ところにより、雨
以下はWikipediaより引用
要約
『ところにより、雨』(ところにより、あめ)は、赤川次郎による日本の短編小説。1977年(昭和52年)に雑誌掲載された(出版は1978年6月)本格推理小説である。
宇野警部と女子大生の夕子を主人公にした「幽霊シリーズ」の一つ。赤川の最初期の作品でまだジュブナイル(ヤングアダルト向け)要素は薄く、シリーズ中でも特に本格色が強い。
あらすじ
晴れた日に都内のT大学の地下書庫へ通じる階段の下で、研究生・青木の死体が発見される。なぜか遺体は傘を持ち、ゴム長靴を履き、レインコートを着ていた。第二(助手・中野)・第三(大学理事・川島未亡人)の事件も他の場所で連続して起きるが、やはり雨でもないのに傘を持ち、長靴を履いて、レインコート姿だった。宇野刑事と大学生・夕子の幽霊コンビが謎に挑む。
登場人物
- 宇野喬一 - 「幽霊コンビ」と呼ばれる主人公二人組。警視庁捜査一課の警部。
- 永井夕子 - 同。今どきの快活な女子大生。
- 原田刑事 - 宇野の部下。だみ声の刑事。
- 青木研究員 - T大学文学部の院生。傘・レインコート・長靴を大学の書庫に置き傘(雨具)していた。
- 青木治子 - 亡くなった青木の妻。青木とは同じ研究室に所属していた。黒いワンピースで小柄な体。宇野曰く喪服が唆るとの寸評。
- 中野助手 - 同じくT大学文学部の川島研究室の助手。第二の被害者。やはり雨具三点を着用して死んでいた。
- 川島教授 - 同研究室の助教授。端正な顔でやや長髪で上品な雰囲気。女子学生に人気。
- 川島芳子 - 川島教授の養母。夫(川島教授の父)は既に他界している。実業家だった先代のひとり娘でまだ若く美しい。大変な金持ちでT大学の理事。着ていたレインコートも傘も長靴も見るからにいたって高級品。
提示される謎
- 連続殺人(本命のターゲットは誰か)
- ホワイ・ダニット(なぜ被害者はみな雨支度なのか)
映像化
1981年4月11日、テレビ朝日系「土曜ワイド劇場」』で「幽霊シリーズ」第五話『迷探偵コンビ潜入せよ!幽霊学園祭』として放送された。
配役
- 永井夕子(女子大生探偵) - 浅茅陽子
- 宇野喬一(迷刑事・警部) - 田中邦衛
- 警視庁捜査一課長(宇野の上司) - 小沢栄太郎
書誌情報
- 「ところにより、雨」『オール読物』1977年10月号 文藝春秋
- 『幽霊列車』(第四話 ところにより、雨)1978年6月 文藝春秋(単行本)
- 『幽霊列車』(ところにより、雨)1981年8月 文春文庫
- 『幽霊列車』(ところにより、雨)2016年1月 文春文庫【新装版】 山前譲 解説 ISBN 978-4-790-530-9