どうぶつの国
以下はWikipediaより引用
要約
『どうぶつの国』(どうぶつのくに)は、雷句誠による日本の漫画作品。『別冊少年マガジン』(講談社)2009年10月号(創刊号)から2013年12月号まで連載された。 2013年、講談社漫画賞児童部門受賞。
連載開始と『別マガ』創刊の宣伝を兼ねて、創刊日と同日に発売された『週刊少年マガジン』2009年41号に「エピソード0」が掲載されたほか、『週マガ』2010年16号と同年38号にも出張読み切りとして番外編・特別編が掲載されている。なお「エピソード0」は単行本1巻(初版)や別マガの作者コメントでは単行本2巻に掲載と発表されたが、展開の都合で3巻に掲載となり単行本2巻の書き下ろしページにお詫びが掲載された。また『別マガ』2010年3月号には創刊半年記念として多数の漫画家が「どうぶつの国」を題材に描いた「どうぶつ4コマ」が掲載され、現在は『別マガ』公式サイトにて無料配信中である。
本作の第6巻には『 金色のガッシュ!! 外伝 友』が収録されている。
あらすじ
動物たちが暮らす弱肉強食の星「どうぶつの国」に現れた人間の赤ん坊タロウザ。1、2巻では母親としてタロウザを育てるモノコ達の暮らしや、生きていくための戦いが描かれ、3巻以降は7年後の世界に移り、タロウザは草食動物と肉食動物とが仲良く暮らす方法を模索する。そして8巻の初めで3年経過し、悲劇を経てさらに5年が過ぎていくと青年編が始まり、タロウザ達が最後の決戦に挑む。
登場キャラクター
ヒト
他の動物より知能が良く、どんな鳴き声の動物とでも会話することができるという不思議な力を持っており、その力が他の動物に影響を与え、「どうぶつの国」を変えていく。尚、この国にヒトは5匹存在(クジラのエクトールは「もう5匹しかいない」と発言しており、昔ヒトが造り、住んでいた施設が発見されており、昔はもっと存在したという描写がある)。
タロウザ / 桃乃家 太郎座(もものや たろうざ)
本作の主人公。どうぶつの国に現れたヒトの赤ん坊の男の子。人間の世界で母親に捨てられた赤ん坊であったが何故かどうぶつの国に流れ着きモノコに発見された。最初は母親に捨てられた心の傷によって生きる意思を失っていたがモノコや他のタヌキ達の頑張りによって生きる意思を取り戻しモノコに育てられることとなる。
全ての動物と話せるが故、肉食動物に食べられる草食動物の悲鳴が聞こえてしまい、昼間はクロカギ等を連れて助けに出るが、夜は危ないため縄張りの外へは出られず、眠れない夜を過ごすこととなる。そのため、「肉食動物でも食べられる草や実」を探し続けている。
優しい心と強い正義感の持ち主で草食動物はもちろん肉食動物をも救おうとする人格者である。
星型の笛をぶら下げており、草食動物に合図をしたり、嫌な音を出して敵の動きを止めたりする。
人間の子供であるために身体は弱く、自分で食べ物を採る力もない。しかし落ちていた果実の種から「ハタケ」を考案。その後も「チーズ」「酒」「ハシ」「祭り」等といった新しいものを作り出している。さらに、ゴリラたちがギラーのキメラ達に襲われたときに「周りの動物全ての意識をつなげて操る」能力に目覚める。だがこの能力は動物全ての目からの情報を把握するばかりでなく、動物たちの痛みも彼一人に伝わるため、脳にも体にも大きな負担を強いる。
Word.27(別マガ連載時はタイトルが「タロウザ」だったが、コミックス8巻では「反逆者」となっている)以降の青年編では、家族を喰われた多くの動物達を仲間に加え、自らの能力に磨きをかけ、ふるさとの村の動物達を率いてバベルの塔へ向かう。
カプリ / カプリ・ルーチェ
本作の少年編以降の主要登場キャラクターの一人。ライオンに育てられたメスのヒト。タロウザと同じ能力を持つ。放浪ライオンに襲われたところをタロウザに救われて(正確にはチーズのおいしさに感動を覚えて)以降、タロウザの村に来ることが多くあった。リエムがタロウザの村に来たときは激しく嫉妬丸出しだったが、彼女なりに悲しみに沈むリエムを励ましたりもした。青年編ではライオンの群れに愛着を持つがゆえにギラーと一時的に手を組み、タロウザ達と敵対する(正確にはタロウザの言っていた「ライオンを救う方法」を己の目で確認するまでの間、一族の安全を確保するため)。しかしエナの一喝により吹っ切れ、ホンドメとの最後の約束を守るため、そして愛するタロウザを救うため、イサヅメ共々ロビンに挑む。
