとケチンボ公爵
伯母さんとものぐさ詩人
バーティーから知恵を出すよう求められたジーヴスは、誰か別の人物に頼めばいいと提案し、バーティーはそれをジーヴスがやるのが一番いいと決める。ジーヴスから伝え聞いた事を手紙で伯母に伝え続けていたところ、ロッキーの文才のおかげで臨場感溢れるその様子に魅了された伯母が、ロッキーのいないニューヨークへ来てしまった。
ロッキー(ロックメトラー・トッド) - ロング・アイランドの田舎で暮らす詩人。名前は伯母に因んで名付けられた。
イザベル・ロックメトラー - イリノイ州に住む、ロッキーの伯母。自分を不治の病だと思い込んでいる。
旧友ビッフィーのおかしな事件
それから10日と経たない内に、ロンドンに戻っていたバーティーは、新聞でビッフィーとグロソップ嬢の婚約が成立したことを知る。後日再会したビッフィーの顔からは、生気が失われていた。かつてバーティーも短期間だけ婚約していたことがあるため、グロソップ嬢とその父、サー・ロデリック・グロソップの恐ろしさは身を持って知っている。ビッフィーを哀れに思い、婚約を破談にする方法が何かないかとジーヴスに相談するが、これまでにない冷たい態度で、個人的なことに立ち入らない方が良いと切って捨てられてしまう。
ビッフィー(チャールズ・エドワード・ビッフェン) - バーティーの旧友。ヘレフォードシャーで牧畜業を営む大地主。頭が毛糸でできているような、度を超えたうっかり者。
メイベル - ニューヨークへ向かう客船でビッフィーと恋に落ちたモデルの女性。中産階級の家柄の出身。
サー・ロデリック・グロソップ - ビッフィーの婚約者の父親。神経の専門家(精神科医)。『比類なきジーヴス』に登場。
刑の代替はこれを認めない
責任を感じたバーティーは、ジーヴスの提案により、シッピーの振りをして当地を訪れることにする。だが、バーティーがそこで会ったのは、悪夢のごときオノリア・グロソップ……と瓜二つの従姉妹だった。何とか使命を果たしたいと思うバーティーだが、オノリアと同じ顔が側にいると考えると気が重くなり、何とか彼女を避けようとする。
シッピー(オリヴァー・ランドルフ・シッパリー) - 自称作家。バーティーの友人。警官に暴行を働き、30日間の拘禁刑に処せられる。
ヴェラ・シッパリー - シッピーが生活の全てを依存している伯母。ヨークシャー州に住む。傲岸で短気。
プリングル教授 - ケンブリッジに住む、シッパリー老嬢の友人。痩せていて、禿げている。
ジェーン・プリングル - プリングル教授の伯母。86歳。昔、シッピーにネコをいじめられたことを根に持っている。
エロイーズ・プリングル - プリングル教授の娘。従姉妹のオノリア・グロソップと瓜二つ。
エグバート - シッパリー老嬢と同じ街の警官。ジーヴスの従兄弟。
フレディーの仲直り大作戦
ビンゴ救援部隊
リトル家のシェフをトラヴァース家に譲るというジーヴスの最初の案が上手く行かず、追い込まれたビンゴは、イーズビー荘の時のように、記事の内容が録音されている録音機を盗み出して欲しいとバーティーに頼む。
ダリア・トラヴァース - バーティーの叔母。『ミレディス・ブドワール』という淑女雑誌を発行している。
リトル夫人 - バーティーの幼なじみ、ビンゴの妻。ロージー・M・バンクスという名の人気作家。
アナトール - リトル家のフランス人シェフ。途轍もない情熱と技能を有する。小間使いの女性と恋仲。
メアリー - リトル家の女中。掃除の際に、破壊屋のごとく家中のものを壊して回る。
ジョージ・トラヴァース - バーティーの伯父。お祭り騒ぎ好き。
バーティー考えを改める
ブライトンからの帰り道、学校をサボった少女と出会う。子どもに対して優しくなっているバーティーは、彼女が校長先生に怒られないように協力しようと言い出す。ジーヴスはこの機にバーティーの考えを改めさせようと策を巡らせる。
ペギー・マナリング - 学校を抜け出した少女。父親は高名な教授。
ミス・トムリンソン - 少女が通う女子校の校長。