でたまか
以下はWikipediaより引用
要約
『でたまか』は、鷹見一幸による日本のライトノベル。イラストはChiyokoが担当している。角川スニーカー文庫(角川書店)より2001年3月から2006年5月まで刊行された。
圧倒的な力で攻めてくる敵を相手に、知恵を用いて事態を打開して行くスペースオペラ。最初は一地方星系の話だが、やがて人類の存亡をかけた物語になる。
あらすじ
マイド・ガーナッシュという一人の青年が、世の中の理不尽と闘いながら、一人の英雄として人類を救うまでの大河ドラマである。
- アウトニア王国奮戦記
カネなしコネなし色気なしの帝国のビンボー貴族であるマイド・ガーナッシュは、士官学校での門閥貴族であるアリクレスト・マルスとの軋轢から、士官学校を首席で卒業後に本来受け取るべき栄誉を剥奪されて辺境の惑星国家アウトニアに左遷される。惑星国家アウトニアへ向かうためにシザーズクイーン号に便乗したことで運命の歯車が大きく動くことになる。
アウトニア王国の王族とほのぼのとした生活が始まる一方で、神聖ローデス教国の猛威がアウトニア王国を襲った。帝国本国に救援を求めるも、アリクレスト・マルスの策略で孤立無援となる。
マイドの「イイ性格」と「イイ仲間」による逆転劇で神聖ローデス教国を撃退するものの、帝国の皇位継承の権力争いに巻き込まれ、マイドに面目をつぶされたマルス家によりアウトニア王国は滅ぼされる。
- アウトニア王国再興録
アウトニア王国の難民はネオ・アウトニアに強制移住させられた。
次期皇帝殺害の冤罪をかけられたマイドは地下にもぐることになる。マイドがマルス家の陰謀を解明していく過程で、帝国は内戦に突入していく。アリクレスト・マルスの魔の手はついにマイド率いるアウトニア連合艦隊と激突することになる。
敗色を感じたアリクレスト・マルスが神聖ローデス連合と手を組んだことで、一気に内戦は終局に向かって流れ込んだ。
- アウトニア王国人類戦記録
人類が初めて異種知的生命体に遭遇した。しかしその生命体であるザナックスは、人類の生活圏そのものを破壊する人類とは相容れない存在であった。
帝国は神聖ローデスと武力併合し、マイドの指導の下でザナックスに対して反抗する人類統一戦線が発動する。
ザナックス排除後、マイドとメイは静かに政治の表舞台から引退していくのだった。
登場人物
アウトニア
マイド・B・ガーナッシュ
メイ・シザーズ
ヴァルゲイン
マリリン・コイズミ
ケルプワイン海賊団
ケルプ・S・ワインガー
ワタル・ロングウェイ
メス猫カルテット
義勇軍
マルス家
皇室御三家のひとつ。軍人が多く力のマルスと呼ばれている
ディア家
トゥナイツ家
神聖ローデス教国
用語
電子人格
タンホイザーゲート
制作背景
『アウトニア王国奮戦記』の3冊を書き上げた後、販売不振で打ち切られた。その後、一部の熱烈なファンにより、読者のアンケートとお手紙で復活と打ち切りを繰り返しながら完結までシリーズが続いた。本編最終巻である『アウトニア王国人類戦記録 長嶺来光篇』が出た後で担当の編集者から「今の売れ行きなら後1冊出せます、でも締切まで2週間しかありません」と言われて、2週間で『終劇追幕篇』を書き上げたという逸話が残っている。
後年発表された関連作である『銀星みつあみ航海記』は、同じ世界設定の数百年くらい過去の話になる。『銀星みつあみ航海記』の主人公たちが手に入れたオンボロ中古宇宙船「銀星号」が、でたまかの「シザーズクイーン号」である。なお、『銀星みつあみ航海記』はアウトニア王国建国の話まで続く計画であったが、4巻で販売不振で打ち切られている。
登場人物の名前や固有名詞は作者の知人や友人から、アウトニアの名称は『月刊OUT』の廃刊にそれぞれちなんでいる。また、シリーズタイトルの『でたまか』は、堀井雄二が『月刊OUT』で連載していた読者投稿コーナー「ゆう坊のでたとこまかせ」の略称が元ネタである。「鷹見一幸」は初期には兄弟二人のペンネームであったが、兄の榎野英彦が月刊OUTの編集スタッフ兼ライターとして活動していた。『月刊OUT』の復活運動の傍らで、本作のプロットが作成されたという経緯がある。「月刊OUT」の影響からか、でたまかでは、宇宙戦艦ヤマトなど他の作品にオマージュした表現や設定がちりばめられており、ファンの間では元ネタが何か話題になったという。その一方で、斬新なSF設定もいくつかあり、その後のラノベの流行の先駆けになっている点もある。
既刊一覧
- 鷹見一幸(著) / Chiyoko(イラスト) 『でたまか』 角川書店〈角川スニーカー文庫〉、全16巻
アウトニア王国奮戦記(本編第一部)
アウトニア王国再興録(本編第二部)
アウトニア王国人類戦記録(本編第三部)
アウトニア王国拾遺録(短編)