ジュウ / ジュウ・フリー
本作の少年編以降の主要登場キャラクターの一人。第3(登場順)のヒト。オリビアと共に世界を旅している。このどうぶつの国のルールをすべて受け入れ、喰う、喰われるを存分に楽しんでいる。またそのことを美しいと捉えており、草食動物同士で仲良く暮らすタロウザやこの星にない合成獣を作り上げるギラーを醜い(この世界にウソを持ち込んでいる)とし、嫌っている。殺しや戦い、破壊を楽しむ欲望しか持たないように見えるが、自分で武器を作り出したり、恐れ知らずなゆえに敵の弱点を見極め、更に敵わぬと知るや撤退する冷静さも併せ持つ。
火を操ることができ、その力でタロウザの住む村をすべて燃やした。その時村にすむ複数の動物たちが、死を恐れず戦うジュウの姿を羨ましく思い、「あんたのようになりたい」とジュウについていった。しかし、ギラーの合成獣との戦いでジュウとオリビア以外のすべてが死んでしまった。
青年編では旅の途中で立ち寄った施設で入手した失われた文明の兵器を携え、バベルの塔に乗り込みギラーに挑む。
ギラー / ギラー・ギラー・ギラー
本作の少年編以降の主要登場キャラクターの一人。第4のヒト。言葉という能力を極限まで使い、無意味な争いを仕組んだりした。この星についていろいろ知っている模様で、バベルの塔の中でキメラを次々と作り出している。不意打ちを食らい負傷してもうろたえないことから、冷静というより感情が欠落しているように思えるが、それゆえに冷静な判断力を失わないともいえる。
大勢のキメラ(合成獣)を牽引し、大人のゴリラを全滅させた。更に青年編ではキメラを各地に送り込んで世界制覇を目論む。「キメラに永遠の命を与える」という目的のもと、情報を引き出すためにリエムを誘拐し、キメラたちを束ねる現「マスター」としてタロウザたちの前に立ちはだかる。
リエム / リエム・ヴィーヴル
本作の少年編以降の主要登場キャラクターの一人。第5のヒト。かつてはジーン・グレイルでゴリラに囲まれながら暮らしていた。幼いころに食われる草食動物の悲鳴を聞いて心に深い傷を負い、クオウのかつての家で様々な本とノートを読み、様々なことを諦めながらもゴリラ達と共に生きてきた。しかしギラー達によって大人のゴリラが全て殺されてしまい、タロウザの村に移住することになった。ゴリラ達の死に打ちひしがれていたが、タロウザが開催した運動会や、カプリの励ましで笑顔を取り戻す。
後にクオウの残した本やノートについて、タロウザとカプリに様々な話をする。それは彼らとどうぶつの国に大きく関係することであった。
青年編では、かつてギラーに渡してしまった「キメラ研究が記されたクオウのノート」を自分なりに少しずつ思い出して新しいノートに書き記していき、今度こそタロウザに助力する決意を固め、タロウザたちに同行してバベルの塔へ向かう。この時の彼女は強い意志を匂わせる知的な美女に成長を遂げていた。
クオウ / クオウ・タカミネ
タロウザ達の住む村
色んな種類の草食動物が仲良く暮らしている。最初はタヌキの村だったが、少年編ではタロウザが造った「ハタケ」がきっかけで「食べ物を増やしてほしい」と大勢の草食動物がタヌキの村に住み着き、前述のような状態となった。皆はタロウザを信頼しており、ジュウによって村を燃やされても大半が残った。タヌキ達、クロカギ、ジーク以外の動物は少年編から登場する。
タヌキ
モノコ
ピーマン
山猫
オオカミ
ウマ
ウマゴン
サル
青年編での新たな仲間たち
キリトビ
ドウゲン
中華民族の様な衣装を着たトラ。クロカギのように「自分の爪と牙に疑問をもつ動物」として登場する。かつては全てを倒して喰らい、ひたすらに力を求め続けた荒くれ者。しかし、それゆえに家族や仲間たちにも愛想をつかされ、孤独で空しい日々を過ごしていた。ある時、ほんの気まぐれで面倒を見始めた一匹の鹿が、別のトラによって殺されてしまう。激昂したドウゲンは即座にそのトラを打ち倒すが、それが自分の息子であったことに気づき、絶望する。以後、「自分は何のために生きているのか?」その答えを見出せず苦しみ、なかば自暴自棄になり一切の食を断った。タロウザと出会ったときは餓死寸前だったが、その思想に共感したことで、世界を変えるために再びその爪と牙をふるうことになった。
バベルの塔での戦いでは、長らく封じてきた獰猛なトラの本性を解放し、バベル3の一体、ベルヘルムと対決する。壮絶な戦いの末に腕を失い、腹を斬られて瀕死の重傷を負いながらも、ベルヘルムに致命傷を与えて力尽きた。
小さな孫がおり、最終話では成長した姿が描かれていた。
キャサリン
愛するわが子をワニに食われたことで、子を助けようとしなかった仲間たちに逆襲した結果、群れを追われてしまったお母さんカバ。弱肉強食の厳しい世界で、子を持つ喜び、仲間と共に生きる喜びを忘れ、一匹ぼっちでさまよっていたところ、タロウザに出会う。群れの中で喧嘩をしてしまったこともあったが、それでも改めて「仲間がいてくれること」の喜びを実感し、生への活力を取り戻していった。巨大な牙と顎で相手に噛みつく、パワーとウェイトを生かしての突進など、カバらしい肉弾戦で相手を圧倒する。
タロウザがモノコを失った挙句、遠くで動物が食べられる悲鳴を聞くたびに心を苦しませ、それを我慢して一人で背負っている事に気付いていた。その為、自分の苦しみを背負わせたくないという思いから、最後までタロウザと意識を繋ぐ事を拒否していた。
バベルの塔での戦いでは、ガジアーラとの戦闘で致命傷を負いながらも、他の動物達を庇って無数の武器による攻撃を全身で受け止め、亡くなった。
ザラス
エルダダ
カプリとライオンの群れ
ギルダ
ホンドメ
イサヅメ
リエムとゴリラの群れ
ゴリオン
アルグ
その他
エナ
少年編から登場するハイエナの女王。クロカギとも互角に戦う戦闘力を持つ。幼少期に自分と遊んでくれたヌーが群れのオスによって致命傷を負わされ、ハイエナの最初の試練として自らの手でとどめをさし、食い殺すという経験をしている。血塗られた世界に絶望し、荒んでいたが自分を諭してくれたオスの影響から、「戦って自分の認めた者だけを殺して喰い、その者と共に生きる」という掟を持ち、誇りある戦いを心がけようとする。敵だと勘違いしてタロウザ達に襲いかかり、それに気づくも後には引けない状態になるが、それを見抜いたタロウザの呼びかけにより戦闘を中断する。ギラーの策略によりハイエナに子供たちを殺されたと騙されたウマの群れと戦うことになるも、自分に襲いかかったウマの子供に自分と同じ経験をさせたくないという思いからタロウザと同じく「言葉」を発することができるようになった。彼女の説得により戦いを収めることができ、その後はタロウザ一行と別れた。
アキシス
ココノ
青年編から登場。青年編の主要登場キャラクターの一人。クオウによって複製された彼自身の脳を移植されたクラゲ。しかし、命と意思はココノのものである。外見はクオウの少年時代の友人である「アム」という褐色肌の少年の姿に似せて造られた。自分に様々なことを教えてくれたクオウを慕っていた。本名は「ココノツノオウ・タカミネ」で、クオウの幼名と同じ。当初はクオウから「アム」と呼ばれていたがそれを嫌がり、自身が尊敬している彼の名前が欲しいと言ったためにこの名前をもらった。タロウザの下に突然現れ、スカイのもとに案内した。二人の話を聞いてタロウザこそが鳴き声を統一する計画に必要だと確信し、致命傷を負ったタロウザを救うため、クラゲである自身の体を自在に変形させる能力とクラゲ毒を用いて、彼の応急処置を行った。
キメラ
ルーク
サラダうどん
ガジアーラ
バール・ミラン・ビッグ
バベル3
バベルの塔を守る3体の特別なキメラ。他のキメラとは段違いの性能を誇る。
クローバー
ベルヘルム
用語
どうぶつの国
なお、劇中に登場する動物達は、道具を使う、衣服を身に着ける、二足歩行をするなど、人間的にデフォルメされているものや、現実のよりも大型に描かれていたりするもの等が存在している。
バベルの塔
なお、ここにはクオウの残した「ある装置」が存在している。
キメラ(合成獣)
しかし、上記の食べ物がないと体が朽ち果てるため、バベルの塔から遠く離れられない。
青年編ではバルザム(複合巨大型)や、飛行型のポルド、更には人間の容姿・ファッション・言葉、そして生活と営みをかたどった、「ヒト型」のものまで登場する。
永遠の実
まさにタロウザが探し続けた作物であったが、エクトールはある事実もタロウザに語る。青年編ではタロウザが鳥たちに種を各地にまくよう頼み、星の各地に自生するようになった。
ゼリダ病
後にバベルの塔で驚愕の事実が判明する。
種族
ヒト
タヌキ
山猫
狼
ライオン
単行本
表紙の絵は3~7巻は一人のヒトのキャラクターを中央に描いて回りに色々なキャラクターを描いており、8~13巻は一人のキャラクターの上部分を描いている。